2016年発売
将軍家斉に迫る危機!"猫"と呼ばれる女隠密・姫子が駆ける! 大身旗本のひとり娘にして柳生新陰流を極めた姫子は、その腕を老中首座・松平定信に見込まれ、お庭番を束ねる陰の役目に就いている。 老中松平和泉守の娘・久世姫が、悪行の限りを尽くす天下御免の大悪党・羅刹女らに攫われる事件が起こり、一味を追う姫子。 だがこの凶賊を、”揚羽の子”との異名を持つ若き女殺し屋も追っていた。 姫子と揚羽の子。生い立ちは全く異なるが、年が近く、どこか似た雰囲気をもつふたりは偶然に出会い、その運命が交錯してゆくーー。 一方、将軍家斉にも魔の手が迫り、姫子たちお庭番は江戸中を暗躍する!
石高はわずか五千石だが家格は十万石。清和源氏の流れを汲む名家で参勤交代も免除の特別扱いだが、所領は狭く財政は厳しいー。そんな喜連川藩の中間管理職・天野一角は突然、一月で川普請と橋の建造をせよと命じられる。藩主に指示された家老が、丸投げしたのだ。金も人手も足りず奔走する一角。だが領内に現れた賊の探索にも駆り出される。果たして一角は次々に降りかかる難題を解決できるか?大好評シリーズ第2弾!
雪越大学 オカルト研究会に所属する、超草食系大学生の森司。 しかし、奇跡は起きた。 なんと、こよみちゃんと、菜の花の有名な福島潟で初デートすることになったのだ! その日に向け、森司は着る服(と自らの体型)に頭を悩ませる。 オカルト研究会のメンバーも、二人のデートに興味津々だ。 けれど依頼人は容赦なくやってくる。 連続殺人事件現場の横に立つ豪華な洋館に現れた、女の足だけの霊。 森司がかつて経験した、先輩の同時二重体(バイロケーション)の謎。 そしてデート当日にまで、恐怖は忍び寄ってきて!? 甘甘なのに身の毛もよだつ、青春オカルトミステリ第10弾! 目次 第一話 目かくし鬼 第二話 よけいもの、ひとつ 第三話 いちめんの菜の花
犬の最期を看取る「老犬ホーム」で働くことになった智美。初日から捨て犬を飼うことになってしまったり、脱走事件があったりと、トラブル続きの毎日だ。若い犬を預ける飼い主を批判してオーナーに怒られたり、最期を看取らない飼い主や、子供に死を見せたくないと老犬を預けた親に憤り…。ホームでの出来事を通じ、智美は、苦手だった人付き合いや疎遠な家族との関係を改めて考え直し始める。世知辛い世の中に光を灯す、心温まる物語。
〈目次〉 ・動画投稿サイトで注目を集める天才は、絶対に撮影不可能な、驚異の映像を生み出した。果たしてどのような手段で撮られたものなのか。超難関の挑戦を受けた、遊佐渉の答えは?・・・・・・【モザイクとフェリスウィール】 ・少女はなぜ4階のこの教室から飛び降りなければならなかったのか? 状況は手首を切って自ら飛び降りたことを示している。しかし、真由は即座に疑念を呈すーー自殺とは思えない。・・・・・【冬空トランス】 ・完全に閉じ込められた。だが状況は単純だ。縦5m、横4m、高さ3.5mの空間から脱出すればいい。タイムリミットは一晩。追い込まれた真由、決死のリアル脱出ゲームが始まる。・・・・・・【夏風邪とキス以上のこと】 ・あの衝撃の消失事件の主役・網川緑の目撃情報が!? 文庫書き下ろしの『消失グラデーション』真の解決編・・・・・・【わがままなボーナストラック】
男子高生の刺死体が、青山の路上で発見された。被害者は近隣の名門校に通う17歳、原田聡吾。美形で成績優秀、評判の優等生だったが、恋人の敷島亜子は、生前に彼が凶悪犯罪に関与していたとの情報を得る。同級生達の証言は食い違い、亜子は聡吾の親友から、警察捜査を妨害するよう指示された。彼は、聡吾は幼い頃に自分と交わした約束を守るため死なねばならなかったと言うのだが…。どんでん返しが冴え渡る、青春ミステリ。
偽名を使い、多数の人を殺めてきた腕利きの榎波は、暴力団員が起こした動物惨殺事件を見逃すことが出来なかった。激情に駆られながらも、冷徹に暴力団員を射殺した榎波だったが、その完璧さが彼の運命を大きく狂わせていく。榎波の手口が他の伝説の暗殺者・花井と酷似していたことから、花井を追うことになった“影の弁護士”・藤立。本来絡み合うはずのない2人が、再び出会うとき、未曾有の犯罪を巡る追跡劇がはじまる。
亭主の勇次が忽然と姿を消し、実家の口入れ屋「きまり屋」に出戻ったおふく。色気より食い気、働きもので気立てのよいおふくは助っ人女中として奉公先に出向き、揃いもそろって偏屈な雇い主たちに憤慨したり同情したり。一筋縄ではいかない人生模様を目の当たりにするうち、自分も前を見て歩いていこうと心を決めるーー。市井人情小説の名手が渾身の筆で描ききった江戸のお仕事小説。単行本未収録の短篇「秋の朝顔」併録。
ある山間の寒村に伝わる風習。この村では、死者からくりぬいた顔を地蔵にはめ込んで弔う。くりぬかれた穴には白米を盛り、親族で食べわけるという。この事から、顔を抜かれた死者は【どんぶりさん】と呼ばれた──。 スマホにメッセージが届けば、もう逃れられない。【どんぶりさん】があなたの顔をくりぬきにやってくる。脳髄をかき回されるような恐怖を覚える、ノンストップホラー。第23回日本ホラー小説大賞【読者賞】受賞作!
バーチャワールドという新感覚のゲームに挑む賢治や敏晃ら高校生5人組。決められたルールに従い病院脱出を目指す賢治たちだったが、ある女性患者の自殺を目撃したことから事態は急変する。謎の少年アキラが現れ、ゲームは予測不可能な方向に進んでいく。ひとり、またひとりとリタイアしていく仲間たち。何故アキラは5人の前に現れたのかーゲームをクリアした者にだけ明かされる哀しき“運命”とは!?
信玄亡き後、戦国最強の武田軍を背負った勝頼。信長、秀吉ら率いる敵軍だけでなく家中にも敵を抱えた勝頼は……。かつてない臨場感と震えるほどの興奮! 熱き人間ドラマと壮絶な合戦を描ききった歴史長編!
わたしの名前はヒメ。家族はわたしを「犬」って言う。 でも「犬」って何? 飼い主一家に愛されず、孤独をかみしめるスピッツ犬のヒメ。 流星群の夜、不思議な石を舐めて驚くほどの知能と人の言葉を得た彼女は、 一家の末っ子、雅史を支配下に置いて……。 飼い犬たちの暴走、町に響く遠吠え、巨大な犬の影、 そして続発する猟奇殺人。 史上最高にキュートでおぞましい「犬のカリスマ」ヒメ登場。 彼女が命を懸けて欲したものとは。 蟹と人との「泣けるホラー」が話題となった著者が、同じ世界感で描く、 犬と人との「泣けるホラー」。 犬を飼ったことのある貴方、そしていつか犬を飼うかもしれない貴方に読んで欲しい一冊。 目次 はじまりは、遠吠え されど犬の日々 犬たちの災厄 今日はいぬの日 さよならの、遠吠え 解説 瀧井朝世
僕らは誰も彼女のことを忘れられなかった。 私たち六人は、京都で学生時代を過ごした仲間だった。十年前、鞍馬の火祭りを訪れた私たちの前から、長谷川さんは突然姿を消した。十年ぶりに鞍馬に集まったのは、おそらく皆、もう一度彼女に会いたかったからだ。夜が更けるなか、それぞれが旅先で出会った不思議な体験を語り出す。私たちは全員、岸田道生という画家が描いた「夜行」という絵と出会っていた。 旅の夜の怪談に、青春小説、ファンタジーの要素を織り込んだ最高傑作! 「夜はどこにでも通じているの。世界はつねに夜なのよ」 【編集担当からのおすすめ情報】 春風の花を散らすと見る夢は さめても胸の騒ぐなりけり ーー西行法師
1974年10月14日ー「日本の夢が終わった日」。長嶋茂雄引退試合と、三井物産爆破事件が同時に起きたその日、過激派の次代の「エース」・下山英二が突然、失踪した。下山を追う刑事、下山が愛し続ける女、下山と決別した弟。もう二度と会うはずのなかった男女が、42年ぶりに再会した時、最後に見たものは、絶望か?希望か?あの日、あなたは何をしていましたか?一気読み必至の書き下ろしエンタテインメント。
元大和梨川藩の磯貝徳右衛門は侍を捨て、料理人時吉となった。女房おちよと旅籠付き小料理のどか屋を開き人気を博している。そんなのどか屋に素人落語家で元乾物屋主の元松が宿をとった。夜ふけて元松は起きだし、思い詰めた顔で大川に向かった。これに気づいた、のどか屋の一人息子千吉は後を追う。不自由な左足で必死に走る。噺家のおじちゃんが死んじゃう。
長崎奉行を勤め上げて江戸に戻ってきた柘植長門守正寔は、作事奉行の任についていたが、ある日、謎の人物から屋敷に誘われる。疑心暗鬼で誘いに乗ると、そこには幕閣の若き俊英がいたー。「松平定信じゃ、見知りおけ」。そして、正寔が伊賀の血を引くことから、定信にある人物の守りを頼まれるのだが、時の幕閣の思惑が絡み、命を狙われることになり…。
飛脚屋に居候し、十返舎一九の弟子を名乗る男、実は奥祐筆組頭・烏丸菊次郎の世を忍ぶ仮の姿だった。菊次郎は同役の建部内蔵助とともに、飛脚屋の手下らと闇の悪を暴くために立ち上がったのだ。内蔵助のもとに、陸奥中村藩の留守居役から、戦国の「淀殿の密書」が盗まれて、表沙汰になると御家断絶は必定との相談が持ち込まれ…。菊次郎と“地獄耳”の仲間たちが悪を討つ。
只野芳郎は、55歳で退職することにした。会社による中間管理職の早期退職者募集に手を挙げたのだ。実はこの制度、「お気に入りの女子社員5名を各々一晩だけ好きにしていい」という夢のような特典がついていた!真っ先に、自分をバカにし続けてきた営業部一の切れ者女性課長・冴子を指名した芳郎だったがー。書下し官能エンターテインメント!
国民的子役としてお茶の間のアイドルとして一世を風靡した「伊藤あい」も、月日が経ち、今は三十路の人妻となっていた。多額の借金を抱える夫が考え出したのは、妻を「貸し出す」ことで借金の返済に当てようというものだった。昔の熱狂的なファン、共演もしたかつての子役、子役時代のライバル…らが元「伊藤あい」の体を弄んでいくー。
剣道に打ち込む少年天条キズナは、ある日師範である祖父から、先祖代々受け継がれてきたという剣を模ったアクセサリーを受け取る。その数日後、脳内に自分の名を呼ぶ声が聞こえるー。声につられて行き、道場裏手の大樹に触れた瞬間、アクセサリーが震え出しキズナの視界はホワイトアウト。気づくとそこは見知らぬ異世界の大地で、現代には存在しないはずの『魔物』にいきなり襲撃されてしまう。「どうしてその剣を使わないの?」そんな右も左も分からないキズナを助けたのはエヴァという謎の少女でー!?『アルカディア=ガーデン』へと繋がる“大地と精霊の物語”が始動!!