2016年発売
瀬戸内海に面した椅子作りがさかんな町、宝松市鈴香瀬町。高校生の海野杏は、毎朝海辺で小説を書きながら、椅子職人を目指す同級生・五十鈴彗斗と少しだけ話すことを日課としていた。そんなある日の朝、彗斗から「高校をやめて町を出る」と告げられる。特別仲がよかったわけではないが、傍にいて当然の存在がいなくなることに焦りを覚える杏。時を同じくして、杏は親友の翠からラヴレターの代筆を頼まれる。必死に頼む姿にほだされ、明るくてかわいい翠を思い浮かべながら、一文一文を丁寧に綴っていく。そのラヴレターから、小さな町を揺るがす失踪事件が始まるとも知らずに。“黒猫シリーズ”の著者が描く、新たな青春ミステリ。
豚の頭をかぶる男、病気の患者を演じる女……。英国SF界のトップランナー、チャイナ・ミエヴィルが、人間のもつシュールで残酷な面を鋭く描き出し心に爪痕をのこす28の物語を収録した短篇集。
父親に殺意をもって首を吊し上げられた三十歳の息子は、親に寄生する中年パラサイトだった。彼は、精神刺激薬リタリンを服用していた。処方箋があれば入手可能な、この薬の出どころを追うと…。老人が次々死亡する病院、住宅の隠し金庫で金塊とともに保管されていたリタリンー。犯人像作成のプロ・麗子と美人検屍官・清香。二人は深い闇へと導かれていく。
少年院入所時の知能検査でIQ161以上を記録した町田博史。戸籍すら持たぬ数奇な境遇の中、他人を顧みず、己の頭脳だけを頼りに生きてきた。そして、収容された少年たちと決行した脱走事件の結末は、予想だにしなかった日々を彼にもたらすこととなるーー。一方、闇社会に潜み、自らの手を汚さずに犯罪を重ねる男・室井は、不穏な思惑の下、町田を執拗に追い求めていた。
身許引受人の町工場で働きながら、大学に通いはじめた町田。知り合った学生たちの起業を手伝うことにもなり、他人と過ごす時間が彼の心を少しずつ解きほぐしていく。だが、忌まわしい過去は、彼を易々と手離しはしなかった。ふたたび町田に接近する室井の真意とは……!? 吉川英治文学新人賞作家が描く、エンタテインメントの醍醐味を存分に詰め込んだ圧倒的傑作!
寒い冬の夜。商店街の一角に気になる店が。覗いてみると、温かな雰囲気に心が躍る。ああ、入ってみたい、そんなとき。もし、店の隅にピンクのぶたのぬいぐるみが転がっていたら、それは「味に間違いない店」の目印かも。見た目はぬいぐるみ、中身は心優しい中年男性。山崎ぶたぶたが、いろんなタイプの飲み屋さんで、美味しい料理とともにあなたを待っています。
網膜剥離でボクサーを引退した椎名啓輔。八百長試合で治療費を稼いでまで救おうとした妹にも先立たれ、元東洋チャンピオンは裏仕事で食いつなぐ「便利屋探偵」になった。恩人の頼みで、銀行支店長が持ち逃げした四億七千万円の行方を追う椎名。しかし関係者は次々に殺されていく。黒幕はいったい誰なのか。孤独な闘いの果てに、驚愕の真相が明らかになる!
今宵も語るは四方山話と未解決事件。バー・森へ抜ける道に訪れる常連の山内と工藤、節操なく最近はビールに凝り始めたマスターの島。三人の頭文字をとって、彼らは通称ヤクドシトリオ。アルバイトの阪東いるかがのめり込むオペラの演目に見立てて、もう一人の馴染みの顔、美しき才媛・東子が華麗に事件の謎を解く。読めば病みつきになるバー・ミステリシリーズ第五弾!
遠山金四郎とシーボルトが源義経生存伝説に挑む!(「蒙古帝の碑」)琉球王国との交渉に訪琉したペリーが「琉米修好条約」の裏側を解き明かす!(表題作)東郷平八郎が、上田秋成が、曲亭馬琴が歴史の間隙に踏み込み、偽史・稗史の成り立ちを覗き見る。その先に、「伝説」に込められた民衆の願望と権力者が創った「正史」の思惑が浮かび上がる、歴史ミステリーの意欲的傑作!
縁切り寺「慶光寺」御用宿「橘屋」に、小料理屋「鶴亀屋」の仲居お勝が駆け込んで来た。亭主の段七は牡丹作りの名人なのだが、売れた牡丹の苗木のお金をどこかに持って行ってしまっているのだという。橘屋の用心棒・塙十四郎はその亭主のことを調べ出すのだがー。(「雨上がり」)さまざまな人の心をしっとりと描いた作品が、ぎゅっと詰まった大好評のシリーズ第八弾!
小町娘と評判の舞は『東海道中膝栗毛』の作者・十返舎一九の娘。酒びたりで奇行ばかりの父、押しかけ弟子の今井尚武、葛飾北斎の娘・お栄など、いつも奇人変人たちが巻き起こす騒動の後始末ばかり。恋を邪魔され縁談は壊され、二十歳になった舞は焦り気味。だが、居候の今井尚武ともいい感じになってきて…。ユーモアと人情たっぷりに描く時代連作集、第二弾!
将軍の毒味役「鬼役」を務める矢背蔵人介。裏御用を指示する橘右近から呼ばれて、奥高家と大名との衝突の仲裁に入ったことから運命の糸は動き始めた。蔵人介を狙う正体不明の刺客の口からは「京がおまんの墓場」という言葉が漏れる。京へ入った蔵人介の前に待っていたのは、かつてない強大な敵と、自らの衝撃の過去だった。人気シリーズ二十作記念の大傑作長編。
「売られた喧嘩は買う。わしの流儀や」建設コンサルタントの二宮は、議員秘書からヤクザ絡みの依頼を請け負った。大阪府議会議員補欠選挙での票集めをめぐって麒林会と揉め、事務所に火炎瓶が投げ込まれたという。麒林会の背後に百人あまりの構成員を抱える組の存在が発覚し、仕事を持ち込む相手を見つけられない二宮はやむを得ず、組を破門されている桑原に協力を頼むことに。選挙戦の暗部に金の匂いを嗅ぎつけた桑原は大立ち回りを演じるが、組の後ろ盾を失った代償は大きくー。腐りきった議員秘書と極道が貪り食う巨大利権を狙い、代紋のない丸腰の桑原と二宮の「疫病神」コンビ再び。
ゲーム『幻想学園』の世界に転生した俺、クルリ・ヘラン。没落予定の未来はさておいて夏休みを満喫し、学園に戻った俺達を迎えたのは驚愕の知らせだった。クロッシが退学!?しかも実は女の子で隣国の姫だったって、何だそりゃ!?!?とにかく会って話をしようと彼女を訪ねた俺とヴァイン、何故か同行してきたレイルだったが、彼女の国が内乱再発の危機にあることを知り、なりゆきで力を貸すことに!そんな中、ヴァインとクロッシの関係がギクシャクしてー。
迷宮都市へ向け、浮遊船で海路の旅を楽しんでいたサトゥー達。だがその途上で骸骨王率いる幽霊船団の襲撃を受ける! 難なく撃退した一行だったが、その後サトゥーは不思議な“鍵”を持つ記憶喪失の少女を拾いーー。
不良配達員ヒビキが、チートアイテムを配達する通販会社『OZ』で働く目的。それは、眠り続ける妹の病を癒やす「薬」を入手するためだったのだ。しかし、「薬」を目前としたヒビキに、次々とトラブルが襲いかかる!幼女サンタとの配達バトルに、『OZ』の社内対抗軽トラレース、さらには災害獣との闘いまでー!?これは、やる気のないヒビキと、やる気がありすぎる後輩コハネの、ドタバタ配達記録である…。