2016年発売
幕府の切支丹弾圧の首魁である天海が江戸から消えた。天草四郎から力を授かった聖騎士であり、江戸の長屋で庭師として暮らす寅太郎は、天海を追い、安芸広島藩へと旅立った。そこで、古からの海の力を伝える少女と出会い、天下の名庭・縮景園では新たな平和な世を思い描く。だがその前に“三種の神器”を飲み込んだ天海が立ちはだかる!大河伝奇、最高潮へ。
戦国時代。下剋上の世にあって、大内・尼子の強国間で知略謀略を尽くして大大名となった毛利元就(「調略」)。伸長してくる後輩秀吉に、複雑な心境に陥る丹羽長秀(「腹中の敵」)。家康に重用された父のあとを継ぎ、幕府で権勢をふるった本多正純(「戦国権謀」)など、乱世を生きた様々な武将を描いた珠玉の10編。待望の新シリーズ刊行開始。
北の街にすむ学術論文執筆代行業者「代書屋」ミクラは、ひそかに想いを寄せる若い助教の研究室を訪ねる。しかし彼女は消えていた。すわ失踪、と思うもじつは、研究の詰めの調査のために南の巡礼の島・辺路島に向かったらしい。はかなげでほうっておけない、だから愛しい助教。彼女の研究はしあわせの正体を心理学的に解明すること。手がかりは助教の残した意味不明の走り書きのみ。ミクラは愛車・彗星号を質入れした旅費で辺路島へ向かった。島では優勝者がしあわせになれるという春祭り、別名・すごろく祭りがはじまる。果たしてミクラにできるのか、全島を舞台とした巨大すごろくに、人間駒となって参加して、助教を探しだすことがーしあわせになることが。
大学を卒業し、所長と同期社員ひとりだけの小さな私立探偵事務所に就職した松代。ある夜見た夢の中で、彼は城の前に立っていた。城内には、“夢の中の探偵事務所”所長を名乗るレミニセンスという若い女性がおり、「これが真相です」と赤い鳥を出現させ、「彼女が嘘をついているのです」と謎めいた言葉を口にする。翌日、事務所の依頼人の女性が、「今朝、職場の前にあるアパートで火事が起きた」と話す。一年間で四回、同じ部屋から出火しているというのだが、松代がアパート前で聞き込みをすると、火事のことは誰も知らないという。「嘘をついている」のは彼女なのか?
大阪ミナミの雑居ビルにある、「ビンテージ&アンティークショップ アシュリ」。アメリカのミッドセンチュリー家具を中心とした西洋古家具店だ。ふと訪れた女子大生の季子は、店頭にあった猫のブックエンドを誤って壊してしまったのをきっかけに、アルバイトをすることになった。時を経た家具に囲まれた店は落ちつくけれど、店長も来客もなんだか謎めいていてー使い込まれた家具が呼び込む、奇蹟によく似た物語。
1970年ー新宿。ナポレオンヘアのフーテン族、深夜営業のジャズ喫茶、東口のグリーンハウス…。強烈なカルチャーとの出会いが、大学生の僕の価値観を変えた!アラウンド’70の新宿を憶う昔懐かしい7つの青春小説。
鉄塔オタクの僕は、中学三年生の夏休みをダラダラ過ごしていた。でも登校日に同級生の破天荒な女子、帆月蒼唯から「公園の横にある鉄塔って何か特別だったりする?」と尋ねられる。翌日気になった僕が公園に向かうと、幽霊が見える少年、比奈山優がいた。そこに帆月も現れる。三人で何のヘンテツもないその鉄塔、京北線94号鉄塔を見上げてみるとー。爽やかに描かれる、ひと夏の青春鉄塔小説!!
浅草寺裏手で商う仏壇仏具の浅深屋半兵衛は、じつは腕利きの淫具職人。武家の姫君から吉原の遊女、尼僧まで、あらゆる身分の女性がお得意様だ。そんな半兵衛に、大名の奥方から義妹の観月院を還俗させよとの密命が下る。その裏には、さる雄藩の醜聞が秘されていた。淫道の相方・美雪とともに半兵衛が奔る!
豪雪の町ボルトンに隠された複雑な歴史に、リーチャーと地元警察は翻弄される。大量の覚醒剤が密造された場所が特定できないまま、時間が過ぎる。メキシコから指令を送る密売組織の黒幕がボルトンへ向かい、リーチャーに無情のタイムリミットが迫る!シリーズ映画化で話題沸騰のアクション・サスペンス。
少年の旅は、甘くてほろ苦い。切なさの魔術師・乙一の快心ミステリ!大富豪の家を狙い財宝を盗み続ける大悪党ゴディバと、国民的ヒーローの名探偵ロイズ対決は世間注目の的。健気で一途な少年リンツが偶然手に入れた地図は事件解決の鍵か!? リンツは憧れの存在・ロイズと冒険の旅にでる。王道の探偵小説の痛快さと、乙一が仕掛ける意外性の面白さを兼ねる傑作、待望の文庫化! 少年の旅は、甘くてほろ苦い。 切なさの魔術師・乙一の快心ミステリ! 作家活動20周年、傑作ついに文庫化。 大富豪の家を狙い財宝を盗み続ける大悪党ゴディバと、国民的ヒーローの名探偵ロイズ対決は世間注目の的。健気で一途な少年リンツが偶然手に入れた地図は事件解決の鍵か!? リンツは憧れの存在・ロイズと冒険の旅にでる。王道の探偵小説の痛快さと、乙一が仕掛ける意外性の面白さを兼ねる傑作、待望の文庫化! この作品を書くすこし前にポーランドへ行く機会があった。アウシュヴィッツ収容所には立ち寄れなかったが、この国の地面で、それがおこなわれたのだとおもいながら石畳をあるいた。旅で感じたことを少年の冒険活劇に重ねようと決めた。作中で詳しく書いてないが、主人公の少年はユダヤ系の移民という設定だ。冒険活劇を書くのは、はじめてのことだった。自分にそんなものが書けるのかどうかもわからなかった。頭の中に想定した読者像は、小学生のころの自分だ。漢字のテストができなくて居残りして、脳に欠陥があるんじゃないかと思い詰めてうなだれている少年の僕にむけてこの本を書いた。-乙一 prologue 1章 2章 3章 4章 epilogue
11歳の時、想いを寄せる年上の少年に犯され、沙織は性愛にわだかまりを持つようになる。17年後、モデルとして成功し婚約者と帰郷をした沙織は、その男、恭司と予期せぬ形で再会、攫われ監禁される。男の不思議な心遣い、物々しい拘束、沙織への行為は続いてゆく。二人の奇妙な生活、そして異形の愛の行き着く先は?
「成人までに嫁がねば一族を追放する」--山に閉ざされた村にある名家・後鑑家の末娘に脅迫状が届いた。事件は、相談を受けた大東亜帝国大学探偵助手学部二年・月々の体を張った解決策で一件落着、と思われたが、ゼミ教官で女探偵の猫柳十一弦は、これから連続見立て殺人が起こると推理。猫柳は惨劇を防げるのか!? 第一条 常識人でなければならない──大団円── 第二条 探偵を過信してはならない──真相── 第三条 探偵を裏切ってはならない──連続殺人── 第四条 情報をすべて記録しなければならない──奇妙な住人たち── 第五条 事件関係者と深い関係になってはならない──魅力的な謎──
長い航海を終え、瀬戸内海に帰ってきた海賊・長曾我部元親は、何者かによって壊滅させられた故郷と、その場に残された徳川軍の旗を見て驚愕する。そして、盟友・家康に対する復讐を誓うのだが…!?人気沸騰のスタイリッシュ英雄(HERO)アクションゲーム・ノベルがついに文庫化!4ヵ月連続刊行第3弾!
たった2日間だけど内人と創也の中二最大の学校イベント、職場体験学習の時期が来た。創也は早々にコンビニ「シャドウ」学校前店を選び、内人は悩みながらも片思いの堀越美晴と同じ図書館を体験先に選ぶ。彼らを待っていたものは?同じ頃、町では奇妙な出来事が起こり始めていた。少年たちの冒険が動き始める。
霧の早朝、私と鮭川は声を持たない聡明な赤目姫と三人でボートに乗っていた。目指す屋敷で、チベットで、ナイアガラで。私たちの意識は混線し、視点は時空を行き来し、やがて自分が誰なのかもわからなくなっていくーー。これは幻想小説かSFか? 百年シリーズ最終作にして、森ファン熱狂の最高傑作! 第1章 廉潔の館へ 第2章 翠霞の宮殿へ 第3章 紫の朱を奪う 第4章 形而下の浸透とその法則性 第5章 疑念の振動とその不規則性 第6章 虚数のように軽やかに 第7章 天知る地知る 第8章 麗しき天倪 第9章 熟せずして青枯らび 第10章 紅塵を逃れるに迅 第11章 座して星原を見る 第12章 シルーノベラスコイヤ 第13章 フォーハンドレッドシーズンズ 解説:冬木糸一 著作リスト