2017年10月11日発売
謎の女「ジン」の捜索依頼を受けた私立探偵飛鳥井は43年前の消失事件の関係者を探るうちに現代日本の病巣と密接につながった忌まわしき犯罪の存在に気づく。
溝猫長屋で亡くなったお多恵が祀られた祠をお参りして以来、忠次ら四人は幽霊を「嗅いで」「聞いて」「見て」分かるように。銭の入った巾着袋を失くした銀太は、幽霊を見たせいにしようと空き家に忍び込むが、そこに本物の幽霊が…。またある日、留吉が路地を歩いていると、愛らしい女の子に手招きされた。その子の正体は?それらの出来事は、銀太に「芸がない」と言われた、お多恵と関わりが?銀太の心ない言葉が、お多恵の怒りを招く?
ローマ神話の名を持つ女達と“わたし”のおかしな物語。二十二の断章が織りなす魔術的な言葉の積み重なりが、深い陶酔感へと誘う散文の精華「変身のためのオピウム」。女子高生サヤは喫茶店ドジンで時を超えて旅をつづける英国人イザベラ・バードに出会う。見慣れた風景が反転し、少年少女が非日常へと飛翔する「球形時間」(ドゥマゴ賞)。強靭な知性と創造力で緻密に練り上げられた傑作二篇。
中国武侠小説の最大傑作。「中国四大奇書」の一つ。北宋末期の不正と汚職が支配する乱世を舞台に、暴力・知力・胆力を思う存分に発揮して、好漢百八人が、戦いを繰り広げながら、「梁山泊」へと集結。その後、招安されて、国家軍となり壊滅するまでの物語。窃盗、殺人、痛飲、奸計、忠義、友情……。人間の善と悪が渾然一体となって進行する物語世界を躍動感あふれる世界を、よみやすく、勢いのある文体で、新訳! いわずと知れた中国武侠小説の最大傑作。明代に成立した「中国四大奇書」の一つでもあります。 北宋末期の不正と汚職が支配する乱世を舞台に、暴力・知力・胆力を思う存分に発揮して、好漢百八人が、そこら中で戦いを繰り広げながら、「梁山泊」へと終結します。その破天荒な侠客たちの痛快な立ち回りのスケールの大きさは、さすが中国小説ならではです。 窃盗、殺人、痛飲、奸計、忠義、友情……。人間の善と悪が渾然一体となって進行する物語世界には、引き込まれずにはいられません。 この魅力満載の世界を躍動感あふれる世界を、よみやすく、勢いのある文体で、新訳しました。「水滸伝」の完訳書はいくつかありますが、この翻訳が最新・最高です。本書原本はもっとも原形に近く、均整の取れた百回本。 なお、この二巻では、「第二十三回」から「第四十二回」までを収録しております。 全5巻。 第二十三回 横海郡に柴進は賓を留め 景陽岡に武松は虎を打つ 第二十四回 王婆 賄を貪りて風情を説き 〓(うん)哥 不忿して茶肆を鬧がす 第二十五回 王婆 計もて西門慶を啜かし 淫婦 薬もて武大郎を鴆す 第二十六回 〓(うん)哥 大いに授 官庁を鬧がせ 武松 闘いて西門慶を殺す 第二十七回 母夜叉 孟州道にて人肉を売り 武都頭 十字坡にて張青に遇う 第二十八回 武松 威もて安平寨を鎮め 施恩 義もて快活林を奪う 第二十九回 施恩 重ねて孟州道に覇をとなえ 武松 酔って〓(しょう)門神を打つ 第三十回 施恩 三たび死囚の牢に入り 武松 大いに飛雲浦を鬧がす 第三十一回 張都監 血は鴛鴦楼に濺ぎ 武行者 夜に蜈蚣嶺に走る 第三十二回 武行者 酔って孔(亮(を打ち 錦毛虎 義もて宋江を釈す 第三十三回 宋江 夜に小鰲山を看 花栄 大いに清風寨を鬧がす 第三十四回 鎮三山 大いに青州道を鬧がせ 霹靂火 夜に瓦礫場を走る 第三十五回 石将軍 村の店に書を寄け 小李広 梁山に雁を射る 第三十六回 梁山泊にて 呉用は戴宗を挙げ 掲陽嶺にて 宋江は李俊に逢う 第三十七回 没遮〓(らん) 及時雨を追い〓(か)け 船火児 夜に潯陽江を鬧がす 第三十八回 及時雨 神行太保に会い 黒旋風 浪裏白跳と闘う 第三十九回 潯陽楼にて 宋江 反詩を吟じ 梁山泊に 戴宗 仮信を伝う 第四十回 梁山泊の好漢 法場を劫かし 白龍廟に 英雄は小しく義に聚まる 第四十一回 宋江 智もて無為軍を取り 張順 活きながらにして黄文炳を捉う 第四十二回 還道村に三巻の天書を受け 宋公明 九天玄女に遇う
メグ、ジョー、ベス、エイミー。感性豊かで個性的な四姉妹と、南北戦争に従軍する父親に代わり、家を守る堅実な母親との1年間の物語。隣家のローレンス氏や少年ローリーらとの交流を通し、少女たちは大人に近づいていく。ティーンエイジャーの日常を生き生きと描く、不朽の名作!
かつての上役・菅野の屋敷で、岡っ引きの源次は誰もいない場所に黒々と伸びる影を見る。まるで針仕事をしているような女の影。菅野はそこに、半年前に亡くなった妻の久がいるというのだがー。(表題作)あやかしたちが引き起こす不思議とそこに浮かび上がる人々の想い。幽霊が見えるるいと「ぬりかべ」の父親らの活躍を描く、ほっこり切ない人気シリーズ第三弾!
鎌倉の旅から帰った幹次郎らは、玉藻と正三郎の祝言を数日後に控え、忙しい日常に戻る。麻のための離れ家も着々と完成に近づき、祝いの空気が流れる秋。しかし幹次郎は、吉原が公儀から得た唯一無二の御免状「吉原五箇条遺文」が狙われていると直感していた。襲撃される幹次郎と汀女。張り巡らされる謀略と罠。新吉原遊廓の存続を懸けた戦いが、再び幕を明ける!
家庭には無縁と思い込んでいた小説家の愛葉條司の考えは、娘・愛の誕生で一変する。妻の志帆と共に成長を愛しく見守る日々の中、己を必要とする存在があることを知ったのだ。だが、愛が間もなく三歳になるころ、異変は突如降りかかる。その引き金は志帆の抱える深い闇だった…。親と子、妻と夫、男と女。流れていく生の中で逃れえぬ関係を鮮烈に描く衝撃の長編。
OA機器を扱う会社で働く西原早季。彼女には憧れの上司がいた。佐藤恭平ーイケメンで気さく、営業成績トップの社のスター的存在だ。妻を亡くし、幼い娘と暮らす彼の魅力にのめりこんでゆく早季。だが、彼の家には、もう一人の女性がいた。信じられぬほど若く美しい亡き妻の母・温子。いつしか女たちの中で殺意が膨れあがってゆく…。戦慄のサスペンス長編!
ここは友々家。国内外に総数百二十七店舗を展開する他人丼のチェーン店だ。ひと癖ある社長と創業者会長の元、左遷組、転職組、離婚した主婦、家出青年と、いろんな店長たちが奮闘中。不満は山ほど、疲れも溜まりトラブル多発。でも店長たちは今日も明日も、誰かのために店を開けています。さあ、いらっしゃい。超絶技巧のトロトロ卵で、きっと元気になれますから。
木下勇介に第二子が誕生したその日、勤務先の証券会社が業界大手に買収された。妻が退院するまでの間、長男の世話に追われる勇介に、過酷な必達ノルマが課せられる。残された猶予は一週間!成果至上主義の新任部長を相手に、勇介は証券マンとしてどれだけの力を発揮できるのか!?現役証券マンにして、二児の父である著者が描く、リアルお仕事小説!
伊勢屋の婿養子がまた死んだ!婿をとったお嬢さんは滅法器量よし、お店は番頭任せで昼間から二人きり。新婚は、夜することを昼間する、なんざ、それは短命だ…。ところがご隠居さん、次々に死んだお婿さんの死に方を聞くと、何やら考え始めてー。(「短命の理由」)古典落語の裏側に隠れている奇妙なミステリー、ご隠居さんの謎解きが始まる!
超人気漫画家・神野拓が指導する新人育成プロジェクトに、ワケありの三人が集まった!再デビューを目指すが伸び悩む滝川あさひ。会社を辞めて漫画家を志す林一樹。絵は下手だが発想力は人一倍の星塚未来。しかし、彼らが共同生活を送る一軒家には、編集者や家族らが入り乱れ、騒々しいことこの上なし。それでも切磋琢磨の日々を送る三人はデビューできるのか!?
定年退職を間近に控えた妙子は、十年前に消えた夫の行方を探すため東京にやってきた。慣れない土地でのひょんなトラブルから、谷中にある宿泊施設、近江寮にたどりつく。個性的な管理人や常連客の貧しい食生活を見かねた妙子は彼らの食事を作り始めるが、その料理はやがて人々を動かし、運命を変えていく。そして彼女自身もー。おいしくてせつない、感動長編。
明治・大正期の文豪を研究テーマにしている浜村幸平は、雑誌からの執筆依頼に、森鴎外が九州の小倉時代に雇っていた家政婦のことをテーマにする。現地取材をするうちに見えてきた謎。浜村の前に現れたのは壮大な歴史ミステリーに関わる「事件」だった。(表題作)銀行の外務係が書道を習い始めると、事件が起こる“日常ミステリー”作品「書道教授」も併せて収録。
『不思議の国のアリス』や『オズの魔法使い』を挙げるまでもなく“少女”が活躍する名作は数多い。成人女性にはない、少女特有の未熟さや危うさ、刹那的な美しさが魅力となり、作品をいっそう引き立てているのかもしれない。ミステリーにおいても少女は格好のテーマで、本書に収録した13の作品に登場する少女たちは、いずれも謎めいた妖しい煌めきを放っている!!
1997年暮れ、彗星のように現れたオリジナル・アンソロジー「異形コレクション」。独創的な企画と新しい書き手の発掘で、ホラー、SF、ミステリー、ファンタジー界に大きな衝撃を与え続け、2011年には、ついに48巻を数えた。今回、千編を優に超える全収録作の中から、涙を誘わずにはいられない詩情豊かな物語十編をセレクション。どうぞハンカチを用意してお読みください。
上絵師として、初めて着物を手がけることになった律。粋人として名を馳せる雪永が親しい女に贈るものだ。張り切って下描きを仕上げる律だが、なかなか良い返事がもらえない。そんな中、ある女から金を騙し取ったという男の似面絵を引き受けるのだがー。涼太との恋、仕事への矜持。心を揺らしながらもひたむきに生きる女職人の姿を描く、人気シリーズ第三弾。
「猫の蚤とりになって無様に暮らせ!」主君の逆鱗に触れた長岡藩士・小林寛之進は、猫の蚤とりー実は“淫売夫”に身を落とす。下賎な生業と考えていた寛之進だが、次第に世に有用な、むしろ崇高な仕事だと確信する。ところが政権が変わり、蚤とり稼業が禁止に。禁令の撤廃を願い出る寛之進だが…。(表題作)江戸の浮き世を懸命に生きた愛すべき人々の物語、全六編。