2017年10月25日発売
ついに妖魔の子・モルドレッドが誕生した。クモに変態する赤ん坊は、母の肉体を喰らい、父親殺しを宿命づけられていた。囚われのスザンナは、逃げようともがくうち、脳内にジェイクの気配を感じていた。まさにその瞬間、少年はキャラハン神父とオイと、異形の魔物たちの巣窟に突入しようとしていた…。離ればなれになった旅の仲間たちは、時空を超えて再会する。喜びも束の間、それは苛烈な闘いの前の安らぎにすぎなかった。
ローランド一行が出会った、予知能力やテレポーテーション能力を持つ異能者たち。彼らの力を借りて“暗黒の塔”を倒壊させようとする勢力を阻止する計画は、果たして成功するのか?徐々に明らかになるNYに咲く薔薇の秘密、不穏な数字19の呪縛ー。旅の仲間を次々に失い、ローランドは悲嘆も狂気も超越し、ただ虚ろだった。だが、彼は塔に向かう。ホラーの帝王が半生を賭して完成させた、魂を震わせるサーガ、堂々の完結!
警視庁高井戸警察署の警察官・新海真人は、唯一の家族といってもいい妹を事故で喪った。妹の死因には、現場に居合わせた大学生の友人たちに薬物を飲まされた疑いが持たれていた。だが、彼らが罪に問われることはなく、復讐心を疑われた真人は、その時から密かに監察にマークされるようになる。一方、監視対象の真人にただならぬ関心を寄せる、警視庁監察官の秋月雅子。そして、2人の運命を繋ぐ、悪夢のような事件の幕が開く。
身重のおよしが突然猫字屋に出戻ってきた。旦那の藤吉が店の金を持って失踪中だという。誰もが認めるおしどり夫婦にいったい何が?魚竹の跡継になった喜三次は藤吉の探索に一役買い、その一筋縄ではいかない胸の裡を聞きつけるー。消える命あれば、生まれる命あり。めぐる季節のなか、人を慈しみ、縁を大事に生きる尊さ。いつの世も変わらぬ人の情を哀歓あふれる筆で描きだす、著者畢生の大シリーズ、感動の最終巻!
動物園内の森林エリアで、息子のリンカーンを遊ばせていたジョーン。閉園時刻が迫り、2人で出入口へ足を運んでいたとき、破裂音を耳にする。辺りを見回すと、池の周囲に数体の死体が転がっていた。その先には、銃を持った男の姿。恐怖に駆られた彼女は、慌てて園内に身を隠すが、さらに窮地に追い込まれることに!犯人の正体も警察の動きも不明なまま、4歳の息子を守ろうとする母親の息詰まる3時間を描いたサスペンス。
狂瀾怒涛の幕末の京都に、美貌の剣鬼がいた。その名は椿。天性の人斬りである椿は、幼馴染みの禿・小菊と共に遊廓で育った。育ての親で、遊廓の楼主の為右衛門には、別の顔があった。朝廷の威光と遊廓の資金力を元に、倒幕を企て、椿を利用していたのだ。一方、対立する新撰組も、椿を味方に引き込もうと画策していた…。暗闘が繰り広げられる中、椿の必殺剣が冴えわたる。驚異の新鋭が贈る、剣戟と色欲に満ちた新シリーズ!
三協銀行新大阪支店で強盗事件が発生。犯人は現金約400万円を奪い、客のひとりを拳銃で撃って人質として連れ去った。大阪府警捜査一課が緊急捜査を開始するや否や、身代金1億円を要求する脅迫状が届く。「オレワイマオコツテマスー」。脅迫状には切断された指が同封されていた。刑事の黒田は、相棒の“マメちゃん”こと亀田刑事とともに、知能犯との駆け引きに挑む。『破門』の直木賞作家のデビュー作にして圧巻の警察ミステリ。
日本一小さな大名家に一揆の気配が!?藩の中間管理職・天野一角が調べると、不作に喘ぐ百姓たちが、年貢繰り延べの訴えを撥ねつけた藩に不満を募らせていた。石高は五千石だが家格は十万石の喜連川家。一揆など起きようものなら名家の恥だ。一角は中老の説得を試みるも怒りに触れ、百姓を説得できなければ切腹せよと命じられてしまう。村で殺しも発生し、爆発寸前の百姓たちのために一角がとった行動とは?シリーズ第4弾!
優しかった飼い主が亡くなり、保健所に連れて行かれそうになって家から逃げだした、一匹の黒猫。街をさまよい大怪我を負った猫の命を救ったのは“水脈”と名乗る美しい人だった。「幽落町」シリーズの人気キャラクター猫目ジローの、水脈との出会いや新しい家族になっていくまでを描く。他に都築と忍のふたり旅で遭遇した恐怖の一日、水脈がジローや真夜と共に“ある人”を訪ね「華舞鬼町」にやってきた話など、待望の短編集。
警察学校教官・守村が首吊り死体で発見された。捜査一課の五味は、府中署の綾乃とともに捜査に乗り出す。守村は五味の警察学校時代のクラス(教場)の仲間だった。恋心を抱いた同期、自殺した問題児、旧陸軍学校だった中野校から新設された府中校への移転。当時の出来事が守村の死に関わっているのか?妻を亡くし、忘れ形見の娘と暮らす五味は、かつての仲間たちを調べ始めるがー。警察学校小説シリーズ、堂々の開幕!!
小江戸川越の外れに、美しい西欧風の喫茶店がある。店長の青年は類まれな美貌ながら、発する言葉は辛辣。なによりも問題なのは、彼の正体が猫であることだった。このおかしな店に勤めることになった胡桃。生真面目でお人好しという損な性格丸出しの彼女は、どうも猫に好かれるらしい。町の猫に頼られることもしばしば。いつの間にか喫茶店は美青年もとい美猫の集う場所と化している。ほらまた新しい客(猫)がやってきて?
北海道・札幌市の路地裏に佇む『くま弁』。願いを叶えるお弁当の作り手・ユウの優しさに触れた千春はもっと彼に近づきたいと思いつつ、客と店員の関係から一歩を踏み出せずにいた。そんな時、悩み相談で人気の占い師がくま弁を訪れる。彼女はユウの作る「魔法のお弁当」で霊感を回復させたいらしい。思い出のお弁当を再現しようとするユウと千春だが…?あなたの食べたいものがきっと見つかる、北のお弁当ものがたり第2弾!
「恋人になってもらえませんか」片想いのこよみからの突然の告白に、草食系大学生の森司は思わずフリーズ。先輩の藍に「恋人のふり!」と言われ、我に返る。聞けば、こよみのゼミの男子学生がストーカー化しそうだという。二つ返事で彼氏役を請け負う森司。一方、オカ研への依頼は禍々しさを増していた。事故現場の花束の怪、脚を這い上る虫の感触、行方不明の中学生。大学生たちの恐くて愛しい日常を描く人気シリーズ第12弾。
義兄の弟との不倫関係から逃れるため、戦時下、仏印へタイピストとして渡ったゆき子。そこで出会った農林研究所所員、富岡と熱烈な恋に落ちたが、彼もまた、妻のある身であった。戦争が終わり、帰国したゆき子は、富岡の心が彼女からすでに離れていることを知る…。心中旅行、別離、そして妊娠。様々な出来事を乗り越え、二人はついに屋久島へとたどり着く。敗戦後、激動の日本で漂うように恋をした、男と女の物語。
夜中に響く「山の音」。死への予告かのように思い、尾形信吾は恐怖を抱くようになった。出戻りの娘と孫、復員兵の息子の堕落。複雑な家族の有様に葛藤する信吾は、息子の妻、菊子への淡い恋心を生きる支えとするようになるがー。四季の移ろいの繊細な描写、折々に信吾が見る、時に現実的な夢。次第に変化してゆく家族の人間模様。生への渇望とともに、万人に訪れる老いや死を、鮮やかに捉えた川端康成晩年の傑作。
大学進学のために上京した鳥貝一弥17歳。東京での部屋さがしに行き詰まっていたところ、いい部屋があると薦められて訪ねた先は高級住宅街の奥に佇む洋館だった。条件つけだが家賃も破格の男子寮だという。そこで共同生活を営んでいるのは揃ってひとクセある男ばかり。先輩たちに翻弄され戸惑いつつも、鳥貝は幼い頃の優しい記憶の断片を呼び覚まし、自らの出生の秘密と向き合っていく。艶っぽくて甘酸っぱい、極上の青春小説!
気が付くと殺風景な部屋にいた高校二年生の鐘松孝平。彼は横須賀にむかってバイクを飛ばしている最中に、トラックに幅寄せされ……その後の記憶はなかった。建物の外には他にも多くの人々がおり、それぞれ別の時代と場所から、「死者の町」と名付けられたこの地にたどり着いたという。彼らは探検隊を結成し、町の外に足を踏み出す。一方、片思いの相手を亡くし自暴自棄になった大学生の佐伯逸輝は、藤沢市の砂浜を歩いていたところ奇妙な男に勧められクジを引くとーーいつのまにか見知らぬ地に立ち、“10の願い"を叶えることができるスターボードという板を手渡された。佐伯は己の理想の世界を思い描き、異世界を駆け巡ってゆく……。興奮と感動をよぶ、渾身のファンタジー長編!
歌詞のない旋律を母音のみで歌う「ヴォカリーズ」の歌手として絶大な人気を誇る実菓子。彼女の自伝のインタビューの相手として選ばれたのは、売れないギタリストの青鹿多聞だった。なぜ実菓子は、多聞を指名したのかー2人は幼い頃同じ家で育ち、さらに実菓子の夫は、多聞の亡兄だったからだ。インタビューが進むにつれ、明らかになっていく、おぞましく哀しい出来事。その真実が解き明かされた時、新たな事件が起きる。
北町奉行所の定町廻り同心・一色帯刀は、誰もが認める硬骨漢。老中から寺社門前の地に無頼の者が闊歩している状況を是正せよとの命を受け、意気軒昂として深川の町廻りに繰り出した。すると門前仲町の女郎屋で客が客を刺したとの一報が入る。だが現場に着くと板前が客を刺殺したという情報に変わっていた。店頭・杉太郎の関与を疑い探索に乗り出すが、やがて事件関係者が七日市藩藩邸に出入りしていることが分かってきて…。