2017年10月発売
米空軍の美人中尉・エリスがF22で旅客機の背後に異常接近! しかも機関砲で照準を合わせた。同僚を殺したテロリスト〈牙〉を撃墜するために強行した訓練だったが、一般人を巻き込めば大惨事となる。日米合同演習中のこの暴挙をF15で制止したのは、航空自衛隊・鏡黒羽ーー。天才女子パイロットが共闘する対テロ作戦。ベトナムに実在した韓国軍慰安施設を巡り、極秘裏に空戦が始まる。
内証苦しい尼崎藩の江戸家老・塩谷隼人。藩邸を取り仕切る一方、国許の農政に腐心する日々。その頃、加島屋正誠ら大坂の両替商たちは公儀から米切手買い持ちのための御用金調達を命じられていた。隼人は旧知の正誠に藩への融資を頼むべく大坂へ向かい堂島の米会所で面会にこぎつけるが、突如として三人の賊が乱入。正誠が連れ去られてしまった。老練の知恵と剣技で立ち向かう隼人だが……。
妻のガン宣告を受け、50 代で大手百貨店を早期退職した敏腕営業マンの大和田。妻を失ったあと、ふとしたきっかけで“人助け”に手を貸しはじめる。 販売不振や営業崎とのトラブル解決をめざすなかで巡り合った、経験も人脈も豊富なその道のプロたちは、それぞれの職場で、それぞれの鬱屈を抱えていた。 このまま「定年待合室」で悶々と日々をやり過ごすよりはーー。 彼らは新会社を立ち上げ、ある地域の再生プロジェクトに立ち向かう。
忘れられない人がいる60 歳の医師エリオットはボランティア活動に行ったカンボジアで、子どもを救ったお礼にと、不思議な老人に錠剤を渡される。飲んでみると、死んでしまったはずの恋人が生きている30年前にタイムトリップ。 手に入れた薬は10 錠。1 錠につき過去に戻れるのはほんの数分だけ。限られた時間の中で、彼女を救い、失った愛を取り戻すことができるのか? 心を揺さぶる奇跡のラブストーリー。
待望の新シリーズ第一弾! 抗争か、半グレの怨恨かーー“史上最弱”!?の刑事が大活躍! 甘糟達夫は「俺のこと、なめないでよね」が口ぐせのマル暴刑事だ。 ある夜、多嘉原連合の構成員が撲殺されたという知らせが入る。 コワモテの先輩・郡原虎蔵と捜査に加わる甘糟だが、いきなり組事務所に連行されてーー 警察小説史上、もっとも気弱な刑事の活躍に笑って泣ける〈マル暴〉シリーズ第一弾。 〈任俠〉シリーズの阿岐本組の面々も登場!
吉本興業創立者・吉本せい。その弟・林正之助は、姉を支えて大正・昭和の時代にお笑いを大きなビジネスへと築きあげた。才能ある芸人を発見し、興行界のややこしいトラブルは体を張ってでも解決した。その辣腕ぶりは業界に知れ渡り、ライオンの異名で呼ばれた。さまざまな芸人との出会いや、驚くべき芸界秘話などを満載!「小説吉本興業」を改題文庫化
<内容紹介> 母のスパルタ教育により、かつて“天才卓球少女”として将来を期待された多満子。母の死後、普通に青春を過ごし、普通に就職する平凡な日々を送っていたが、新入社員の美人卓球選手・愛莉に恋人の江島を寝取られてしまう。 人生のどん底に落ち、田舎に戻った多満子だったが、亡き母が経営していたフラワー卓球クラブは赤字状態。クラブの部員も、元ヤンキーのセレブ妻、ダイエット目的の中年夫婦、オタクの引きこもり高校生、さらに妻と娘に見捨てられた元プロボクサーの萩原など、全く期待が持てない面々だった。 しかし、江島と愛莉の幸せそうな姿を見た多満子は、クラブ再建と打倒江島・愛莉ペアを目標に、全日本卓球選手権の男女混合ダブルス(ミックス)部門への出場を決意。部員たちは戸惑いながらも、大会へ向け猛練習を開始する。多満子は萩原とミックスを組むものの、全く反りが合わずケンカばかり。しかし、そんな二人の関係にも、やがて変化が訪れていくーー。 大注目の脚本家・古沢良太と人気作家・山本幸久の「ミックス」で贈る、恋と人生の再生の物語。 <プロフィール> 古沢良太 脚本家。1973年神奈川県生まれ。東海大学文学部卒業。2002年、『アシ!』で第2回テレビ朝日21世紀新人シナリオ大賞を受賞しデビュー。 代表作に『キサラギ』、『ALWAYS3丁目の夕日』シリーズ、『相棒』シリーズ、『リーガル・ハイ』シリーズ、『デート〜恋とはどんなものかしら〜』『エイプリルフールズ』など。 山本幸久 作家。1966年東京都生まれ。中央大学文学部卒業。編集プロダクション勤務などを経て、2003年「笑う招き猫」で第16回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。著書に『ある日、アヒルバス』『幸福トラベラー』『誰がために鐘を鳴らす』『芸者でGO!』など。
新しい局長がやってきたり、面倒をみた後輩が異動になったりと、みつば局も歓送迎会シーズンに。慌しい日々のなか、「益子先生」とだけ書かれた一通のハガキが舞い込む。大事なお礼のようだが、どうみても宛先不明。しかし、秋宏は受取人をなんとか探し出そうと推理をめぐらしていく……。街を駆ける配達員と住人たちの交流を描く、人気シリーズ第4弾!
<内容紹介> 時は江戸。 火事で姉と離れ離れになった少女・梅乃が身を寄せることになったのは、お宿・如月庵。 如月庵は上野広小路から湯島天神に至る坂の途中にあり、知る人ぞ知る小さな宿だが、もてなしは最高。かゆいところに手の届くような気働きのある部屋係がいて、板前の料理に舌鼓を打って風呂に入れば、旅の疲れも浮世の憂さもきれいに消えてしまうと噂だ……。 梅乃は部屋係として働き始めるが、訪れるお客は、何かを抱えたワケアリの人ばかり。 おまけに奉公人達もワケアリばかり。美人で男好きな部屋係に、いつもパリッとしているがやたらと強い中居頭。強面で無口だが心は優しい板前、宿に来るお客を全て覚えている下足番。そしてそれらを束ねる女将。 個性豊かな面々に囲まれながら、梅乃のもてなしはお客の心に届くのか? そして、行方不明の姉と再会は叶うのか? 心温かくなるお江戸人情シリーズ第一弾! <プロフィール> 中島久枝 東京都生まれ。学習院大学文学部哲学科卒業。フードライターとして活躍中。『日乃出が走る』で第3回ポプラ社小説新人賞の特別賞を受賞しデビュー。同作で歴史時代作家クラブ賞新人賞ノミネート。著作に『金メダルのケーキ』『いつかの花』など。
生真面目な千代田区が思い出すビートルズが皇居を歩いた日のこと、洒落者の港区が語る魅力的な若者たち、文学を愛する杉並区が明かすある女性との出会い…23区23様のドラマチックなストーリーが踊りだす。今すぐ東京を歩きたくなる、ユーモアと機知に溢れた傑作小説集。
一年生部員たちもようやく部活に慣れ、コンクールに向けた練習もいよいよ本格的になってきた北宇治高校吹奏楽部。しかし麗奈は、オーボエのみぞれのソロの出来に不満を感じていた。二人で音大を目指すというみぞれと希美だったが、その関係が演奏に影響を及ぼしているのだろうか。また、一年生の小日向夢は、実力者でありながらソロを吹くことを嫌がり…。アニメも大人気の吹部エンタメ、新章完結編。
新規オープンする美術館の目玉の一つ、葛飾北斎の肉筆画に贋作疑惑が浮上した。江戸と現代で二重生活を送る元OLの関口優佳=おゆうは、真贋をはっきりさせるため、江戸で直接北斎に尋ねてみることに。しかし、調査を始めた途端、絵の売買にかかわった仲買人が死体で発見された。同心の伝三郎たちから疑惑を持たれながらも、おゆうは現代科学と北斎の娘・阿栄の助けを借り、事件を追いかける。
未来に起こることの確率が調べられるとしたら、あなたは何の確率を調べますか?政略結婚で好きでもない女性と暮らすことになった夫は、毎日『妻を殺してもバレない確率』を調べるようになった。しかし夫は妻を殺さず、流れる時の中で二人の関係は徐々に変わっていく…。様々な『確率』が繋ぐ人と人との不思議な縁。読めば心が晴れやかになる、未来を見つめるオムニバスストーリー。第5回ネット小説大賞“グランプリ”受賞作!
日本の庭園を取材するため、ドイツからやってきたぼくは、京都の禅寺でナミコに出会う。二度目に会ったとき、彼女は言った。「まだ、庭園の語る言葉がわからないんですか?」ナミコに誘われるままに、ぼくは「月のため息」の庭を訪れ、トラクターで田舎を訪れ、庭に隠された物語を見つけていく。同じときを過ごすなかで、ぼくは世界がささやき声に満ちていることをはじめて知るのだった。純度120%の恋愛小説。
元料理人のサトジが居酒屋で一目惚れした女性と、14年ぶりに再会する。彼女の名はマヨ。いまは離婚を経験し、一人娘のウフと二人で静かに暮らしていた。別れの理由は夫の横暴なふるまい。そのことがウフのこころの傷にもなっている。決して豊かとはいえない母娘の暮らしだが、ともに卵が好物で…。サトジの作る卵料理が二人に幸せの笑みをもたらしていく、芥川賞作家による初の料理小説!
【文学/日本文学小説】北町奉行所同心の夫を亡くした商家出のうめは、独り暮らしを楽しもうとしていた矢先、甥っ子の隠し子騒動に巻き込まれ、ひと肌脱ぐことを決意するが……。笑って泣いて──人生の哀歓、夫婦の情愛、家族の絆を描いた宇江佐文学の最高傑作!