2017年10月発売
はじめに 第 I 部 ドイツ文化政策の歴史と構造 第1章 地域主権の国・ドイツ 文化の分権的形成と文化政策の基礎 第2章 ドイツ連邦政府の文化政策 --連邦制改革の象徴として 第3章 文化と法 --ザクセン文化地域法を例に 第II部 都市文化政策の多元性 第4章 フランクフルトの都市文化政策 --国際金融都市における住民志向の地道な政策 第5章 ベルリンの首都文化政策 --ベルリン芸術祭とフンボルト・フォーラムを中心に 第6章 ハンブルクの都市州文化政策 --その光と闇 第7章 創造都市の発展と地方中小都市の再生 --その文化経済的・文化政策的条件 第III部 社会的課題と文化政策 第8章 ドイツにおける〈新しい文化政策〉と社会文化運動の生成と展開 -大衆の文化生活への参加と寄与の促進 第9章 旧東ドイツ地域における〈文化的大衆活動〉から〈社会文化〉への 転換 第10章 地方中規模都市における文化政策の課題 --美学的観点から 第11章 「難民歓迎!」 --ベルリンの難民と文化政策、そのチャレンジとチャンス、施策と展望 第IV部 ドイツ文化政策の多様性 第12章 ドクメンタ1における教育的介入への抵抗 --「だからこそ我々もまた、芸術との対話は言葉を介さずに行われるべきだと 考えるのだ」 第13章 文化教育の再生 --現代ドイツ文化政策の焦点 第14章 文化教育の活性化のために --〈クルトゥーア・フェアミットルンク〉の意図と背景 第15章 ドイツの劇場政策と劇場制度 --成立史・運営組織・人材育成・教育普及 第16章 現代ドイツの劇場改革 --州・自治体を超えた官民共同支援についての一考察 第17章 東ドイツが〈創った〉ポピュラー文化 --若者、デーファ(東ドイツ映画)を観に行く 第18章 日独の国際文化交流政策 --歴史に見る異なる様相と共通性 むすびにかえて
〈都でうごめく魑魅魍魎を描いた傑作短編集〉 時は室町時代末期、8代将軍足利義政の妻・日野富子を中心に描かれた時代短編小説集。『なごみ』での連載(「優曇華の花」「美しかりし粧いの、今は」「天魔の所業、もっての外なり」「青磁茶碗 玉梅」「将軍、帰陣す」「長い旅路の果てに」)に「天狗の如く」(書き下ろし)を加えて単行本化。妻に翻弄される男・足利義政、天魔の降臨を嗤う男・山名宗全、母の呪縛から逃れようとする男・足利義尚、天狗になろうとした男・細川政元……。ろくでもない男たちの運命が、一人の女によって狂い始める。
この一冊で世界が変わる、かもしれない。 実業之日本社創業120周年記念! 小社文庫限定の書き下ろしあとがき収録。 仙台市の大学に進学した春、なにごとにもさめた青年の北村は四人の学生と知り合った。 少し軽薄な鳥井、不思議な力が使える南、とびきり美人の東堂、極端に熱くまっすぐな西嶋。 麻雀に勤(いそ)しみ合コンに励み、犯罪者だって追いかける。 一瞬で過ぎる日常は、光と痛みと、小さな奇跡で出来ていたーー。 明日の自分が愛おしくなる、一生モノの物語。
O医大法医学教室の大学院生・伊月崇は、様々な事件に遭遇し、担当教官の伏野ミチル、幼馴染の刑事・筧兼継らとの交流を通して成長していく。章の合間に挿入される「飯食う人々」の美味しいピックアップも読みどころ。「死」を通して「生」を考える、しなやかな思考の法医学ミステリー。 一章 ひとりじゃないって 間奏 飯食う人々 その一 二章 過ぎし日々が戻るとき 間奏 飯食う人々 その二 三章 ないしょのはなし 間奏 飯食う人々 その三 四章 心の在処 締めの飯食う人々 あとがき
湘南新宿ラインで痴漢事件発生。逃亡直後に死亡した容疑者の遺留品から空薬莢を発見、警視庁鉄道捜査班(テッパン)の刑事たちが捜査を開始する。だが聞き込み中、何者かにより襲撃され、さらに駅を狙うテロ予告が警視庁へ。真の狙いも目的地も明かさぬテロリストにとって、首都圏の鉄道利用者すべてが人質。複雑に入り組んだ鉄道網を巧みに使い暗躍する犯罪者に、鉄道マニアのテッパン班長・吾妻警視が情熱と知識で立ち向かう。 鉄道利用者すべてが人質に!? 首都を震撼させた戦慄の一日。 湘南新宿ラインで痴漢事件発生。逃亡直後に死亡した容疑者の遺留品から空薬莢(からやっきょう)を発見、警視庁鉄道捜査班(通称:テッパン)の刑事たちが捜査を開始する。 だが聞き込みの最中、何者かにより襲撃され、さらには駅を狙うテロ予告が警視庁へ入る。 真の狙いも目的地も明かさぬテロリストにとって、首都圏の鉄道利用者すべてが人質。 複雑に入り組んだ鉄道網を巧みに使って暗躍する犯罪者に、鉄道マニアのテッパン班長・吾妻警視が情熱と知識で立ち向かう! 0001B 魔のカーブ 0002B 上野駅13・5番線 0003B 容疑者の遺留品 0004B ミリタリーマニア 0005B 消えた被害者女性 0006B 9ミリパラベラム弾 0007B 挑戦 0008B 汚名返上 0009B 奔走 0010B 拝島駅 0011B サブマシンガン乱射 0012B 想い
ええもんには底力があるんや。品物も、人も底力や! 13歳で丁稚奉公に入り、大阪船場商人の魂を叩きこまれた信治郎。20歳の春、鳥井商店を開業し、葡萄酒の製造販売に情熱を傾けるーー。サントリーの創業者・鳥井信治郎のひたむきな日々。
「やってみなはれ」の精神で、日本初の本格国産売りスキー造りに命を捧げた鳥井信治郎。明治大正昭和を駆け抜け、日本の洋酒文化を切り開いた。仕事と人生の意義を問いかける、伊集院静、渾身の一作。日本経済新聞人気連載を書籍化。
ロンドンの住宅街に建てられた奇妙なまでにシンプルな家。新進気鋭の建築家が手がけた、この一切の無駄が廃された家に住む女性たちには、なぜか不幸が訪れるのだったーー。この家にはどんな秘密が隠されているのか? 様々な語りが交錯する、全米ベストセラー
現代日本SF誕生から60周年を記念して、第一世代作家6人の傑作選を日下三蔵の編集により刊行するシリーズ。第2弾は、日本SFの巨大なる父、小松左京。デビュー短篇にして直木賞候補作「地には平和を」、小松自身が最も好きな自作と語る中篇「神への長い道」、そして半世紀前にネットワーク社会の弱点を予見した長篇『継ぐのは誰か?』ほか、人類進化を生涯のテーマとした小松SF傑作中の傑作8篇を収録。
チェ・ゲバラを、そしてラテンアメリカを描く大長編第2部。医師となったゲバラは、母国アルゼンチンを離れ、中米にたどり着く。軍人養成学校生、夜間救急医、街頭カメラマンなどをしながら、パナマ、コスタリカ、ニカラグア、グアテマラ…とカリブ諸国を“漂流”するうち、大国アメリカに蹂躙される小国の苦悩を目の当たりにする。義憤に燃えた彼は、やがて革命家としての道を歩みはじめるー。
7年前に彼を癌で亡くし、父を見送った私の腸に、癌が見つかった。 これで私はようやく休める、私は腹の中に「楽園」を抱え込んでいるのだ。 告知を平然と受け止めた私は、 ともに暮らす要介護4の母との入院を心に決めた。 祖母、母、私ーー。 ”一卵性母子”が伝統の一家で、母と私の闘病が始まる。 頑固で我がまま、愛の重い母と、私のいうことをきかない身体。 一筋縄ではゆかない母娘の、愛と涙の闘病記。
三年で最貧小藩の経済立て直しは可能か? 家老と藩札万(ルビ・よろず)指南の浪人両名が、命を懸けて挑む。剣が役に立たない時代、武家はどう生きるべきか! 縄田一男氏から平成の藤沢周平と評された時代小説。第152回直木賞賞選考の際の宮部みゆき氏評「藩札という難しい題材を扱いながらリーダビリティが高い、主人公の魅力と、彼が江戸の経営コンサルタントとして直面する〈貧との戦い〉の苛烈さが、ラストまで絶妙なバランスを保っていた」