2017年11月25日発売
退屈した日々をおくる高校生・裕は、はじめて訪れた中野ブロードウェイで不思議な雰囲気をもった美少女アイドル・マイと出会った。だが突如、大きな衝撃がビルを襲う。地震か事故かテロの類か。シャッターで外光も外音も遮断され、電話もネットもつながらない。さらにはビル自体が生き物のような何かに変容し、次々と人間に襲いかかってきて…!?このビルは人を“食って”生きているー史上最悪の脱出ゲームが始まる。
「俺と出会わなければ、お前は生きていられるのにー」闇に光る緋色の双眼の持ち主・タケル。彼は人の心を自在に操る不思議な力を持ち、少年の姿のまま、いつ果てるとも知れぬ時の中を生きていた。タケルの望みはただひとつ、運命の恋人のしあわせな姿。だが恋人は、何度生まれかわっても、タケルとの出会いゆえに命を削られる宿命にあったー。切なさに心ふるえる、少年たちの別離と邂逅の物語。
京都市内のビルの非常階段で、有力不動産会社社長、真鍋征矢の妻、文香の遺体が見つかる。文香の手には夫・征矢の金属製のブレスレットが握られていた。妻は夫からの暴力被害を訴え離婚調停中だった。事件後、文香の担当弁護士の和光は、彼女は嘘をついていた、DVはなかったとして、征矢の無実を証明したいと名乗り出る。果たして嘘をついているのは誰か。京都府警の準キャリア刑事、大橋砂生が不可解事件に執念で挑むが…。
「ここにいる限り、敵は来る」無双の兵法“臥鬼”を操る無名が中山道の霧深き「鬼利里宿」の用心棒となって半年。彼が身を寄せる元用心棒の清源、そしてその娘の小夜など、徐々に宿場の人々と交流が生まれたのも束の間、新たな刺客がやって来た。隠形剣、死眼剣、不動剣、変移剣…謎の剣を揮う最強の敵たち。果たして無名は彼らの剣を凌げるのか?そして敵の目的は?風雲急を告げる、巨匠の本格時代シリーズ第2弾!
百エーカーの森に、新しい仲間、ティガーがやってきた!暴れん坊だけど、無邪気な幼い彼に、森の仲間たちはてんやわんや。にぎやかになった森に次々事件が巻き起こる。プーとコブタはイーヨーのために家を建て、プーが発明した遊び「プー棒流し」にみんな夢中になり、オウルの倒れた家から力を合わせて脱出をはかる。そして近づくクリストファー・ロビンの旅立ちー。永遠の森で今も私たちを待っている、クマのプー完結編。
山の中腹に建つ家に引っ越してきた、小学4年生の日比乃翔太。周りの家がどれも未完成でうち棄てられていることに厭な感覚を抱くと、暮らし始めて数日後、幼い妹が妙なことを口にする。この山に棲んでいるモノが、部屋に来たというのだ。それ以降、翔太は家の中で真っ黒な影を目撃するようになる。怪異から逃れるため、過去になにが起きたかを調べ始めた翔太は、前の住人の残した忌まわしい日記を見つけー。“最凶”の家ホラー。
大陸の強国、金椛国。後宮内の陰謀を暴いた遊圭の評判は、宮城内に広まった。しかも皇帝・陽元からは褒美として、妃嬪に加えるとの内示が!しかし女装で女官として勤める遊圭には不可能だし、後宮脱出未遂の無理がたたって療養中だしで絶体絶命。そんな中、彼が過ごす養生院で火災が起こる。一体、誰が…。そして陽元と謁見した遊圭は、売り言葉に買い言葉で、とんでもない約束をしてしまい!?中華ファンタジー、後宮編完結!!
文化祭が始まった!カブキ部の個性あふれるメンバーたちが、それぞれ情熱を注いだ集大成の舞台…になるはずが、本番直前に部長のクロが消えた!?学内を探し回るトンボの前に現れたのは、従妹の渡子。そして懸命に時間稼ぎをする部員たちの助っ人となったのは意外にも…。歌舞伎十八番の内「毛抜」。稽古を重ねて作り上げた彼らの芝居は、果たして…!?いよいよクライマックスの青春歌舞伎小説、最終巻もトップスピード!!
日本橋の両替商に賊が押し入り若旦那が殺されたうえ、二千両が奪われた。黒ずくめのみみずく党なる賊に、息子を殺された松沢屋の勘兵衛は、銭で剣の腕を売る「命屋」の銭神刀三郎に敵討ちを依頼する。押し入った先で邪魔者を斬り捨てる卑劣なみみずく党。刀三郎が、手がかりを追おうとした矢先、今度は、八丁堀の同心が殺されてしまう。町方が尻込みするなか、刀三郎は、変幻自在の剣で強敵に立ち向かう。書き下ろし長篇。
出所した藤木は、7年ぶりに会った従妹に彼氏を紹介される。彼の愛情深い様子に、藤木は従妹との“秘密”を打ち明けようと決意するが、男は一変して正体を明かしたー「僕は義波。復讐の贈与者です」(「アフター・ライフ」)。復讐代行業を続ける“援助者”だが、悪事銀行が依頼の裏で暗躍し、メンバーは次々といなくなる。そして義波は、最後に誘われた廃車工場で、ある選択を迫られるー。話題沸騰の連作ミステリ、感動の完結!
武蔵岡部藩御用達の米問屋和泉屋の主と、勘当されたその息子の刺殺死体が発見された。状況から、互いに刺し合ったということで幕引きとなったが、米問屋大黒屋の主・角次郎は、大目付・中川より事件の吟味を命じられる。裏には、岡部藩の年貢米を狙う政商・千種屋の目論見があるらしい。その後も続く和泉屋の“不幸”を、力を合わせて撥ねのけようとする角次郎と息子の武士・善太郎。だが、刺客は大黒屋にも迫っていたー。
全日本探偵道コンクールー高校生探偵の日本一を決める『探偵の甲子園』である。そして今年、全国津々浦々から激しい地区予選を勝ち上がってきたチームは、因縁浅からぬ『聖アリスガワ女学校代表』と『愛知県立勁草館高校代表』であった。奇しくも女生徒3人どうしの直接対決となったこの決勝戦、両校の先鋒は誰か?先鋒戦の舞台とルールは?そのお題は?そしてもちろんー勝者は?晩夏のおんなの戦いが、始まる。
腕利きの時計職人ジャンは突如侵攻してきたフランス軍に幼いころ失踪した父のことを話せと脅される。祖父によると父はレオナルド・ダ・ヴィンチが遺した秘密のノートの行方を知るという。仏皇帝ナポレオンは戦争に利用しようとノートを狙っているのだ。謎の修道女に助けられたが彼女にも企みが…。ジャンは知恵と勇気を胸に、隠された数々の仕掛けに挑み、強大な敵に立ち向かう!実在の手稿が題材の手に汗握る歴史冒険小説。
岡坂神策の昔馴染みである神保町古書店主の娘、みずえは慢性腎不全を患っていた。人工透析を続ける彼女に、不審な生体腎移植の話が持ち上がる。彼女の実家は近所を含め地上げ屋から悪質ないやがらせを受けていた。一方、岡坂はスペイン文学研究者の理絵に強く惹かれるが、連続婦女暴行魔が脱走した事を知った理絵は急に態度を変えて…。神田界隈を舞台に錯綜する謎に探偵岡坂が挑む。逢坂剛が描く大人のミステリー!
二年C組の問題の多さには、呆れますねー教頭の言葉が突き刺さる。また私のクラスの生徒が行方不明になった。これでもう4人だ。私はその失踪にあの子が関係しているのではないかと恐れている。宮田知江。ある時から急に暗い目をするようになった女生徒だ。私は彼女の目が恐い。でもそんなことは、これから始まる惨劇に比べれば些細なこと。なぜなら私は、夜の教室で生徒24人が死ぬ光景を目にすることになるのだから…。
専門学校入学のために田舎から上京した美菜は、隣人に挨拶することに。お隣さんの雄也はどこか陰のある長身の青年で、美菜は好意を抱く。一方、雄也は美菜にある物を見られ動揺する。それは一発の銃弾だった。雄也はそれを使った「仕事」を思い出す。ある弁護士を闇に葬った、恐るべき出来事を。さらに雄也の今度の仕事場は、美菜が通う専門学校で…。純朴女子学生と危険な殺し屋が交錯する、衝撃的ラストのユーモアミステリ!
内見したマンションはおしゃれな街のおしゃれな造り、環境も間取りも条件も申し分ない。ここに決めてしまおうか?しかし白い壁に小さな穴を見つけたキヨコは、そこからじわじわと“イヤな感じ”が広がっていくのを感じるのだった…。片付かない荷物、届かない段ボール箱、ヤバい引っ越し業者、とんでもない隣人ーきっとアナタも身に覚えがある引っ越しにまつわる6つの恐怖。イヤミスの女王の筆が冴えるサイコミステリ!
フランスにある烏丸家の別荘に集った6人の使用人。かつて烏丸家で代理執事を務めたヴァズの発案で各家の使用人同士の技術交流が行われる最中、何者かが地下金庫に侵入。犯人を袋小路に追い詰めたものの、そこにいたのは衣更月以外の5人の使用人たちだった。金庫破りを目論んだのは誰か。そのうえ帰国した花穎に飛び込んできた烏丸家売却のニュース。すべてを失った花穎に衣更月は「私は烏丸家の執事です」と言い放ちー!?
ゲーム会社に勤める矢木沢は、会社の地下で百鬼夜行の幻覚に襲われる。その後何度も同じ現象に陥った矢木沢は、知人の姪、岬の協力を得て原因を調べ出すが、状況は悪化する。どうしても思い出せない母親の顔。震動を伴い聞こえてくる言葉「吾に辱見せつ」。耐えられなくなった矢木沢は、岬と共に小笠原の無人島に避難する。高天原、葦原中国、根の国ー古事記に纏わる現象と言葉。言霊が持つ恐怖、その受信回路のメカニズムとは。