2017年11月25日発売
江戸城御掃除之者の組頭・山野小左衛門は、またも上司から極秘任務を命じられた。紅葉山の御文庫からなくなった本を捜せというのだ。消えたのは蘭語の洋書1冊と漢書2冊。漢書の方はどうやら艶本らしい…。将軍の御蔵書が消えたとなれば一大事。疑わしき人物を御風干に乗じて誘い出そうとするが、同時に黒鍬者との掃除合戦も始まってー。個性豊かな7人の掃除侍に降りかかる無理難題。大江戸お掃除戦線、今回も異状アリ!
湘南の海岸に打ち上げられた大量の白ギスの屍骸。原因を明らかにするため、藤沢市はハワイから1人の海洋研究員を招聘する。彼女の持つ“魚類保護官”という肩書きに群がるマスコミたち。それにまったく動じない浩美は、調査を開始するものの、嫌がらせの手紙が届いたり、夜中に襲われたりと、執拗な妨害に遭う。真相を追い求めた先に見えてきたものは…。魚の大量死に隠された、謎と陰謀を暴く!著者渾身の海洋ミステリ。
明治の夜明けも近い幕末、薩摩藩主島津斉興の世子斉彬と、わが子久光を藩主の座につけたいと願う斉興の愛妾お由羅の方との間に激しい抗争が巻き起こる。薩摩の御家騒動を描く、著者の代表作。
少女を狙った前代未聞の連続誘拐事件。身代金は合計70億円。捜査を進めるうちに、子宮頸がんワクチンにまつわる医療界の闇が次第に明らかになっていきーー。孤高の刑事が完全犯罪に挑む!
気鋭の監督・連城の映画撮影現場に「制作部」として参加している万理。制作部とはプロデューサーの下であらゆる雑用をこなす裏方の中の裏方。今日の万理はロケ地の道路使用許可申請のため警察署にやってきた。連城監督の才能には惚れているけど、現場は何かと波乱含みだ。ロケ地候補の古民家を訪れた日、プロデューサーから女優の変更を告げられた連城は監督を降りると言い出し…。次々起こるトラブルを万理は解決できるのか!?
高級寝台特急で起きた殺人事件の容疑者は、目的地以外は共通点のない乗客たち。世界一の探偵、エルキュール・ポアロが導き出した真実とはーー。”ミステリーの女王”の代表作が読みやすい新訳で登場!
結婚式の直前、意識不明となった花嫁を新郎は8年間待ち続けたー。そして、結婚の約束から8年。二人に訪れる最高の奇跡とは…。感動の実話を完全小説化!
崔参判家の実権を握った趙俊九は、法外な小作料を取り立てるなど、その横暴さは目に余るものとなった。日露戦争に勝利した日本が朝鮮の主権を侵食し、日本の有力者につながる俊九の勢いは増すばかりだ。崔参判家の跡取り娘の西姫は、俊九に反撃できない鬱憤から吉祥、鳳順にしばしば八つ当たりする。鳳順は吉祥への思いを募らせるが、吉祥はその思いを受け入れられない。幼い頃から固い絆で結ばれていた三人の間には、微妙な亀裂が広がる。祖国存亡の危機に重なる西姫の窮状に、彼女を支えてきた人たちは俊九に反旗を翻した。追われる身となった彼らと共に、西姫は新天地を目指す覚悟を決める。平沙里を舞台とした第一部が完結。