2017年11月発売
魔力獲得の可能性を追い求める武闘派のアッシュは、大陸の東西南北にある遺跡の石碑の文字を解読することで新しい魔法を得た話を聞いて旅立つ。各地の封印されし魔王を倒した後、魔力は手に入るのか!?
史上最悪の航空機事故は仕組まれたのか。『タモリ論』で「いいとも」終了を予見した著者が満を持して放つ大長篇。御巣鷹山の悲劇は空前絶後ではなかった。しかも今度は一機だけでなく、ブラックボックスが見つからず真相は闇に覆われる。事故関係者と遺族、生存者の証言から浮かび上がる人間模様、政府と企業の体たらく、文化芸能、沖縄・原発の問題、そして隠されたこと。刊行自体が「アクシデント」な劇薬小説。
今日、患者が死んだ。初めて主治医として受け持つこととなった患者に、村荘医師がとった不条理な行動とは?「医呆人」68歳を迎えた脳神経内科医の郷田智有。悲願である文部勲章の受章を目前にして、健康状態を記録するために日記を付け始めるのだが。「アルジャーノンにギロチンを」研修医の寒座久礼子。ある朝、目を覚ますと、ベッドの上で自分の心が巨大な毒虫のように変わっていることに気がついた。「変心」ほか、劇薬揃いの全7篇収録。
ティーン誌の編集者の禄は読者からのお悩み相談ページを担当しているが、かつての投稿者との間にトラブルを抱えていた。一方、地方に暮らす中学生の郁美はその雑誌の愛読者。東京からの転校生が現れたことで、親友との関係が変わり始めてしまう。出会うはずのない二人の人生が交差する時、明かされる意外な真実とはー。
うつけと蔑む兄・織田信長に、英邁な弟・信行は覇者の資質を見た。それは兵法書と龍笛を好み、常識の範疇に生きる信行には持ちえないもの。すなわち自らの力を恃んで天下を統一しようとする炎の如き意志ー。しかし、そこに潜むひと筋の弱さを見出した時、己の熾火をかきたてるように、信行は身命を賭した大勝負に出る。
狂犬のように戦いを渇望し、闇試合で並みいる強敵を下して無敗を誇った朝丘剛。だが、恩師にして中国武術の達人・劉栄徳の前になす術なく敗れる。なぜあの小柄な老人に勝てないのか? 彼我の功夫にいかなる差があるというのか? 西下する列車で剛は考える。伊賀流忍術の使い手、柳生新陰流の剣術家。剛の前に次々と現れる日本の伝統武術を極めた武道家たち。そして、別れ。剛は今どこへ向かおうとするのか?〈解説〉細谷正充
人を殺すには、すべて理由がある。人々が「犯人」となる背景には何があるのか。江戸川乱歩に見いだされ、「日本のクリスティー」と呼ばれた仁木悦子。「かあちゃんは犯人じゃない」はじめ初期の傑作短篇を集めた増補新編集版、ここに刊行。
長原製薬の広報部員・槇田は、副社長から極秘任務を命じられた。相次いで発生した転落死亡事故に、自社製品が関わっている可能性があるという。外資企業と合併交渉中の長原製薬にとって、この時期の不祥事は致命的だ。被害者家族の口を封じるために動く槇田は、隠蔽された過去の公害事件にも直面しー。巻末に「玉山鉄二×堂場瞬一対談」を収録。
終戦から六十九年目の八月十五日、元海軍航空隊中尉の小暮義男が扼殺された。九十三歳の小暮は北陸新幹線の開業を控える金沢の出身で、妻の死後は東京で暮らしていた。十津川は、小暮が四十年前から「特攻とは何だったのか」を調べていたことを突き止め、特攻で亡くなった若者の心中を思い、殺人事件を追うのだが…。
武家屋敷が連続して焼失、出火元の旗本は改易された。検分した扇太郎は放火(赤猫)であることを突き止め、彼らの莫大な隠し財産に驚愕する。闕所の処分に大目付が介入、謎の刺客集団が次々と襲いかかる。死闘を繰り返し、大御所家斉の死後を見据えた権力争いに巻き込まれていく。待望の新装版シリーズ第三弾。〈解説〉末國善己
黒船来航に揺れる幕末。榎本釜次郎(武揚)は、幕府要人の蝦夷地視察に随行した後、新設の海軍伝習所に入所。操船、蒸気機関等の技術や語学を研鑽し、オランダ留学を果たす。欧州の地で近代国家間の戦争を目の当たりにした釜次郎は、日の本と隔絶する列強諸国の有り様に驚愕するー。新田次郎文学賞受賞作を全面改稿した決定版、待望の文庫化!
幕府艦隊は最新鋭の旗艦・開陽丸の艦長に榎本武揚を抜擢。海軍力で薩長軍を圧倒するも、朝敵とされた徳川慶喜は抗戦に徹しきれず、江戸城は無血開城する。武装解除を逃れた幕府陸軍は、奥羽越列藩同盟への合流を図る。一方、徳川家の海軍となった艦隊を率いる武揚は幕臣の務めを全うせんと苦闘するが…。著者畢生の歴史巨篇を全面改稿した決定版!
押し寄せる西軍の前に奥羽越列藩同盟の雄・仙台藩が降伏、会津は陥落した。榎本武揚は徳川家艦隊を引き連れ蝦夷ガ島に向かい箱館を攻略。英仏米露普を相手に自治州を宣言し、蝦夷共和国を樹立する。だが荒天により開陽丸を喪い、西軍が海峡を突破!五稜郭に拠り奮戦するも、土方歳三は倒れ、武揚は…。全面改稿の決定版、堂々完結。
悪魔にとり憑かれたタイプライターが彼女の人生を狂わせる……スティーヴン・キング非推薦!?の錯乱必至メタ・ホラー・エンターテインメント! 〈モダン・ホラーの卓越したパロディ、複雑な構造を備えたメタ・フィクションにして、リアルな南部小説ーーしかも、読者を底知れぬ恐怖に陥れるという驚異の離れ業〉 横山茂雄 アメリカ南部ジョージアの小さな町に住むスティーヴィ・クライは数年前夫を亡くし二人の子どもを養うためフリーランスライターとして生計をたてていた。ある日愛用する電動タイプライターが故障し、修理から戻ってくると、なんとひとりでに文章を打ち始めた! 妄想か、現実か? その文章はスティーヴィの不安と悪夢、欲望と恐怖を活写したものだった。それを読むうちに彼女はーーそして読者もーー現実と虚構の区別がつかなくなり……ネビュラ賞作家ビショップによる異形のモダン・ホラーにして怒濤のメタ・ホラー・エンターテインメント! 巻末に〈30年後の作者あとがき〉を収録。(1984年作) 〈ドーキー・アーカイヴ〉全10巻 責任編集=若島正+横山茂雄 知られざる傑作、埋もれた異色作を幻想怪奇・ホラー・ミステリ・SF・自伝・エンターテイメント等ジャンル問わず年代問わず、本邦初訳作品を中心に紹介する新海外文学シリーズ 虚構の男 L.P.Davies The Artificial Man L・P・デイヴィス/矢口誠訳 定価:本体2200円+税 人形つくり Sarban The Doll Maker サーバン/館野浩美訳 鳥の巣 Shirley Jackson The Bird’s Nest シャーリイ・ジャクスン/北川依子訳 定価:本体2400円+税 誰がスティーヴィ・クライを造ったのか? Michael Bishop Who Made Stevie Crye? マイクル・ビショップ/小野田和子訳 定価:本体2600円+税 さらば、シェヘラザード Donald E. Westlake Adios, Scheherazade ドナルド・E・ウェストレイク/矢口誠訳【次回配本】 アフター・クロード Iris Owens After Claude アイリス・オーウェンズ/渡辺佐智江訳 煙をあげる脚 John Metcalf Selected Stories ジョン・メトカーフ/横山茂雄他訳 イワシの缶詰の謎 Stefan Themerson The Mystery of the Sardine ステファン・テメルソン/大久保譲訳 救出の試み Robert Aickman The Attempted Rescue ロバート・エイクマン/今本渉訳 ライオンの場所 Charles Williams The Place of the Lion チャールズ・ウィリアムズ/横山茂雄訳
資産家のハーロウ夫人がなくなり、遺産は養女のベティが継ぐことになった。そこへ夫人の義弟を名乗る怪人物が登場。恐喝に失敗するや、夫人はベティが毒殺したのだと警察へ告発する。ベティはハーロウ家の顧問弁護士に救いを求め、いっぽうパリからはアノー探偵が現地に急行する。犯罪心理小説の変形としても、サスペンスの点でも特筆すべき古典的名作。多作で知られるメースンのミステリ代表作を、文豪・福永武彦による翻訳で贈る。
12歳のマイロの両親が営む小さなホテル〈緑色のガラスの家(グリーングラス・ハウス)〉に、ある冬の日、5人の奇妙な客が現れる。彼らは全員が滞在予定日数を告げず、他の客がいることに驚いていた。なぜ雪に閉ざされたホテルに来たのか? マイロは客の誰かが落としたと思しき古い海図を手がかりに、彼らの目的を探ることにする。それはホテルの秘密につながっていた……? 心あたたまる聖夜のミステリ。
1942年、マギー・ホープは、ドイツの強制収容所に収監されている異父妹と再会できる日を心待ちにしつつ、ロンドンの特別作戦執行部で事務の仕事についていた。そんななか、MI-5の長官から連続殺人の捜査を依頼される。死体の状態から、犯人はあのいまわしい事件を模倣しているとしか思えず……。マギー・ホープ、今度は戦時下のロンドンで勃発する殺人事件に挑む! ニューヨーク・タイムズ・ベストセラーの大人気シリーズ最新刊。
1961年7月2日、神奈川県の山林から女性の刺殺体が発見される。被害者は地元で飲食店を経営していた若い女性。翌日、警察は自動車工場で働く19歳の少年を殺人及び死体遺棄の容疑で逮捕する。--最初はどこにでもある、ありふれた殺人のように思われた。しかし、公判が進むにつれて、意外な事実が明らかになっていく。果たして、人々は唯一の真実に到達できるのか? 戦後日本文学の重鎮が圧倒的な筆致で描破した不朽の裁判小説。第31回日本推理作家協会賞に輝く名作が、最終稿を元に校訂を施した決定版にて甦る。
人間たちが住む真大陸の中部にあるガナッシュ公国との戦争を、僅か数十分で収束させた魔王キアス。講和の条件である周辺国との断交を、一国まるごと“物理的”に持ち上げることで成し遂げたキアスは、さらにその下に最凶最悪なダンジョンを造り上げる!そして、一人の天才少女と出会ったキアスが、ついに魔法発動ー!?「小説家になろう」発、「なろうコン大賞(現・ネット小説大賞)」受賞作、第8巻!
やんちゃで愉快で、動物が大好きーー 短篇の名手サキの姉が、子供時代からその死まで、 弟との日々を愛を込めて語った評伝に、 これまで未訳だった短篇作品を加えたコレクション! サキ直筆イラストも収録! 第一部 評伝 サキ伝 Biography of Saki(H.H.Munro) エセル・M・マンロー ヘクター・ヒュー・マンローのこと A Memoir of H. H. Munro ロセイ・レイノルズ 第二部 サキ短篇選 マッピンテラスの生活 The Mappined Life 失われた魂の像 The Image of the Lost Soul 包みを持ったジャドキン Judkin of the Parcels 聖人とゴブリン The Saint and the Goblin クローヴィス、ビジネスのロマンなるものを語る Clovis On The Alleged Romance Of Business 古都プスコフ The Old Town Of Pskoff カール・ルードウィヒの窓 Karl - Ludwigs Window ラプロシュカの魂 The Soul Of Laploshka 青年トルコ党の悲劇 二つのシーン A Young Turkish Catastrophe In Two Scenes ほか