小説むすび | 2017年12月15日発売

2017年12月15日発売

怪談専門誌 幽 VOL.28(28)怪談専門誌 幽 VOL.28(28)

「山」と「海」──それは私たち人間にとって、最も身近な「異界」です。深い森の奥や暗い海の底には、今もなお、人知の及ばぬ神秘の世界が広がっています。天狗や山人、海坊主や舟幽霊といった山妖海怪は、そうした異界に対する畏怖の念が生み出したものなのかも知れません。  山の怪異、海の恐怖──それらはまた、小説から実話まで、古今の怪談文芸の得がたい源泉ともなってきました。とりわけ近年は、田中康弘『山怪』シリーズの記録的な大ヒットを契機に、「山の怪談」本が熱い注目を集めています。斯界の先覚者・安曇潤平の一連の著作や『里山奇談』のヒットも記憶に新しいところです。  本誌は2008年刊行の第8号で、いちはやく「山の怪談」を特集し、現在のブームに10年近くも先駆けて、トレンド形成に先鞭をつけました。そこで今回の特集では趣向を変えて、「山」と「海」の怪談文芸を対比的に取りあげます。ふたつの異界のはざまに、私たち日本人が何を垣間見、何を語り伝えてきたのか……御期待ください!  『幽』編集顧問 東 雅夫 特集「山妖海怪、奇奇怪怪」 ●巻頭グラビア  宇佐見まこと書き下ろし「獺祭」+玉川麻衣作品 ●日本怪談紀行/怪談巡礼印象記  恐山から仏ヶ浦へ  加門七海/東雅夫  ●名作復刻   幸田露伴「幻談」/上田哲農「枕」/安部公房・山下彌三左衛門対談 ●競作   安曇潤平/黒史郎/里山奇談チーム ●エッセイ   小池真理子/樋口明雄/朱野帰子/安田登 ●論考     田中康弘/川島秀一 ほか    小説連載 京極夏彦/小野不由美/有栖川有栖/初野晴/山白朝子/円城塔/恒川光太郎/近藤史恵/織守きょうや   実話連載 福澤徹三/中山市朗/松村進吉/安曇潤平/藤野可織/小池壮彦    漫画連載 波津彬子/高橋葉介/諸星大二郎/押切蓮介/花輪和一 ほか エッセイ&書評&企画 南條竹則 ほか 特別企画 「カクヨム異聞選集」選考会リポート  稲川淳二 ほか

メビウスの守護者 法医昆虫学捜査官メビウスの守護者 法医昆虫学捜査官

出版社

講談社

発売日

2017年12月15日 発売

東京都西多摩で、男性のバラバラ死体が発見される。岩楯警部補は、山岳救助隊員・牛久とペアを組み捜査に加わった。捜査会議で、司法解剖医が出した死亡推定月日に、法医昆虫学者の赤堀が異を唱えるが否定される。他方、岩楯と牛久は仙谷村での聞き込みを始め、村で孤立する二つの世帯があることがわかる。息子に犯罪歴があるという中丸家と、父子家庭の一之瀬家だ。──死後経過の謎と、村の怪しい住人たち。残りの遺体はどこに! 東京都西多摩で、男性のバラバラ死体が発見される。岩楯警部補は、山岳救助隊員の牛久とペアを組み捜査に加わった。捜査会議で、司法解剖医が出した死亡推定月日に、法医昆虫学者の赤堀が異を唱えるが否定される。他方、岩楯と牛久は仙谷村での聞き込みを始め、村で孤立する二つの世帯があることがわかる。息子に犯罪歴があるという中丸家と、父子家庭の一之瀬家だ。──死後経過の謎と、村の怪しい住人たち。残りの遺体はどこに! 第一章 水気の多い村 第二章 芳香の巫女 第三章 雨降る音は真実の声 第四章 オニヤンマの復讐 第五章 メビウスの曲面 解説 香山二三郎

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