2017年4月25日発売
親友・明日香の記事によって誤審を暴かれ、検事失業のピンチに陥った凛々子。それでも事件の真相を追い求め続けるなかで凛々子は冤罪犯が隠していた別の罪に気づく。ところが被害女性を訪ねたものの門前払いにされてしまい、その裏に明日香がいることを知り…。一方プライベートでは妹・温子の破談に責任を感じた凛々子が大暴走し、神蔵守にまさかの逆プロポーズ!?下町育ちの女検事の成長物語、恋と友情のゆくえはー!
父から継いだ製鎖工場で女社長を務める翔子は、倒産した製鉄所の連帯保証債務を押し付けられ、自己破産の危機に追い込まれていた。翔子に想いを寄せるどろ焼き屋の店主・鳴川は金策に走るが、債権者の長山には相手にもされない。その矢先、長山が死体となって発見された。捜査に乗り出した刑事・池内は、殺人犯の他に死体を移動させた共犯者がいると推理するがー。情の鎖がすべてを繋ぐ、社会派ミステリの旗手による傑作長編。
ロンドンで弁護士業を営んでいるアタスンは、友人のジキルから遺言状を預かっていた。自分が死亡、3ヶ月以上行方不明、もしくは不在だった場合、恩人であるハイドに全財産を譲渡するという内容のものである。不審に思ったアタスンは、憎悪を抱かせるハイドを調べようとするものの、ジキルに止められてしまう。その後、街で殺人事件が発生してー。人間は一者ではなく二者から成るものである…善悪の二面性に焦点を当てた世界的名作。
奥州道中にある喜連川藩は騒然としていた。天童藩織田家と仙台藩伊達家、二藩の参勤交代行列の宿泊希望日が、同日になってしまったのだ。家格は十万石だが実際の石高はわずか五千石の小藩・喜連川藩にとって、行列逗留の収入は財政を左右する死活問題。これを調整すべしと、中間管理職の天野一角にまたもや白羽の矢が立てられた。曲者上司の無理難題や思いつきに一角は大苦戦!機転と剣技で難題に挑む大好評シリーズ第3弾。
検死を行う法医学部の大学院生・石上妙子。自殺とされた少女の遺書の一部が不思議なところから発見された。妙子は違和感を持つなか、10代の少女の連続失踪事件のことを、新聞と週刊誌の記事で知る。刑事1年目の厚田厳夫と話した妙子は、英国から招聘された法医昆虫学者であるサー・ジョージの力も借り、事件の謎に迫ろうとするが…。「猟奇犯罪捜査班」の死神女史こと石上妙子検死官の過去を描いたスピンオフ作品が登場!
小説家の加納は、愛する妹の自殺に疑惑を感じていた。やがて妹の婚約者だった奥津の浮気が原因だと突き止め、奥津を呼び出して殺害。しかし偽装工作を終え戻る途中、加納の運転する車の目の前に男性が現れて…。ここから物語はふたつに分岐していく。A.男性を轢き殺してしまった場合、B.間一髪、男性を轢かずに済んだ場合。ふたつのパラレルワールドが鮮やかにひとつに結びつくとき、予測不能な衝撃の真実が明らかになる!
時は幕末。福山藩からわずか25歳で老中に就任した阿部正弘を待ち受けていたのは、数々の国難だった。黒船はじめ度重なる外国船の来航、欧米列強に対する攘夷派の強硬論、逼迫する財政と弱体化する幕藩体制…。一刻の猶予もない中、正弘は外交・内政に煩悶し、国論の統一に奔走する。身分の上下にかかわらず人材を登用、夜明け前の日本で難局に立ち向かい革新をおこなった男の熱き人生を描く、著者初の本格歴史時代小説!
異なる時代のニューヨークから“中間世界”にやってきたエディとスザンナ。“旅の仲間”を得たローランドは、2人をガンスリンガーに育てあげるべく修行を開始した。ある日、凶暴化した巨大なクマとの死闘を経て、“暗黒の塔”へと導いてくれる“ビーム”の道を発見する。その一方で彼は、見殺しにしたジェイク少年への罪悪感で、着実に心を蝕まれていく。そしてジェイクもまた、生々しい死の記憶に苦しめられていた…。
3人目の運命の仲間はジェイクだった!ローランドと少年を責め苛んでいたタイム・パラドックスはようやく終結した。人の言葉を理解する小動物オイがジェイクになつき、旅の道連れとなる。一行が都市“ラド”へと向かう途中、高齢者ばかりが住む小さな町に辿り着く。そこで荒地を疾駆する超高速モノレールの存在を知るのだが…。暴力と狂気、跋扈する異形のものたちーキングの本領がいかんなく発揮された白眉の1冊!
カネなし、男なし、才能なし。29歳のタロット占い師・柏木美月は人生の岐路に立っていた。そんなある日、美月は儚げな美少女・愛莉を助ける。愛莉は見た目とは反対にクールでずば抜けた推理力を持ち、孤独な引きこもりでもあった。彼女を放っておけなくなった美月は、愛莉と占いユニット“ミス・マーシュ”を結成し、人々の悩みに秘められた謎に挑むが!?ほろりと泣ける第2回角川文庫キャラクター小説大賞・優秀賞受賞作。
憧れの作家・御崎禅の担当編集になった瀬名あさひ。その際に言い渡された注意事項は「昼間は連絡するな」「銀製品は身につけるな」という奇妙なもの。実は彼の正体は吸血鬼で、人外の存在が起こした事件について、警察に協力しているというのだ。捜査より新作原稿を書いてもらいたいあさひだが、警視庁から様々な事件が持ち込まれる中、御崎禅がなぜ作家になったのかを知ることになる。第2回角川文庫キャラクター小説大賞“大賞”受賞作。
日野の豪農・土方家に生まれた歳三は、すらりと整った見た目に反して、負けず嫌いで一本気な性格だった。江戸での奉公が合わずに店を飛び出した歳三は、後の近藤勇と出逢う。勇によって「強くなって武士になりたい」という想いに火をつけられた歳三は、勇や沖田総司ら試衛館の仲間と剣の腕を磨く日々を送ることになる。だが、京の治安を守る浪士組に加わったことで、運命は大きく動き出し…。熱量溢れる渾身の青春時代長編!
夏の甲子園地区予選、決勝戦9回の攻防。あと、1人アウトにすれば延長にもつれ込む。と、その瞬間、サヨナラホームランを浴び敗者となった海藤高校の投手直登は、試合後も立ち直れないでいた。そこに、優勝校東祥学園が出場辞退という、意外な報せが届く。「繰り上がりによる甲子園出場」は、どちらのチームにとっても重い結果となって…。少年たちの熱い思いに胸が高鳴る、著者真骨頂の青春野球小説!
迷子になった少年が手にする、観覧車が写る古い写真に遺された曾祖父の想い。鷽替え神事で賑わう亀戸辺りに現れた廃線になった都電の未練。そうしたアヤカシたちの憂いをはらす水脈の前に、故郷印旛沼から龍王の使者が現れる。彼の罪が赦されたので連れ戻しに来たという。それを聞いて慌てる彼方たち。水脈は幽落町からいなくなってしまうのか?大人気シリーズ、ついに最終巻!
吉祥寺のガーデンショップ「栽ーSAI-」に居候中の大学生・保。無口な住み込みの庭師・啓介は、保にとって兄のような存在だ。ある日保は、大学の先輩から相談を受ける。祖母が大事にしている古い梅の木を伐ろうとすると、次々不吉なことが起こるというのだ。それを解決してくれたのは、なんと啓介。彼は現代に生きるすご腕の陰陽師だったのだー!庭にまつわる不思議な事件、解決します。現代の陰陽師ものがたり開幕!
2020年東京オリンピック後、このまま人口が減れば日本は破綻してしまう!33歳にして与党青年局長となった甲斐孝輔は、少子化対策こそ国を救うと考えた。子育て特区や子育て後の社会進出支援などの勉強会を立ち上げたが、党内の重鎮から圧力がかかる。まずは東京から変えようと考えた甲斐は、都知事へ政策を提案した。だが知事から反発され、都知事選立候補の決意を固めるがー。今後の日本があるべき姿を示す、政策提言小説。
就職難にあえぐ崖っぷち女子の胡桃。やっと見つけた職場は美しい西欧風の喫茶店だった。店長はなぜか着物姿の青年。不機嫌そうな美貌に見た目通りの口の悪さ。問題は彼が猫であること!?いわく、猫は人の姿になることができ、彼らを相手に店を始めるという。胡桃の頭は痛い。だが猫はとても心やさしい生き物で。胡桃は猫の揉め事に関わっては、毎度お人好しぶりを発揮することに。小江戸川越、猫町事件帖始まります!
人気作家・山中怜子と、若手女優・井出夏希。新作映画の原作者と主演女優の誌上対談は、表向きは和やかに行われたのだが、笑顔の裏には忌まわしい殺人の過去が…。同様に、ライバル同士のサッカー選手、男女混成の人気バンド、ホームドラマの出演俳優らが対談で「裏の顔」を暴露する時、恐るべき犯罪の全貌が明らかに!?ほぼ全編「対談記事+対談中の人物の心の声」という前代未聞の形式で送る、逆転連発の超絶変化球ミステリ!
彼女が消えた。一冊の本とともに。小学校の教師をしている研介。一冊の本が届いた日、恋人が失踪した。本の贈り主は彼女の「忘れられない初恋相手」か?田舎町に暮らす中学生の本好き女子は、敬愛する小説家の家で不登校児と出会った。彼は祖父の著書をばらばらにする謎の行動をしており、初めは馴染めなかったが、徐々に交流を深めていく。第1回ダ・ヴィンチ「本の物語」大賞・大賞受賞作と、短編「かなたの小説」を収録。