小説むすび | 2017年4月28日発売

2017年4月28日発売

秘密は罪、沈黙は愛秘密は罪、沈黙は愛

この胸の奥にしまったはずの、 秘密が、愛が、いま溢れ出す……。 フェイスは恋人クインと医学を志し、卒業後は結婚しようと誓っていた。 だが大学進学を前に、彼女は理由も告げず、突然彼の前から姿を消した。 あれから17年。亡き母の葬儀で帰郷したフェイスは、 医師となって母の最期を看取ってくれたクインと再会を果たす。 「フェイス?」以前より深みが増した彼の声を聞いた瞬間、 なつかしさと、やるせない悲しみの涙が、彼女の頬を伝った。 ああ、彼への想いは、あの頃と少しも変わっていない。でも……。 一方、クインは彼女に寄り添っている若者に敵意を向けた。 不穏な空気を察したフェイスは、いとまを告げてその場を後にしたーー 付き添いの青年の、17年前のクインとよく似た声に促されながら。 遠い昔、ヒロインが最愛のヒーローの人生から忽然といなくなった理由はいったい……? 秘密と真実が明かされる瞬間、涙が止まらなくなる“愛のドラマ”をお贈りします。編集者も太鼓判を押す、読まないともったいないほどの逸作です!

愛憎が丘愛憎が丘

天涯孤独となった娘はやがて、 血の繋がらない兄と出会い、恋を知った。 養子のメレディスがようやく見つけた実の母は、 親子の名乗りをあげてまもなく、重い病で帰らぬ人となった。 だが、娘の存在を知らない実の父がまだ健在だとわかると、 彼女はルーツを探るため、素性を隠して父の住む地に求職広告を出した。 首尾よく、さる屋敷で雇われることになるが、 そこにはメレディスの心をかき乱す男性が暮らしていた。 名をガレスというその人は、彼女の血の繋がらない兄だったのだ! ガレスは彼女の亡き母を嫌い、先の訃報にも安堵したと言い放つ。 人知れずメレディスは傷つき、腹を立てたーー義兄のひどい言葉に。 そして、そんな彼を憎からず思ってしまう自分に。 ハーレクインの草創期にイマージュで活躍した大作家E・サマーズが遺した、未邦訳の古き良き物語を掘り起こしてお届けいたします。愛憎織りなす丘で繰り広げられる、孤独な娘と義理の兄の恋模様を、1970年代のクラシックな雰囲気とともにお楽しみください。

伯爵が拾った野の花伯爵が拾った野の花

道端に行き倒れの娘がひとり。 伯爵は捨てる神か、拾う神かーー 目が覚めたら、ヘンリエッタは壮麗な屋敷の寝室で横たわっていた。 下着姿に、髪は乱れ、あげくに泥のにおいを漂わせている。 ふと気づくと、ベッドカーテンの陰に男性が立っていて、 そのたぐいまれな美しさを見て、彼女は我が身を恥じた。 「ここはどこ?」相手の答えに、ヘンリエッタはうろたえた。 そこは彼女が家庭教師として仕える家に隣接する伯爵領だったのだ。 つまり彼は、不道徳な噂が絶えない放蕩伯爵レイフ・セント・アルバン。 側溝に倒れて気を失っていた彼女を拾って、ここまで運んだという。 いったい私の身に何が? このはしたない格好は、まさか伯爵様と……? かたや彼女の疑念を見透かしたレイフは、頭の中で毒づいた。 世慣れたこの僕だ、こんな無垢な村娘になど用はない! 茶色のドレスを何度も繕って着つづけるような、つましい暮らしをしている家庭教師ヒロインが、ひょんなことから放蕩者と噂の絶世の美男子伯爵に拾われて……。身分も経験値もまるで違うふたりの、ときめきとドキドキがほとばしるシンデレラ・リージェンシー!

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