2017年7月28日発売
旅先のイタリアで道に迷ったエリンは、黒馬にまたがったハンサムな男性、フランチェスコに助けられた。うぶな彼女はたちまち恋に落ち、翌日には彼に純潔を捧げ、5日後には結婚式を挙げていた。エリンはそのとき初めて知った。フランチェスコがイタリア名門銀行の経営者であると。かすかな動揺は、やがて夫に対する不信へと変わっていく。彼ほどすてきな人が、なぜ私を選んだのだろう?ある晩、パーティ会場で夫が別の女性とキスしているのを見て、エリンのなかで何かが壊れた。私は愛されていなかった…。彼女はすぐに家を出たー身ごもっていることを隠したまま。
キャピーは幼いころに両親を亡くし、今は動物病院で働きながら、怪我で半身不随となった兄とつましい生活を送っている。ある日、車の衝突事故に巻きこまれたキャピーは、その場に偶然居合わせた院長のベントリーに救われて、驚愕した。いつも気難しく、キャピーにはとくにきつく当たっていた彼に、こんな心優しい一面があったなんて…。それ以来、互いの家を行き来するようになった二人は距離を縮め、キャピーはベントリーとの結婚さえ夢見るようになった。ところが翌週、突然別人のように冷淡になったベントリーから、キャピーは耳を疑う言葉を浴びせられる。「君はくびだ。出ていけ」
5年ぶりに南の島で再会した婚約者には、すでに恋人がいた。帰るに帰れずテンプルは途方に暮れ、船着き場へと向かうが、船員に女は断ると言われ、男装して船に乗り込むのだった。2人用船室に待ち受けていたのは、物憂げな美しい男性リック。“孔雀宮の主”だと名乗る貴人は、皮肉めいた笑みを浮かべて、おどおどした少年姿のテンプルをじっと見つめたーその夜、激しい船酔いに陥ったテンプルは、深い眠りのうちに男装をすべて解かれてしまう。翌朝、怯えるテンプルにリックは、悠然と微笑んだ。「女の子だって、最初からわかっていたよ」
職場の女性たち全員が、同じビルに事務所を持つ弁護士、高級スーツに身を包む独身貴族ザカリーに夢中になっている。ひょんなことから、ジェニーはザカリーと知り合うが、なぜか彼は、平凡なジェニーをこそ“理想の妻”だと思い込み、あっという間にプロポーズされてしまうのだった。しかし、ジェニーは5週間前に婚約者に捨てられたばかりで、少なくとも今は、どんな男性ともかかわり合いたくない。そう思っているのに、男っぽい魅力のザカリーを前にすると、田舎の娘みたいに、彼を意識せずにはいられなくて…。
経営者フリンをヘザーは一途に愛したが、彼はあっさりと捨てた。離婚したてのフリンにとって、恋は慰みにすぎなかったのだろう。身も心も引き裂かれて、ヘザーは会社を辞め、家も転居した。その8カ月後、あり得ない、招かれざる客が訪れる。大きな仕事を終えたフリンが、執拗に彼女を捜しだしたのだ。同じ過ちは犯さない。わかっているのに彼に目が吸い寄せられる。しかも、フリンの口から予想だにしなかった言葉がこぼれた。「ヘザー、結婚してくれ。きみだってまだぼくを求めている」だがすぐに、彼が息子の母親役を求めているだけだと気づき…。
7年前に、忽然と姿を消したライアンが町に戻ったと知り、ジャナの胸に、一瞬にして暗い影が差した。16歳のころ、ジャナは屋敷に住むライアンと愛し合っていた。だが、部屋に踏み込んできた彼のおじに見つかって、思わず、「ライアンに連れ込まれたの」と嘘をついてしまったのだ。その日のうちにライアンは勘当され、翌日には屋敷を去った。そうして、ジャナの初恋は無残な形で終わりを告げたー長い空白の時を経て再会した彼は、いまや別人のように、彼女を嘲笑していた。「復讐を受ける覚悟はできているか?」と。
傲慢だという噂の新社長には、まだ会いもしないうちに、身なりが悪いと断じられ、ピッパは昇進を見送られてしまう。あまりの理不尽さに打ちのめされるが、気を取り直して、その夜のパーティには、美しく装って出席することに。そこで、すばらしくハンサムなイタリア男性が話しかけてきた。今まで仕事一筋だったピッパは、一目で惹かれる自分に戸惑うが、彼に乞われると、なぜか流されるように一夜を共にしてしまう。だが翌日、出社した彼女は社員総会に出て愕然とする。あろうことか昨夜の男性ーアンドレオが社長だったのだ。