2017年7月発売
霧にけぶる八月の海にプライベートジェット機が墜落した。乗り合わせていた画家のスコットはからくも死を免れ、救助した男の子とともに泳いで生還を果たす。連邦の調査チームによる墜落原因の特定が難航する一方で、死亡したとみられている乗客の中に米国有数のメディア王や訴追直前の富豪が含まれていたことから、全米を過激な陰謀論が飛び交うことに。はたして偶然の事故なのか?加熱する報道の矛先は生存者であるスコットへと向けられ…アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞を射止めた迫真のサスペンス!
軍用有人兵器・機甲兵装の密輸事案を捜査する警視庁特捜部は、北アイルランドのテロ組織IRFによるイギリス高官暗殺計画を掴んだ。だが、不可解な捜査中止命令がくだる。首相官邸、警察庁、外務省に加えて中国黒社会との暗闘の果てに、特捜部が契約する“傭兵”ライザ・ラードナー警部の凄絶な過去が浮かび上がる!極限までに進化した、今世紀最高峰の警察小説シリーズ第二作が、大幅に加筆された完全版として登場。
ライザ・ラードナー、警視庁特捜部付警部にして、元テロリスト。自らの犯した罪ゆえに、彼女は祖国を離れ、永遠の裏切り者となった。英国高官暗殺と同時に彼女の処刑を狙うIRFには“第三の目的”があるという。特捜部の必死の捜査も虚しく、国家を越える憎悪の闇が見せる最後の顔。自縄自縛の運命の罠にライザはあえてその身を投じる…過去と現在の怨念が狂おしく交錯する“至近未来”の警察小説第二弾。
メディア界の要人がチャーターしたプライベートジェット機が大西洋上に墜落。この惨事に巻き込まれた画家のスコットは救出した男の子とともに夜の海を命がけで泳ぎきり、奇跡的な生還を果たす。世間から英雄視されるスコットだったが、落下原因の究明が難航するなかで次第に疑惑の目が向けられ始め…その飛行機にいったい何が起こったのか?人気ドラマクリエイターによるアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞受賞作。
米国有数のメディア王や訴追直前の富豪が乗る飛行機が墜ちたのはただの偶然の事故なのか?意図的な事件なのか?惨事をめぐる報道は日増しにエスカレートし、死者たちが秘めていた過去はさらなる疑惑を生み出していく。メディアからの攻撃にさらされたスコットはある決断を下すが…。幾重にも連なる墜落以前/以後の物語。その決着とは。現代アメリカを舞台に、卓抜なるストーリーテラーが紡ぐ至高のサスペンス巨篇。
小学校で出会った、リラとわたし。反抗的で横暴で痩せっぽちなリラ。でも、ずば抜けた頭脳を持つ聡明なリラー。一九五〇年代ナポリ。時に暴力的な下町で、少女ふたりは友人となり、嫉妬や憧れを投げかけ合いながら大人になっていく。戦後のイタリア社会を舞台に、猛々しく奔放なリラと本好きのエレナの複雑な絆を描いた世界的ベストセラー。
正月。小籐次は望外川荘、おりょうの実家、久慈屋と宴席が続き、掏摸を捕まえた駿太郎は、奉行所から褒美をもらうことになった。そんな折、小籐次は何者かに襲われる。難なく撃退したが、刺客は雇い主の矢に射抜かれて死に、その矢を見たおりょうが驚愕の声を発した。おりょうは何に気付いたというのか。書き下ろし第8弾。
「犯人は○○だよ」。クラスメイトの鈴木太郎の情報は絶対に正しい。やつは神様なのだから。神様の残酷なご託宣を覆すべく、久遠小探偵団は事件の捜査に乗り出すが…。衝撃的な展開と後味の悪さでミステリ界を震撼させ、本格ミステリ大賞に輝いた超話題作。他の追随を許さぬ超絶推理の頂点がここに!第15回本格ミステリ大賞受賞。
1996年、わたしと弟の陵はこの家に二人で戻ってきた。ママが死んだ部屋と、手をふれてはならないと決めて南京錠をかけた部屋のある古い家に。夢に現われたママに、わたしは呼びかける。「ママはどうしてパパと暮らしていたの」-愛と人生の最も謎めいた部分に迫る静謐な長編。読売文学賞受賞作。
平安の中頃、物売りのナツメ、物乞いのナマス爺さん、女房づとめをしていたシコン、貴族の子息コオニ、太宰府がえりの勇将・ニシタカの五人がひょんなことから、ある有力貴族の依頼で疑似家族として町屋で暮らし始め、最近、都に起きた、鬼に纏わる難事件を解決しようと、それぞれ密かに探索を開始するが。
タイトルどおりの「泣き虫」孔明。圧巻の「泣き」をご堪能あれ! 赤壁の戦いで魏軍に大勝した劉備玄徳は、その後湖南四郡に進出、そして天下の奇人で「鳳雛(ほうすう)」と呼ばれた龐統(ほうとう)を召し抱えた。 しかしその龐統は雒城包囲中に流れ矢に当たって死んでしまい、劉備をひどく嘆き悲しませる。その後、劉備の義兄弟・関羽も呉軍との戦いの中に死に、あろうことかもう一人の義兄弟・張飛までもこの世を去る……。 不世出の天才・諸葛孔明を描き、独特の解釈で「三国志」の新しい地平を切り開いた『泣き虫弱虫諸葛孔明』。第四弾となる本作は、関羽、張飛、曹操、劉備などの大立者が次々にこの世を去る大激動の巻。 劉備の死に際して蜀の今後を託された孔明は、いったい何を思う? 解説:杜康 潤(「孔明のヨメ。」)
藤堂旬一郎、28歳、国会議員秘書。あまりに多忙な日々に、青雲の志も忘れがち。そんな彼の心が安まるのは、永田町近くの立ち呑み酒屋で店主の小梅に逢うとき。だがある日、眼光鋭く、頬に傷を持つ“新店長”が現れた。この怪しい男のつくるつまみが滅法旨い!読めば読むほど腹が減る、文庫書き下ろしシリーズ第4作。
商王朝の王子・丁は、言葉の不自由のため、父王から追放された。しかし彼は苦難の旅の末に、目にみえる言葉ー文字を創造した。己のハンディを跳ね返し普遍的価値を生み出した高宗武丁を描いた表題作をはじめ、古代中国に材を取った「地中の火」「妖異記」「豊饒の門」「鳳凰の冠」を収録。みずみずしい傑作集。
近年、いよいよ兇悪化する盗賊どもの跳梁。長谷川平蔵はその探索のために身銭を惜しまず、父・宣雄が遺した金も刀剣もほとんど失い、命をも狙われる日々である。密偵・伊三次の過去と無念(「五月闇」)ほか、「あごひげ三十両」「尻毛の長右衛門」「殿さま栄五郎」「浮世の顔」「さむらい松五郎」の全六篇を収録。
火付盗賊改方の二同心が、立て続けに殺害される。その太刀筋は、半年前に平蔵を襲った兇刃に似ていた。何者かの火盗改方への挑戦に、平蔵は二十数年前に亡師・高杉銀平が語った「忘れられぬ剣客」の記憶を手操る。その男こそ、「雲竜剣」の遣い手・堀本伯道であったが…。忍び寄る恐怖と敵に立ち向う迫力の特別長篇・初登場!