2017年9月14日発売
あとどのくらい私たちはこうやって肌を合わせられるのですか。世間から隔絶された場所で生かされている美しい少女たち。快楽に溺れながらも、真実の情愛を求める彼女たちに救いはあるのか?儚くも美しい恋愛小説集。
小説を愛してやまない文芸編集者の澤野逸郎は、文芸誌“小説○○”の編集長になった。妻と双子の娘に囲まれ、幸せの絶頂かと思われたが、気づけば編集部には鬱が蔓延、作家とのトラブルも続き、やがて大量の薬に溺れるようになる。時を同じくして、部下である新人編集者の豊嶋と不倫関係が始まった。薬と肉欲にまみれた逸郎を、不幸の連鎖が襲う。その行き着く先はー。
彼には野望があった。それは旧日本軍が保有した連合艦隊すべてのプラモデルを作り上げること。決して捜査の先陣を切ったり、本部の方針に逆らったりすることじゃない。なのに、事件解決の手がかりが勝手に降ってきて…。田中署長に、平穏な日々はいつ訪れる!?一読、にやり。軽快な筆致の傑作ユーモア警察小説。
通称・包丁部、いわゆる料理部は運動部が盛んな男子校において弱小この上ない。存続の危機に直面する中、抜群の料理の腕を誇る部長・翔平と、イケメンで話術に長ける副部長・颯太に挟まれて、元陸上部で今や包丁部エースの大地がいよいよ新入生勧誘に乗り出す。がっつり飯と伝統の豚汁に魅せられた男子高校生が繰り広げる垂涎必至のストーリー。
寂れた団地で人々の心の隙間を埋めるように広がる新宗教“ゆかり”。大企業スザクに勤める六三志は、自社の顧客を守るため、教団潰しを命じられた。ところが若き教祖・禅祐は、宗教を用いて金儲けをたくらむ頭脳派。信者の前で正体を暴こうとする六三志の告発をかわしてしまう。教団の存亡を賭け、どちらが住民の支持を得られるのか、激しい心理戦が始まった!気鋭の放つ傑作長編ミステリー。
高校を卒業した葵は、舞事、念願の京都府立大学に合格した。清貴も京大大学院を卒業し、ようやく2人の仲も縮まるかも…と思っていた矢先、なんとオーナーの一言で、社会勉強のため清貴は京都の街の外に修業に行くことになった。最初の修業先は、八幡市にある松花堂美術館。大学が休みの日、葵は同級生の香織と一緒に、こっそり清貴の様子を見に行くが、そこで思わぬ事件が3人を待っていた!?-大ヒット・キャラクター小説、第8弾!
『美女と野獣』のような恋を夢見る女子高生ひなたは、クラスメイトの塚田くんに絶賛片想い中。ある日、カラスに襲われていた子猫を助けるが、その正体は塚田くんの親友で失踪していた学校一のイケメン・祐星だった!魔女によって猫にされた祐星が人間に戻るためには、愛する人とのキスが必要だという。そんな彼と同居するはめになったひなたにも、次第に魔女の手が迫り…!現代版『美女と野獣』の物語。
大手事務所から独立し、芸能事務所を立ち上げた佐々木賢治は、唯一の所属タレント・前川奈央を売り出すべく、六本木を夜な夜な歩き回る毎日。狙うは日本音楽大賞の新人賞だ。奈央は大手化粧品のキャンペーンガールに選ばれるなど、順調に階段を上っていったが、ライバルの芸能事務所から思わぬスキャンダルを仕掛けられてしまう。己の才覚と下半身を武器に、芸能界をのし上がる男を描く、書き下ろしショービズエロス。
早瀬美枝が週末の夜に思いがけず再会したのは、7年前の教え子だった。当時の忌まわしいできごとは、美枝の中では甘美な記憶になって残っていたのだが(「指の記憶」)。妻の性生活への不満をその女友達から打ち明けられた高倉は、真実を探ることに(「イケない女」)。そのほか、6年前に別れた元妻との不思議な逢瀬など、6編の艶めく作品を収録した珠玉の傑作官能短編集。
吉田伊知郎の唯一の慰めは、勤め帰りの至福の一杯。長年連れ添った妻に去られたやるせない記憶は、いつしか彼を大人の男に成長させていた。今宵もひとり酒を楽しむ伊知郎の前に、悩める美女が現れる。盃を重ね、飲むほどに酔うほどに心と体を開いていく二人。切なくも淫らな夜が更けてゆくー。人生のほろ苦さ、男女の愛しさを情緒豊かに描く“遅咲き大型新人”、渾身のデビュー!
友垣を見舞いに品川に行くと言い残し、秀士館から姿を消した医者の雄哲。さらにその後を追うように、雄哲の助手だった一之輔も行方を晦ました。二人を案じる湯瀬直之進ら秀士館の面々は、南町同心の樺山富士太郎と中間の珠吉に品川での探索を依頼する。一方、倉田佐之助と秀士館教授方で薬種問屋古笹屋のあるじ民之助は江戸を発ち、川越街道を北上していた。書き下ろし人気シリーズ第三十八弾。
一俵でも禄高が減れば旗本に格下げになる、ぎりぎり一万石の大名、下総高岡藩井上家に婿入りすることになった竹腰正紀はまだ十七歳の若者だ。正紀は、高岡藩江戸上屋敷を訪れたおり、堤普請を嘆願する百姓と出会い、二千本の杭を調達する約束を結んでしまう。まだ婿入り前にもかかわらず、高岡藩のために奔走する日々が始まった!待望の新シリーズついに開幕!
拙者は猫でござる。あちきはねこでありんす。あっしはネコでござんすーお江戸の猫は知っている。生きる喜び、生きる悲しみ、さだめの苛酷さ、この世の情け。愉快で気ままでときどきホロリ、名前はなくとも誇りはある。映画『武士の家計簿』脚本家・柏田道夫が描く、心がモフッと温まる傑作時代小説シリーズ第一弾!
1916年、既にアメリカに暮らす大原幹三郎のもとへ「写真花嫁」として嫁ぎ、佳乃は海を渡った。そこから全ては始まった。夢が叶うと言われる大地で日々を積み上げていく一家。彼らはやがて時代の激流に呑み込まれていく。日本人というルーツに苦しめられた祖母、捨てようとした母、惹かれる「私」-これまでの百年、そして今のこの世界の物語。
旅行中に命を落とした双子の兄の遺言が、エドワード・オールコットの運命を一変させた。グレイリング伯爵の地位を継ぐばかりか、帰国後は兄になりすまして、幼な妻ジュリアとの結婚生活を続けなければならなくなったのだ。兄とは正反対に放蕩の限りを尽くしてきたエドワードは、数年前のある“過ち”のせいで、彼女から毛嫌いされている。4カ月ぶりに夫と再会したジュリアは、幸いにも瓜二つのエドワードを夫と信じて疑わなかったが、彼を愛情深く見つめる“妻”の隣で眠ることに、エドワードは次第に耐えきれなくなっていた。
男性の目を引くセクシーな容姿が、セリーナには悩みの種。軽い女に見られるが本当は奥手で、目立たないように生きてきた。ある日、彼女が働くレストランに、ビジネスマン風の客が訪れた。ハイスクール時代の憧れの先輩、アーロン・キングズリー!17歳の頃、酔った少年たちに絡まれ、助けてもらったことがある。あれからずいぶん経つけれど、私をまだ覚えているかしら?昔どおりの魅力の上に、成功した者特有の雰囲気をまとった彼は、セリーナに気づくと興味深そうに彼女の全身を眺めまわした。彼も他の人と同じねーセリーナは失望を隠して接客するが…。