2017年9月23日発売
AV出演歴のある母親を憎む少女、あやこ。家族に黙って活動を続ける人気AV女優、彩乃。愛する男とともに上京したススキノの女、桃子。夫のAVを見て出演を決意した専業主婦、美穂ー。4人の女優を巡る連作短編小説。現役人気AV女優、紗倉まなの小説デビュー作。
郡上おどりで賑わう、生と死が入り交じる町・郡上八幡。高校生、藤沢大和はある日その町でー死んだ。なぜ死んだのかも忘れたまま存在し続ける大和。そして、とある秘密を抱えながらも大和を生き返らせようとする、幼馴染みの少女・青山凛虎。不器用なふたりのひと夏の運命がいまー始まる。恋愛小説の名手が紡ぐ、傑作青春ストーリー。
北海道綾志別町の妖怪課職員となった秀也のもとに、前任地での恋人・ゆいが赴任してきた。仕事と恋の狭間で揺れ動く微妙な距離感の中、立て続けに起こる妖怪騒動。馬の飼い葉を盗み、壁をすり抜ける妖怪、捨てても帰ってくる人形、伊里菜をつけまわす怪しいフードの男、ゆいを襲う恐怖の赤い実…騒動にかかわる帝政ロシア時代の秘密が明かされるとき、秀也に思いもよらない別れが…。お仕事&妖怪物語“北国の巻”、解決編。
激動の幕末。若き神官の祝井信吾は、「常勝の御太刀」の霊験を以て日の本を統べるべき人物を一年に亘り各地で探していた。諦めかけた矢先、桂小五郎、坂本龍馬と出会った信吾は、無私の精神で日本の将来を語る彼らを見て心動かされ、独り長州へ向かう。そこでは、異国からの襲撃を受け混乱する中、高杉晋作が抜群の統率力を誇っていた。彼こそが御太刀を託すべき者なのか。だが直後、信吾は大器・西郷隆盛と邂逅するー。
黒船来航以降、時代への焦慮がみなぎる南国の雄藩薩摩。藩主島津斉彬を慕う樺山小一郎は、西郷吉之助(隆盛)や大久保市蔵(利通)らと奸臣誅殺を企てひとり江戸へ向かう。しかし、計画は失敗に終わり小一郎は消息を絶った。小一郎の琵琶歌に魅せられ恋心を抱く大阪芸者のお葭は、彼の汚名をそそぐため江戸へ。同じく小一郎の行方を追う西郷とともに捜索をするが…?維新前夜の激流を生き抜いた若者たちの青春群像劇!
編集者の瀬名あさひが担当しているのは、覆面作家の御崎禅。その正体は、なんと吸血鬼。人外の存在が関わる事件について、警察に協力している彼のもとへは次々と奇妙な話が舞い込んでくる。ある日、警視庁異質事件捜査係の夏樹から、死んだ人が化けて出ているという噂話が持ち込まれ、現場の公園へ行ってみると、確かに死んだはずの男性が子供と話をしていた。彼の正体は一体…。番外編「あたしのご主人様のこと」収録。
高校2年生に進級し、小春を取り巻く環境が少しずつ変化していく中、京都では不穏な事件が続発し始めていた。事態を重く見た澪人は、小春や朔也たちと対策チームを結成し、かつて京都に張りめぐらされた護りの結界を補修しようとする。一方、小春は胸にわだかまる謎の「後悔」の理由を解き明かすために、自らの前世を全て知ろうとする。そこには、切なすぎる真実が秘められていて…。大好評の京都不思議ミステリ、新展開!
かつて鍵開けの名人だったはじめは、泥棒から足を洗い小さな町工場で働いていた。しかし出所した先輩泥棒の畠山に脅され、泣く泣く盗みを手伝わされることに。忍び込んだ先は絵本作家の豪邸だった。嫌々ながらもふたりで金品を物色していると、不意に何者かが玄関に入ってきた。はじめは自分が家主であると嘘をつき必死に演じるが、今度は“本物の”家主である絵本作家がリビングに現れて…。曲者たちの騙し合いの結末は!?
吉祥寺のガーデンショップに居候中の大学生・保。兄のような存在である庭師の啓介が、実はすご腕の陰陽師でもあると最近知ったが、それ以上詳しいことを教えてもらえないのが不満の種だ。そんなある日、保と啓介は庭の手入れを依頼され、練馬の一軒家を訪れる。だが突然井戸から黒い煙のようなものが噴き出し『うそ…つき…』という女の声が。そしてさらに災いは連鎖していきー!?現代の陰陽師ものがたり、第2弾!
杜の都、仙台で暮らす村田カエデ27歳。ぽっちゃり体型の優しい彼氏あり。地元の信金勤務の平凡な人生を送っていたーお鈴さんに出会うまでは。彼女は超がつくわがままお嬢さま。さらに問題なのは幽霊であること!?でもお人好しで憎めない、変わった幽霊なのだ。困った人を放っておけず騒動ばかり引き起こす。今日もカエデたちを巻き込み大騒ぎに!?楽しく笑い、ほろりとさせられる。読んだ後に優しい気持ちになれる物語。
凡庸を嫌い「上品」を好むデザイナーの僕。何もかも自分と正反対な婚約者には、さらに強烈な父親がいてー。(「アメリカ人の王様」)サークルで憧れの先輩と部屋で2人きり。「やりたいなら面白い話をして」と言われた俺は、祖父直伝のホラ話の数々を必死で始めるが…。(「魚のヒレ」)不器用でままならない人生の瞬間を、肉の部位とそれぞれの料理で彩った、妙味あふれる傑作短篇集。
2008年12月、スウェーデンのストックホルム近郊の森で暮らす老人のもとを、2人の男が訪ねた。そして、のちに「史上もっとも華麗で大胆な銀行強盗」と称されることになる犯罪計画が動き出した。標的は、世界最大の警備会社“G4S”の現金保管庫。年齢も国籍もバラバラの男4人は、ビルの屋上に降りたつという、奇想天外な計画を実行に移す。だが、計画は思わぬ方向へー!2009年に起こった強盗事件の真相を暴く問題作。
フリーライターの森田は、奥松島の墓地で、一基だけ離れたところに建つ大きな墓石に目を留める。元々彫られていた文字が削られ、小さく「立川家之墓」と刻まれていた。調べていくと、太平洋戦争中、特攻隊員として戦地へ赴いた青年のものだと分かる。一方、東京都内で老人の遺体が発見された。十津川警部は、捜査線上に浮かんできた森田と会う。世間から身を隠して生きていた元特攻隊員の老人は、何のために殺されたのか。
男女だけど「親友」の夏樹と冬子。高校時代、日常の謎解きという共通の趣味で、2人は誰よりもわかり合えていた。ただ、夏樹が密かに、冬子に片想いしていたことを除いて…。そして今、社会人になった夏樹は、冬子に会いに神戸を訪れる。今度こそ、想いを伝えると決めて。けれど冬子は、なぜかかたくなにチャンスをくれなくて…。ウィットに富んだ日常の謎から、誰もが目を瞠る驚きのラストへ。切なさ最大級の青春片恋ミステリ。
本人の知らぬ間に企画された浅見光彦34歳の誕生日会。初恋のひとである稲田佐和との再会に心躍る浅見は、美貌のヴァイオリニスト、アリシア・ライヘンバッハからボディガードを頼まれる。一度は断ったものの、陽一郎からの要請でアリシアのコンサートが行われる丹波篠山に赴くことに。彼の地で彼女の祖母の遺譜を捜索するが、手がかりの「インヴェ」につながる男が殺され浅見に嫌疑がかかり!?国民的名探偵“最後”の事件!
美貌のヴァイオリニスト、アリシアから「遺譜」捜索の依頼を受けた浅見光彦は、依頼の裏に戦前日本とドイツまで遡る陰謀があることに気づく。浅見家にも繋がる「遺譜」に隠された盟約と、陽一郎の暗躍。真相を確かめるため赴いたドイツで、アリシアの祖母から明かされた哀しい事実は浅見の大義と正義を揺るがす。70年の時を経て甦る陰謀に、浅見家の人間として下す究極の決断とはー。国民的名探偵が迎える衝撃のラスト!
浅草の裏長屋に仕事場を構えた指物師の弦次。ところが長屋は空き部屋ばかり。住人たちが次々と引っ越したのは、木戸口から数えて4つ目の閉じられた部屋と関わりがあるらしい。入居日の夜、弦次はその部屋でこの世の者とは思えない女を見てしまう。怖がりだが根が真面目な弦次は、不真面目な先輩住人の三五郎、幽霊画を描くのにどうしても本物を見たい町絵師の朔天とともに、原因究明という名のおばけ退治に乗り出すが…!?
転勤で尼崎にやってきた検事・凛々子のもとに汚職事件の告発状が届いた。したたかな相手に取り調べは進まず、凛々子は証拠集めに奔走する。豪快な110番担当の虎子や、こてこての関西弁の青井刑事と協力して捜査を進め、上司にガサ入れの許可を求めるが、理不尽な理由で却下されてしまう。一方プライベートでは、幼馴染みの紹介で知り合った俳優と恋の予感が!?下町育ちの女検事、関西でも『正義』に向かって全力投球!
30歳過ぎのひきこもりの兄を抱える妹の苦悩の日常と、世界の命運を握る“悪因”を探索する特殊能力者たちの大闘争が見事に融合する、空前のスケールのスペクタクル・ホラー!二階の自室にひきこもる兄に悩む朋子。その頃、元警察官と6人の男女たちは、変死した考古学者の予言を元に“悪因研”を作り調査を続けていた。ある日、メンバーの一人が急死して…。第22回日本ホラー小説大賞優秀賞受賞作。文庫書き下ろし「屋根裏」も併録。