2017年発売
いく度も奉公先を追われる美しい娘・菊。慾のない菊の姿はやがて、つねに満ち足りない旗本青山家当主・播磨の心に触れるが、菊の父親の因果や、播磨の暗い人間関係が、二人を凄惨な事件に突き落とす。数えるから、足りなくなるー欠けた皿と心の渇きに惑う人々が織りなす、今まで語られなかった「皿屋敷」の真実。
手には大型ナイフ、血まみれの着衣。殺人現場付近の監視カメラは敏腕検事・田島の衝撃の姿を捉えていた。絶対的な証拠が揃う中、彼は無実を訴えたきり口を閉ざす。田島の下で働いていた検察事務官・星利菜は、真相を明らかにするために彼と法廷で対峙するが…。ドラマ原作にもなった傑作ミステリー。
推理作家が親友に古今東西の「殺し方」を話したその晩、人が殺された。驚きの方法で…(「冷たいのがお好き」)。昔の恋人を消す計画を練っていた男が落ちた陥穽(「殺さずにはいられない」)。幻のショートショートを含む傑作短篇集第二弾。著者選「ミステリーひねくれベスト10」も収録する。
内気なマディが、社交界デビューを避けるためにでっち上げた架空の婚約者だったはずのローガンが、いきなり彼女の目の前に現れた。彼はだれなのか? しかも彼はマディに結婚を迫り…。傑作ロマンス。
自転車のチェーンが外れて花屋「ゆめゆめ」の店先に頭から突っ込んでしまった蕾は、それをきっかけに秘密の力を持ってしまってー。 そんな蕾が、フローラル王子と呼ばれる店員の咲人と、魔王と恐れられる店長の葉介と一緒に、花屋「ゆめゆめ」でバイトしながら、お客様のトラブルや事件を、お花を使って解決します! 少し不思議でちょっと泣ける、読めば必ずほっこりとした気持ちになれる物語です。
「夏目食堂」の娘・梨花は、近所の神社でお腹を空かせた男を助けたことで「神様の料理番」に任命され、神隠しに遭う。行き着いたのは「神域」といわれる神様の世界。突然のことで混乱する梨花の前に現れたのは、美しい神様・御先様だったー。御先様に「美味い」と言わせるべく、愛らしい付喪神たちと共に奮闘する梨花。徐々に神域の謎や御先様の悲しい過去も明らかになっていく。
止むに止まれぬ動機から女性たちが犯した犯罪。彼女たちの前に現れたのは、美人画で有名な人気絵師だった。「その美を僕の手で永遠に残してみたい」とモデルを頼む一方、幾重にも隠したはずの罪にも巧みに迫っていく。思いもよらない一点から論理的に真相が導き出される鮮やかさ。「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞受賞作家がついに書きえた新たな傑作! 徒花ノ微笑 躑躅ノ毒 瓜ノ顔 柚ノ手 蜜柑ノ種 徒花ノ微笑(承前)
新設された「緑の窓口」への異動を言い渡された区役所職員の天野優樹が出会ったのは、風変わりな美人“樹木医”だった!樹木トラブルの裏に隠された、人の“想い”を見つけ出す6つの連作ミステリー!
有楽斎、この戦国一愛すべき男。怯えて、喚いて、逃げるー覇王信長の弟・織田有楽斎は、「本能寺の変」「関ヶ原の戦い」「大坂の陣」でどう戦ったのか。戦国三大合戦を有楽斎ともう一人の視点で描く、前代未聞の連作短編集。
2026年、多数の死者を出した京都暴動(キョート・ライオット)。ウィルス、病原菌、化学物質、テロ攻撃の可能性もない。人類が初めてまみえる災厄はなぜ起こったのか。発端はたった一頭の類人猿、東アフリカからきた「アンク(鏡)」という名のチンパンジーだった。一人の霊長類研究者が壮大すぎる謎に立ち向かう。乱歩賞『QJKJQ』で衝撃の”デビュー”を果たした著者による、世界レベルの超絶エンターテインメント! 2026年、多数の死者を出した京都暴動(キョート・ライオット)。 ウィルス、病原菌、化学物質が原因ではない。そしてテロ攻撃の可能性もない。 人類が初めてまみえる災厄は、なぜ起こったのか。 発端はたった一頭の類人猿(エイプ)、東アフリカからきた「アンク(鏡)」という名のチンパンジーだった。 AI研究から転身した世界的天才ダニエル・キュイが創設した霊長類研究施設「京都ムーンウォッチャーズ・プロジェクト」、通称KMWP。 センター長を務める鈴木望にとって、霊長類研究とは、なぜ唯一人間だけが言語や意識を獲得できたのか、ひいては、どうやって我々が生まれたのかを知るためのものだった。 災厄を引き起こした「アンク」にその鍵をみた望は、最悪の状況下、たった一人渦中に身を投じるーー。 江戸川乱歩賞『QJKJQ』で衝撃の”デビュー”を果たした著者による、戦慄の受賞第一作! 我々はどこから来て、どこへ行くのかーー。人類史の驚異の旅(オデッセイ)へと誘う、世界レベルの超絶エンターテインメント!! プロローグ 1 霊長類研究者 2 これは感染爆発ではない 3 超暴動 4 かつてこうであったもの エピローグ
ADを辞め、ネットカフェ難民となった麻衣子が、立てこもり事件に巻き込まれた。ところが全国中継で犯人が予想外の要求をしたことから、「大炎上」が始まる!激増するSNSのフォロワー数、番組に出演させようとする元上司、プロデュースしようとする芸能マネージャー、やがて襲い掛かるバッシング…混乱のなかで、麻衣子は本当に大切なものに気づき始める。母との確執を乗り越えて、麻衣子は幸せになれるのか!?大人気脚本家がおくる渾身の小説デビュー作!
サロト・サルー後にポル・ポトと呼ばれたクメール・ルージュ首魁の隠し子とされるソリヤ。貧村ロベーブレソンに生を享けた、天賦の智性を持つ神童のムイタック。皮肉な運命と偶然に導かれたふたりは、軍靴と砲声に震える1975年のカンボジア、バタンバンで出会った。秘密警察、恐怖政治、テロ、強制労働、虐殺ー百万人以上の生命を奪ったすべての不条理は、少女と少年を見つめながら進行する…あたかもゲームのように。
わたしはひとりじゃない。 夜、見上げれば、わたしには わたしが生まれた あの赤い星の近くの星が見える。 子どもと、かつて子どもだった人へ贈る物語。 芥川賞受賞第一作! 【出てくる人】 天ーー海辺の小屋で暮らす少女。父は大雨の日、山から星に帰ってしまった。 ルルーーその冬はじめての雪が降った日、小屋にあらわれた女の子。 飛行機乗りーー山に、飛行機が落ちてくる。飛行機乗りは、ケガをしている。
イタリア発ミステリー・ロマン 「アレッシア・ガッゾーラは並はずれた才能をもった作家だ。 大いなる心理的緊迫感と圧倒的リズムに、一晩中眠れなくなるだろう!」 -- ジェフリー・ディーヴァー(『ボーン・コレクター』著者) アリーチェは、ローマの法医学研究所で働く研修医。 自分の仕事を心から愛しているものの、いつも数々の失敗をやらかしてしまう。 ある夜、上司のクラウディオとともに現場検証に行ったアリーチェは、 女性の死体を見て衝撃を受ける。 その女性ジュリアと偶然にも前日知り合っていたからだ。 検死により導き出された死亡推定時刻に疑問を覚えたアリーチェは、 ジュリアへの個人的な感情から事件の解明にのめりこんでいく。 はたしてジュリアの死の真相はーー? ジャーナリストの自由人アーサーとの恋の成り行きを織り交ぜ、 厳しい状況の中、自分の直観を信じて突き進んでいくアリーチェの姿を、 丹念に、時にユーモラスに描き出す。 イタリア本国でシリーズ累計37万部突破した「法医学教室のアリーチェ」シリーズ。 イタリア放送協会(RAI)によりテレビドラマ化され、2016年9〜10月にシーズン1が放映された。
民生委員の千加子は、「レインボーハイツ」をたびたび訪れる。その名が虚しく響く、くすんだ灰色のマンション。そこに住む、なかば育児放棄された5歳児・瑠衣を世話するためだ。他の住人たちも生活に倦み疲れ、暗い陰をまとっていたが、やがて必然のように不幸が打ち続く。その裏にちらつく小さな影は一体……日常にじわりと滲み出す闇を生々しく描く、長編ホラーミステリー。解説:千街晶之
第二次世界大戦の米軍の沖縄上陸作戦で家族すべてを失い、魂(マブイ)を落としてしまった知花煉。一時の成功を収めるも米軍のお尋ね者となり、ボリビアへと逃亡するが、そこも楽園ではなかった。移民たちに与えられた土地は未開拓で、伝染病で息絶える者もいた。沖縄からも忘れ去られてしまう中、数々の試練を乗り越え、自分を取り戻そうとする煉。一方、マブイであるもう一人の煉はチェ・ゲバラに出会い恋に落ちてしまう……。果たして煉の魂の行方は? 『テンペスト』『シャングリ・ラ』の著者が20年の構想を経て描破した最高傑作!
常識外れのマル暴刑事と極道の、プライドを賭けた戦い。作家、マスコミほか多くの賞賛を集めた、圧巻の警察小説。 緻密な構成、卓抜したリアリティ、予期せぬ結末。いやあ、おもしろい。正統派ハードボイルドに圧倒された。 ーー黒川博行氏(作家) 日本ミステリ史に残る、今世紀最高の悪徳警官小説だ。 ーー茶木則雄氏(書評家) 昭和63年、広島。所轄署の捜査二課に配属された新人の日岡は、ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上のもとで、暴力団系列の金融会社社員が失踪した事件の捜査を担当することになった。飢えた狼のごとく強引に違法行為を繰り返す大上のやり方に戸惑いながらも、日岡は仁義なき極道の男たちに挑んでいく。やがて失踪事件をきっかけに暴力団同士の抗争が勃発。衝突を食い止めるため、大上が思いも寄らない大胆な秘策を打ち出すが……。正義とは何か、信じられるのは誰か。日岡は本当の試練に立ち向かっていくーー。
〈狼〉たちとの死闘の終結に安堵する間もなく、スザンナが忌まわしい水晶球とともに行方をくらませた。彼女の第四の人格ミーアは妖魔の子を身ごもっているが、そのことと関連しているのか?