2017年発売
1883年ロンドン。内務省に勤める孤独な青年サニエルは、誕生日の夜、下宿部屋に見覚えのない懐中時計が置かれていることに気づく。半年後、スコットランドヤードを狙った爆破テロから間一髪、彼を救ったのは、奇妙なその時計だった。爆弾にも使われていた精緻なぜんまい仕掛けーこれは偶然の一致なのか。サニエルは知人の警視の依頼で、天才時計師と名高い日本人モウリの周辺を調べだすが…。
300年スライムを倒し続けていたら、いつのまにか世界最強になってました。おかげで面倒ごとに巻き込まれはしたものの、最終的には新しく家族になった4人の娘たちとスローライフを始められそう、だったのですが…。ええっ、エルフのハルカラが経営する工場で幽霊騒動?収まったと思ったら今度は違法操業とかで逮捕されちゃうし!さらには私の活躍(?)が魔族に評価されて魔王の城へご招待!?-って、今回もトラブルの予感しかしません!それでも私は負けずにスローライフを目指すからね!!
「ヴォルフさんは、また誰かを愛したりできるんですか?」「ジブリルこそ、そういう相手はいなかったのか?」敵対する「グシャラボラス工房」のクロウリーとの対決を経て、ヴォルフとジブリルは絆を強めていった。そして、アーティファクト回収の日々を送る2人に転機が訪れる。-とある田舎にある屋敷を訪れ、幽霊現象を起す原因を突き止めてほしいーそこは、かつてジブリルが暮らし、魔術の修行した屋敷だった。怪しげな依頼に危機感を募らせながらも調査を進めるヴォルフとジブリルの前に、倒したはずのクロウリーが現われる。「くかかかかか、ミルシエル嬢の仇討ちは、もう諦めたのかね?」「魔導書」「幽霊船」「象牙天球」「サーカスの帳」「隠された肖像画」新たなアーティファクトが2人を破滅へと誘う。そしてジブリルの秘密が明らかに…。「自分の肖像画を取り戻したいんです。わたしの体も元に戻るかもしれませんから」
数多の魔王が独自のダンジョンを築いている異世界。“創造”の魔王プロケルは“風”の魔王ストラスを撃破し、新旧の魔王たちから大きな注目を集めていた。戦いによって配下の魔物たちも成長し、思い描いた理想を実現していくプロケル。仲間の協力も得て築いたアヴァロンには、規格外の特産品が数多く揃い、瞬く間に訪れた人間たちにも評判になっていた。だが、プロケルを危険視した魔王もまた動き始める。正攻法では挑んでこない相手に対し、プロケルたちも次の戦いに向けた備えを進めていく、これは味方には優しく敵対するものには冷酷な、変わり者魔王の物語。
魔力が渦巻く“魔力溜まり”と呼ばれる場所に欲望が注がれる事によって生まれる『迷宮』-そこには多くの財宝と同時に、財宝を守るかのように数多の魔物が生み出される。そんな迷宮が存在する街ファスリードで、5歳にして1人で生きていく事になった少年クリス。突如目覚めた、何でも回収する事が出来るスキル“シークレットスペース”を使い得たゴミ回収の仕事の対価として最低限の食事を得る事がどきるようになったクリスだったが、心温かな大人達の助力はありながらも自分の力で生きていく為にお金を稼ぐべく、魔物が現れる迷宮へと足を踏み入れていく…。もうひとつのスキル“エクスチェンジ”とは?そして不思議な夢が意味するものとは…?
時は中世、十字軍の時代ー。神聖ローマ皇帝フリードリヒ・バルバロッサに気に入られて養子となった農民の子バウドリーノが語りだす数奇な生涯とは…。言語の才に恵まれ、語る嘘がことごとく真実となってしまうバウドリーノの、西洋と東洋をまたにかけた大冒険がはじまる。
今こそ聖杯グラダーレを返還するため司祭ヨハネの王国への道を切り開くのだ!-皇帝ひきいる軍勢とともにバウドリーノは、いよいよ東方への旅に乗りだすが、待ち受けていたのは思いもかけない運命だった。史実・伝説・ファンタジーを織りまぜて描きだす破天荒なピカレスク・ロマン。
現代社会を描きたいという希望をもって東京へ出た文学青年小泉純一が、初志に反して伝説を題材とした小説を書こうと決意するまでの体験と知的成長を描く。作中に夏目漱石、木下杢太郎、正宗白鳥、森鴎外自身などをモデルとした作家が登場する。漱石の『三四郎』と並称される、鴎外初の現代長篇小説。明治43-44年作。
小学生になったばかりの沙恵は、学校帰りに母京子の勤務先に寄り一緒に帰宅する。スーパーに入った京子は、入口のベンチで待っていたはずの沙恵が、忽然と姿を消し狂乱する。そして数年が経ち、離婚した京子は今日もひとり、わが子の帰りを待ちながら、情報を集めてビラを撒く。失われた時間、果たせなかった親子の絆を求めて…。
航空自衛隊の音楽隊でアルトサックスを担当する鳴瀬佳音は、ちょっぴりドジで天然だけど、腕前は一流の女性隊員。立川分屯基地内で年に一度行われる競技会にやってきた佳音たちは何とか無事に演奏を終えるも、後輩の真弓は審査員が偽者ではないかと疑問を抱く…。はたしてその正体とは?なぜかいつも不思議な事件に巻き込まれてしまう佳音と仲間たちが謎を解き明かす!音楽隊が奏でる至福の日常ミステリシリーズ、待望の最新作!
赤垣真穂は学生時代のサークル仲間の結婚式の二次会に招かれた。その翌日、仲間の一人が死体となって発見される。これは、三年前にあった“事件”の復讐なのか!?真穂は叔父から「鎮憎師」なる人物を紹介される…。奇想の作家が生み出した“鎮憎師”という新たなる存在。彼は哀しき事件の真相を見極め、憎しみの炎を消すことができるのかー。
新宿の路地裏で殺されたシリア人の男性。彼の妻は事件以後、未だに行方不明のままだという。フリージャーナリストの山口秋生は彼と交流のあったアルバクル一家の取材中、隣に住むシリア人の親子が東日本入国管理センターに収容されていると知る。一方、東京入国管理局の難民調査官・如月玲奈は、シリアから逃れてきた父と娘に聞き取り調査を行う。難民認定を切実に訴える父に対して娘は、「お父さんは日本に住みたくて嘘の話をしています」と異なる証言をする。どちらかが嘘をついているのか?困惑する玲奈の元に来た山口の取材申し込みから、事態は誘拐・脅迫事件へと発展していくー。乱歩賞作家による、疾風怒涛の最新ポリティカル・ミステリー!!
動物園の日陰者、イノシシの万次郎はカフェを開くのが夢。幼い頃から万次郎の絵を描き続ける、画家志望で才能なしのエリは、万次郎の絵本を出版するというがー「万次郎茶屋」。遠い文明からのメッセージが刻まれた石がふってきて、人類は新しい価値観を持つために西暦を廃止し、地球暦を始めることにした。その記念すべき大晦日を、ぼくは恋人とではなく親友とすごすことにした。その親友を今から作ろうと思うのだがー「親友」。動物園の日陰者・イノシシの見る夢、宇宙飛行士の妻の会、じんわり事件を解決するヒーロー…読むとちょっと人生がラクになる、“すこし不思議”な短編集。
大正・昭和・平成、3つの時を紡ぐ恋絵巻。言葉と絵によるイマジネーション、人気声優による録りおろし朗読CDを同梱し、聴覚への刺激が、あなたを深い「愛交ストーリー」の世界へ誘います。
倉沢みちるは葉山で生まれ育った純粋でひたむきな女の子。高3の夏、老舗ホテルの御曹司の蓮見優斗と恋に落ちるが、花火大会の夜、行き違いから悲しい別れを迎える。5年後、再会した二人は急速に惹かれ合う。好きな人と過ごし、好きな小説を書き、人生で初めて幸せに身を委ねたみちるだったが、それは束の間の“幸福”だった…。何度も引き裂かれながら愛し合う二人が“青い鳥”を探す現代の純愛小説。