2017年発売
明治維新の英傑でありながら、新政府に叛旗を翻した男・西郷隆盛。歴史に大きな足跡を残しながらも、さまざまな謎に包まれたその実像を、盟友や家族といった周囲の人々の目を通して浮かび上がらせた傑作短編集。江戸無血開城に至るまでの勝海舟との交流(海音寺潮五郎「西郷隆盛と勝海舟」)、西南戦争にも従軍した息子・菊次郎から見た父の意外な姿と親子の絆(植松三十里「可愛岳越え」)など、五編を収録。
三年前の誕生日に恋人を亡くしているラジオ局の報道記者、星乃さやかはある日、「孫が至急百万円を振り込んでほしいと言っている」と慌てる老婦人に出会う。さやかは当然振り込め詐欺を疑うが、その孫について意外な事実が判明し…。さらに連続放火事件、大麻事件などを追ううちに、彼女が行き着いた切ない真実とは。報道記者経験もある現役アナウンサーが紡ぐ、感動の連作ミステリー。
エリート街道から一転、異世界の魔法少女に転生してしまった小橋川(エリィ・ゴールデン)。親友のアリアナと国外へと誘拐されたエリィだったが、誘拐犯であるポチャインスキーたちを見事撃破し、一路、グレイフナー王国への帰路を急いでいた。しかし、サンディとパンタ国の戦争が始まり、エリィたちは砂漠の街で立ち往生することになってしまいー。たこ焼き屋の開店に、ポイントカードの導入!?デブでブスの魔法少女に託されたのは、異世界の商店街の活性化だった。新感覚異世界ライフ第三弾!!「小説家になろう」最大のコンテスト第4回「ネット小説大賞」受賞作!
100人の日本人が女神を名乗る存在に異世界へと呼び出される。転移させられた彼らは、前の世界では決してありえない、特殊な能力を得ることになる。皆がそれぞれ有用といわれる戦闘系の力を得ていく中、神谷士道だけが、「奇術師」という非戦闘系の残念な能力を授かることにー。ハズレの烙印を押された男が強者としてのし上がっていく「小説家になろう」発、異世界成り上がりファンタジー。
ダンたちは、進化したアリたちの力で、Aランクパーティーの『緋色の牙』を含む、ダンジョン攻略部隊を全滅させることに成功した。だが、平穏な時は長くは続かない。炎竜王がフィリオーネたちの故郷・妖精の里を襲ったのだ。涙を流すフィリオーネの姿を見て、ダンはダンジョンの力を使って炎竜王を撃退することを決意する。アリたちだけでドラゴンを倒すことはできるのか!?-「小説家になろう」発、大人気ダンジョン運営ファンタジー第二弾!WEB版から大幅加筆修正!
竜淵の里で過去の勇者の悲劇を知り、自分たちの存在を受け入れてくれる場所を作ることを決意した孝弘は、新たな仲間・ロビビアとともにディオスピロの街へと戻った。すると、宿の前でばったりシランの伯母・リアに出くわす。リアは、村がモンスターの被害に遭っており、その陳情のために街へと出て来たところだった。孝弘はその討伐を引き受けて開拓村を訪ねたが、そこでシランが異変をきたし…!?-「小説家になろう」発、異世界ファンタジー待望の第九弾!書き下ろしパートを多数収録!
ミュージクルを発った薫とアリシアは、偶然出会ったビスタ島の領主ダルクに頼まれ、しばらくの間、島の治療師を務めることとなった。しかし、ダルクは近くの街を治せる貴族たちに目をつけられ、嫌がらせを受けていた。さらに亜人たちの間に謎の病気が流行り始め…。「小説家になろう」発、異世界医療ファンタジー。
地中海の公国の君主ルチアーノと2年ぶりに再会したとき、リサはわが目を疑った。ベッドの相手でしかなかった私に、今さらなんの用が?厚かましくも、ルチアーノはリサをまた誘惑する気でいた。そして怒りを覚えながらも…彼女は一夜をともにしてしまう。しかし関係をやり直す気どころか、彼は許嫁である隣国の王女と結婚する前に、リサと楽しみたかっただけだった。なんて傲慢な人。涙ながらに、リサは彼を追い出す。だが彼女の妊娠を知るなり、ルチアーノはふたたび現れた。
“イタリアのプレイボーイ”と名高い大富豪レアンドロに勤め先のバーで見初められ、マーニーは彼と同棲を始めた。昼夜を問わず求めてくる彼との、めくるめく愛の営みーだが、彼は決してマーニーを公の場に同伴しなかった。1年が過ぎ、ふたりの関係に疑問を感じ始めた矢先、ふとした諍いから彼が発した言葉にマーニーは衝撃を受ける。きみは愛人だ。この先ぼくの妻になることはない…。深く傷ついたマーニーはレアンドロの屋敷をあとにした。お腹のなかに新たな命が宿っているとは夢にも思わずに。
幼いころから美人の姉や優秀な弟と比較され、横暴な父に蔑まれ続けてきたエラは窮地に陥っていた。破産寸前の父が、娘と大物実業家ドナートの結婚を画策したのだ。地味な看護師の私など、億万長者が相手にするはずがないのに。だが父はエラの弟が懸命に貯めた事業資金まで使い込んでおり、ドナートから資金援助を受けた暁にはそのお金を返すと言う。仕方なく彼に会ったエラはその強烈な魅力に驚き思わず反発する。そんな彼女にドナートは言った。「僕結婚しなければ、君の父親は破産する。君は父親が路頭に迷ってもいいのかな?」
会社を立ちあげたばかりのアレクサンドラは、巨大企業デカンポ社から新商品の仕事を打診されて喜んだものの、一方で不安も隠しきれなかった。じつはこの企画の責任者である副社長ゲイブは、アレクサンドラの実姉の夫の弟で、すでに面識があった。彼はなぜか初めから私に手厳しい。一緒に仕事をする気はあるの?案の定、ゲイブから挑発的に扱われたアレクサンドラは傷つき、溢れる感情のまま彼に詰め寄るが、それは大きなミスだった。次の瞬間、彼女は力強い腕に抱かれ、問答無用で唇を奪われて…。
フェイスは恋人クインと医学を志し、卒業後は結婚しようと誓っていた。だが大学進学を前に、彼女は理由も告げず、突然彼の前から姿を消した。あれから17年。亡き母の葬儀で帰郷したフェイスは、医師となって母の最期を看取ってくれたクインと再会を果たす。「フェイス?」以前より深みが増した彼の声を聞いた瞬間、なつかしさと、やるせない悲しみの涙が、彼女の頬を伝った。ああ、彼への想いは、あの頃と少しも変わっていない。でも…。一方、クインは彼女に寄り添っている若者に敵意を向けた。不穏な空気を察したフェイスは、いとまを告げてその場を後にしたー付き添いの青年の、17年前のクインとよく似た声に促されながら。
養子のメレディスがようやく見つけた実の母は、親子の名乗りをあげてまもなく、重い病で帰らぬ人となった。だが、娘の存在を知らない実の父がまだ健在だとわかると、彼女はルーツを探るため、素性を隠して父の住む地に求職広告を出した。首尾よく、さる屋敷で雇われることになるが、そこにはメレディスの心をかき乱す男性が暮らしていた。名をガレスというその人は、彼女の血の繋がらない兄だったのだ!ガレスは彼女の亡き母を嫌い、先の訃報にも安堵したと言い放つ。人知れずメレディスは傷つき、腹を立てたー義兄のひどい言葉に。そして、そんな彼を憎からず思ってしまう自分に。
目が覚めたら、ヘンリエッタは壮麗な屋敷の寝室で横たわっていた。下着姿に、髪は乱れ、あげくに泥のにおいを漂わせている。ふと気づくと、ベッドカーテンの陰に男性が立っていて、そのたぐいまれな美しさを見て、彼女は我が身を恥じた。「ここはどこ?」相手の答えに、ヘンリエッタはうろたえた。そこは彼女が家庭教師として仕える家に隣接する伯爵領だったのだ。つまり彼は、不道徳な噂が絶えない放蕩伯爵レイフ・セント・アルバン。側溝に倒れて気を失っていた彼女を拾って、ここまで運んだという。いったい私の身に何が?このはしたない格好は、まさか伯爵様と…?かたや彼女の疑念を見透かしたレイフは、頭の中で毒づいた。世慣れたこの僕だ、こんな無垢な村娘になど用はない!
さる一族の領主ギルクライストは、どしゃ降りのなか、ハイランドの泉で倒れていたはかなげな乙女を助けた。名や出自を尋ねても、彼女は思い出すのはおろか口もきけなかった。“処女の泉”と呼ばれるこの地には癒やしの力があるとされ、手負いの者や、純潔を取り戻したい訳ありの女が訪れると言われている。この天使を絵に描いたような娘が、まさか清純ではないと…?彼女の指輪から名はレイチェルとわかったものの、それ以外は不詳で、ギルクライストはとんだ厄介を背負い込んだものだと自戒した。一族の長として一刻も早く花嫁を迎えなくてはならない身で、どこの馬の骨とも知れぬ娘の純真無垢な姿から目が離せなくなるとは。
高級スーツに身を包んだハンサムな新しいCEO、ゼブを見た瞬間、ケーシーは思わず息をのんだ。広い肩、堂々とした物腰、莫大な富と権力の持ち主とすぐわかる強烈なオーラ。まるで魔法にかかったように、たちまち彼女はゼブの虜になった。そして、デートのあとアパートまで送ってくれた彼に身も心も捧げた。ロマンティックにはほど遠かったけれど、今まで経験したこともない絶頂感に満ち足りて。ところが数週間後、予想外の妊娠に気づき彼のもとを訪ねると、ゼブの冷ややかなグリーンの瞳に一瞥されてしまい…。
リリは怒りの炎に身を焦がしていた。勤務先の会社を買収した大富豪アントニオが会議を招集したのだ。地道な研究よりも金儲けを優先する敏腕実業家の彼は、きっと私たちを利益追求のためだけに働かせる魂胆だわ!しかし、現れたアントニオは目も眩むような美貌に謎めいた笑みを浮かべ、集まった人々の心をまたたくまに掌握してしまった。神々しいまでに華麗な彼に強烈に引きつけられるのを感じながらも、リリは反論したあとその場を飛び出す。追いかけてきた彼は言った。「きみはいまから経営者の一員だから、絶対に辞めることはできない」なんて冷酷なの。だが、言いしれぬ情熱に全身は燃え上がりそうで…。
何もかも犠牲にして仕事をしてきたというのに、いったいどうすればいいのかしら?人生の岐路に立たされたアンは一度気持ちをリセットしたくて、双子の妹が嫁いだヨーロッパの王国へ飛んだ。愛する夫と幸せな結婚生活を送る妹のそばでアンはつかの間、安らいだ心と生活をとりもどした。そんなとき妹の夫が、会社に引き抜きたいという人物を伴って帰宅する。まさか…ライリー?以前、心奪われて怖くなり誘いを拒んだ、悪名高きプレイボーイ富豪だ。彼は銀色の瞳を光らせると、交換条件にアンとの結婚を要求してきた!