2017年発売
海外の怪奇幻想小説から、傑作を選りすぐり、 一流の翻訳で、ホラー愛好者に贈るナイトランド叢書。 第2期第5回配本刊行! ラヴクラフトの高弟にして、短篇小説の名手ダーレスの、怖くて優しく、奇妙な物語の数々。 少女を守る「ジョージおじさん」の幽霊、夜行列車の個室で待ち受ける物言わぬ老人、ライラック香る屋敷に隠れ住む姉妹……。 本書に登場する奇怪な人々は、あなたのそばにいるかもしれません……。 前書き ジョージおじさん パリントンの淵 プラハから来た紳士 B十七号鉄橋の男 幸いなるかな、柔和なる者 マーラ 青い眼鏡 アラナ 死者の靴 客間の干し首 黒猫バルー 余計な乗客 ライラックに吹く風 ミス・エスパーソン ロスト・ヴァレー行き夜行列車 ビショップス・ギャンビット マニフォールド夫人
関西某県の田舎町・獅子追の交番に異動した澤登耀司、30歳。過疎化が進む人口わずか4万人の町から、耀司の同期で交番勤務していた長原信介が姿を消した。県警本部が捜査に乗り出すも、長原の行方は見つからなかった。突然の失踪。長原は事件に巻き込まれたのか。耀司は先輩警官・晃光に振り回されながら長原失踪の真相を探っていく。やがて、町のゴミ屋敷の住人だった毛利宅が放火され、家主・淳一郎の遺体が見つかった。耀司は、長原が失踪直前に毛利淳一郎に会いに行っていたことを掴むが……。
自分を生き抜く力を伝える、ロングベストセラー小説の愛蔵決定版。中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、夏のひと月をママのママ、西の魔女と呼ぶおばあちゃんと共に暮す。感受性が強く生きにくいと言われたまいは、その性質を抱えて生きるために魔女修行に取り組むーー初刊から23年を経て、書下ろし短篇おばあちゃんのモノローグ「かまどに小枝を」等表題作に繫がる三作も収録。
目を細めると、今も白い雪山が見えるーー。米国注目のロシア系移民作家が描く、切なくも美しい9篇の物語。同じ飛行機に乗りあわせたサッカー選手からのデートの誘い。幼少期の親友からの二十年ぶりの連絡。最愛の相手と死別した祖父の思い出話。かつて強制収容所が置かれたロシア北東部の町マガダンで、長くこの土地に暮らす一族と、流れ着いた芸術家や元囚人たちの人生が交差する。米国で脚光を浴びる女性作家による、鮮烈なデビュー短篇集。
香りとともに、甘やかに立ち上るあの人との時間と記憶。シャネル、ゲラン、クリード、トム・フォード、クロエー実在の香水から喚起された36の情景を描くショートストーリー集。
ある日、高校生の僕は病院で一冊の文庫本を拾う。タイトルは「共病文庫」。それはクラスメイトである山内桜良が綴った、秘密の日記帳だった。そこには、彼女の余命が膵臓の病気により、もういくばくもないと書かれていてー。読後、きっとこのタイトルに涙する。「名前のない僕」と「日常のない彼女」が織りなす、大ベストセラー青春小説!
人間は魔物と戦い、負けた。騎士団長ユーク・アーサルムの降伏によって。騎士団を去ったユークは騎士学校の教師になることに。教師生活を始めてから数日、魔物の巣窟であり生徒の訓練場にもなっているダンジョンに、想定外の強さのモンスターが出現したとの報せが入った。ユークがダンジョンに向かうと、そこには驚くほど弱い少女が。アリーニャと名乗る彼女は先代魔王の孫娘であるという。ユークは腕を見込まれ彼女の指導をすることにーー!
ロンドンの高名な紳士・ジキル博士の中の人格・ハイド。ハイドは夜な夜な街を徘徊し、自分の欲求のままに、行動を起こしていく。原作では触れられなかったカルー卿殺人事件の背景、ジキルの人格に影響を及ぼした父親との関係など、ジキルとハイドの依存関係から最後へ至るまでの凄絶な展開が、ハイドの口から今明かされる!名著『ジキル博士とハイド氏』の最後の4日間を、ハイド視点で描いた、衝撃のサスペンス。ニューヨーク・タイムズ絶賛の話題作!!
動かなくなったザックを引きずって、 レイチェルがB2のフロアに降り立つと、そこは大聖堂の中だった。 辺りにはパイプオルガンが鳴り響き、廊下には不思議な甘い香りが漂い、 壁には、彼女に“懺悔”を迫る文字が浮かび上がってくる。 それでもレイは一人、歩きはじめる。ザックとの「約束」を果たすためにーー。 そして、大聖堂の最深部でレイは「神父」に出会う。 だが、彼の身体から発する甘い香りにレイは幻惑されて……!?
継がれる“剣匠”ミトの遺志。集う仲間たちの覚悟。広がる帝国の戦火。復讐に燃えるジェイドの憎悪。動き出す“皇帝”アレクセイと、“人ならざるもの”の影。レムルシル全土を巻き込んだ戦争の終末。そして“勇者”レティシアと、“お師匠様”ウィンの願いー。「俺は、レティと初めて会ったあの日から、ずっと…」あの日描いた夢の向こうへ。“落ちこぼれお師匠様”の英雄譚、感動のフィナーレ!
アメリカ合衆国ゴッタマシティの黒人警官マール・タムラは薬をキメた神父に撃ち殺されて殉職するが、生まれ変わり日本の武官の子として目覚める。転生した先は、奈良平安時代、時は蝦夷討伐の真っ只中。その名も坂上田村麻呂として前向きに生きていくうち、蝦夷討伐軍の英雄としての生き様を運命づけられていくーーーーーーー あることないこと史実入り混じった史上空前のオルタナ系歴史小説が登場!!
新入生失踪、貧民街炎上事件から幾日。学院は仮初めの平穏を取り戻していた。魔道士団長の娘・マリー率いる魔道研究会ーそしてカムイたちを除いて。“合同演習合縮”に訪れたカムイを陥れる、マリーの罠。迫る“死”の足音…響く怒号と悲鳴。“1000の魔物”と激突する、生徒たちに残された未来。「死を恐れずに立ち向かう道を」-秘めたるカムイの実力が、今、解き放たれる。
藩命により友を斬るための刀を探す武士の胸中を描く「春山入り」。小さな道場を開く浪人が、ふとしたことで介抱した行き倒れの痩せ侍。その侍が申し出た刀の交換と、劇的な結末を描く「三筋界隈」。城内の苛めで病んだ若侍が初めて人を斬る「夏の日」。他に、「半席」「約定」「乳房」等、踏み止まるしかないその場処で、もがき続ける者たちの姿を刻みこんだ本格時代小説の名品。『約定』改題。
清流をまたぐ沈下橋の向こう、懐かしいひかげの家に10歳のみやびを連れ里帰りしたさわ。自分を呼ぶ声に車をとめると、そこには親友ひかるの息子で、褐色の手足が伸びすっかり見違えた13歳のりょうがいた。蜘蛛相撲、お施餓鬼の念仏、遠い記憶を呼び戻すラヴェルの調べ。水面を叩くこどもたちの歓声と、死んだ人たちの魂が交錯する川べりに、互いの衝動をさぐる甘く危うい夏が始まる。
添乗員時代、ツアー客の航空券を忘れる大失態に辞職も考えたJTBの“ずっこけ若手社員”大東敏治。「仕事上の失敗は仕事で返すしかない」。心機一転、OB人脈や顧客の何気ないひと言からヒントをつかみ、前例のない新商品を生み出していく。年金ツアー、積立旅行、デパート共通商品券…。思考停止とマンネリを嫌い、つねに新しい仕事を楽しんだ実在のヒットメーカーの胸のすく半生を描く快作。
畠山警視は実技を伴うスカイマーシャルの訓練中、壁に直面する。彼女は共に難事件を乗り越えた竜崎に助言を求めた(「訓練」)。関本刑事課長は部下戸高の発砲をめぐり苦悩した。そこで竜崎の発した一言とは(表題作)。貝沼副署長、久米地域課長、伊丹刑事部長。彼らが危機の際に頼りにするのは、信念の警察官僚、大森署署長竜崎伸也だったーー。七人の警察官の視点で描く最強スピン・オフ短篇集。