2017年発売
夏の甲子園地区予選、決勝戦9回の攻防。あと、1人アウトにすれば延長にもつれ込む。と、その瞬間、サヨナラホームランを浴び敗者となった海藤高校の投手直登は、試合後も立ち直れないでいた。そこに、優勝校東祥学園が出場辞退という、意外な報せが届く。「繰り上がりによる甲子園出場」は、どちらのチームにとっても重い結果となって…。少年たちの熱い思いに胸が高鳴る、著者真骨頂の青春野球小説!
観覧車があった古い写真。迷子になった少年が持っていた、一葉の写真には亡き曽祖父の思いが遺されていた(おもかげをさがして)。鷽替え神事で賑わう亀戸界隈に現れたのは、もう廃止された都電のアヤカシだった(うそにしたいこと)。いつものようにアヤカシたちの憂さを受けてはらす水脈さん。しかし、印旛沼から龍王の使者が現れ、故郷で犯した水脈の罪が許され連れて戻るよう言われて来たという。それを聞いて慌てる彼方たち。水脈さんが幽落町からいなくなってしまう? 大人気シリーズ、ついに最終巻! 第一話 おもかげをさがして 第二話 うそにしたいこと 第三話 ゆうらくちょうにて 余話 あなのむこうに
吉祥寺のガーデンショップ「栽ーSAI-」に居候中の大学生・保。無口な住み込みの庭師・啓介は、保にとって兄のような存在だ。ある日保は、大学の先輩から相談を受ける。祖母が大事にしている古い梅の木を伐ろうとすると、次々不吉なことが起こるというのだ。それを解決してくれたのは、なんと啓介。彼は現代に生きるすご腕の陰陽師だったのだー!庭にまつわる不思議な事件、解決します。現代の陰陽師ものがたり開幕!
2020年東京オリンピック後、このまま人口が減れば日本は破綻してしまう!33歳にして与党青年局長となった甲斐孝輔は、少子化対策こそ国を救うと考えた。子育て特区や子育て後の社会進出支援などの勉強会を立ち上げたが、党内の重鎮から圧力がかかる。まずは東京から変えようと考えた甲斐は、都知事へ政策を提案した。だが知事から反発され、都知事選立候補の決意を固めるがー。今後の日本があるべき姿を示す、政策提言小説。
就職難にあえぐ崖っぷち女子の胡桃。やっと見つけた職場は美しい西欧風の喫茶店だった。店長はなぜか着物姿の青年。不機嫌そうな美貌に見た目通りの口の悪さ。問題は彼が猫であること!? いわく、猫は人の姿になることができ、彼らを相手に店を始めるという。胡桃の頭は痛い。だが猫はとても心優しい生き物で。胡桃は猫の揉め事に関わっては、毎度お人好しぶりを発揮することに。小江戸川越、猫町事件帖始まります! 黒猫とカフェ・ド・ポム 三毛猫とコーヒーアマレット ロシアンブルーとブラックコーヒー 始まりの終わりとマシュマロ・コーヒー
人気作家・怜子と若手女優・夏希の誌上対談は、和やかに行われた。……表向きは。実は怜子も夏希も、恐ろしい犯罪者としての裏の顔を持っていて……。対談と心の声で紡がれる、究極のエンタメミステリ。
=== 「本」をめぐる青春小説×ミステリー! === 小学校の教師をしている25歳の研介。ある日、恋人の品子に一冊の本が届くと、彼女は失踪した。本の贈り主は品子が以前話していた「忘れられない初恋相手」なのか? 場面は変わり、中学2年生のしなこは敬愛する小説家、日向の家に通っていた。日向には、海人という不登校の孫がいる。彼は本をばらばらにする謎の行動をしており、その取っつきにくい性格に初めは馴染めなかったが、徐々に交流を深めていく。 舞台は夏、物語は、大人のパートと中学生のパートが交互に進んでいく。彼女はなぜ失踪したのか? ふたつの物語は終盤で見事に絡み合い、“目をつむって走り抜けると10年後の自分が見える”という伝説のある「未来坂」でのエピソードにつながっていく……。 〈選考時のコメントより〉 ●僕はこの物語を読んで感じた気持ちを形容する言葉を知りません。ただただ、ジタバタするほど面白かった。そして泣いていました。この物語が大好きだと世界中に叫びたくなりました(35・男・書店員) ●どこにでもいる、特別に何か持っているわけでもない登場人物、なのに一人一人が生き生きとしていて、しっかりと心に残る(32・女・書店員) ●『本』というものは、人を結びつけたり人の心を救ったりするすごいものだということが、まっすぐ書かれていて嬉しくなりました(36・女・書店員) ●ありきたりな恋愛ものかと思いながら読んでいたら見事にだまされた。辻村深月や朝井リョウを最初に読んだ時を思い出した(28・男・書店員) ●それぞれの世代がそれぞれの視点で風景を見つめ、生きている。眼差しが優しく、未来が明るく感じられた(36・女・公務員) ●読み終えた後に、不器用な自分を少しだけ好きになれた気がする。(29・男・販売業) ●やられた!と声に出してしまいました。私も小説を読んで励まされ本のおかげで出逢えた人もいます。感情移入して夢中で読んでしまいました(18・女・高校生) 第1回ダ・ヴィンチ「本の物語」大賞〈大賞〉受賞作に、文庫化にあたり短編「かなたの小説」を収録。
学生時代に一人の女を愛した男たち、世界に対峙する魔法を願う少女、シュレミールを自称するインド通のユダヤ人、撮影カメラの前で真実を見出す俳優たち…。映画に着想を得つつ描かれためくるめく物語。名手タブッキ『インド夜想曲』につづく11の短篇集。
シミが死んだという。あの頃、シミの部屋に流れていた音楽の名前は、いまだにわからない。あそこにいた連中の行方も。でもたしかなのは、ぼくらは音楽みたいに会話を交わし、怪しいバイトに手を染め、とびきり美味いアボカドスープを飲んだってこと。だけど、シミが死んだって、本当なのだろうかー?誰もが通り過ぎてきた人生の断片を、鮮やかに、ときに痛切に、詩的文体で描き出す。オルタナティヴ文学の旗手・坂口恭平が放つ、傑作青春小説。
9歳での初恋から23歳での命がけの恋までーー彼の人生を通り過ぎて行った、10人の乙女たち。 バルガス・リョサが高く評価する“ペルーの鬼才”による、振られ男の悲喜劇。ダンテ、セルバンテス、スタンダール、プルースト、ボルヘス、トルストイ、パステルナーク、ナボコフなどの名作を巧みに取り込んだ、日系小説家によるユーモア満載の傑作長篇! いつもほかの男と去っていった僕の愛しき戦友たちーーもしくはスペイン版第三版・メキシコ版初版への序文 絵空事への弁明ーーもしくはスペイン版第二版・ペルー版初版への序文 プロローグーースペイン語版初版への序文 第一章 カルメン 第二章 タイス 第三章 カロリーナ 第四章 アリシア 第五章 カミーユ 第六章 アレハンドラ 第七章 アナ・ルシア 第八章 レベカ 第九章 ニノチカ 第十章 イツェル エピローグ 解説 リカルド・ゴンサレス・ビヒル
「俺の名は『ユウキ・グレン・オーガス』!ラバールの聖騎士である!」宿敵との決戦の果て、奈落へと堕ちた聖騎士ユウキ。彼が目覚めるとそこは、見慣れぬ建物が並ぶ異形の街ー現代日本だった!警官に補導されたり妹に魔剣を折られたりしたユウキは、いろいろと勘違いしたまま高校に通うことに。鎧を着て通学したり異世界での旅の思い出を語ったりと、周囲から重度の中二病認定されながら学園生活を送るユウキ。しかしそんな彼のぶれない聖騎士っぷりが、悩みを抱える少女達の心を救っていき…!?これは、異世界の聖騎士さんが囚われの姫の涙を止める物語…かな?
好きな時代は古代ローマ、尊敬する偉人はローマの英雄ユリウス・カエサルーそんなローマ好きの高校生・糸原聖也はある日、月の女神を名乗る美女に異世界へと転送される。そこは古代ローマそっくりの世界。セイヤは憧れのカエサルに出会えたが…異世界のカエサルはユリアという名の金髪美少女だった!!ユリアの家に住むことになったセイヤは、衰退するローマを変えるユリアの夢を知り、協力を誓う。ところがユリアは女好きで借金まみれの問題児!?セイヤはユリアが計画する公共事業とイベント開催の資金を借りに行くことになりー!?少女の夢が世界を変える異世界英雄ファンタジー、堂々開幕!
世界最大の情報機関『大図書館』には『死書』を扱う『史書記』がいる。彼らの使命は、無作為に人に取り憑き、過去の事件を再現させる霊物『死書』の回収。新人史書記レイン・ジークは、正式に史書記の認可を受ける儀式『神授式』へ参列するためシュレイの街を訪れていた。街を訪れた史書記は、レインを含め七人。親交を深めようとした矢先、『D・C・アドラー』を名乗る人物から、史書記を標的とする連続殺人予告が七人の死書に浮かび上がる。第一の殺人が起きたのち、容疑者となったのはレインで…!?これは死書の再現か、意志のある殺人か。-すべてを暴け。そしてー「この七日間の真相は?」
崔致修殺害事件は関わった者たちの処刑で幕を下ろした。 平穏を取り戻そうとしていた平沙里は干ばつに襲われ、崔参判家の財産を狙う没落両班の趙俊九は妻子を連れて乗り込んできた。 災厄は続く。コレラの流行が多くの死者を出し、参判家の跡取り娘・西姫は後ろ盾となる人々を失った。翌年には麦が大凶作となり、趙俊九はこの機に乗じて参判家の実権を握るべく卑劣な手段で攻勢に出た。幼いながらも西姫は当主として果敢に立ち向かい、寿童、吉祥、鳳順、俊九に反発する一部の農民と共に、大胆な反撃に出た。誇り高き西姫の戦いがここから始まる。 第一部 第三篇 終わりと芽生え 十一章 救われた魂 十二章 荷車に乗った少年 十三章 レンギョウを摘んで 十四章 斜陽の挽歌 十五章 帰ってきた任の母 十六章 李府使家の坊ちゃん 十七章 西姫の外出 十八章 襲撃 十九章 欲情のいけにえ 二十章 金書房の女房 二十一章 底なし沼 第四篇 疫病と凶作 一章 ソウルから来た客たち 二章 発病 三章 私刑 四章 至る所に死に神が 五章 生と死 六章 ポソンを照らす日差し 七章 酒幕で会った老人 八章 帰郷 九章 世論 十章 浮雲のような幸福 十一章 牛観の下山 十二章 騒動 十三章 凶作 十四章 生ける屍しかばね 十五章 わが友、カラスよ 訳注 崔参判邸の見取り図 訳者解説
台湾のプロ野球で八百長に手を染め、罪から逃れるために次々と殺しを重ねた加倉昭彦。居場所を失い、顔も名前も変えて過去を抹消、逃れ着いたのはサッカーの地イタリアだったー。イタリアの黒社会では、殺し以外の仕事なら何でも請け負い、いつしか「暗手」-暗闇から伸びてくる手ーと呼ばれるようになっていた。そんなある日、サッカー賭博の帝王・王天から、中堅チームに所属する日本人ゴールキーパー・大森怜央に八百長をさせろとの依頼が舞い込む。計画実行に向けて着実に準備を進めていく加倉だったが、大森の姉の写真を目にしてから過去の記憶がよみがえり、計画の歯車が狂い始める…。
NO CATS, NO LIFE !楽しいときも、悲しいときも、いつでも側に“君”がいる猫好きの、猫好きによる、猫好きのための“にゃんだふる”なアンソロジー!〈猫小説〉有川浩、町田康、真梨幸子、小松エメル、蛭田亜紗子〈猫マンガ〉益田ミリ、ねこまき(ミューズワーク)、北道正幸、ちっぴ NO CATS, NO LIFE ! 楽しいときも、悲しいときも、いつでも側に“君”がいる 猫好きの、猫好きによる、猫好きのための “にゃんだふる”なひと時をあなたに!! 〈猫小説〉 有川浩 『猫の島』 町田康 『諧和会議』 真梨幸子 『まりも日記』 小松エメル 『黒猫』 蛭田亜紗子 『ファントム・ペインのしっぽ』 〈猫マンガ〉 益田ミリ 『鈴を鳴らして』 ねこまき(ミューズワーク)『猫の島の郵便屋さん』 北道正幸『ネコ・ラ・イフ』 ちっぴ『ヅカねこ』 〈猫小説〉 猫の島……有川浩 諧和会議……町田康 まりも日記……真梨幸子 黒猫……小松エメル ファントム・ペインのしっぽ……蛭田亜紗子 〈猫マンガ〉 鈴を鳴らして……益田ミリ 猫の島の郵便屋さん……ねこまき(ミューズワーク) ネコ・ラ・イフ……北道正幸 ヅカねこ……ちっぴ
若き日の堀田我南人はコンサート帰りに、ある女子高校生と出会った。名は秋実。彼女はアイドルとして活躍する親友・桐子の窮地を救うため、ひそかに東京に来たという。話を聞いた我南人と、古書店“東京バンドワゴン”の一同は、彼女のために一肌脱ぐが、思いもよらぬ大騒動に発展し…?下町の大家族が店に舞い込む謎を解決する人気シリーズ、番外長編!
家族と本をこよなく愛する3人の子どもの母アリス。パート編集者として書評を書き、親友スザンナの経営する書店に通う平穏な暮らしのなか、弁護士の夫ニコラスが失業、突然フルタイムで働くことに!就活の末、拾われたのは巨大ショッピングモールで成功した新興企業。ニューヨークに新形態の書店を出店するという。「未来の書店」というコンセプトに、アリスは大きな希望を抱く。スザンナには大反対されながらも、夫と子どもの応援を受けて働き始めるアリス。最先端の職場では聞き慣れない略語が飛び交い、24時間指示メールを受け取る嵐のような日々。家事はおざなり、育児もシッター任せとなり、夫はイマイチ頼りにならず、子どもとの間も微妙に…ある日、アリスのなかで何かが切れる。