2017年発売
若き日の堀田我南人はコンサート帰りに、ある女子高校生と出会った。名は秋実。彼女はアイドルとして活躍する親友・桐子の窮地を救うため、ひそかに東京に来たという。話を聞いた我南人と、古書店“東京バンドワゴン”の一同は、彼女のために一肌脱ぐが、思いもよらぬ大騒動に発展し…?下町の大家族が店に舞い込む謎を解決する人気シリーズ、番外長編!
家族と本をこよなく愛する3人の子どもの母アリス。パート編集者として書評を書き、親友スザンナの経営する書店に通う平穏な暮らしのなか、弁護士の夫ニコラスが失業、突然フルタイムで働くことに!就活の末、拾われたのは巨大ショッピングモールで成功した新興企業。ニューヨークに新形態の書店を出店するという。「未来の書店」というコンセプトに、アリスは大きな希望を抱く。スザンナには大反対されながらも、夫と子どもの応援を受けて働き始めるアリス。最先端の職場では聞き慣れない略語が飛び交い、24時間指示メールを受け取る嵐のような日々。家事はおざなり、育児もシッター任せとなり、夫はイマイチ頼りにならず、子どもとの間も微妙に…ある日、アリスのなかで何かが切れる。
生まれ故郷である田舎町の交番に異動した澤登耀司、30歳。過疎化が進む町で、耀司の同期・長原が姿を消した。県警本部が捜査に全力をあげるも、長原の行方は分からなかった。事件に巻き込まれたのか。それとも自らの意志なのか。耀司は先輩警官・晃光の言動に不審を抱きながらも、長原失踪の真相を探っていく。やがて、町のゴミ屋敷が放火され、家主・毛利淳一郎の遺体が見つかった。耀司は、長原が失踪直前に毛利宅を訪ねていたことを掴むが…。乱歩賞作家が放つ衝撃の交番警察ミステリ!
少女は祖母を「西の魔女」と呼んでいた。光あふれる夏が始まるー。ロングベストセラーの表題作に繋がる短篇小説「ブラッキーの話」「冬の午後」、書き下ろし「かまどに小枝を」の3篇をあわせて収録する愛蔵版小説集。
同じ飛行機に乗りあわせたサッカー選手からのデートの誘い。疎遠になっていた幼馴染からの二十年ぶりの連絡。アメリカ人に嫁いだ娘と再会する母親。最愛の妻と死別した祖父の思い出話ー。かつて強制収容所が置かれたロシア極東の町マガダンで、長くこの地に暮らしてきた家族と、流れ着いた芸術家や元囚人たちの人生が交差する。温かな眼差しと、煌めく細部の描写。米国で注目を集める女性作家による、清新なデビュー短篇集。
香りとともに、甘やかに立ち上るあの人との時間と記憶。シャネル、ゲラン、クリード、トム・フォード、クロエー実在の香水から喚起された36の情景を描くショートストーリー集。
ある日、高校生の僕は病院で一冊の文庫本を拾う。タイトルは「共病文庫」。それはクラスメイトである山内桜良が綴った、秘密の日記帳だった。そこには、彼女の余命が膵臓の病気により、もういくばくもないと書かれていてー。読後、きっとこのタイトルに涙する。「名前のない僕」と「日常のない彼女」が織りなす、大ベストセラー青春小説!
人間は魔物と戦い、負けた。騎士団長ユーク・アーサルムの降伏によって。騎士団を去ったユークは騎士学校の教師になることに。教師生活を始めてから数日、魔物の巣窟であり生徒の訓練場にもなっているダンジョンに、想定外の強さのモンスターが出現したとの報せが入った。ユークがダンジョンに向かうと、そこには驚くほど弱い少女が。アリーニャと名乗る彼女は先代魔王の孫娘であるという。ユークは腕を見込まれ彼女の指導をすることにー!過去の弱さを乗り越える学園アクションファンタジー。
ロンドンの高名な紳士・ジキル博士の中の人格・ハイド。ハイドは夜な夜な街を徘徊し、自分の欲求のままに、行動を起こしていく。原作では触れられなかったカルー卿殺人事件の背景、ジキルの人格に影響を及ぼした父親との関係など、ジキルとハイドの依存関係から最後へ至るまでの凄絶な展開が、ハイドの口から今明かされる!名著『ジキル博士とハイド氏』の最後の4日間を、ハイド視点で描いた、衝撃のサスペンス。ニューヨーク・タイムズ絶賛の話題作!!
動かなくなったザックを引きずって、レイチェルがB2のフロアに降り立つと、そこは大聖堂の中だった。辺りにはパイプオルガンが鳴り響き、廊下には不思議な甘い香りが漂い、壁には、彼女に“懴悔”を迫る文字が浮かび上がってくる。それでもレイは一人、歩きはじめる。ザックとの「約束」を果たすためにー。そして、大聖堂の最深部でレイは「神父」に出会う。だが、彼の身体から発する甘い香りにレイは幻惑されて…!?少女の罪を裁くため、狂気の魔女裁判が開廷したー大ヒットサイコホラーADV『殺天』ノベライズ第2弾!
継がれる“剣匠”ミトの遺志。集う仲間たちの覚悟。広がる帝国の戦火。復讐に燃えるジェイドの憎悪。動き出す“皇帝”アレクセイと、“人ならざるもの”の影。レムルシル全土を巻き込んだ戦争の終末。そして“勇者”レティシアと、“お師匠様”ウィンの願いー。「俺は、レティと初めて会ったあの日から、ずっと…」あの日描いた夢の向こうへ。“落ちこぼれお師匠様”の英雄譚、感動のフィナーレ!
アメリカ合衆国の黒人警官が転生!?転生した先は、奈良平安時代、時は蝦夷討伐の真っ只中。その名も坂上田村麻呂として前向きに生きていくうち、蝦夷討伐軍の英雄としての生き様を運命づけられていくー。人生は『一寸先は闇』、なにが起こるかわからない。そんな状況でも笑いながら前に進む田村麻呂扮するマール・タムラ。あることないこと史実入り混じった史上空前のオルタナ系歴史小説が登場!!
新入生失踪、貧民街炎上事件から幾日。学院は仮初めの平穏を取り戻していた。魔道士団長の娘・マリー率いる魔道研究会ーそしてカムイたちを除いて。“合同演習合縮”に訪れたカムイを陥れる、マリーの罠。迫る“死”の足音…響く怒号と悲鳴。“1000の魔物”と激突する、生徒たちに残された未来。「死を恐れずに立ち向かう道を」-秘めたるカムイの実力が、今、解き放たれる。
藩命により友を斬るための刀を探す武士の胸中を描く「春山入り」。小さな道場を開く浪人が、ふとしたことで介抱した行き倒れの痩せ侍。その侍が申し出た刀の交換と、劇的な結末を描く「三筋界隈」。城内の苛めで病んだ若侍が初めて人を斬る「夏の日」。他に、「半席」「約定」「乳房」等、踏み止まるしかないその場処でもがき続ける者たちの姿と人生の岐路を刻む本格時代小説の名品。
清流をまたぐ沈下橋の向こう、懐かしいひかげの家に10歳のみやびを連れ里帰りしたさわ。自分を呼ぶ声に車をとめると、そこには親友ひかるの息子で、褐色の手足が伸びすっかり見違えた13歳のりょうがいた…。蜘蛛相撲、お施餓鬼の念仏、遠い記憶を呼び戻すラヴェルの調べ。水面を叩くこどもたちの歓声と、死んだ人たちの魂が交錯する川べりに、互いの衝動をさぐる甘く危うい夏が始まる。