2018年1月16日発売
検索エンジン・サービスを軸に世界有数の巨大企業となった『オッド・アイ』。猛スピードで生成される莫大なデータ量に、ついにデータセンターに限界が迫る。社内で閑職に追いやられていた木挽橋隆一は、打開策を見出すべく特命を受けるが、事態は思いもよらない方向へ。二転三転する物語。興奮のインテリジェンス小説!
三十余年ぶりに生育の町を訪れた“私”が、その地で見たものは、一瞬の夢幻だったのかーー。昏い過去との再会と訣別を、格調高い筆致で描く鮮烈なる表題作ほか、北町貫多の同居女性に対する改悛の情とその後を語る「畜生の反省」など、無頼の私小説作家の名調子が冴える、六篇の短編集。(『痴者の食卓』を改題)私小説作家の新境地。苛烈なる“生”の小説集。 三十余年ぶりに生育の町を訪れた“私”が、その地で見たものは、一瞬の夢幻だったのかーー。昏い過去との再会と訣別を、格調高い筆致で描く鮮烈なる表題作ほか、北町貫多の同居女性に対する改悛の情とその後を語る「畜生の反省」など、無頼の私小説作家の名調子が冴える、六篇の短編集。(『痴者の食卓を改題』) 私小説作家の新境地。苛烈なる“生”の小説集。 人工降雨 下水に流した感傷 夢魔去りぬ 痴者の食卓 畜生の反省 微笑崩壊
CAは機上の狭い個室でお客様と、人妻ウエイトレスは夜のファミレスで、女子アナはロケ先の温泉で、ナースは患者さんに真夜中コールされ…さまざまな女性たちが性体験を綴るコミュニティサイト「女唇の伝言」。触発された彼女たちが奔放に披露する秘め事は…。注目の女性官能小説家、講談社文庫初登場!
江戸時代、兄もしくは甥の世話になっている者を「厄介」と呼び、幕府の役人はそのまま公用語とした。兄の都築孝蔵は六百五十石取りの旗本だが、親重代の借金があったため、弟の弥三郎を他家の養子にできる大金をつくる器量はない。厄介という身分に辟易し、家を出た弥三郎が拓く波瀾万丈の凄絶な人生!
天平二十一(七四九)年の春、奈良の都からはるか遠い陸奥の地で黄金が発見された。これにより、陸奥に暮らす蝦夷の丸子嶋足と物部一族の天鈴は、都を揺るがす橘奈良麻呂の乱に自ら身を投じ、知略をめぐらして、朝廷の野心を未然に防ごうとするが。シリーズ開幕篇!
美しくも手癖の悪い水茶屋のおこん、惚れた男が泥棒と知り呆然とする小料理屋のお品、やくざな亭主に刺された料理茶屋の女中お糸、歌麿を陰で慕いながらも後妻に嫁ぐ弟子の千代。美人絵に描いた女たちも、愛弟子も、一見では分からない素顔を秘めていたー作家生活突入したのちに挑んだ野心的な連作集。
通訳捜査官の七崎隆一は、正義感から同職の義父の不正を告発、自殺に追い込んだことで、職場でも家庭でも居場所がない。歌舞伎町での殺人事件の捜査直後、息子の部屋で血まみれの衣服を発見した七崎は、息子が犯人である可能性に戦慄し、孤独な捜査を始めるが……。“正義”のあり方を問う警察ミステリー! 一度目は正義のためだった。 二度目は愛する息子のためーー。 僕は正真正銘の“裏切り者になった! 通訳捜査官の七崎隆一は、正義感から同職の義父の不正を告発、自殺に追い込んだことで、職場でも家庭でも居場所がない。歌舞伎町での殺人事件の捜査直後、息子の部屋で血まみれの衣服を発見した七崎は、息子が犯人である可能性に戦慄し、孤独な捜査を始めるが……。 累計10万部突破 『闇に香る嘘』がブレイク中の著者がおくる、 “正義のあり方”を問う警察ミステリー!
名だたる作家・評論家が吟味熟考し、厳選されたベスト本格ミステリ9編には9つの魅力的な謎と意外な結末があり、現代本格の無限の可能性が濃密に閉じ込められている。ドラマ・映画等ミステリ映像作品をガイドする傑作評論一編も収録。短時間で別世界に誘う圧倒的な読書体験を約束する短編アンソロジー。
1985年、渋谷。刑事の生沢宗太郎は代官山で起きた殺人事件の報を受ける。死体の額には“十字の傷”が付けられているのだという。20年前の連続殺人がなぜいま?生沢は犯人を追うがー。彼はなぜ殺すのか?半世紀という時の流れに潜む殺人者。「人が人を殺す」という問いに向き合い描く記念碑的巨編。
小舟町の芳古堂に奉公する栄二とさぶ。才気煥発な栄二と少し鈍いがまっすぐに生きるさぶ。ある日、栄二は身に覚えのない盗みを咎められ、芳古堂から放逐されてしまう。自棄になった栄二は身を持ち崩し人足寄場へ送られるがー。生きることは苦しみか、希望か。市井にあり、人間の本質を見つめ続けた作家の代表作。
「春月の雛を知っているか」根岸肥前守に呼ばれた内与力の隼新八郎はそう問われる。いま流行りの人形師・春月のつくった男雛を抱えて、二人の若い女が死んだという。肥前守は、「人形に魅入られたのではないか」というが、新八郎は腑に落ちない。肥前守の命により大久保源太と共に探索にでるが……。人気人形師・春月とは、そして人形屋の京橋屋との関係は。恋に迷う男女を描く表題作ほか、七篇を収録。傑作時代ミステリ、第六弾。 江ノ島弁財天まいり 狐火 冬の蛙 鶏声ヶ窪の仇討 春月の雛 淀橋の水車 中川舟番所 落合清四郎の縁談
綾瀬千早は高校入学と同時に、競技かるた部を作ろうと奔走する。幼馴染の太一と仲間を集め、夏の全国大会に出場するためだ。強くなって、新と再会したい。幼い頃かるたを取り合った、新に寄せる千早の秘めた想いに気づきながらも、太一は千早を守り立てる。それぞれの青春を懸けた、一途な情熱の物語が幕開ける。
友人のイチローに誘われ、改築を繰り返した奇妙な家の赤い小屋を間借りすることになったわたし。家を増築する父親や女優の母親、個性派揃いの彼の家族たち。不思議な家で生活し、家族の過去が気になりだした頃、イチローから「たまに同じ一日が二度繰り返される」と打ち明けられ、日常がゆがみ始める…。
九十一歳の誕生日を前に、寂庵のベテランスタッフたちが一斉に辞めることになった。好きな仕事に専念してほしいとの心遣いから。出家以来四十年ぶりの革命で、最年少の秘書モナと二人の新しい生活に入る。「毎日が死に支度」と思い定めて、この小説の連載も開始した。人生の終焉に迷う全ての人に勧めたい感動の書。
無断欠勤が続く村瀬梓が勤めるコールセンターに営利誘拐の犯行電話が。身代金の要求額は一億円、輸送役は百人の警官。なぜ、村瀬の家族ではなく、会社に。なぜ、百人も必要なのか。警察と「関係者」たちは、犯人に翻弄されていくー。罪に期限はあるのか。乱歩賞作家が圧倒的な読み味で描く王道ミステリー。
もうかるたをやめる、新の頑なな態度に、千早は動揺を隠せない。そんな中、圧倒的な強さを誇る高校生かるたクイーン・詩暢の存在を知り、千早は闘志を激しく燃やす。しかし個人戦対策に夢中になるあまり、太一から厳しい言葉を浴びせられた。何のためにかるたをやるのか。それぞれの答を求め、誰もが悩みもがく。
元山岳遭難救助隊員の得丸志郎は、残雪期の白馬岳で公安刑事・池谷博史と再会した。二人は大学時代、山岳部で苦楽をともにした同期だった。急遽、白馬岳山頂までのガイドを頼まれた得丸が麓に電話を入れると、警察に追われた公安刑事が東京から逃げてきている、という話を聞かされる。厳しい検問が敷かれ、逃げるには山を越えるしかないと言われたその時、池谷が拳銃の銃口を押しつけてきたー。
主婦の矢沢鶴子は、水引をつくる内職と息子の中学校のPTA活動で忙しい毎日だ。最近義母がハマっているロックミュージシャンのフジマサキに自分もハマり、日々癒されている。ある日、PTA会長が不倫スキャンダルで突如辞任、まさかの次期会長に推薦され、しがらみだらけのPTAの恐ろしい世界を身をもって体験することに…。持ち前のユーモアで難局を乗り切れるのか?!心の支えは、フジマサキのライブビューイングに行けること!フツーの主婦のおかしな日常を独特のユーモアと観察眼で描く、痛快作。
とある名門女子中学校。ある日、二年A組の担任・ススワタリが血相を変えて校長室に飛び込んできた。鍵のかかった教室で、生徒20人が死体で見つかったのだ。教頭のクサカベは学校に都合よく真相を偽装するため、警察よりも先に犯人を捕らえようと目論む。同級生20人を皆殺しにした犯人は誰なのか?事件は思いもよらない方向へ転がっていく。(少女教室)学園、ホラー、メタミス、エログロ、SF。少女20人の死をテーマに紡がれる、5つの本格ミステリ。