2018年10月22日発売
将軍綱吉の世で鍼灸道を確立し御典医に名を連ねた検校・杉山和一。彼にはしかし、安眠を許さぬ三つの悪夢があった。仇敵と狙われての東海道。逃れても逃れても追手は迫る。そして辿りついたのは江の島弁天。この地が、ゆくりなくも鍼灸道の原点となった…。和一の夢に繰り返し現われる亡魂。その予言が一つまた一つと的中するたびに、和一は自らに問いかけた。お前はいったい何者なのだ、とー。
都内で発生した連続殺人事件。凶器が一致したものの被害者同士に接点がなく、捜査は難航する。警察への批判が高まる中、「ひまわり」と名乗る犯人がネットメディアに犯行声明を出したことにより、あらゆる人間を巻き込んで事件の熱狂は加速していくー。世界同時配信の「殺人リポート」に隠された犯人の真の目的とは。地道な捜査を続ける刑事たちの執念と、ネット社会に踏みにじられた人々の痛みが胸に迫る、傑作犯罪ミステリ。
こんな人生の終わりは、嫌。死も時間も飛び越える、絶対、最強の恋愛小説。私は二十歳の女子大生で、SNS中毒で、アリアナ・グランデになりたくて。でも、いま目の前にあるのは、倒れたバイク。潰れたヘルメット。つまり、交通事故。そこで死を覚悟した瞬間から、“青春の繰り返し”が始まった。でも、何度繰り返しても、避けられないーー。息が止まるほど、激しく、熱い、魂と恋の物語。
空母三隻を撃沈された米国は、豪州領ビスマルク諸島に進出。ここを拠点とし、B17によるトラック諸島爆撃作戦を展開する。長距離爆撃が可能な機材を持たない日本軍は、水上砲戦部隊を投入。艦砲射撃でビスマルク諸島の米航空基地を破壊する策に出るが、米軍の基地設営能力は想像を上回る。幾度破壊しても再建される姿は、「不沈空母」と呼ぶべきものだった。一方、欧州ではドイツが英本土への上陸作戦に失敗。背後を窺うソ連にも不穏な動きがー。風雲急を告げる世界情勢の中、連合艦隊は「金剛」「榛名」を中心とした戦力を集結。夜陰に紛れ、要塞と化したビスマルク諸島を急襲する!
二度と、戻ること叶わぬはずの異世界デルフィニア。だがこの国の未曾有の危機が、リィを再びこの大地に呼び寄せた。待ちわびた王妃の降臨。熱狂する人々。覆る劣勢。大勝利の後、凱旋した王妃は首都コーラルに五日間だけ滞在するー。『紅蓮の夢』で語られなかった短くも濃密な日々が綴られた短篇連作集。
不幸なボタンの掛け違いからはじまった米中の戦争は、ホノルルを占拠した中国への報復として、米国側が海南島への上陸を果たす。その後、ホノルルの平和を回復し、香港での独立運動を画策しながら和平交渉を進めていた米国に対し、中国はここで思わぬカードを切ってきた。それは、韓国の裏切りだ。韓国の玄武ミサイルが九州へと向けられる中、日本はどう舵を取るのか?突然の韓国の離反、そのハレーションが同盟国に与える影響はー?緊迫する「第三次世界大戦」の行方を描く大石英司の新シリーズが開幕!
このところエナはフィンの夢の中に毎晩のように現れ、手製のバウローンを叩き続ける。そのためフィンは熟睡できないのだ。エナはフィンの怒りを買うことを承知していてもこうしなければならない気持ちに駆られている。しかしフィンが復讐しようと思い立った時事態は思わぬ方向に動き始め、エナの回りのものたちを危険に巻き込み、エナの手におえない状況になってしまった。一体どうしたら収集できるのか、ことの行く末は?アイルランドの伝承の英雄フィンとお馴染みの妖精たちが織りなすアイルランドと日本をまたにかけた、そして古代から現代という時空を超えたファンタジー『巨人の夢』はファイ・フォーク(妖精たち)シリーズの最初の一作で、著者アラン・フィッシャーの日本での事業展開の一環としてまた日本にアイルランドの文化を広めたいと言う切なる願いから生まれたものです。奇想天外な想像力を持ち、語りの伝統を大切にするアイルランドの現代の語り部の物語をお楽しみください。
馴染めない会社を退職し、地元・金沢に帰還した玉緒は、小説家だった亡き祖母の書斎で、古い万年筆を見つける。それに憑いていたのは、尻尾がペン先みたいな黒猫姿のつくも神・マネだった。マネは玉緒に、祖母の書き残した小説を完成してほしいと頼む。その小説は工芸品に関わる、つくも神たちを巡るお話だった。金沢の街を舞台に、様々なつくも神と人々の想いを、相棒の万年筆猫と共に紡いでいく。
ワケアリ品ばかりを好んで買い取る『質屋からす』。店主の烏島廉士はいわくつきの物ばかり好んで買い取り、コレクションをする傍ら、情報の売買もしている。従業員の千里は、ある能力を買われて働いている。ある日、千里の元同級生・舞が訪店。壺の焼印の入った“球体関節人形”を買い取ってほしいと依頼するがー人気シリーズ最新作!書き下ろし。