2018年12月11日発売
時代は明治後期。地方都市に住む愛川吾一は町一番の秀才であった。が、酒浸りの父のせいで進学が許されず、丁稚奉公に出される。歯を食いしばり、自らの逆境を跳ね返し成長していく吾一。人はつらいときほど成長する。負けてはいけない。金がなくても。道ばたの石ころのような扱いを受けようともー。「君たちはどう生きるか」の成立にも関わった作家・山本有三の代表作「路傍の石」を完全まんが化。一人の人間の成長を通して、人間はいかに生きるかを問いかける教養小説の傑作。オールふりがなつき!
「東京へ。東京へ。今に見ていろ!」奉公先の呉服屋を飛び出し、チャンスを求めて東京に向かった吾一。伝手もなにもない裸一貫からの再スタートは、しかしさらなる苦難の連続であった。様々な職業を経験し、いろいろな人と出会う中で、吾一は途中で放棄せざるをえなかった学ぶ機会を再び得る。そして大きなビジネスへの糸口を掴む。大正・昭和の国民作家・山本有三の代表作をまんがにー。悲しくて、楽しくて。元気の出る一冊に仕上げた!オールふりがなつき!
横領を疑われ、行方知れずとなった兄を救う手がかりを求め、ネッサは夜中に兄の勤務先に忍びこんだ。だがあえなくオーナーである大富豪リュックに捕まってしまう。「警察に通報しない代わりに、本人が出頭するまで無給で働け。いわばきみは借金の担保だ。ぼくの好き勝手にできる」奴隷にでもなれというの?ネッサは震えあがったが、刑務所行きよりはましだと思い、非情なボスの下で働き始める。互いへの警戒心はやがて性的緊張へと変わり、ついにある晩、ネッサは誘惑に屈して身を捧げた。燃えあがるまま、無防備に。
第6代ラングストン伯爵ランダルの秘書であるポピーは、結婚式の祭壇の前で呆然と立ち尽くす彼を見て、胸が痛んだ。たった今、花嫁を見知らぬ男に奪い去られてしまったのだ。でも、愛のない便宜結婚をするよりはずっとよかったはずよ。じつはランダルは亡父の遺言により、35歳までに結婚しないと伯爵の称号も財産も失うことになっていた。もう猶予はない。突如強引に彼の自家用ジェットに押しこまれたポピーは、手渡された花嫁候補リストに自分の名前を見つけて仰天した。私を花嫁の身代わりに…?甘美な誘惑の旅が幕を開けた。
いつもは大好きなコーヒーの香りを不快に感じたその日、ウエイトレスのアリスは妊娠したことに気づいた。思い当たるのはただ一人。従姉の結婚式で会ったアドニだけ。慣れないシャンパンに悪酔いした彼女を介抱してくれたセクシーなギリシア富豪に、純潔を捧げたのだった。妊娠の事実を伝えたくて彼のオフィスを訪ねたアリスはしかし、金目当てと罵られ、ショックを受ける。しがないウエイトレスの私を、彼が本気で愛するわけないのに。アリスは涙をこらえ、逃げるようにオフィスを出たが…。
アンナはリゾートを営む母からの電話でスペインの島にやってきた。1カ月後に盛大な結婚式が行われるから準備を手伝ってほしいというのだ。翌朝、不意に出会ったのはクルーザーを停泊させて島に上陸している人物。その黒髪の精悍な男性は結婚式を挙げる花嫁の兄レオだと名乗り、妹に代わって下見に来たと尊大に告げた。レオがスペイン貴族の末裔の富豪だと知るやいなや、アンナは彼との間に一線を引こうと心に誓った。18歳のころ、同じように魅力的な貴族の男性に惹かれ、ごみのように捨てられたあげく流産した苦い思い出があるから。それなのに彼の真の姿に気づいた夜、体を重ねてしまい…。
フラニーは看護師になる夢をあきらめ、病気の伯母と医大生の弟のために家計を支えようと職探し中。さる夫人の雑用係の求人広告を見て応募するが、面接で断られてしまう。意気消沈して帰りかけたとき、その家のメイドが負傷し、偶然現れた夫人の知り合い、ヴァン・ダ・ケトゥナー教授を手伝って、けが人に処置をほどこしてから病院へ運んだ。年上の教授に胸をときめかせるフラニーだったが、病院に着いたところで置いてきぼりにされ、とぼとぼと家路についた。その後、彼女を捜しに戻った教授と入れ違いになるとは、つゆも思わず。
花嫁のキャロラインは大富豪デイモンとの新婚旅行後に誘拐され、幸せの絶頂からどん底へと突き落とされた。やがて救出されるも記憶を失い、結婚や夫のことも曖昧だった。そして実家にかくまわれたが、父から衝撃的なことを聞かされるーおまえの夫は遺産相続のために間に合わせの結婚をしただけで、妻の誘拐が判明しても、身代金すら払わなかったのだ、と。お金が目的だった?本当はわたしを愛していないの?彼との間に授かったかわいい息子を、先日産んだばかりなのに…。デイモンの真意を知るため、キャロラインは意を決し、夫のもとへと戻ることにしたー幼子の存在は秘密にしたまま。
ニコルは打ちのめされた気分で病院をあとにした。妊娠…。もう何年も男性のベッドに近づいてすらいないのに。いつ?どうして?もしそんなことがあったとしたら、疲労とシャンパンとで記憶のないクリスマス・パーティしかない。つまり相手は、会社でいつも会っている誰かということになる。動揺し、出社後も優れない顔色のニコルを見て声をかけたのは、半年前から一緒に働いている、やり手のミッチだった。ずば抜けてセクシーだが、なぜかニコルを苛立たせる彼が、お腹の子の父親ということはありえない。そこで、体調が悪いのは妊娠のせいだと漏らすと、彼は色を失い…。
7歳で両親と死に別れ、祖母に育てられた影響で、古風に育ったベス。秘書の仕事をするときは眼鏡をかけ、地味な服装をしているが、3年前に働きだしたときから、ボスにほのかな恋心を抱いていた。ところが、ボスは目立たない秘書の気持ちに気づくはずもなく、美貌のモデルに贈るために買った婚約指輪を、ベスに取りに行かせる。そんな彼女を、ボスの兄であるテオ・キリアキスが見ていた。弟がご執心中のモデルとかつて婚約していたテオは、元婚約者の強欲さを知っており、弟の目をどうにか覚まさせたかった。ここは一つ、あの平凡なベスを美女に変身させ、弟の気を引かせよう。しかしテオ自らが、白鳥のように美しくなった彼女に心奪われて…。
ジェンマは兄の誘いにこたえてクレタ島に到着した。ところが島に滞在しているはずの兄は、約束の日時に空港に降り立ったジェンマを迎えに来なかった。空港近くのホテルに落ち着いて数日後、やっと兄からメッセージが届き、ジェンマは小さな村の別荘を訪ねていった。だがそこに兄の姿はなく、代わりに前日遺跡で出会った男性が現れた。なぜか怒りに燃える目でじっとジェンマを見つめていた、あの男性だ。そのとき、ジェンマは知りもしなかったー謎の男性がアンドレアス・ニコライデスというホテル王の富豪で、冷酷にも彼女を誘惑し、身も心も虜にしようと企んでいるとは!
メグは飛行機で黒髪のハンサムな男性ニクラスと隣り合わせた。機内が消灯した後も話は弾み、いつしかキスを交わして…。濃密な愛撫は地上に降りたあとも続き、メグはこの見ず知らずの裕福な男性に求婚されると、魔法にかかったようにバージンを捧げ、二人は一夜で夫婦になった。だが翌朝、夫は忽然と消えたー新妻をベッドに残したまま。1年後、心を閉ざしたメグの前にニクラスの弁護士が現れ、彼が無実の罪で拘置所にいるという驚くべき事実を告げた。ニクラスに会えるのは法的な妻であるメグだけで、面会を許される唯一の理由が、“夫婦の営み”の要求だというのだ!
デイルは幼いころから修道院の寄宿学校に入れられ、両親からほとんど顧みられることもないまま成長した。卒業を控えたある日、彼女の後見人だという弁護士リックが現れ、飛行機事故で亡くなった両親が莫大な財産を遺したこと、成人するまでデイルを引き取り、彼の保護下に置くことを告げた。この男性とひとつ屋根の下で暮らすなんて…デイルはとまどった。彼の底知れない瞳に見つめられると、なぜか心の奥が震える。それが恋だち悟るのと、絶望に打ちひしがれるのは同時だった。リックと、彼の美しい婚約者が話しているのを聞いてしまったのだ。デイルは“幼くて、かわいそうなほど魅力のない子ども”だと。
高校を卒業して働きだしたコーリーには憧れの人がいた。ひとまわり以上も年上のJ・C・カルホーンーハンサムで大人の魅力あふれる彼からデートに誘われ、コーリーは夢見心地でイエスと言った。独身主義の彼に言われるまま、親の反対を押し切って同棲を始めた。目もくらむほどの幸せの果て、コーリーは小さな命を授かった。だが長期出張から帰ったJ・Cに妊娠を告げようとすると、なぜか彼は激昂した。君の浮気相手から、その話はもう聞いていると。J・Cはコーリーを真冬の寒空に放り出し、嫌悪もあらわに吐き捨てた。「君の顔は二度と見たくない。僕にとって君は存在しない人間だ」
幼い頃に天涯孤独の身となり、公爵夫妻を親がわりに育ったアスリン。次期公爵に嫁ぎ、何不自由のない日々を送るはずだった彼女の世界は、突然現れた大富豪ミック・トゥルーラヴによって一変する。貧民街に生まれながらも、不屈の意志で巨万の富を築きあげた彼は、裏社会を統べる危険きわまりない存在。真夜中を思わせる瞳、官能的な手練手管に、純真無垢なアスリンが抗えるはずもなかった。しかし、ミックが近づいてきたのは壮大な復讐劇のためー30年前に公爵家から捨てられた幼子が、すべてを奪う悪魔となって戻ってきたのだ。
彼の子供を妊娠しているーその事実を知ったマーリーは一人物思いにふけっていた。子供の父親であるクリュザンダーは世界を股にかけるギリシア人富豪で、二人はいま一つ屋根の下に暮らしている。妊娠したと打ち明けたら彼はどんな反応をするだろう?クリュザンダーが二人の関係をどう考えているのか確かめようと、マーリーは仕事から戻った彼にさっそく問いかけた。「ぼくらのあいだに関係などない。きみは“愛人”だ」返ってきた辛辣すぎるその言葉に、マーリーは凍りつく。だが運命は、さらなる悲劇を彼女に用意していた。
生まれつき不思議な予知能力を持ち、そのせいで周囲から敬遠されてきたローレルは、都会を離れて亡き祖母が遺してくれた屋敷にひとり移り住むことに。ルイジアナの深い森に囲まれたその美しい屋敷は、地元では“ミモザの園”と呼ばれ愛されていた。ようやく自分の居場所を見つけたローレルだが、ある日そこで思いがけない出会いを果たす。目の前に、毎晩ローレルの夢に出てくる男性ー存在するはずのない空想の世界の恋人が現れたのだ。呆然とするローレルに、彼も戸惑いを隠せない様子で「会いたかったよ」とささやき…。
アナにとって裕福なエリート銀行家リュークとの結婚生活は、まさに幸せそのものだったー夫の元愛人の影が射すまでは。不安が募り、耐えきれなくなったアナは逃げるように家を出た。数日間は平穏に過ぎたものの、9日目になって突然、いつも以上に尊大な態度のリュークがアナの目前に現れて告げた。「僕の妻には家に戻ってもらう。僕のベッドに」驚いたことに、夫はアナが妊娠していることを知っており、さらに彼女の父親が会社で不正を働いた事実まで調べあげていた。なんて卑劣なの!妻を脅迫して思いどおりにしようだなんて。
意地が悪く身勝手な母親に虐げられ、人の優しさを知らず怯えながら生きてきたトレイシー。ある日彼女は騒動に巻き込まれ、近くの大牧場を経営するタイの車を壊してしまい、償いとして牧場に住み込んで働くことになった。タイはたくましくて常に自信に満ちあふれていて、自分とは正反対の彼に、しだいにトレイシーは心惹かれていく。だが一方のタイはトレイシーのことを、母親と同じ、狡猾で節操のない女だと思い込んでいて…。