2018年12月27日発売
「日本冒険小説協会公認酒場」と銘打ったバー〈マーロウ〉のアルバイト坂本は、本好きが集まるこの店でカウンターに立つ日々を送っていた。北海道の田舎から出てきた坂本にとって、古本屋街を歩き、マーロウで文芸談義できる毎日は充実感をもたらした。一方で、酒に酔った店主・斉藤顕の横暴な言動と酔客の自分勝手な振る舞いには我慢ならない想いも抱えていた。そんなある日、ゴールデン街で放火未遂事件が起こる。親しくしている店の常連「ナベさん」は放火取り締まりのため見回りを始めるが、その矢先、何者かに殺されてしまう。坂本は犯人捜しに立ち上がるがーー。若手作家の胎動著しき頃、ゴールデン街がもっともゴールデン街らしかった時代にひりひりする時間を過ごした著者の、最初で最後の自伝的青春小説。
ー警察で働く女は、聖母か娼婦しかいないのだろうか?「女の警察官は、警察官で、女で、それだけよ」全国警察を震撼させた“豊白警察署牟礼駅前交番・警部補射殺事件”。23歳の女性巡査が男の上官を射殺し、拳銃を持ったまま逃走、ミニパトで行方不明となったのだ。事件への対処をめぐる混乱の中、監察官室長・理代は、すべての責任を女性巡査に負わせようとする上級幹部の不可解な切迫感に気づく。交番勤務の警部補と、実務1年目の女性巡査の間にいったい何があったのか?自ら現場と証人の調査に乗り出した理代が目にしたのは、輝く“女性の視点に立った”なるお題目の陰で、声に出せない生きづらさを感じる女警たち、いまだ無自覚に繰り返されるセクハラ・パワハラ、そしてさらに意外な事実だった…。若き女警は何故、上司を殺さなければならなかったのか?
相棒のゴレ太郎とともに、ようやく人里にたどりついたネマキ。自身にまつわる謎、ゴーレムの知識、帰還手段…様々な情報への足がかりを期待するネマキだったがトラブルに巻き込まれていた魔道具店店主を助けたことをきっかけに街の悪徳組織と対峙してしまい!?“殺戮”と“嫉妬”の美神(?)ゴレ太郎、ネマキのためにまたも大暴れ!!
ホルムの街の混乱に乗じて暗躍する公子、不穏な動きを見せる神殿ーついに少女たちが戦いの火蓋を切る!!古代帝国復活を目論む皇帝の亡霊を少女騎士ウェンドリンは討ち倒せるのか!?剣と魔法、洞窟探索、魔物討伐ー正統派ハイファンタジーRPG小説版、完結!!
ロボットで害獣を駆除する波止工業に出向が決まった沖野鉄郎。21歳。 幼いころからロボットに憧れ、開発に携わってきた沖野にとって、ロボット操縦者になれるこの決定は夢のような出来事だった。 期待に胸ふくらませて初出勤した沖野だが、そこで待ち受けていたのは今にもつぶれそうな社屋、ミサイル一発撃つのにもコストとのせめぎ合いという想像をはるかに下回る厳しい現実で!?
コネも金もなく王都で仕事にも就けずにいた青年ビム・ユンカースを拾ったのは、“ひだまりの館”に勤める美女ブルーベルだった。同僚は美女、仕事内容は魔王大戦後、失われつつある“技術”をもった老人たちに仕事を斡旋すること。その中でユンカースの役割は老人たちの仕事を補佐することだったが、彼が同道することになるメンバーはかつて魔王を倒した勇者、魔女、賢者のパーティだった!それゆえ斡旋される仕事も、現役騎士団すらも太刀打ちできないであろう魔物退治ばかりでー!?一癖も二癖もあるけれど、最強の“技術”を持つアラフィフ勇者パーティと、平凡な青年のレジェンドストーリー!!
軍事探偵本郷義昭登場!禁断・伝説のアジア主義小説。太平洋戦争前夜。アジアの開放の使命を帯びて、南方に向かう“日東の剣侠児”本郷義昭陸軍少佐。印度の王子ルイカールを援け、敵○国の覇権に挑む。
しなないで、しなないでおねがいーその言葉がお守りとなり、彼女の体に宿り、そのおかげで私ではなく彼女がここへやってくることを、考える。自分の生にも死にもよく似ているこの都市へ。うぶぎ、ゆき、つき、こめ、はくさい、ほね…白い光と体温のある方へーワルシャワと朝鮮半島をむすぶ、いのちの物語。アジア唯一の国際ブッカー賞作家、新たな代表作。最注目の作家が描く破壊の記憶と、再生への祈り。
無(ナダ・断片)。舞台は内戦直後のバルセロナ。新生活を夢見た若い女性をとりまく、奇妙な住人たち。冷徹で澄んだ彼女のまなざしが掬い取る、人生の真実ースペイン版『悲しみよこんにちは』。
フィラデルフィアに住むサリーは、優等生 プログラムでセント・ジュード大学に入っ たばかりの17歳。感謝祭前の学内パーティ ーで、先輩のDに頼まれて彼を車で街まで 送ったせいで、彼女は麻薬取引に巻き込ま れ、麻薬捜査課の刑事ウィルディに逮捕さ れてしまう。刑事が送検しない条件として 持ち出してきたのは、学内の秘密情報提供 者(CI)として捜査に協力することだっ た。Dの正体を明かすことを頑なにこばん だサリーは、代わりとなる別の売人を見つ け出すために独自で捜査を開始する……。 Duane Swierczynski ドゥエイン・スウィアジンスキー 2005年、クライム・スリラー『Secret Dead Men』で作家デビュー。ひねりのきいたプロットと、クールでドライヴ感のある犯罪描写に定評がある。2011年に『Expiration Date』でアンソニー賞の最優秀ペーパーバック賞、2012年に『Fun and Games』でシェイマス賞の最優秀ペーパーバック私立探偵小説賞を獲得しているほか、エドガー賞、バリー賞など多くの賞にノミネートされている。ミステリーの執筆と並行してアメリカン・コミックの制作も手がけ、『デッドプール』『ジャッジ・ドレッド』など多数の作品を世に送り出している。邦訳には『メアリーーケイト』『解雇手当』(いずれもハヤカワ・ミステリ文庫)など。妻子とフィラデルフィアに在住。
サリーはCIとして意外な才能を発揮し、 矢継ぎ早に売人を見出しては有益な情報を 提供してゆく。一方、街では次々とCIた ちが何者かに誘拐されていた。犯罪組織に 情報を流している内通者は誰なのか。刻々 と迫る魔の手からサリーは逃れることがで きるのか。冬の凍てつくフィラデルフィア を舞台に、麻薬と暴力のはびこる無法の街 を、賢くタフな女子大学生が鮮やかに駆け 抜けてゆくーー! 魅力的なキャラクター、 ひねりのきいたプロット、切れのある会話 ……これぞクライム・スリラーの新境地! Duane Swierczynski ドゥエイン・スウィアジンスキー 2005年、クライム・スリラー『Secret Dead Men』で作家デビュー。ひねりのきいたプロットと、クールでドライヴ感のある犯罪描写に定評がある。2011年に『Expiration Date』でアンソニー賞の最優秀ペーパーバック賞、2012年に『Fun and Games』でシェイマス賞の最優秀ペーパーバック私立探偵小説賞を獲得しているほか、エドガー賞、バリー賞など多くの賞にノミネートされている。ミステリーの執筆と並行してアメリカン・コミックの制作も手がけ、『デッドプール』『ジャッジ・ドレッド』など多数の作品を世に送り出している。邦訳には『メアリーーケイト』『解雇手当』(いずれもハヤカワ・ミステリ文庫)など。妻子とフィラデルフィアに在住。