2018年2月発売
本物の殿様にして若年寄となった元影武者・与多寅右衛門の前に、次々に難題が立ちふさがる。増税を唱える上役、野心家の勘定奉行、財政改革の妙手を引っさげ幕政に食い込もうとする謎の男、江戸の子供が消える誘拐事件。そして、恋?寅右衛門は庶民のための政治改革を貫けるか?大人気シリーズも第五弾にして大団円!?
時代は戦国。一匹の痩せ馬に乗り、斑鳩をゆく一人の男がいた。渡辺条四郎、メリケンでいえば賞金稼ぎ、本邦では勧賞目当ての素浪人のていである。諸国を旅しながら、高札にかかげられた勧文に記された手配書に従って、下手人を捕え金品を得ることで糊口をしのぐ。しかし本当は仇討の大望が…。
小説の書き手である「わたし」は物語を始めるにあたり、日本語の表記の範囲を定め、登場人物となる13氏族を制定し、世界を作り出す。しかしプログラムのバグというべき異常事態が起こり…。文学と言語とプログラミング、登場人物と話者が交叉する、著者初の「私小説」にして、SFと文学の可能性に挑んだ意欲作。
推理小説の人気作家であると同時に、超一流の歴史研究者でもあった松本清張。昭和史研究の代表作が『昭和史発掘』だ。その成果からつながる未完の小説『神々の乱心』は、清張が30年余にわたって「あの話はいつか小説にしておきたい」と繰り返し、死の瞬間まで情熱的に取り組んだ遺作である。二作に秘められた清張の遺志を解き明かすー。
凄腕の殺し屋が警察官ケスラーを狙っているという情報が入った。敵の名はヘンリー・ラヴィング。標的を拉致し、拷問で情報を引き出してから殺害するのを得意とする。ケスラーと妻子を警護すべく急行した警護官コルティだが、すでに敵の罠は仕掛けられていた!殺しのプロVS護衛のプロ。二人の戦略家が演じる限界の頭脳戦!
たったひとつのミスが警護対象者と自身の死につながる。敵は精妙な計画を立て、標的のスキを突く一流の戦略家だ。やつの狙いは何か。次なる襲撃への備えを固めながら、コルティは事件の源泉を探り、反撃の策を練りはじめる。これぞデイーヴァーの真骨頂!プロVSプロのゲーム性を研ぎ澄ましたノンストップ・サスペンス。
いよいよドイツの大富豪との結婚を決めたジョージーの母。でも、そのためにはまずアメリカで離婚手続をしなければならない。というわけで急きょ、娘のジョージーをお供に豪華客船に乗りこみ、大西洋横断の旅へと発つことに。ところが船中で有名な映画監督から熱烈に口説かれた母は、かつての女優魂に火が付いてあっさり行き先をハリウッドに変更してしまう。映画スターに会えるかも!?期待に胸を膨らませるジョージーだったが、そこで待ち受けていたのはイギリスの貴族社会では考えられないほど自由奔放な映画人たち。撮影はのっけからトラブル続きで、わがままな俳優たちを諌めようとした監督が何者かに殺されてしまう始末。ジョージーはダーシーと協力して犯人を突き止めようとするものの、勝手の違う国では戸惑うことばかりで!?
戦地で負傷したダーリー子爵ヴィンセントを、家族は過保護なまでに気遣うが、同時に早く結婚させようと躍起になっていた。跡継ぎができなければ、爵位も財産もいずれ失うことになるからだ。生き方を指図されることに嫌気がさしたヴィンセントは家出を決意し、従者を一人だけ連れて、自分が生まれた家のある田舎で暮らすことに。子爵の帰還を村の人々が歓迎するなか、爵位を継ぎ大金持ちになったヴィンセントに娘を嫁がせようと画策するクラレンス夫妻は、彼を陥れようとたくらむ。クラレンス家の居候で孤児のソフィアにヴィンセントは窮地を救われるが、夫妻は激怒して彼女を家から追い出してしまった。責任を感じたヴィンセントはソフィアに求婚するのだが…。魂の癒しと再生を描く、サバイバーズ・クラブシリーズ待望の第2巻!
知的好奇心旺盛な侯爵令嬢クララは、「女性らしくない」と興味をおさえつけられ、周囲からは美人なばかりに中身がないと見られて、窮屈な思いをしてきた。結婚に興味がもてず、貧困女性向けの学校の支援に力をそそいでいるなかで、ある生徒から弟がギャング団に誘い込まれたと相談される。 彼女は助けを求めて幼なじみの弁護士ラドフォードを訪ねた。最初は本業が忙しいと断ったラドフォードだったが、一人でギャング団のアジトに乗り込みかねない勢いのクララに押され、引き受けてしまう。冷静で合理的であろうとつとめてきた彼は、自由闊達な彼女に魅了され、隠していた情熱や優しさを解放していく。クララも傲慢な彼に反発しながらも、正面から彼女と向き合ってくれる彼に惹かれていく。
遠州峰生の名家・遠藤家の邸宅として親しまれた常夏荘。幼少期にこの屋敷に引き取られた耀子は寂しい境遇にあっても、周囲の人々の優しさに支えられて子ども時代を生き抜いてきた。18歳になった耀子は、誰にも告げずに常夏荘をあとにした。バスの中、4年前のあの夏を思い出す。久しぶりに常夏荘を訪れた立海と過ごした日々-。
”正しく”なくても ”ふつう”じゃなくても 懸命に僕らは生きていく。 銭湯×シェアハウスを舞台に描く、希望の青春群像劇! どうしても就職活動をする気になれず、内定のないまま卒業式を迎えたマヒコ。 住むところも危うくなりかけたところを、東京の下町にある築100年の銭湯「刻(とき)の湯」に住もうと幼馴染の蝶子に誘われる。 そこにはマヒコに負けず劣らず”正しい社会”からはみ出した、くせものばかりがいてーー。 人気企業の内定を蹴り、気ままな愛人生活を送るマレーシアと日本のハーフ・蝶子 奇抜なファッションに身を包み、誰にも言えない秘密を持つプログラマのゴスピ 事故で片足を失ったハンサムでいつも明るい美容師の龍くん ネットベンチャーに務める、SNSが大好きなガツガツ上昇志向のまっつん 刻の湯の持ち主である老人・戸塚さんと、両親と離れて暮らすことになった小学生の孫・リョータ そして刻の湯を実質経営し、いつも中心にいながらも全てが謎に包まれた青年アキラさん 「生きていてもいいのだろうか」 「この社会に自分の居場所があるのか」 そんな寄る辺なさを抱きながらも、真摯に生きる人々を描く 確かな希望に満ちた傑作青春小説! 著者プロフィール 小野美由紀(おの・みゆき) 1985年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部仏文学専攻卒業。2011年、震災を描いた絵本「ひかりのりゅう」の発売のためクラウドファンディングを立ち上げ、2014年に出版。著書に『傷口から人生。』(幻冬舎文庫)、『人生に疲れたらスペイン巡礼』(光文社新書)がある。本書が初の小説。
「私はヴァレンティナ」「私はナタリーよ」何から何まで自分にそっくりな女性と空港で出会い、ヴァレンティナ王女は鏡を見ているような錯覚に陥った。そして妙案がひらめいた。2カ月後に迫る政略結婚の前に、夢にまで見た普通の暮らしを経験できるまたとないチャンスだ。仕事に疲れ切った様子のナタリーを懸命に説き伏せた彼女は、世界的な大富豪アキレスの秘書として化粧室をあとにした。魅惑的な金色の瞳にたやすく正体を見破られるとはーアキレスが生涯忘れ得ぬ人になるとは夢にも思わずに。
花嫁の私に向ける花婿のまなざしから、 さげすみを感じるのはどうして? これは運命? それとも、なにかのたくらみ? フィレンツェの大富豪リオとの再会に、エリーは我が目を疑った。 地味でなんのおもしろみもない私に、彼はわざわざ会いに来たの? そう思うと、エリーは惹かれる気持ちをとめられなかった。 だから、思いきって大切にしてきたバージンを捧げた。 しかし無垢だと知ったリオは激高し、彼女は衝撃を受ける。 災難にでもあったような口調で、彼はエリーをさらに追いつめた。 “金めあての女でも、妊娠しているかもしれないから結婚はする。 だが、赤ん坊ができていなければ離婚だ”と言って……。 〈三姉妹はシンデレラ〉、3部作の2作目は次女エリーの物語です。本当は純朴な彼女の臆病な初恋は、疑い深いプレイボーイの氷の心をとかせるでしょうか? 長年、行方知れずだった三女ルーシーの物語、最終作『愛に屈したギリシア富豪』もどうぞお楽しみに!
18歳で、親も住む家も失った。 愛しい天使が私のすべてだった。 「あの裁判のあと、きみはどこへ消えたんだ?」 蒸し暑い厨房で皿洗いをしていたリジーにデイモンは言った。 まさかこんな食堂で、彼に見つかってしまうなんて。 11年前、出会った瞬間に惹かれあい、一夜をともにした翌朝に リジーの父親を刑務所送りにしたデイモン・ギャヴロスーー 彼は今や“世界一魅力的な独身富豪”と騒がれる成功者だ。 片やリジーは父亡きあと継母に家を追い出され、 下働きをしながらあの夜の愛の証を必死に育てているのだった。 娘を奪われることを恐れ、真実をひた隠す彼女だったが……。 異名にたがわず圧倒的な魅力を放つデイモンに、再び強く惹かれるリジー。彼の所有する島での夢のようなひとときも束の間、娘を隠されていたと知った彼は激怒して……。数奇な運命に弄ばれた乙女と孤高のギリシア富豪が織りなす、熱く切ないシンデレラロマンス。
我が子をこの身に宿す瞬間は、 一生望めないと思っていた……。 イライザはかつて病がもとで不妊症になったと宣告され、 いつか我が子をこの腕に抱くという夢をあきらめていた。 周りの友人たちが幸せをつかんでいくなか、 今後のことを考えようと休暇で海辺へ向かう途中、 かたときも忘れなかった億万長者、ジェイクと思いがけず再会する。 半年前、彼とは親友の結婚式で出会って意気投合し、 あとで連絡すると言ってくれたのに、これまで音沙汰がなかったのだ。 今、ようやく誘われてジェイクの別荘で数日を過ごすが、 真剣な仲になろうとしない彼に失望し、甘い情事に終止符を打ったーー まさか、命が宿るはずのない我が身に、奇跡が起こるとも知らずに。 イライザが恋した相手は、全世界の女性の憧れと名高い億万長者。それだけに、彼女はジェイクにお金目当ての妊娠と疑われて蔑まれることを恐れ、彼には黙って産み育てようと決めますが……。本作は『大富豪の秘密の婚約者』と『選ばれたシンデレラ』の関連作。
愛を注がれないわたしはまるで、 からっぽのティーカップ……。 見習い看護師のアグネスは夜勤明けに講義に出席したとき、 最前列のまんなかだというのに思わず居眠りをしてしまい、 オランダ人外科医フラーム・デル・リンセンに叱責された。 長身で肩幅の広い彼がぱりっとした服を着た姿はいかにも魅力的で、 壇上の彼を見上げる周囲の女性たちは恍惚のため息をついている。 アグネスはデル・リンセン医師の冷たく光る碧眼に射られ、赤面した。 「君は尊敬心に欠けている。それに厚かましい」 ああ、もしも姉みたいに美人だったら、こうは言われなかったのかしら? 自分への自信のなさと淡い想いとに心乱れるアグネスだったが、 それからまもなく、ひどく惨めな姿を再び彼に目撃されてしまう! 優しく穏やかな作風が今なお愛され続けるベティ・ニールズの名作。牧師の家庭に生まれた5人きょうだいの末娘アグネスは姉たちに似ず冴えない器量で、親から“かわいそうな子”と呼ばれる始末。ちょっぴりいじけ気味な彼女の小さな恋の行方は?
夢見ていないと言ったら嘘になる。 あなたと赤ちゃんとの温かい家庭を。 エミリーには11カ月になる娘アニーがいる。 父親はハンサムな元恋人の医師カルだが、娘が生まれたことは知らない。 一生結婚する気はないと言う彼に、妊娠を打ち明けられなかったから。 けれど、胸のしこりに気づいて初めて、自分に何かあったとき 娘を託せる相手がいないと心配になり、遅まきながらカルを訪ねた。 娘がいると知った彼は、自分の子供かどうか疑いつつも、 会わせてほしいと要求してきた。 そして初対面の日、あどけないアニーを一心に見つめるカルを見て、 エミリーの心は激しく揺れた。 結婚嫌いの彼と結ばれることは決してありえない。でも……。 数々の受賞歴を誇る実力派テレサ・サウスウィックが、大人気の“秘密の命”をテーマに綴る作品をお楽しみください。好評を博した『ボスとナニーの契約結婚』、『ナニーが恋した傲慢富豪』と同じく、今作でもけなげなヒロインに涙を誘われます。
19歳のキーリーはテキサス州の小さな町で獣医師助手をしている。何年も前から11歳年上の牧場主ブーンに思いを寄せているが、子供扱いされ、はなから相手にしてもらえない。ある日、彼女はブーンの弟から恋人役を演じてほしいと頼まれる。最近親しくなった女性との交際を兄に反対されたので、キーリーを煙幕にして、ひそかに会いたいというのだ。親友のたっての頼みを断りきれず、偽の恋人になりすますはめになったキーリー。それまでつれない態度だったブーンに、まさかパーティーでダンスに誘われ、唇を奪われるとは夢にも思わず…。
ジョージーナが秘書として勤める会社が世界的大企業に買収された。 ハンサムな社長のタリスにじきじきに呼び出されたジョージーナは、 いきなり友人の男性と別れるよう申し渡され、驚いた。 さっぱりわけがわからないジョージーナに、タリスが告げる。 新しい重役が君をくびにしろと息巻いている、 君がつき合っている男は彼の娘の夫だそうじゃないか、と。 とんでもない誤解だわ。私はただの友達よ、愛人なんかじゃない! だが、タリスは彼女の説明に耳も貸さず、厳しい声で命じた。 「君には、しばらくのあいだ僕の目が届くところで仕事をしてもらう」 私がこんな傲慢な人の秘書に? だが、やがて彼の優しさに惹かれて……。 〈ゴージャスな恋人〉と銘打ちお贈りする企画第2弾は、ハーレクイン・イマージュの人気作家ジェシカ・スティールの大ヒット作。永遠の人気テーマ、ボスと秘書の恋を描きます。
レストランでウエイトレスをしていたキャリーは、伯爵の称号を持つ精悍な企業家テオ・サンラファエルにひと目で恋をした。だが、つかの間の情熱を分かち合ったあと愛の言葉を口にすると、冷酷にも彼はキャリーを捨ててフランスへ帰国してしまった。1年後、絶望の中で密かに産み育てていた息子ヘンリーを、テオの使者が迎えに現れた(『愛を知らない伯爵』)。かつてクレアはギリシア人の大富豪ザンダー・アナケトスの恋人だった。しかし妊娠の事実を打ち明けようとした晩、ザンダーから別れ話を切りだされ、傷心のクレアは何も告げずに彼の前から姿を消した。4年の歳月が流れたある日、偶然ザンダーと再会したクレアは、息子の存在を知られてしまい、激怒した彼に結婚を迫られるが…(『ふたたびのカリブ海』)。3年もわたしと息子を放っておきながら、なぜ今さら現れたの?別居中の夫アンゴロスとの再会に、ジョージーはうろたえた。電撃結婚ののち、義母にいじめられていたわしたが身ごもると、ほかの男の子供と決めつけ、冷酷に追い払った夫。今になって息子を自分の子と認め、戻ってこいと言うなんて、あまりに身勝手だわ。でも…(『疑われた妻』)。