2018年2月発売
男にとって究極の女とは……。 青春であればこそ二人の詩人は、激烈な恋に命を懸けた。 一人は哀切な思慕の嵐に漂流し続け、 一人は愛恋の狂気に殺意を抱く。 この対照的な恋の実話は、日記をもとに、織り込まれた詩がひとつの舞台を演出し奏でる。 他に三編を収録。
勇者教教会での決戦、死闘を繰り広げたレインブル襲撃事件から一夜明け、アヴェールの故郷ロマルナへと旅を始めたユート一行。一方その頃、ホシミツ山でユート一行に完膚なきまでに叩きのめされた勇者レンは、火の神殿で洗礼を終えると、再びユートへの憎悪の炎を燃やしていた。そして勇者の街レインでシェイン王国騎士団隊長バルドーと合流したレンは、王国最強のワイバーン部隊を引き連れユート一行の元へと向かうのだった…。ユートの傭兵稼業の始まりを描いた新エピソード収録!
「草どん、語ってくれろ」どこからともなく現れた子狐は、目の前にいた草に話しかけた。物語をせがむ子狐に、草どんは重い口をひらく……。 子狐に山姥、乙姫に天人、そして龍の子。民話の主人公たちが笑い、苦悩し、闘う! 「俺たち、本当に存在しているんですか?」 やがて物語は交錯し、雲上雲下がひずみ始める。物語が世界から消えてしまうのか? 不思議で懐かしい、ニッポンのファンタジー。
アトラード帝国の侵攻を防ぎ、国内に巣くっていた闇が取り除かれた大国ーグレイシス王国は、豊穣祭の季節を迎えた。国に平和をもたらした立役者であり、アラサーオタク女性からの転生者でもある第七王子・ハーシェリク。いつものように、お忍びで城下町へ出かけた彼は、秘密を抱えた二人の人物と邂逅しー。
民主主義は失敗した。老人の数の力を頼りに権力を握った老人政治家は私利私欲に目がくらみ公益より、私益を選んだ。年金は九十歳支給となり、日本全体は不満の渦に包まれる。暴動発生! その後、革命が起こり、若者と中年による軍事独裁政権が発足。敬老の日が廃止され、若者の日が制定、政府は現役世代の負担を減らす為に超強権的処置の現代的姥捨て山政策を行う。金の為に老人を追う若者と逃げつつ若者に抵抗する老人。老人への負担に苦しむ日本の近未来小説。勝つのは老人、若者のどちらか?
山男を死に誘ったのは、怪異なのか、山の怒りなのか、それとも自身への過信なのか…… 山でしか起こり得ない人と人の出会い、生きる者と死者の思いをつなぐものーー。恐ろしくも心ゆさぶる山の怪異。 冬の雪山で、小さな避難小屋の静寂を破るけたたましいノックの音と叫び声。だが、その意味を理解した瞬間、恐怖が襲いかかる「雪山の叫び」。雪の大汝山で下着一枚という異様な姿で発見された男性の遭難遺体。残された日記の最終ページに戦慄する「最後の日記」。数々の奇跡的な生還を遂げ、”おれは不死身なんだ”とうそぶく男が屏風岩の登攀で陥った危機ーー彼の本音が哀切な「不死身の男」他、山の怪異を自然の風景描写を織り交ぜながらつづる21篇を収録。現実と地続きでありながらも、異界としての山の風景と霊気を堪能できる、山岳怪談の決定版。
傭兵団同士の抗争に勝利し、ビムラの最大手にまで登りつめた山猫傭兵団。それは業界内の勢力図が大きく塗り替わり、大きな注目が集まることを意味していた。団員たちの生活向上のため、密かに商工ギルドに属さない商売を始めたウィラード。しかし、傭兵が自分たちの既得権益を侵食してくることを権力者たちが許すはずがなかった。ビムラ中央会議議長、エルツマイユが選んだ方法はー「本日はウィラード・シャマリ殿に、おめでたいお話をお持ちいたしました」。持ち込まれた縁談は団員たちを巻き込んでの大騒ぎを呼び起こす。なぜなら、その相手が…。
世界的な台湾女性作家の傑作短篇集 李昂(リー・アン)は、女性の内面や性、社会の伝統との葛藤をテーマに創作を続けている、台湾で最も著名な女性作家である。英・仏・独・蘭・伊・韓・スウェーデン語など、世界各国で作品が翻訳刊行され、注目を集めている。 本書は、デビュー当時から翻訳を手掛ける藤井省三氏が、1970年〜2000年代に書かれた作品から八篇を独自に選んだオリジナル短篇小説集である。初期の抒情性に溢れた作品、実験的な心理小説、そして中期を代表する二・二八事件の後日談としての政治とセックスの物語、最近作からは、台湾の歴史を描く幽霊物語と政治的グルメ小説を収録した。 都市化の波に取り残された港町に生きる女性、結婚後の夫との関係に悩む妻、幽霊となって故郷を見守る先住民の女性など、女性の視点から台湾の近代化と社会の問題を描く。李昂の豊饒な文学世界を堪能できる一冊。 「母、娘、妻、花嫁、老婆、若い女、死んだ女、鬼になった女、いまここを生きている女。--時を超えて響きあう彼女たちの声に圧倒された」--中島京子氏推薦!
ジェファーソン・テイトは米国随一の家系調査士。依頼を受け家系図を作る毎日だが、ある富豪からの仕事に苦戦していた。数百年前に渡英した一族のうち6人の記録が不可解に消えていたのだーまるで歴史から抹殺されたかのように。系図を完成すべくイギリスに渡ったテイトは彼らの足跡を辿るが、その周辺で謎の失踪や死亡事故がいくつも起きていると判明し…。一族に隠された悲しい真実とは!?
目覚めると、少女エムは傷だらけの体で独房に繋がれていた。排水口の奥には見覚えのない自筆のメモ。15行のリストの最終行には、ある人物の抹殺が指示されていた。対象者は天才科学者ジェームズ。メモによれば、これまで14回、過去に戻り未来を変えようとしたが失敗し、残された最後の手段はジェームズをー初恋の彼を殺すことだという。エムは意を決し、時のうねりに飛び込んだ。
「思わず彼は拾い上げた桜の実を嗅いでみて、おとぎ話の情調を味わった。それを若い日の幸福のしるしというふうに想像してみた」-。藤村(1872-1943)の文学への情熱、教え子へのかなわぬ恋を投影した青春の自画像。同じく自伝的小説である『春』『新生』の、少年期から青年期を描く。改版。
小泉八雲:本名ラフカディオ・ハーン。妖怪狩りを生業とし日本を放浪する“最後の猟兵”。シャドウウイング:英国生まれの精強な軍馬。殺処分されかけていたところをハーンに救われ以後旅をともにする。イザベラ・バード:世界を股にかけた冒険旅行家。日本に関する著作もある。英国政府に仕えている。ブラム・ストーカー:少年期のハーンに妖怪狩りの手ほどきをする。現在の消息は不明。ヤナギダ:元大公儀魑魅魍魎改方の頭領にしてハーンの上役。ターヘル・アナトミアの邪法を使う。現在の消息は不明。1899年、幕府と薩長連合がにらみ合いを続けるもうひとつの日本で描かれるハイパー伝奇アクション!
海外の怪奇幻想小説から、傑作を選りすぐり、 一流の翻訳で、ホラー愛好者に贈るナイトランド叢書。 いよいよ第3期配本刊行開始! 第3期第1回配本は、 英国の名匠E・F・ベンスンの怪奇幻想傑作集、第2弾! 吸血鬼、魔女、降霊術ーーそして、奇蹟。 恐怖と奇想の洒脱なブレンド! 死者の声を聴く発明、雪山の獣人、都会の幽霊…… 多彩な味わいでモダン・エイジの読者を魅了した、 ベンスンが贈る、多彩な怪談12篇! 怪談は、ディレッタントの愉しみ。 ★好評発売中=E・F・ベンスン「塔の中の部屋」 かくて死者は口を開き 忌避されしもの 恐怖の峰 マカーオーン 幽暗に歩む疫病あり 農場の夜 不可思議なるは神のご意思 庭師 ティリー氏の降霊会 アムワース夫人 地下鉄にて ロデリックの物語
和製シャーロック・ホームズこと杉下右京と間違われて拉致された亀山薫。椅子に縛りつけられ、犯人から求められたのは暗号の解読だった。謎の液体を吸い上げた注射器を手に、犯人が解答を迫る一方で、薫を探す右京は少しずつ犯人の目的に近づいていく。暗号に秘められた本当の意味とは?シーズン4の第八話〜第十一話の脚本をもとに、全四話に再構成して小説化。
宮本教授によって発見された新種の蝶。その蝶を300万円で落札した男が殺された。一方、関係者に「これは新種じゃないんだ」と語った宮本の刺殺体が、大学の資料室で発見される。蝶をめぐる連続殺人の真相を追う特命係の杉下右京と亀山薫は、蝶の発見現場に着目するが…。シーズン4の第十一話〜第十四話の脚本をもとに、全四話に再構成して小説化。
ジャーナリストの長月菜摘は、学生時代の友人・薄井麻衣亜の夫のSNSから、彼女が幼い息子を連れて家庭を捨てたことを知る。夫も、両親も、友人も、同僚も、彼女が消えた理由を知らないというが、誰もが麻衣亜を失踪に駆り立てるだけの要因を持っていたー。アガサ・クリスティー賞受賞作家の新境地!現代女性が背負わされた見えない『重荷』の正体を抉りだす社会派本格ミステリー。
海洋人工都市キヴィタス。アンドロイド管理官である若きエリートのエルガーは、登録情報のない“野良アンドロイド"の少年を拾う。記憶を失った彼の過去を探るうち、都市の重大な秘密に巻き込まれて…?
黒い糸が見える少年、白い檻で育った子供たち、灰の箱に呪われた青年、鏡の向こうの牢獄に囚われた男、そして不幸を呼ぶ少女。行き場のない願いと孤独は連鎖し、やがて凄惨な事件を引き起こす──。
幼馴染みの想史に片思いの女子高生・志奈子。別の高校に進学後、想史は口をきいてくれなくなってしまい、不安。そんな志奈子は顔も知らない高校教師と毎晩電話を…? 時空を超えたラブロマンス!