2018年4月12日発売
三人の侍と斬り合いをしていた、初老の武士と若い娘を助けた源九郎と菅井。初老の武士からお礼かたがた声をかけられ、源九郎は彼がかつて自分と同門で、剣の腕を競い合った戸坂市三郎であることに気づく。戸坂は上州高崎で馬庭念流の道場の師範代をしていたが、師匠が一刀流の遣い手に暗殺され、敵を討つため、師匠の娘と江戸に出てきたという。源九郎たちは戸坂と娘をはぐれ長屋で匿い、仇敵を探り始める。大好評シリーズ第四十二弾!
裏小路で居酒屋を営む八雲兼四郎の武勇を見抜き、悪を闇に葬る浪人奉行の影役目を与えた升屋九右衛門が新たな“仕事”を頼んできた。東海道の大井村近辺で殺しが頻発し、大坂へと発った大番頭の安否が気がかりでならぬという。早速後を追った兼四郎が見たものは、僧と侍の無残な骸だった。必死で手掛かりを探すなか、笑顔眩しい浜の娘おさちと出会う。大反響シリーズ、堂々の第四弾!
浜松藩井上家本家が、菩提寺である浄心寺改築のため、分家である高岡藩井上家、下妻藩井上家にそれぞれ金二百両の供出を言い渡した。困惑する正紀と正広だが、本家の意向に逆らうわけにはいかない。またもや訪れたこの危機をどう乗り切るのか!?待望のシリーズ第四弾!
桜吹雪の吉原仲之町を道中する、世にも美しい花魁篝火。滅多に姿を拝めぬばかりか、決して客と同衾しない伝説の花魁に、今日も男たちは身悶えするばかり。だが、篝火にはとんでもない秘密があった。その正体は、若鮎の如き美丈夫ーしかも故あって幼少時より吉原に匿われていた尾張家の御落胤、徳川竜之進だったのだ。無敵の“見返り柳剣”が浮き世の悪をしなやかに斬る!!期待の新シリーズ第一弾。
蘭学を志し、大坂の思々斎塾で勉学に励む緒方章(後の洪庵)は、師匠の頼みで御禁制である翻訳蘭学書の写本を買おうとする。だが、取引の現場で闇商いの本屋が殺されてしまった。狼狽する章の前に現れ、禁書が同心の目に触れぬよう救ってくれたのは、東儀左近という名の謎めく男装の麗人だったー。後に適塾を開き、幕末明治の大物を数多く育てた緒方洪庵。その青春時代に次々と降りかかる難事件。左近に導かれながら、まだ何者でもなかった若き日の洪庵が疾走する、傑作シリーズ第一弾!
謎めく東儀左近は、千年の昔から舞楽を奉じてきた由緒ある“在天楽所”の一族だと緒方章(後の洪庵)は承知した。しかも、“在天”は大坂の町の守り神でもあるという。北前船が運んできた“隠し荷”に悪徳商人が色めき立ち、欲得ずくの騒動を巻き起こす。左近一族が動くなか、脅威の天然痘が絡み、章も医学の徒として義心のもとに奔走する。一方で、まもなく江戸遊学を控える章の、持て余す左近への思いの行方はー。痛快無比、浪華の町を悪事から守り抜くほろ苦い決意を描く、傑作シリーズ第二弾!