2018年4月発売
捜査一課の一ノ瀬拓真は、異動してきたばかりの係長・大城に苦手意識を抱いている。隣の係が担当する事件の「尻拭い」を一ノ瀬らに命ずる大城。芸能事務所社員が殺害された事件で、聴取後に被疑者が逃亡したというのだが…。業界の闇、錯綜する思惑、捜査方針を巡る対立ー。果たして、悲運な者たちの鎮魂はなるか?書き下ろし警察小説。
函館市内の中学校に通う関口俊太は、ロードバイクにあこがれていた。だが、父は失踪、母は水商売で、お金にも愛情にも恵まれず、一人、ママチャリでトレーニングする毎日だった。そんな俊太を周りは憐れみ、あるいはからかう。だが、ある日、岩熊自転車という自転車屋の店長との出会いが、俊太を変えることに!
法律事務所で調査員として働く風町サエは、服役経験のあるシングルマザー。今回の依頼者は、アイドル候補生が店員の安売りピザ店で大儲けをした男。自殺した少女の両親から要求された一億二千万円の賠償金を減額させたいという。調査を進めるうち、ある人の過去にも迫っていくことになったサエはー。
望遠鏡で近隣の生活を覗き見する趣味を持つ老女・田島あぐ。ある晩、隣のマンションの屋上で一組の男女が争っている光景を目撃し、翌日、その女性が屋上から墜落死したことを知る。直前の様子を見てしまった自覚はあるものの、覗き見の罪悪感から警察に駆け込めないあぐだった。第二、第三の惨劇も起こり、棟居刑事が動き出す!
不可解な密命を帯び、太閤秀吉に接近、能の指南役となった、役者・暮松新九郎。目論見通り、秀吉は能楽に没頭するが、その狂気と妄執は新九郎を翻弄する。舞台の上では、家康・利家ら大名たちの思惑が交錯し、各座の役者たちの駆け引きも繰り広げられる。天下人と新九郎の運命が織りなす、桃山時代絵巻。
鴎外がビールに、荷風がウイスキーに託した思いとは?本書は酒が様々なイメージで登場する傑作を厳選。古今東西、人類の友である酒になぞらえた憧憬や哀愁は今でも現代人を魅了し続ける。近代文学に足跡を残した漱石、露伴、安吾、谷崎、太宰ら16人の作家と白秋、中也、朔太郎ら9人の詩人、歌人による魅惑のアンソロジー。
戦争は勝ったか、負けたかというチャンバラではなく、その全体にわれわれの社会と同じような原理が働いているー。太平洋戦争の天王山・レイテ島での死闘を、厖大な資料を駆使して再現した戦記文学の金字塔。毎日芸術賞受賞作。巻末に講演「『レイテ戦記』の意図」を付す。
隣同士の領地の屋敷で育ったアメリアとニック。いつしか抱くようになった淡い恋心。しかしニックは次男としての自信のなさから母の反対に抗えず、ロンドンを離れた。二年後に帰国し、彼はアメリアが他の男と婚約したことを知る。一方、足の不自由な姉を気づかいながら暮らすアメリアにも人知れぬ事情があった。再会し、かけがえのない存在だと気づいた二人が選んだ道はー新進気鋭の作家が描く、さわやかな王道ロマンス。
少女は14歳で“イレモノ”となり、“産品”を身ごもった。やがて産まれた男児には、ある「欠陥」があったーはたして少女は“母”になることができるのか?全世界1,200万部のミリオンセラー『ギヴァー』(2014年映画化)、その続編『ギャザリング・ブルー』『メッセンジャー』で提起されたすべての謎が、いま解き明かされる!“ギヴァー4部作”堂々完結。
移植手術、安楽死、動物愛護…「生命」の現場を舞台にしたミステリー。意識不明の患者が病室から消えた!?(『優先順位』)。なぜ父はパーキンソン病を演じているのか(『詐病』)。母豚の胎内から全ての子豚が消えた謎(『命の天秤』)。真面目な学術調査団が犯した罪(『不正疑惑』)。この手術は希望か、それとも絶望かー(『究極の選択』)
突然の事故の挙げ句、人の能力数値=ステータスが見えるようになった相良光太郎。同時に頭の中に棲みついたひとりの少女、自称・天使ちゃんは、今日もせっせと神様からの指令を伝えてくる。そんな忙しくものんきな「中2にして厨二ライフ」も3か月が過ぎた頃、美少女転校生の出現と共に光太郎の運命は一変してしまった!彼女のステータスに隠された秘密、それが光太郎を悪夢のような事件に突き落とす!!第1回WEB投稿小説大賞受賞作(Bコース)
ブロードウェイで男たちを手玉に取りつづけてきた美しきマーガレット・オウデルが、密室で無残に殺害される。カナリアというあだ名のもと女優殺人事件の容疑者は、わずかに四人。矛盾だらけで不可解きわまりない犯罪に挑むのは、名探偵ファイロ・ヴァンス。彼は独創的な推理手法で、犯人を突き止めようとするがー。著者がその名声を確固たらしめたシリーズ第二弾、新訳で登場!