2018年6月14日発売
定年延長制度最後の年をロス市警未解決事件班で迎えたボッシュはメキシコ系新米女性刑事ルシア・ソトとコンビを組むことに。ふたりが担当するのは、10年前広場で演奏中に銃撃され、体に残った銃弾による後遺症で亡くなったオルランド・メルセドの事件。体内から取り出した銃弾を手掛かりに捜査が始まった。
生前、車綺子のメルセドを帯同し、治安改善を訴え市長選に勝利。州知事を目指すザイアスは彼の死を利用しようと事件解決をボッシュに強く迫る。一方相棒ソトが7歳で経験した未解決の火災についても捜査を進めると、2つの事件が関連し、衝撃の展開となる。シリーズ25周年記念特別エッセイを巻末収録。
珠子、茉莉、美子ー。三人の出会いは、戦時中の満洲だった。生まれも境遇も何もかも違った三人が、戦争によって巡り会い、確かな友情を築き上げる。やがて終戦が訪れ、三人は日本と中国でそれぞれの道を歩む。時や場所を超えても変わらないものがあるー。二〇一六年本屋大賞第三位の傑作、遂に登場。
冤罪で実刑となったカメラマンの金井は、出所後、自分をはめた後輩を刺殺、故郷の函館へ逃亡する。心の支えは、ただ一人、服役中も慕い続けてくれた美人モデルのマリ子。しかし、二人が函館駅で再会を果たそうとしたその時、謎の男の拳銃が火を噴く。男は何者なのか?女の愛は本物なのか?傑作長編推理。
ある日突然発症し、一夜のうちに人間を異形の姿へと変貌させる病「異形性変異症候群」。政府はこの病に罹患した者を法的に死亡したものとして扱い、人権の一切を適用外とすることを決めた。不可解な病が蔓延する日本で、異形の「虫」に変わり果てた引きこもりの息子を持つ一人の母親がいた。あなたの子どもが虫になったら。それでも子どもを愛せますか?
長編マンガの描き下ろしの依頼を受け、竹本は古びた洋館“玲瓏館”の一室を借りて作業を開始した。怪しげな使用人たち、アシスタント陣、館に集まった錚々たるミステリ作家・評論家・編集者たちの面前で、突然『モルグ街の殺人』見立ての殺人事件が発生する。一同は早速推理合戦を開始するがー傑作実名推理小説。
古色蒼然たる洋館で名作ミステリ見立て殺人発生!真相に辿り着けないままに第二の見立て殺人が起こってしまう。ミステリ作家たちは果たして犯人をつきとめ、新たな凶行を阻止できるのか!?重層する暗合、舞い踊るペダントリー、知的興奮の極。鬼才による作家実名シリーズファン待望の完結篇ついに文庫化!
嵐で孤立した館で起きた殺人事件!国民的娯楽番組「推理闘技場」に出演したミステリー読みのプロたちが、早い者勝ちで謎解きに挑む。誰もが怪しく思える伏線に満ちた難題の答えは何と15通り!そして番組の裏でも不穏な動きが…。多重解決の究極にしてミステリー・ランキングを席巻した怒涛の傑作!!
藩主綱紀の使者として赴いた越前松平家で刀を振るうことになった数馬に、追っ手がかかる。仮祝言を挙げたばかりの琴も女行列を仕立て、女忍の軒猿たちと数馬奪回に向かう。そして数馬の岳父本多政長には、幕府から江戸召喚の命が。綱紀を憎む将軍綱吉が揺さぶりをかけてきた。どうなる百万石!
上方の高級酒下り酒を扱う武蔵屋は、霊岸島の大店だ。だが先代亡きあと店は傾いていた。先代の妾腹三男の卯吉は、主にはなれない。主を継いだ長兄や義母に冷たくされながらも、手代の仕事に奔走する。江戸っ子が待ち望む灘桜の新酒千樽が武蔵屋の命綱。だが春の嵐のあと、船が行方不明に!
将軍の命により信平は久しぶりに上洛、帝から将軍家との縁を一層深めよとの激励を受ける。しかし、師匠の道謙は剣鬼に斬られ床に臥せていた。信平は若き女陰陽師・光音の導きにより、剣鬼・左門が潜むという比叡山に入る。立て続けに現れる刺客、寵愛著しい信平への嫉妬…時代小説の醍醐味溢れる第三弾!
吉田松陰という礎を失った風倉平九郎はじめ松下村塾の塾生たちは、外国の脅威に対して攘夷の大義を実践すべく意気込む。門下一の俊英・久坂玄瑞らはイギリス公使館を焼き討ちにした。長州藩の急進的な行動により思いもよらぬ時代の流れに翻弄される若者たち。幕末を駆けた志士の青春小説、迫力の佳境!
作家・夏耳漱子は掲載誌の目次に茫然とする。自作に付された「珠玉の短編」という惹句。作風に最も遠いその言葉。やがて「珠玉」は妄念となり漱子の頭の中に増殖していくが…。表題作の他、男女の友情を鮮烈に叙景した川端賞受賞作「生鮮てるてる坊主」など、生の残酷と滑稽を鋭敏な言葉で描き出す11の物語。
匿名の通報により、中央消防署・救急隊長真田が現場へ急行すると、そこには業務用冷蔵庫に監禁され、憔悴しきった少女の姿があった。床には血液がまかれ、少女の背中には黒・赤・黄色のシールが。通報者は犯人なのか。謎めいたシールの意味は。二転三転する事件の果てに、救急隊に突き付けられた“慟哭の真相”とは?
皇族ながら、両親の愛を知らずに修道尼院で育った皇女・咲耶。真秀皇国の皇帝しか見るはずのない予知夢を見る咲耶は、それを他言することを厳しく禁じられていた。隣国に嫁ぐために峠を越えたある日、夢で故国の惨状を知るも、咲耶には知らせる術がない。だがー権謀渦巻く皇国で、特異な生を享けた少女の運命は。
11歳のフーパーの屋敷に、家政婦の母親ともども同居することになった同い年の少年キングショー。その日から、フーパーの執拗ないじめが始まった。二人の暗闘に、双方の親は全く気づかない。追い詰められるキングショー。そして衝撃の結末が。MBE勲章受章作家が描いた問題作。
直江津高校の後輩・日傘星雨がもたらした、小学生女児誘拐事件の『噂』。大学一年生になった阿良々木暦は、八九寺真宵、忍野忍、斧乃木余接とともに調査をはじめるが…!これぞ現代の怪異!怪異!怪異!