2018年6月14日発売
ルヴィエ国第三王子メリクルに仕える騎士であり、男装の麗人でもある伯爵令嬢コーラル。外交使節団で訪れた華烈という国で王子が問題を起こし、処刑されそうになる。身を挺して王子を守ったコーラルが殺されそうになったところで、ある男が待ったをかける。死刑の代わりに彼女に科されたのは、後宮で働かされる刑罰「宮刑」。男はある思惑から、コーラルを後宮へと連れてきたのだった。ただ、華烈の者はコーラルが男であると勘違いをしておりー。
東洋と西洋の交差点、T共和国。外資製薬会社の凄腕ウイルスハンター・神原恵弥が訪れた目的は、夢のような鎮痛剤と噂される「D・F」についてある人物から情報を得ることと、T共和国内で消息を絶った女性科学者を捜索すること。そしてもう一つは、密かに恋人関係にあった橘浩文と再会することだった。国内で見つかったという黒い苔に覆われた死体、女性科学者の足取り、「D・F」の正体、橘の抱える秘密…。すべての背景が明かされて浮上する、驚愕の事実。好評シリーズ第三作!
避けがたい理由で人を殺してしまった喫茶店『珈琲屋』の主人・行介と、かつて行介の恋人だった冬子。不器用な生き方しかできないふたりに、幸せは訪れるのか。小さな商店街に暮らす人々の、苦しみや喜びを描いて人気を集めるシリーズの第三弾。まさに“人間ドラマ”と呼べる7つの物語が次々とつながっていく連作短編集。
金銭的に恵まれ、女性にも不自由しない俺。ある日マンションに帰ると、以前付き合っていた女性が部屋にいた。帰れと言ったそのとき、背後から顔を布で覆われ、俺はそのまま意識を失った…「ぽきぽき」、僕の大事な友達の兄がレイプ事件の犯人として逮捕された。冤罪の可能性はあるが、いらぬ噂が立ち、友達は学校にこなくなった。そのとき僕がとった行動とは…「オープン・セサミ」など、作家デビューの年に発表された短編5編を収録。初文庫化作品を含む文庫オリジナル。
都内で、覚せい剤の密造所と見られる建物からの出火が相次いでいた。焼け痕からはなぜか、多量のペットボトルやメタンの成分が検出される。ただでさえ危険なはずの現場にどうしてそんなものが?麻布消防署飯倉出張所に異動した若手消防士・大山雄大は、密かに調査を開始する。だがそれが、六本木界隈の危険な奴らを刺激し、雄大は思わぬ危機に陥るー。大人気消防シリーズ第3弾。
ひがた町沿岸に突如現れた謎の大型海洋生物。メディアでも取り上げられ、見物客がひがた町を訪れるようになると、町長の大号令のもと、町おこし計画がスタートする。町役場の商工観光課に勤める出水英一は、ポスターやグッズの制作に奔走しイベントを企画するなど、着々とプロジェクトを進めていくが…。果たして町おこしは成功するのか、そして謎の海洋生物の正体とは!?有明海沿岸の小さな町で巻き起こった騒動を描く奇跡の物語。
東京・吉祥寺の外れにある『さくらい動物病院』。若き女性院長・亜希のもとには、猫やふくろう、かわうそなど、今日もいろいろな動物を連れた飼い主がやってくる。人間が苦手な亜希だが、なぜか動物だけはやたらと懐いてくる。実は、亜希には誰にも言えない不思議な力が備わっていたー動物にしか興味のない変わり者の動物看護士・中村や、動物行動学を学ぶ大学院生・手塚とともに、亜希は今日も、たくさんの動物たちと触れ合う。
ネオン輝く夜の赤坂。地味なOL笹沼ひろみは勇気を振り絞り、会社に内緒である“面接”を受けた。それは高級下着を纏い、衆人環視のなかショーウインドウに立つ生マネキンのアルバイト。美貌のマダム笙子の淫蕩な試験に合格したひろみは、入念なメイクを施され、ガーターベルトも艶かしいリビングドールとしてデビューする。倒錯文学の巨匠・館淳一による屈指の名作が装いも新たに登場!
突然の兇行、横たわる死体、立ちはだかる大きな謎。もはや解決不能と思える難事件を、明晰な頭脳で解き明かしていく。曾我佳城、巨勢博士、神津恭介、陶展文、仁木兄妹、金田一耕助といった名探偵たちの鮮やかな推理を、とくとご堪能あれー。歴史ある日本推理作家協会賞を受賞し、ミステリー界が誇る作家六名による、珠玉作短編集シリーズ第六弾。
組織人としての苦悩を抱えながらも、ひとたび事件が起これば矜持を胸に執念の捜査で犯人を追い詰めていく。鮫島警部、黒マメコンビ、相良刑事、庄司部長刑事、朝霧警部、加賀美捜査一課長といった名刑事たちの活躍を、たっぷりお楽しみあれー。歴史ある日本推理作家協会賞を受賞し、ミステリー界が誇る作家六名による、珠玉作短編集シリーズ第七弾。
五島列島の野崎島を後にした坂崎空也は、帆船肥後丸で対馬に辿り着く。岬で高麗の国を望みながら、渋谷眉月に想いを馳せていた空也は、対馬藩の重臣に声をかけられる。島での武者修行を許された空也だったが、領内に停泊している高麗船への同行を求められー。累計2000万部を突破した「居眠り磐音 江戸双紙」に続く新たな物語。激闘の四番勝負が始まる。
謎の読売屋主人、庄之助に叩きのめされた湯瀬直之進は以来、庄之助の影に苛まれ、秀士館の稽古も精彩を欠いた。見かねた倉田佐之助は、友として庄之助の正体を探る役目を買って出る。その頃、表には出ないものの、江戸の大店が大金を強請り取られる事件が立て続けに起きていた。探索する南町奉行所同心の樺山富士太郎と、庄之助の身許を洗う佐之助の目が、徐々に同じ像を結んでいく。緊迫の展開を見せる、大人気書き下ろしシリーズ四十一巻!
下っ引の音次郎は、湯島天神で幼馴染みのおしんの姿を見かける。以前、自分を心配してくれたおしんに誤って怪我をさせてしまったことを詫びたい音次郎は、おしんを捜す。一方、北町奉行所臨時廻り同心の白縫半兵衛は、浅草の地廻り殺しの下手人を追っていた。その探索との思いもよらぬ繋がりで、おしんの身に何かが起こっていると知った音次郎は…。「私たちは咎人を作らないようにするのも役目」“知らぬ顔の半兵衛”の、粋な人情裁きが江戸に舞う!
神田にある老舗菓子舗惠比壽屋の裏手に建つ剣術道場の前に旅装の浪人が現れた。ひときわ目立つ上背と長大な得物を担ぐ姿に、周囲の者が警戒し番屋へ連れていくが、男は十年前に武者修行に出た道場の一人息子の間野生馬だと名乗る。思わぬ人物の突然の帰還と変貌ぶりに偽者の疑いをかけた惠比壽屋の娘お君は、男を追い払おうと画策するのだがー。心優しき巨躯の剣士「迷い熊」参上!著者渾身の痛快人情活劇シリーズ第一弾!!
小笠原官兵衛は高千五百石の直参旗本。嫡男として過保護に育てられたが、剣術と「鳥寄せ」の腕前は一級品だ。そんな官兵衛に「小納戸役」の話が舞い込んできた。担当は「御犬番」。将軍家治公に献上された巨大な犬「仁王丸」を飼い馴らす、というお役目だという。剣の師匠から「犬のよき主となれ」との教えを受けた官兵衛は、勇気を振り絞り、暴れ犬をしつけようと悪戦苦闘する。笑いあり涙ありの、お犬時代小説新シリーズ始動!
人気はあれど金はない揚羽座が満を持して挑んだ『石川五右衛門』の舞台初日。弟子の剣豪、堅四郎のしくじりにも動ぜず熱演する看板役者の恋之介だったが、突如殴り込んできたやくざ者と乱闘になり、無念の休座に追い込まれてしまう。なんとか修理代を稼ごうと女客相手の怪しげな見世「おひげ茶屋」で働き出した恋之介らに、不気味な影が忍び寄る。書き下ろしシリーズ第三弾!
幕末の大坂を大地震が襲った。町奉行所同心の鳳大吾は津波に呑まれ、罪人四名を逃がしてしまう。その中には女三人を殺めた「烏検校」なる下手人がいた。七日以内に全員を見つけなければ切腹を命じられるが、謎解きの相棒である梓巫女見習いのお駒は、眼の手術をしたばかりで生死すら分からない。はたして大吾は罪人らを捕らえることができるのか?大きく傷ついた大坂の町で人々の思いが交錯する。人情捕物帳好評シリーズ第二弾!
首都ワシントン、6月。テロ対策特殊部隊GOチームの通信部で働くジーナは戸惑いを隠せなかった。世界各地で危険な任務を遂行する精鋭チームに突如、転属を命じられたのだ。戦闘経験は勿論、今までろくに体を鍛えたことすらないというのに…。翌日から始まった地獄のような訓練に必死で食らいつくジーナの前に現れたのはチームの屈強な男7人。なかでもひときわ長身で危険な雰囲気の男、リーダーのリーヴァイは冷たく言い放った。「おれたちは、きみにいてほしくない」その言葉が、くじけそうだったジーナの心に火をつけたー。