2018年7月20日発売
J・R・R・トールキンは、古代北欧の偉大な伝説を自らの言葉で語る詩を作った。それが、今回初公開となる密接に関連した2編の詩で、これにつけられたタイトルは、『ヴォルスング一族の新しい歌』と『グズルーンの新しい歌』である。
その肉体さえも国家に捧げる女スパイ・黒江律子、新たなる敵は過激新興宗教! 警察庁の公安秘密組織「十三階」は、かつて地下鉄テロを起こしたカイラス蓮昇会教祖の死刑執行が迫り、揺れていた。そんなとき、母親がカイラス分派団体に入信してしまい、律子は単独捜査に乗り出す。緊迫のスパイサスペンス「十三階の女」シリーズ第二弾。
大ヒット作『横浜駅SF』の著者による連作小説! 平成よりちょっと先の未来、国民は99%の働かない<消費者>と、働く1%のエリート<生産者>に分類されている。労働の必要はない時代だけど、仕事を斡旋する職安の需要は健在。いろんな事情を抱えた消費者が、今日も仕事を求めて職安にやってくる。斬新だけどほっこり、近未来型お仕事小説の登場!
地方の人気テーマパーク『ユーロ・パラダイス』のパレードダンサー、「クロ」こと黒木田環和(くろきだかんな)は、いつかは日本有数のミュージカル劇団で踊るという目標を持ちつつ、日々楽しく仕事に励んでいる。 パレードスタッフの加瀬夏海や仙道明里、同期のダンサー小沼真美子、トレーナーの生田目はるか、そして、顔を合わせれば口喧嘩ばかりしている衣装係、鈴木俊郎(すずきとしろう)=「シロ」といった仲間とともに、彼が遭遇するパーク内の裏側で起こる事件とは? ようこそ、テーマパークの裏側へ! 第一章 パレードダンサーの災難 第二章 パレードダンサーの誤解 第三章 パレードダンサーの休日 第四章 パレードダンサーの秘密 第五章 パレードダンサーの本音 あとがき
さまざまな事情を抱えながら現代の都会で逞しく暮らす妖怪たちの悲しくも温かい物語 現代ーー。あやかし達だって、悩みながらも一生懸命、生きています。 初夏だと言うのにやたらと寒く、麻理の住む東京の田舎では雪が降るという異常気象にテレビは賑わっていた。 そんな中、麻理と河野は雪乃のところへ置き薬のチェックで訪問する。 寒くて喜ぶ雪乃と、彼女の家に遊びに来ていた椿。 山の麓では雪が積もっており、巨大な足跡のようなものがあった。 もののけたちが、その原因を探っていくと… 失われていく自然への畏敬と開発による環境破壊は、そこに住む人間だけでなく妖怪たちもまた犠牲者であることにかわりがない。 前作に続いて、容姿端麗で「ニワトコ薬局」の売り上げNo.1の配置薬販売員でありかつ正体が河童である河野遥河(かわのはるか)と同僚の麻理、ラジオ番組のDJを務める雪女の雪乃など、一風変わった人物(妖怪?)たちも登場。 さまざまな事情を抱えながら現代の都会で逞しく暮らす妖怪たちの悲しくも温かい物語。 ※懸場帖……かけばちょう。配置薬の販売員が持つ台帳のこと。薬を置いてもらっている顧客情報が書かれている。 <目次> 第一章 初夏に雪が降り、雪女は花粉症に苛まれる 第二章 カエル妖怪は雨がお嫌い 第三章 山神様と天狗様とOL様 第四章 泣き虫ぼうやの山童 エピローグ
「群像」編集長を務めたのち作家に転身、泉鏡花賞を受賞、芥川賞の候補となり、2015年に逝去した辻章の著作集全6巻、第4巻刊行!「季刊・綜合文芸誌 ふぉとん」掲載全作品所収。
住宅街の中にある寂れた公園サンパーク。そこで浮浪者が殺された。元恋人への復讐を目論む鈴木真里、冷静な観察眼を持つ刑事竹内秋人、精神科病棟で友の帰りを待つ桃井沙奈。サンパークをのぞむ瑠璃色の古いアパートの一室を舞台に、それぞれの現在と過去がつながり、事件は思わぬ展開へ。
メディシス賞受賞作家の邦訳第6弾! 「原爆が炸裂した朝、一組の若い男女がヒロシマの街で愛し合っている」-- 文化混淆の街モントリオールを舞台にした日本女性と黒人男性との奇妙な同棲生活。人種、エロス、そして死を鮮烈にスケッチする俳句的ポエジー。破天荒な話題作を続々と発表し、アカデミー・フランセーズ会員にも選ばれ、今最も注目されるハイチ出身のフランス語作家による邦訳最新作!
メキシコの作家フアン・ホセ・アレオラの作品集Confabularioの日本語訳。 「明晰な理性に統べられた、無限の想像力の自由」、ボルヘスは、フアン・ホセ・アレオラをこう評している。 寓話とも、罪のない小噺とも、皮肉みなぎる笑劇とも取れるその作品たちをどう読み、どう味わうかは、著者とあなた(読者)の「共謀」しだい。 代表作「転轍手」「驚異的なミリグラム」をはじめ、28の掌篇・短篇を収めた作品集。 記憶と忘却 共謀綺談 山々が出産しようとしている まことに汝らに告ぐ サイ トリクイグモ 転轍手 弟子 エバ 村の女 ロードスのシネシウス 反抗的な人間の独り言 驚異的なミリグラム ナボニドゥス 灯台 悼んで バルタザール・ジェラール(一五五五⊖一五八二) ベビー・H・P お知らせ 弾道学について 調教された女 パブロ 物々交換のたとえ話 悪魔との契約 改宗者 神の沈黙 地の糧 評判 物語歌謡 下手な修理をした靴職人への手紙