2018年7月24日発売
高校入学直前、秋本は父親の手術のためアメリカに旅立った。新しい友人もでき高校生活に慣れていきながらも、歩はどこか彼の不在が心に引っかかっていた。そんなある日、秋本が突然帰ってくる。ちょっと大人びた彼を囲んで仲間たちは、漫才コンビ『ロミジュリ』の復活を口にするのだった。変わらぬ秋本の態度に少しだけホッとする歩。もう子どもじゃない、大人の手前の16歳。若さに揺らぐ笑いと涙を描いた大人気青春小説!
世界で最も愛されているクマ、「プー」。時代も国境も超えて愛されてきたプーの生誕90周年を祝し、4人の人気児童文学作家が著した公式続編。プーとコブタが大活躍する秋、新しい仲間が現れる冬、イーヨーに危機が迫る春、プーが未知なるソースを求め旅にでる夏。プーと森の仲間たちが春夏秋冬4つの季節を舞台にくり広げる、懐かしくも新しい心温まる物語。E.H.シェパードの画風を踏襲したイラストが全編を彩るオールカラー!
宝塚歌劇団の若手娘役・野火ほたるは新人公演でヒロインに抜擢され、一期上の憧れの先輩・薔薇木涼とコンビを組むことになる。ほたるの娘役としての成長と、バラキとのコンビ愛。そんな彼女を遠くからひそかに見守り続ける孤独なヤクザ・片桐。決して交わるはずのない二人の人生が、一瞬、静かに交差してー。ヤクザとタカラジェンヌ、それぞれの十年を切なく濃密に描く。好評の宝塚シリーズ『男役』に続く第二弾。
宗教都市・深石市で、奇妙なバラバラ死体と、冷蔵庫に圧し潰された変死体が発見された。被害者はともに警官。捜査一課の佐築勝道は、両現場で見つかった不気味な意匠の社章から、ある地元企業の関与を疑う。しかし理不尽な組織の力学と謎の圧力が捜査を阻み、無邪気な女が勝道を悩ませるーサバンナを彷徨うような果てなき猟奇殺人捜査。刑事がたどり着く驚愕の真相とは?ラスト40ページで世界が一変する衝撃の警察小説。
御庭番の倉沢家に婿入りし、家督を継いだ喬四郎。凄腕の隠密だが、義母の前では形無しだ。近ごろ江戸では、浪人の押込みや辻強盗が異様に増えていた。喬四郎は8代将軍徳川吉宗より直々に、その理由を探れとの密命を受ける。調べを進めると、背後には新大名家を立てようとする謀略、そして天一坊と名乗る謎の修験者の影が…。手に汗握る展開、軽妙なユーモア、胸に迫る結末。これぞ忍者時代劇!新シリーズ、待望の第2弾!
新宿区役所職員となった新社会人の宮古新。配属された先は、東京23区全ての区役所に人知れず存在する「夜間地域交流課」だった。悪魔や天使、妖怪といった人ならざるものを総称して「アナザー」と呼び、オカルト的事象を解決している課である。新は先輩たちに連れられて、夜の新宿御苑へ。そこで目にしたのは、今までの常識を覆すものだった。さらには、天狗に「安倍晴明だ!」と言われる始末。フツーじゃない公務員が魔都・東京を駆け巡る!!
王命を受けて茶州の執政者・州牧となった紅秀麗は、ひたすらに州都・琥〓(れん)入りを目指す。指定期間内に正式に着任できなければ、地位を剥奪されてしまうというのだ。新州牧の介入を面白く思わない地方豪族・茶家は妨害工作を仕掛けてくるが、秀麗はそれに負けることなく、いちかばちかの勝負に出ようとする。そんな彼女の前に、不思議な魅力を湛える茶朔洵という男が現れた。底が見えぬ男、朔洵の驚くべき真意とは?
ガレージや車が燃やされるなど17件続いた放火事件。険悪ムードが漂う捜査本部は、16件目の現場から走り去った人物に似た男を強引に別件逮捕する。取調を担当することになった新人検事の佐方貞人は「まだ事件は解決していない」と唯一被害者が出た13件目の放火の手口に不審を抱く(「樹を見る」)。権力と策略が交錯する司法を舞台に、追い込まれた人間たちの本性を描いた慟哭のミステリー、全5話。第15回大藪春彦賞受賞作。 第一話 樹を見る 第二話 罪を押す 第三話 恩を返す 第四話 拳を握る 第五話 本懐を知る 解説 大沢在昌
あの人に出会ってから深い森に落とされたようになり、すべてはガラスごしにながめている風景のようだったー。失恋で心に深い傷を負った「わたし」。夏休みの間だけ大学の友人から部屋を借りて一人暮らしをはじめるが、心の穴は埋められない。そんなときに再会した高校時代の同級生キクちゃんと、彼女の父、兄弟と触れ合いながら、わたしの心は次第に癒やされていく。恋に悩み迷う少女時代の終わりを瑞々しい感性で描く名作。
人の心の善悪を見抜く奇蹟の少年・天青は、麗虎国の宮中で、神官書生として学んでいる。夏休み、学友の笙玲らと町へ出た天青は、深刻な水不足に苦しむ庶民に胸を痛める。しかも金持ちの子息と間違われ、誘拐されてしまう。一方、宮中では、体調を崩した王に代わり、藍晶王子が代理を務めるが、貴族の反発は強い。さらに宮廷神官の鶏冠には、不可能に近い雨乞いの儀式が強制されて絶体絶命ー!?アジアン・ファンタジー第3弾。
不審死を遂げたライターが遺した謎の原稿。オカルト雑誌で働く藤間は後輩の岩田からそれを託され、作中の都市伝説「ずうのめ人形」に心惹かれていく。そんな中「早く原稿を読み終えてくれ」と催促してきた岩田が、変死体となって発見される。その直後から、藤間の周辺に現れるようになった喪服の人形。一連の事件と原稿との関連を疑った藤間は、先輩ライターの野崎と彼の婚約者である霊能者・比嘉真琴に助けを求めるがー!?
右目に眼帯をつけたIQ230の天才・御厨静琉。彼女は内閣情報調査室特務事項専従係、通称トクムに所属し、スペックと呼ばれる特殊能力が絡む事件の調査を行っていた。野々村係長の命で、元公安の高座宏世とコンビを組んだ御厨は、スペックホルダーをめぐる闘いに巻き込まれていく。事件の裏で暗躍する謎の少女・ニノマエイトの正体、そして御厨の眼帯に隠された秘密とは。ミショウからトクムへー待望の『SPEC』サーガ完結篇!
下野国にある喜連川藩は、家格は高いが石高は低い。藩の中間管理職・天野一角の苦労は絶えなかった。後添いの妻・雪乃と倅・清助の不仲に苦慮していたある日、江戸藩邸が火事に遭う。検分を命じられた一角は家老の許しを得、後学のためと清助を連れて江戸に赴く。だが尊大な留守居添役・中原の不正が発覚、さらに清助が神隠しのように姿を消しー。理不尽を打ち払う一角の姿と母子の情が爽やかな感動を呼ぶ、新シリーズ開幕!
ある日突然、会社で早期退職募集が始まったー。辻本壮平52歳、菓子メーカー課長。これは体のいいリストラなのか、それとも第二の人生をスタートするチャンスなのか。上乗せされる退職金、憧れだった田舎暮らしの可能性。辞めるか残るか悶々と悩む中、周りでは早々に早期退職を決断する者あり、会社にしがみつく者あり。そんな中会社を未曾有の危機が襲いー。会社で働く者の苦悩と誇りを描き出す、エンタメ小説。
吉祥寺のガーデンショップに居候中の大学生・保は、あやかしに好かれやすい体質。最近も、庭師兼すご腕陰陽師の啓介とその異母弟・弓弦に、危ういところを救われたばかりだ。なんとか「そういうの」とは無縁で生きていきたい保だが、今はちょうどお盆近くで、普段起きないようなことが起きる時期。店番中に怪異現象の相談を持ちかけられたり、寺で不思議な出来事に巻き込まれたりと大変なこと続きでー!?シリーズ第4弾!
メイン州の山奥に佇む遺棄されたミサイル基地。そこでは秘密裏に実験が行われていた。ひょんなことからそこを訪れた国土安全保障省の捜査官と女性保安官は、銃撃戦を逃れ、人の肉片と鋭い爪痕、何かが脱皮した跡を発見する。やがて出現した巨大生物は、形態を変えながら獰猛さを増し、すべてを破壊してゆくー。はたして人類に立ち向かう術はあるのか?圧倒的な迫力と臨場感で描く、ノンストップのパニック・サスペンス。
きっかけは図書室でみつけた一冊の古書だった。亀甲文字で印刷された中世の書物にぼくは夢中になる。時間旅行装置“デカルコ”で時を隔てた世界を行き来する者たち、その実用化を目指す国際的な研究機関ICOD、突如現れては、運命の女について語って去ってゆく謎めいた少年…メビウスの輪のようによじれた時空間を自在に移動し、かつて栄華を誇った一族の奇妙な足跡と家系図の迷宮を描いた壮大なサーガ。
若殿の定光が急逝し、御家断絶の危機に瀕した旗本・葉月家が考案した奇策。それは、若殿の身代わりを立てることだった!定光と瓜二つの広島藩士・村上虎丸は懇願され、葉月家の江戸屋敷に赴く。だが海賊の末裔の家で逞しく育った虎丸は、日焼けが治り痩せるまでは外出禁止、芸州弁も厳禁だ。さらに若殿には、娶ったばかりの妻がいたのだ!公儀にも妻にもばれたら一大事の中、江戸の悪に立ち向かう。新シリーズ、堂々開幕!
神奈川県警の心理職特別捜査官の真田夏希は、貴重な公休日に、江の島を訪れた。だが、そこは警察車両のひしめく、殺人事件の現場になっていた。江の島弁天橋の下から他殺死体が発見されたのだ。翌日、捜査本部に呼び出された夏希は、自身が犯人から捜査の指名を受けていることを知らされる。犯人は夏希との対話を要求。さらに次の犯行予告も突きつけられた。夏希は脳科学の分析により、犯人の人物像に迫っていくがー。