2018年8月7日発売
【文学/日本文学小説】祖父はいつも秘密基地で壁新聞を手作りしていた──大人になった主人公が記憶の断片を追いながら、ある事件と祖父の真相のかかわり合いを探る(「オブジェクタム」)ほか、林芙美子文学賞受賞作「太陽の側の島」など3篇を収録。
埼玉県の片田舎、神室町に幼稚園教諭として赴任した喜多嶋凛。あらゆることに口出しをしてくるモンスターペアレンツと対立しながらも、自らの理想を貫き、少しずつ周囲から認められていくのだが…。どんでん返しの帝王が贈る驚愕のミステリ。
【文学/日本文学小説】いじめを受けた側、いじめた側、その友だち、家族、教師……。「いじめ」には、さまざまな当事者たちがいる。7人の人気作家が「いじめ」をめぐる人々の心模様を競作。胸の奥にしずかに波紋を投げかける、文庫オリジナルアンソロジー。
愛の諸相を綴る歌集『愛への誘い』を刊行し、自らの歌詞提供で、愛への想い、ときめき、せつなさを唄うCDを世に問うてきた著者が、時代小説というジャンルに挑戦した意欲作。表題作「天の川」ほか、計5編の短編を収録。
皮膚に鱗状の模様が現れ、身体から発火して焼死ー未知の疾病“竜鱗病”が突如広まり、猛威をふるいはじめた。学校保健師のハーパーは、妊娠と同時に感染が発覚。錯乱した夫に殺されそうになるが、消防士姿の謎の男“ファイアマン”に救われ、迫害された感染者たちが身を寄せ合う秘密のキャンプに導かれる。外の世界では自警組織が感染者狩りをしてまわるようになり、やがてハーパーの暮らすコミュニティの中にも不穏な空気が流れ…。ニューヨークタイムズベストセラー一位獲得、終末期のサバイバルを描く大スペクタクルエンタテインメント!
NYタイムズ1位の傑作エンタメ長編、完結 全人類を滅ぼさんとする未知の疾病〈竜鱗病(ドラゴンスケール)〉に冒された妊娠中の看護師ハーパー。夫に命を狙われたところを消防士姿の男〈ファイアマン〉に救われ、迫害された感染者たちが身を寄せ合うキャンプに避難するが、新たなリーダーの登場でコミュニティもまた不穏な状態に。一方、外の世界では感染者狩りがますます激化し……。 本当の敵はどこに?生き残るのは誰か?全人類が追い詰められた極限の中で、愛する人を守るため瀕死の傷を負いながら闘う炎の使い手〈ファイアマン〉を描く、傑作エンタメ大作、超スペクタクルな完結編!
古民家カフェの店主・吉備桃太郎の正体は? ベタすぎる名前にひそかなコンプレックスを抱く吉備桃太郎は、故郷・岡山で祖父のあとを継ぎ「桃源郷」の店主におさまっている。ところが彼のもとに集まるのは、どうやら過去世から因縁のある人物ばかりで……。
ゴシックミステリから奇譚まで極上の物語集 元版は2002年刊の短篇集『約束よ』と2009年刊の中篇『抱擁』。二冊を合本、二部構成にして初の文庫化。第一部「抱擁」は、二・二六事件の翌年、昭和12年の東京駒場の前田侯爵邸を舞台に展開する。18歳の小間使い(わたし)の検事に向かっての供述で語られる物語。5歳の令嬢・緑子の不可思議な行動、ゴシック建築の洋館で起こる異様な事件、物語は謎をたたえて結末に向かって走り出す。ヘンリー・ジェイムズの傑作『ねじの回転』をパスティーシュした傑作である。 第二部は総タイトルを「この世でいちばん冴えたやりかた」と改め、七篇の名品が並ぶ。日本と中国を舞台にした奇譚の数々。一篇一篇がその文章力と物語の起伏で読む手が止まらない。特筆すべきは著者の代表作である盲目の落語家を主人公にした『遊動亭円木』(谷崎潤一郎賞)の外伝三篇が収録されていること。ファン感涙である。若き日に中国貿易に携わった著者でこそ書ける中国を舞台にした三篇もすごい。時代も唐から現代まで、そのストーリーテリングは凡百の作家の追随を許さない。タイトルに採った「この世でいちばん冴えたやりかた」は天安門事件を背景にした驚くべき現代の奇譚。単行本時の表題作だった「約束よ」には官能の匂いが立ちのぼる。 さらに、作品の中にさりげなく引用されるフロベールの『ボヴァリー夫人』とボルヘスの掌篇、豊潤な作品を詰め込んだ「世界文学」ともいうべき至福の物語集である。 解説は宮下奈都。
41年目の誘拐再捜査! 連続ドラマ化! 東名高速道路の裾野バス停付近で、高齢男性の遺体が発見された。事件を捜査する静岡県警裾野警察署の日下悟警部補は、被害者・須藤勲の長男・尾畑守が、昭和49年に誘拐死体遺棄事件に巻き込まれていたことを知る。誘拐事件は、時効直前の昭和63年に再捜査が行われていた。日下は、再捜査の陣頭指揮を取った当時の管理官・重藤成一郎元警視に捜査への協力を願い出る。 平成と昭和、時代を越えた刑事たちの熱い思いは「真犯人」に届くのか。二度敗北を喫した静岡県警の意地と矜持を賭けた三度目の捜査が始まる! 【編集担当からのおすすめ情報】 上川隆也主演で、待望の連続ドラマ化! WOWOW連続ドラマW「真犯人」、9月23日(日・祝)スタート。 毎週日曜夜10時放送(全5話)。
美濃北山三万石の主百目鬼一郎太の楽しみは月に一度の賭場通いだ。秘密の抜け穴を通り、城下外れの賭場に現れた一郎太が、あろうことか、命を狙われた。頭格は大垣半象、二天一流の遣い手で、国家老・黒岩監物の配下だ。突きの鬼一と異名をとる一郎太は二十人以上を斬り捨てて虎口を脱する。だが、襲撃者の中に城代家老・伊吹勘助の倅で、一郎太が打ち出した年貢半減令に賛同していた進兵衛がいた。俺の策は家臣を苦しめていたのか。忸怩たる思いの一郎太は藩主の座を降りることを即刻決意、実母桜香院が偏愛する弟・重二郎に後事を託して単身、江戸に向かう。
母桜香院が寵愛する弟重二郎に藩主代理を承諾させた百目鬼一郎太は、竹馬の友で忠義の士・神酒藍蔵とともに、江戸の青物市場・駒込土物店を差配する槐屋徳兵衛方に身を落ち着ける。暮らしの費えを稼ごうと本郷の賭場で遊んだ一郎太は、九歳のみぎり、北山藩江戸下屋敷長屋門の中間部屋で博打の手ほどきをしてくれた駿蔵と思いもかけず再会し、命を助けることに。そんな折、国元の様子を探るため、父の江戸家老・神酒五十八と面談した藍蔵は桜香院の江戸上府を知らされる。桜香院は国家老・黒岩監物に一郎太抹殺を命じた張本人だった。白熱のシリーズ第2弾。
家族経営の博多とんこつラーメン店「満月亭」。店の前で行き倒れていた耽美ファッションの怪しい女を、見るに見かねてラーメン店で雇うことに。ひたすら美しい世界を探求するその女は、店の中を完全に耽美の世界へと模様替え。ラーメンと耽美という異色なコラボレーションが博多で反響を呼び、地元テレビ局が取材に訪れる。それをきっかけに大ブーム到来。あれよあれよと人気店に成長するが…。老舗ラーメン店に舞い降りた少女は、満月亭を救う天使か、廃業に追い込む悪魔か?耽美女子と九州男児・蓮華による青春ラーメン小説!
2017年マンガ大賞受賞作映画ノベライズ 累計100万部突破、2017年マンガ大賞受賞の大人気コミック「響〜小説家になる方法〜」(小学館ビッグコミックスペリオール連載中)が待望の実写映画化。主人公の15歳天才女子高生小説家・鮎喰響(ルビ=あくいひびき)を演じるのは、欅坂46の不動のセンターとして活躍中で、今作が映画初出演にして初主演となる平手友梨奈。響の才能を見出す若手女性編集者に北川景子、芥川賞を目指す青年作家に小栗旬という話題のキャスト。その映画脚本を小説版オリジナルにノベライズ。 圧倒的かつ絶対的な才能を持って文学界に突如現れた一人の天才少女、鮎喰響(ルビ=あくいひびき)。彼女は世間の常識と慣習に囚われず、自分の信じる生き方を絶対曲げない。響がとる行動は、過去の栄光にすがる有名作家、スクープの欲だけで動く記者、生きることに挫折した売れない小説家など、さまざまな人に計り知れない影響を与え、彼らの価値観をも変えていくのだったーー。
真実から生まれた、命の重さを問う人間賛歌 ブラック企業に追い詰められ多額の借金を背負った達希(27歳)は発作的に飛び降り自殺を図り、15年前に死んだ祖父の霊に助けられる。祖父は生前心残りの「人探し」を一緒にすることを条件に隠し財産で借金の肩代わりを提案。 そこから祖父の霊とのボルネオへの旅が始まる。そこで出会ったのは、個性豊かな人々と悲惨な戦争の記憶。将校でも戦闘機乗りでもない大多数を占めた一般兵士の彼らの戦死とは、飢えや伝染病で命を落とす悲惨なものだった。 やがて一行は赤道の街に到着。そこには、この旅に祖父が託した本当の目的が隠されていた。今まで決して口にすることのなかった、「知られざる謀略事件」とは・・・・。そして、そこに隠された,祖父の過去にまつわる真実とは・・・・・。 【編集担当からのおすすめ情報】 おそらく日本国内ではほとんど知られていない、終戦間近の時期インドネシアで実際に起こった「ポンティアナック事件」がモチーフとなっています。この事件は日本ではほとんど知られていませんが、現地では今も毎年慰霊祭が行われ、忘れられることはありません。それは、決して遠い記憶ではありません。 戦争時は軍隊、現代はブラック企業、有名大学の体育会まで。名前と質こそ違えど、現代も昔も一部上層部の私利私欲のために犠牲になり、苦しむ人々はたくさん存在します。著者の力強い筆に救われ、励まされる方も多数いらっしゃると思います。 こんな時代だからこそ、10代の高校生から戦争を経験された年輩の方々まで、現代を生きる多くの方に是非読んでいただきたい、人間賛歌。 読後は爽やかで、明日を生きる力が湧いてくる小説です。 インドネシアとの国交樹立60周年の今年の夏に、満を持しての文庫化です。
めっちゃおもろい! 半自伝的青春小説 木村勇太、25歳。夢は映画監督。 今は売れない劇団をやりながら、大阪市K区寿町でバーを経営している。 ある日の閉店間際、「冬音」という見慣れぬ美女が店にやってきた。 ストリッパーだという彼女は、勇太にストリップ劇場で前座をやってほしいと頼むのだった。なんとか劇場を満員にしたい、力を貸してほしいとーー。 そこから勇太たち劇団員4人の、場末の劇場を舞台にした、笑いあり、涙ありの悪戦苦闘の日々が始まった! 「悪夢」シリーズで大人気の作家が描く、“めっちゃおもろい!”半自伝的青春小説。 これって一体・・・・・・どこまで実話なん? 【編集担当からのおすすめ情報】 現代絵師・山下良平さんの“めっちゃ素敵!”なイラストも収録しています!
英国男子校を舞台に紅茶で謎解きミステリ イギリス名門パブリック・スクール「レイトン校」の奨学生となった風森心。シンは養護施設の園長の言葉「何も持っていなくても、強い心さえあれば、どんな世界も切り開いていける」を胸に、貴族の子弟ばかりの学校でいじめにも負けず頑張っている。そんなシンには、紅茶を飲むと3日くらい先までの未来が見える能力がある。シンの親友は寮が同室で没落貴族のギルが茶葉を選んでくれて、シンが紅茶で客をカウンセリングするのだ。ある夜、寮の塔から下級生サンディの飛び降り事件が! 学園一金持ちで優しいアンドレが弟と可愛がるサンディの死の裏には、思わぬ「思いやり」が絡んでいた・・・・・・。シンが紅茶でみたものとは!? イギリスのクリスマスや様々な種類の紅茶の話も楽しい、イギリス全寮制男子校の青春物語!
あやかし猫が起こす再会の奇跡! ストレスで体調を崩し、会社を退職。初めての彼氏にも浮気されてあっさり失恋。うまくいかない人生に打ちのめされた美琴が逃げこんだのは、亡くなった祖母が住んでいた田舎の空き家だった。 誰とも接触せず、引きこもり気味に一人暮らしをはじめた美琴だが、気分を切り替えようと訪れた近くの神社で、見習い神主の青年・千早と、人の言葉を話す猫・モーと出会う。モーの不思議な力によって過去の自分の姿を見せられた美琴は、心の奥に押し込めていた後悔と向き合うことに……。 花咲神社は生者死者の再会が許されている場所。神様の眷族だというモーは、それを必要としている人々の手助けをするのだと千早は言う。特別なこの神社で、美琴が選んだ未来とはーー? 心から誰かに再会したいと願えば、きっと叶えてくれる神様の猫がここにいる。現世〈うつしよ〉と隠世〈かくりよ〉をつなぐ花咲神社で、優しい神主見習いと毒舌猫とともに働くことになった美琴の、奇跡と涙と感動の物語!
夏の間は夜でも太陽が浮かぶ極北の地にやってきた「ウルフ」と名乗る男。狩猟を通じてサーミ族の人々と交流を深める彼には、ある秘めた過去がーー。ノルウェー・ミステリの帝王が翻訳ミステリー大賞受賞作『その雪と血を』に続けて放つ、傑作ノワール第二弾!