2018年発売
宮下愛子は幼いころ、ショッピングモールで母親が目を離したわずかなすきに連れ去られる。それは偶発的に起きた事件だったが、両親の元に戻ってきた愛子は失明していた。12年後、彼女は再び何者かによって誘拐される。一体誰が? 何の目的で? 一方、人気漫画家の江間礼遠は突然失踪した妻、優奈の行方を必死に探していた。優奈は12年前に起きた事件の加害者の娘だった。長い歳月を経て再び起きた、「被害者」と「加害者」の事件。偶然か、それとも二度目の誘拐に優奈は関わっているのか。急展開する圧巻のラスト35P! 文庫化に当たり、単行本から改稿されたシーンも。大注目作家のサスペンス・ミステリー。(解説:瀧井朝世)
無口で人づきあいが苦手な理系女子のシーノは就職にあぶれ、就職相談員・蛇足軒の秘書になった。日々やってくる妙な求職者たちに、鮮やかな詭弁で適職を与えていく蛇足軒。それを見ているうちにシーノは……
中島哲也監督による映画化決定! 空前絶後のノンストップ・ホラー、待望の文庫化! 映画タイトル:「来る」 公開:2018年12月 配給:東宝 出演:岡田准一 黒木華 小松菜奈/松たか子/妻夫木聡 幸せな新婚生活を営んでいた田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。取り次いだ後輩の伝言に戦慄する。 それは生誕を目前にした娘・知紗の名前であった。原因不明の怪我を負った後輩は、入院先で憔悴してゆく。 その後も秀樹の周囲に不審な電話やメールが届く。一連の怪異は、今は亡き祖父が恐れていた“ぼぎわん”という化け物の仕業なのか? 愛する家族を守るため秀樹は伝手をたどり、比嘉真琴という女性霊媒師に出会う。 真琴は田原家に通いはじめるが、迫り来る存在が極めて凶暴なものだと知る。はたして“ぼぎわん”の魔の手から、逃れることはできるのか……。 “あれ”からは決して逃れられないーー。綾辻行人・貴志祐介・宮部みゆきら絶賛の第22回日本ホラー小説大賞〈大賞〉受賞作!
御広敷番医師の矢切良衛は、登城後に医師溜で御膳所の仲居が昨夜腹痛を起こしたことを知らされる。その仲居は、大奥で将軍に出される料理の調理に携わる者。将軍の食事にもしやー。綱吉の体調を危惧した良衛は、お目通りを試みるのであった。一方、本所深川の顔役となった真野は、縄張り内での騒動が何者かの陰謀であることに気づく。敵の狙いは、良衛なのか?周到に仕組まれた罠と陰謀を、良衛は切り抜けられるのか。
『悪魔』の透明標本を作り学会から追放されたと噂される根室正志。その根室の最後の作品が完成し、披露されることになった。人伝に聞きつけ集まったのは、一見結びつきのない8人の参加者。猟奇事件を追うフリーライター、遺産で生活する美人写真家、推理作家などー彼らは福島県の沖合の孤島に向かうも、予想外の事件が待ち受けていた。島での一夜を余儀なくされた男女に様々な思惑が渦巻く。そして第1の殺人事件がー。
世に放たれたレイシア級hIEと呼ばれる、レイシアの姉妹たち。オーナーを必要としないスノウドロップ、人間に寄り添う紅霞、人間を利用するメトーデ、「私にこころはありません」と告げ るレイシア。人間がもてあますほどの進化を遂げた、人間そっくりの「モノ」を目の前に、アラトは戸惑い、翻弄され、選択を迫られる。アラトが見つけた「ヒト」と「モノ」とのボーイ・ ミーツ・ガールが導き出す人類の未来への選択とはーー。
100年後の未来。社会のほとんどをhIE(フューマノイド・インターフェイス・エレメンツ)と呼ばれる人型アンドロイドに任せた世界では、人類の知恵を超えた超高度hIEが登場し、人類の技術を遥かに凌駕した物資 《人類未到産物(レッドボックス)》が生まれ始めていた。17歳の遠藤アラトは4月のある日、舞い散る花びらに襲われる。うごめく花びらからアラトを救っ たのはレイシアという美しい少女の「かたち」をしたhIEだった。
大学生の友哉は、中学の同窓会に参加することに。 しかし集まったメンバー達は、一様に何かに怯えていた。 そんな中、一人が突如変死する。 実は既に元級友が6人も、謎の死を遂げているという。 更に続く旧友の死に、友哉は元彼女のリカらと共に調査を開始。 近現代の連続殺人犯たちをモチーフにした、 テーマパークのホラーハウス〈殺人館〉の呪いではと推測するが……。 このてどんでん返し、予測不可能! 究極形のホラーミステリ、登場!! ーー徹夜覚悟で、読んでください。
東京を襲った大震災。命からがら異国の地にたどり着いた少年を救ったのは、浅黒い肌をした美青年と、プラチナの髪に紫の瞳をした美少年だった。彼らはこの町の影の支配者であり、ある秘密を持っていたーー。
長野県高瀬湖畔の工事現場から、人間の白骨と犬の骨が発見された。白骨は三俣蓮華山荘管理人で、五年前に山荘の売上金とともに失踪した島岡太一であることがわかる。一方、警視庁捜査一課の棟居刑事は、自分と見知らぬ青年が一緒に写った一枚の古い登山写真と、白骨の発見現場が一致することに気付く。奇妙な偶然が、雪の北アルプスを舞台に、人間の憎悪を暴いていくー。国民的人気シリーズ、待望の新装版。
贋金造りの科で武蔵屋善兵衛に裁きが下った。差入を度々届けていた妾にその死を知らせようとしたところ、女は全くの別人だったという。彼女は一体何者だったのか?真相を求め決死の覚悟で武州柿沼村に出向いた隠密同心の市松。そこは三十年前に父の人生を変えた事件が起きた土地であり、大いなる罠が待ち受けていた!果たして市松は生還できるか?そして黒幕の正体はーすべての謎が結びつくシリーズ最高潮の一作!
私立探偵・沢崎のもとを訪れた紳士が持ち込んだのはごく簡単な身辺調査のはずだった。しかし当の依頼人が忽然と姿を消し、沢崎はいつしか金融絡みの事件の渦中に。14年もの歳月をかけて遂に完成したチャンドラーの『長いお別れ』に比肩する渾身の一作。
ユーモアと奇想に満ちた中短篇集 暴力と抑圧がはびこる架空の街区を舞台に、現代シリア文学の重鎮が描く短篇集と中篇の二作を収録。 『酸っぱいブドウ』 「短剣に斃る」──強欲で乱暴で慎みを欠き、くせ者揃いの住民で知られるクワイク街区。そこに暮らす片耳の男ヒドゥル・アッルーンは、自分の伴侶のように大事にしていた短剣を警察に没収されてしまう。 「隘路の外衣」──クワイク街区を抜けて近道しようとしたムフスィン・ファーイルは、黒い外衣をまとった女に道を訊かれる。知らないと答えると、突然その女の兄を名乗る男が現われ、因縁をつけられる。 「ハッラーウの末路」──床屋のサイード・ハッラーウは店を閉め、謎の黄色い錠剤を売っている。錠剤には魔法のような効能があり、街区に住む男たちは次々と中毒に陥るが、その成分や製造方法は誰にもわからない。 「八時」──ハナーン・ムルキーは一時間刻みで約束をこなす。正午には公園、一時にはある家、二時にはカフェ、三時には映画館、五時には婦人服店、六時にはレストランへ……多忙な娘が八時に帰宅するまでの半日を追う。 『はりねずみ』 両親と兄と暮らす六歳の「僕」。シリアの子どもの殺伐とした日常を、コミカルかつシニカルに語る。
『ストーナー』で世界的ブームを巻き起こした著者が描く、19世紀後半の米国西部の大自然。バッファロー狩りに挑む四人は、峻厳な冬山に帰路を閉ざされる。男たちを待つのは生か、死か。
雨宿りに立ち寄った寺で白い蛇に遭遇した八十八。不意に現われた美しい女に「あるお方を捜して欲しい」と懇願され…!?(白蛇の理)。猫又を見たという男が川で遺体となって発見された。土方を通して近藤勇から猫又退治を依頼された浮雲は、妖怪は専門外と言いながらも力を貸すことに…!?(猫又の理)。神田の商家の娘が狐憑にあった。同じ頃、廃墟となった神田の神社に幽霊が出るという話が。二つの事件の解決を頼まれた浮雲だったが…(狐憑の理)。赤眼の憑きもの落とし・浮雲、新選組・土方歳三×異能の呪術師。死者の霊を見つめる赤眼が、江戸の闇を祓う!シリーズ第4弾!!
ベストセラー「縞模様のパジャマの少年」のジョン・ボイン、待望の新作!少年は、ただ信じただけだった。目の前に立つ、その人を。そして、ただ認められることだけを夢見て、少年は変わりはじめた・・・。パリに生まれた少年ピエロがたどる、数奇な運命の物語。
猟団『紅の花嫁“クリムゾンブライド”』のスキルアップで狩猟に出ていたある日、他の猟団『銀狼』から抜け出してきた女の子を助けることになったケント。話を聞いてみると、『銀狼』では若い冒険者の女の子を拉致監禁して、なにやらいかがわしいことをしているというではないか。さっそく情報を集めてみると、猟団長のマシューに無断で勝手なことをしているヤツが浮かび上がる。救出に向かうケント達。しかし、そこで思わぬ事態に遭遇する。大人気シリーズ第三弾登場!
水田マリ16歳。正直に言うと、高校中退ってこと、かなりわだかまってます。高校を3日でやめて働き始めた16歳のマリ。殺伐とした洗剤工場の閉塞感の中で、ストレスがほこりのように積もっていく。だけど、ウップンと不満は、生きるのに欠かせないガソリンだ。低賃金労働の現場といじめ、外国人労働者、毒親、そして介護の問題を独特の文体でリアルに描く平成のプロレタリア作家待望の新作。