2019年10月9日発売
解体予定の商業施設で発見された他殺体。らせん階段から突き落とされ、左の眼球が奪われていた。遺体の状況が十年前の殺人事件に酷似していると気がついた特捜本部は過去の事件を捜査した老刑事・藤村に協力を要請。彼は刑事・如月塔子に捜査の基本を教えた恩人だった。塔子と相棒の鷹野は過去と現在の両面から事件を追うが、懸命な捜査にもかかわらず、再び左目のない遺体が発見されてしまう。左目だけを盗む犯人の真意を十一係は暴けるのか?
竜の血をひく竜堂四兄弟(ドラゴン・ブラザーズ)の壮大な物語。 ノベルス最強の人気シリーズ、待望の最新作登場!! 世界の最強国さえ自在に操る巨悪に四兄弟が挑む! 京都の空には異形の怪物や新型兵器、地上には機動隊員やトカゲ兵…… 京都幕府を誕生させた小早川奈津子と手を組む竜堂四兄弟(ドラゴン・ブラザーズ)に襲いかかる無数の敵。 蹴散らせども蹴散らせども奴らは次々やってくる。 四兄弟は身を隠そうとある人物を頼って名古屋へ向かうが、そこで目にしたのは「閣下」と呼ばれる黒幕が引き起こした惨劇だった。 怒りの四兄弟vs.傲岸不遜な黒幕、苛烈な戦いへ! 第一章 幕府の予算について 第二章 機動隊無情 第三章 ブラック・カーテン登場 第四章 幕府は炎上するか 第五章 入り乱れる思惑 第六章 琵琶湖の波高し 第七章 遠い道のり 第八章 月からの使者? 第九章 月からの使者 第一〇章 デザート追加 竜堂兄弟座談会 イタワリ篇
江戸から明治へ、ついに通算三百話到達! バーンズ診療所に投げ込まれた青い封筒に入った手紙。畝源太郎と妻の花世が相次いで誘拐された!? 大嵐で休業を余儀なくされた旅宿「かわせみ」が修復の後、再開され、お伊勢まいりから戻った面々。相も変わらず千客万来の中、奇妙な事件が起きるーー。 表題作の他、夫婦連れと思われた男女の宿泊客のもとに妹を名乗る女が押し掛ける、通算三百話目の「二人女房」など、全六編の明治篇最新刊。 解説 キーワードで読み解く「かわせみ」の魅力 島内景二
八王子署のヘタレ刑事・聡介の家に住み込みで働く家政婦兼魔法使いのマリィ。聡介の行く先々で事件が起きるたび、マリィが魔法で解決(?)してきた。ある日、魔法の秘密をオカルト雑誌が嗅ぎつけ、マリィが姿を消したー。本格ミステリと魔法の衝撃的な融合が生み出す、前代未聞のユーモアミステリ、人気シリーズ第三弾。
ひどい嵐の夜、深川扇橋町の酒問屋に押し込み強盗が入った。六人を殺害した極悪非道のこの男、長谷川平蔵ら火付盗賊改方や町奉行所役人の暗殺計画を企てているという。男のもとにひそかに集まったのは、役人に恨みを持つ悪党たち。その噂を聞きつけた平蔵たちも男の正体を探ろうと動き出したのだが…。
希望が死んだ夜みたいに真っ暗なこの国でーー 面白い作家が、凄い作家になる瞬間がある。 本書を読んだとき、天祢涼は凄い作家になったと、感嘆した。 ーー細谷正充(文芸評論家) 彼女を死に至らしめたのは社会なのではないか? 社会派×青春×ミステリーの見事な融合。 本書に出合えてよかった。 ーーベル(文学 YouTuber) 神奈川県川崎市で、14歳の女子中学生・冬野ネガが、同級生の春日井のぞみを殺害した容疑で逮捕された。少女は犯行を認めたが、その動機は一切語らない。何故、のぞみは殺されたのか? 二人の刑事が捜査を開始すると、意外な事実が浮かび上がってーー。現代社会が抱える闇を描いた、社会派青春ミステリー。 解説・細谷正充
家庭の事情で高校を中退した吉瀬走は、生きるために夢中になった陸上も辞めざるを得なかった。そんな中、陸上部OBの前平が現れ、人力車のひき手をやらないかと誘われる。車夫の条件は、走るのが好きなのとイケメンであること!? 浅草の「力車屋」で車夫となった少年と同僚や客らとの交流を瑞々しく描く。 期待の新鋭作家、初の文庫化作品! 解説・あさのあつこ
ランドマークタワーの六十八階で、横浜の大神が「横浜大戦争」の幕開けを宣言。大洋ホエールズのユニフォームを着ている保土ケ谷の神を主人公に、戸塚・泉・栄の三姉妹、それぞれ身勝手な鶴見や金沢や港南、港北・緑・青葉・都筑の擬似家族、横浜中心部を司る中・西の姉弟などが、横浜の“中心”を決めるべく、くんずほぐれつの戦いを繰りひろげる。舞台は旧ドリームランド、山下埠頭、こどもの国などに展開し、驚くべき結末が待っている…。前代未聞にして空前絶後のエンタテイメント長編。
石室敬三の元へ一年以上前に失踪した妻から突然電話がかかってきた。「自分が出ているから」と指示されテレビをつけると、そこには白骨化した左脚が発見されたというニュースが。妻は生きているのか?やがて全国各地で女性の体の一部が見つかり、事態はますます混沌としていく…。驚愕のミステリー長篇。
かつては北町奉行所で風烈廻りの与力だった桜木清兵衛。若隠居生活を楽しみながらも、身辺では何かと騒ぎが絶えない。ある日見かけたのは、若い頃に悪所で行き合った因縁の男・吾市だった。鉄砲洲界隈の商家を訪ねては無心する吾市の悪評に、胸騒ぎを覚える清兵衛。やがて、織物屋のご隠居が怪我を負わされたと耳にして…。
女王統治下の日本で、王位継承権を持つプリンセス・白桜院日奈子は刑事になった。コンビを組む芦原と、テロ事件の解決を目指す日奈子に、時を同じくして王家の問題が降りかかる。健康問題を抱えた現女王が思案する生前退位を巡って王室内は侃々諤々。日奈子たちは事件と問題を解決できるのか。書き下ろしシリーズ第二弾。
奈緒、旅立ちのときーー 吉原にいる白鶴太夫こと奈緒が山形の紅花商人に身請けされることになった。それを阻止せんとする不穏な動きありとの噂に、坂崎磐音の胸はざわつく。 ある絵師は磐音に言った。「未来永劫、未練の糸を断ち切れないのが男と女です」と。覚悟を固めた磐音の手を、おこんは黙って握り返すのだった。 やがて、吉原の罪なき禿(かむろ)が殺される。過ぎし日の許婚を守るため、磐音は吉原へ急ぐ!
江戸・深川の六間堀で浪人暮らしの坂崎磐音は八月十五日の早朝、六間湯の一番客となった。江戸を代表する両替商・今津屋吉右衛門とお佐紀の祝言の日を迎え、花嫁行列の先導という大役を果たすためだ。和やかな祝言から暫くが経ち、磐音は奥向き女中のおこんの異変に気付く。友人医師らに相談した磐音は、ある決意を固め…。
小森甚治は流行作家・野山遊介の秘書だ。野山が書き散らした原稿を整えたり、作品に必要な取材をして資料を準備したりするのが仕事である。ある日、野山は偶然新宿で知り合ったホームレスの男から興味深い話を聞き、作品にしたい欲求にかられる。小森はその男からさらに話を聞くことを依頼されるが男は失踪し、やがて高山市の宮川で死体で発見された!?調査を進めるうちに、男が経営していた札幌のクラブのホステスで、高山出身の女がいることが判明する。飛騨高山で交差する連続殺人事件の真相は?書下し長篇。
大河シリーズ、完結へのカウントダウン、 いよいよ佳境に! 人の心の闇に憑き歴史の暗部に蠢く〈妖の者〉と〈神〉の識格をもってそれを退治する〈空の者〉。 生身の人間では見届けられぬ、太古より続く 両者の戦いに終止符が打たれる時が近づく。 眠り続ける里見十九郎を巡るそれぞれの想いが交差する「緋色の糸の研究」、路地裏の隠れ家レストラン〈シェヘラザード〉を舞台とする不可思議な“契約”にまつわる物語「千夜一夜の魔術師」の中篇二篇を収録。
病気で倒れた 母を思う 娘の気持ち。 あなたを 殺すのは、 私なのだから。 闇を抱えた 孤独な少女。 物語が行き着く 思いがけない 結末。 衝撃や号泣ではなく 確かな感動がここにある。 二十歳の誕生日目前、急病に倒れた瀕死の母親を見て、 路子はやり場のない怒りを抱く。 「お母さん、病気なんかで死なないで。あなたは、私が殺すんだから……」 路子は看病に没頭する。 治して、また自ら殺すための看病の日々。 真摯な医師・鷺森、難病の少女・彩乃らとの交流は、 愛情薄い両親への復讐心に凝り固まった路子の心を 解すことができるのか……? 感涙のドラマ。
禁裏付役屋敷に押し込み捕縛された南條蔵人は、身柄を京都所司代に移された。二条大納言に動揺が走る。彼を裏で操っていたことが露見すると禁裏での立場が危うくなるからだ。家宰に蔵人奪還を命じるが、朝廷の弱みを握りたい老中松平越中守は動きを察知し、対抗策をとるー。朝幕の政争が激化しきな臭さは増すばかり。そんな中、禁裏付の東城鷹矢は驚きの一手を打った。その真意とは!?
『若冲』『落花』等で注目の歴史小説家、 澤田瞳子の原点 デビュー作にして 中山義秀文学賞受賞作 『孤鷹の天』で描かれた 奈良の世に生きる人々の姿を 活写した傑作集! 【三省堂書店有楽町店 内田 剛氏絶賛!】 本作から澤田文学に触れた読者は極めてラッキーだ。 この著者のエッセンスと最大長所を余すところなく 知ることができるからだ。 歴史ものを書かせたらいま最も信頼のおける 書き手と言っても差し支えないだろう。 (解説より) 阿倍女帝こと孝謙天皇に寵愛され、 太政大臣禅師や法王などの高職に 就いていた頃の面影は、もはやない。 女帝の死後すぐに下野国薬師寺別当に 任ぜられた道鏡は空ばかり見て過ごしていた。 そこに行信と名乗る老僧が道鏡に近づき 「憎い相手はおらぬかーー」と囁く。 そのとき、道鏡の心に浮かんだ顔は……。 奈良時代、治世の安寧を願いつつ生きる 人々の姿を描いた珠玉の短篇集。 【収録作品】 「凱風の島」命懸けで荒波を乗り越えた遣唐使たち 「南海の桃李」西海道整備に尽力する吉備真備 「夏芒の庭」大学寮の若者たちと橘奈良麻呂の乱 「梅一枝」石上朝臣宅嗣と門人の賀陽豊年との絆 「秋萩の散る」左遷された道鏡と行信の苦悩
警察小説の俊英・鈴峯紅也の新シリーズが起動! 警察・ヤクザ・政治家、三人の友人が集い悪を斬る! 浅草東署に配属されてきた新海悟。小規模署ながら、やり手が集うと言われる浅草東署だったが、出会う人々は一癖も二癖もある難物ばかり。ある日、竹馬の友であり、テキ屋を商う瀬川藤太から人を捜してくれないかとの連絡がはいる。新海は浅草東署のメンバーと、同じく旧友であり政治家秘書官でもある坂崎和馬に協力を求める。しかし事件はやがて、新海の予想を上回る大規模なものへと発展していく。三人の友が集うとき、正義が執行される! 鈴峯紅也(すずみね・こうや) 1964年千葉県生まれ。ライター20年ののち、2015年12月に「警視庁公安J」で警察小説の作家としてデビュー。他のシリーズに「警視庁組対特捜K」「警視庁監察官Q」がある。