2019年11月発売
婚約者の親の暗殺容疑で断罪された薬師の伯爵令嬢・フィズ。絶対絶命の大ピンチに、伝説でしかいないと言われていた白銀の仔竜がかけつける。追っ手を振り切った二人が向かう先はーー?
新王践祚──角なき麒麟の決断は。李斎は、荒民らが怪我人を匿った里に辿り着く。だが、髪は白く眼は紅い男の命は、既に絶えていた。驍宗の臣であることを誇りとして、自らを支えた矜持は潰えたのか。そして、李斎の許を離れた泰麒は、妖魔によって病んだ傀儡が徘徊する王宮で、王を追い遣った真意を阿選に迫る。もはや慈悲深き生き物とは言い難い「麒麟」の深謀遠慮とは、如何に。
「助けてやれず、済まない……」男は、幼い麒麟に思いを馳せながら黒い虞を捕らえた。地の底で手にした沙包の鈴が助けになるとは。天の加護がその命を繫いだ歳月、泰麒は数奇な運命を生き、李斎もまた、汚名を着せられ追われた。それでも驍宗の無事を信じたのは、民に安寧が訪れるよう、あの豺虎を玉座から追い落とすため。--戴国の命運は、終焉か開幕か!
建仁寺の「雲龍図」を描いたことで知られる海北友松(かいほう・ゆうしょう)は遅咲きの絵師だが、山水図屏風、竹林七賢図、花卉図屏風、寒山拾得・三酸図屏風など、すばらしい作品を遺している。 しかしそこに至る道は、決して平坦ではなかった。 近江の浅井家に仕えていた実家・海北家が滅亡。武士に戻りたくとも戻れず、葛藤を抱きつつ絵師の道を選び取った友松は、明智光秀の片腕・斎藤利三と出会い、友情を育んでいく。 その利三が仕える光秀が信長に叛旗を翻す。本能寺の変ーー。しかしその天下は長く続かなかった。利三の運命は……。 武人の魂を捨てきれなかった友松は、そのとき何を考え、どんな行動をしたのか。 苦悩の末、晩年にその才能を花開かせ、安土・桃山時代の巨匠・狩野永徳と並び称されるまでになった男の生涯を描く傑作歴史小説。 著者・葉室麟が、デビュー前から書きたかった人物を、円熟の筆で描き上げている。 解説は、作家の澤田瞳子氏。
様々な依存症に苦しむ人々を救う『治し屋本舗』。そこに勤める嶋村羽音は、かつての自分と同じ症状に苛まれる対象者専門の治し屋として順調に仕事をこなしていた。そんなある日、社長の鬼塚から命じられた新たな案件の対象者、沢木聖人との出会いにより、重なる過去の自分、そして自分を絶望の底に追い込み完全に克服したはずの“失恋依存症”と再び向き合うことになりー。喪失の果て、最後にあふれる涙!いぬじゅんが満を持して贈る、再生の物語。
ほんとうの”自立”って、なんだろう。 「四月の永い夢」で世界的評価を得た中川龍太郎監督。その最新作「わたしは光をにぎっている」を小説化! 上京した少女の思いを繊細に書きあげる。
隣国との争いも一段落ついて日常生活に戻るかと思いきや、今度はリリアンヌ様の自宅でひと騒動。 今度はどんな料理とポーションでトラブルを解決していくのかーー。 ゆるゆるポーション料理ファンタジー、第四弾!
「小説家になろう」で9600万PV超の話題作 ツギクルブックス創刊記念大賞 大賞受賞! ヤングジャンプコミックスよりコミック単行本1〜2巻発売中。 新規の迷宮で、ザナドゥとロゼリエという2人の魔人に出会ったマイン。 強力なスキルを持つ魔人との遭遇というピンチは何とか切り抜けたが、それはザナドゥとの因縁の始まりでもあった。 スキル「カット&ペースト」で成し遂げる英雄伝説、第五弾!
ある日、世界はお伽話やゲームに登場するモンスターたちで溢れ返った。そんなことにも気付かず趣味のゲームを満喫していたサラリーマン佐藤秀一は、買い出しに出かけようとアパートの部屋を出ると、突然目の前に棍棒を持ったゴブリンが出現。なんとか撃退すると、「無限収納」「ドロップ率アップ」「モンスター図鑑」という3つのスキルを手に入れる。モンスター図鑑には倒したモンスターの情報、ドロップしたアイテムが登録される。佐藤は思った。「図鑑をコンプリートしなければ!」ゲーム好きのサラリーマンがモンスター図鑑をコンプリートしていく現代ファンタジー、いま開幕!
冒険者養成学校のダンジョン氾濫を乗り越え、晴れて冒険者として活動を始めたノエルとアオイ。先輩冒険者たちと一緒にダンジョンに潜ったり、昇格試験を受けたりと、順調な冒険者ライフがスタートしたと思われた。だが二人の目の前に、アオイの妹ウィンが現れる。好戦的なウィンは昔からアオイを見下し、ことあるごとに突っかかってくるのだった。ウィンへの劣等感と恐怖から、立ち向かうことができないアオイ。そんなある時、ウィンが仕組んだアオイVSウィンの戦闘中、突如ウィンの人格が豹変する。それはかつてノエルの前に立ちはだかった『大罪の獄炎』の人格が、ウィンの中で目覚めたためだった!
魔物と争い続ける王国の英雄オルトゥス(♂)は、生涯をかけ国を守る約束を果たせず戦死した。-はずが目を覚ますと、公爵令嬢・セレティナ(♀)へ転生していた!可愛らしい美少女でも変わらず、今世も国を護る騎士になろうと決意する。しかし、病弱な身体な上に、過酷な淑女の宿命も立ちはだかる。恐ろしい鬼母のマナー教育、したくもない男との結婚と難題ばかりで騎士への道は遠ざかっていく…。その折、王城へ向かう道中、魔物の襲撃で誰も知らない彼女の真の力が明らかになる!魔族を一刀両断する強さ、社交界でも踊りぬく可憐さで人々を瞬く間に魅了する新ヒロイン誕生ー?見た目は可憐、中身は大胆不敵!病弱令嬢の騎士道ヒロイック・ファンタジー開幕!
早くもコミカライズ連載開始!絶好調の歴史改変ファンタジー最新刊!
元警察犬のマサは、蓮見家の一員となり、長女で探偵事務所調査員・加代ちゃんのお供役の用心犬を務めている。ある晩、高校野球界のスーパースター・諸岡克彦が殺害された。その遺体を発見した加代ちゃん、克彦の弟である進也、そしてマサは事件の真相を追い始めるが…。幅広いジャンルで活躍し、わが国の文壇を代表する作家の一人である宮部みゆきの記念すべき長編デビュー作。
私の誇りを傷つけるなど、万死に値する愚挙である。絶対に許してはいけない。学内で“皇帝”と称される稲見主任教授は、来年に副学長選挙を控え、恐喝者の排除を決意し実行に移す。犯行計画は完璧なはずだった。そう確信していた。あの男が現れるまでは。全四編を収録した、著者初の倒叙ミステリ・シリーズ、待望の文庫化。〈刑事コロンボ〉〈古畑任三郎〉の衣鉢を継ぐ警察官が、またひとり誕生する。
西陣にある「なごみ植物店」で、「植物の探偵」をしている実菜と、京都府立植物園の新米職員で彼女を慕う神苗が、植物にまつわる謎を解く物語、完結編。 十日間にわたって盛大に催す予定だった北野大茶湯を、豊臣秀吉がわずか一日で中止にした理由とは? 「和の植物の博物館」を作りたいという実菜に、彼女の祖父、ダイゴ種苗社長が出した資金援助の条件は、その真相を探ること。はたして実菜と神苗は答えを見つけられるのか? 実菜と姉・花弥の幼馴染、華道次期家元の雪伸が幼い頃、亡くなった祖父と共に見た、一面赤紫と薄紅に染まった山はどこにあるのか? 中学生のミノルの友達、久美の母の実家から出てきた明治時代の籠。そのなかには布と種と和歌「昼白く 夜には黒き うらみの実 くわくわ言うて ここに納めん」が入っていた。呪いの箱ではないかと恐れる久美の両親。この箱はいったいなんなのか? でたらめな住所から届いた葡萄とリスが描かれた掛け軸。それを見て妻が涙を流したという。掛け軸の送り主は一体誰か? など、京都の四季を背景に、植物にまつわる謎を描いた優しい連作ミステリー、ついに完結。 文庫書き下ろし。