2019年2月22日発売
リビーは、男女の愛に嫌悪感を抱いていた。両親が諍いばかりで、父親は酔うと暴力を振るううえに、愛人を次から次へと作るような男だったから…。それなのに騙されて、妻のいる人に惹かれてしまったことが、いまでも口惜しい。だから二度と人を愛さないと決めたのだーハンサムなギリシア人富豪アンドリアスと出逢うまでは。どんなに拒絶しても、彼の強引なアプローチに揺れる自分がいる。ある日、熱い腕に背後から抱きすくめられ、うろたえたリビーは罪悪感に耐えられず、彼を突き飛ばし、小走りに逃げだした。
ウエディング・ドレスの仮縫いの最中、ふいに玄関のベルが鳴る。 脳腫瘍の手術を終え、結婚を間近に控えたヘレンが扉を開けると、 そこには婚約者の兄、精悍な印象のアレグザンダーが佇んでいた。 目が合って、視線が絡む。思わず吸い込まれそうな気がした。 「ヘレン。ようやく見つけた、僕のエンジェル」 なぜ懐かしそうに見つめるの? 会うのは今日が初めてなのに。 からかわれているのだろうとヘレンは思っていたが、 やがて、鋭い痛みが頭の芯を走り抜け、予期せぬ怯えが走った。 手術で失ったのかもしれない、記憶の奥に潜む、愛の予感にーー
一緒に住んでいた兄が結婚するのをきっかけに、看護師クリスティーナは生活の場をオランダに移そうと決めた。兄の美しい婚約者に邪魔者扱いされて悩んでいたときに、ちょうど仕事を紹介してくれる人がいたのだ。希望に満ちてオランダへやってきたものの、現実はそう甘くない。何よりも、怜悧な美貌の院長ドゥアートが平然と、クリスティーナを無視するばかりか、批判的な態度すらとる。「君は美人でもないのに、ずいぶん自分に自信があるんだな」着任するや浴びせられた言葉に、彼女は頬をこわばらせた。
姿を消したミリの行方を探るため、魔法都市マレイグルリを目指すイチノジョウ。ハルとキャロ、真里菜とカノン、ノルンはそれぞれ別行動を取り、イチノジョウはシーナとピオニア、そして新しい仲間のニーテとともに、南大陸の玄関口である港町へ向かう。だが、発動したスキルで戦争中のニックプラン公国へ飛ばされたイチノジョウは、なりゆきから傭兵試験を受けることに!?「小説家になろう」開催「ネット小説大賞」金賞受賞作、シリーズ第8巻!