2019年4月26日発売
ナターシャは幸せの絶頂から奈落の底に突き落とされた。 結婚式を控えたある日、婚約者の浮気現場にでくわしたのだ。 しかもあろうことか、相手は自分の妹……。 パニックに陥って、その場を逃げだした彼女を追ってきたのは、 ギリシア人大富豪レオ・クリスタキスーー婚約者の義兄だった。 ところがレオは、ナターシャに同情したわけではなかった。 義弟と共謀して金を横領した娼婦だとののしったあげく、 うろたえる彼女を驚愕させるようなことを言いだした。 全額返済するまで、愛人として君を拘束するーーと。
2026年、日本は再び這い上がる! 東京五輪後、長期不況に沈む日本・・・巨額の財政赤字、 深刻な労働人口不足で危機的状況に陥っていた。 「身の丈の国」を国政方針に掲げる若き総理大臣、 脱「官僚主導・東京一極集中」を断行する大阪都知事ら、 型破りの夢を描くベンチャー企業家・・・ 明治維新、太平洋戦争と国難の度に新しく国を 創り変えてきた日本は、もう一度どん底から這い上がり、 「三度目の日本」を創ることができるのか。 「団塊の世代」リタイア後、あるべき〈日本の未来〉を活写する最後の予測小説。
2019年、岡本太郎の母でもある岡本かの子、 生誕130年、没後80年! 華麗な豪奢さと 豊饒で積極的な愛を湛えた名作の数々! 妖艶耽美な作風で知られる岡本かの子は、 戦争の影が忍び寄る昭和十年前後の文壇にあって 異端の存在だった。 そもそも女性作家の少なく、女性が男に伍して知的職業を 成すことに偏見を持つ人も少なくない時代だった。 ややもすれば女性作家には好奇の目が注がれ、 兎角スキャンダルの種にされた。 そんな風潮のなか、 岡本かの子は堂々たるナルシストぶりを発揮し、 嫣然たる女王の如く振る舞い、 噂好きも辟易しかねないほど自儘に振る舞った。 とはいえその自儘さは、多くの苦痛と背中あわせだったし、 自儘も苦悩も共に飲み込んで作品に昇華する強さを、 彼女は持っていたのである。 現代仮名遣いによって甦る、岡本かの子 珠玉の作品集! 【収録作品】 豆腐買い 象牙の床 病房にたわむ死 愛よ愛 小町の芍薬 兄弟 花は勁し 高原の太陽 過去世 呼ばれし乙女 娘 家霊 蝙蝠 真夏の幻覚 越年 窓 美少年 星 解説 豪奢なる気骨、溌溂たる耽美 長山靖生