2019年4月発売
最強の勇者を追い、戦闘狂は一路地の獄へーー! 異世界からの転生者にして戦闘狂の“ケルヴィン"。 デラミスにて神の使徒・エストリアを退けたケルヴィン一行の前に、もうひとりの神の使徒が姿を現す。 その者こそ、かつて魔王グスタフを打倒した前勇者であるセルジュ・フロア。 メルフィーナすらも敵わぬ、文字通りの『最強』に猛攻をしかけるケルヴィンだが、セルジュの持つスキルによって逃亡を許してしまうのだった。 だが、『戦闘狂』がそれで終わることは当然ない。 彼女を追い、奈落の地(アビスランド)へと向かう決意をしたケルヴィンなのだが、その道は容易なものではなさそうで……? 黒衣の“死神"が仲間と共に神の使徒に挑む、爽快バトルファンタジー第9幕!
初代皇帝アルティウスの遺骸を乗っ取り、ついに復活を果たした“無貌王”。仇敵と対峙する比呂の胸中には、千年前に“黒椿姫”-先代“黒辰王”と交わした約束がよぎる。一方、“精霊壁”崩壊の報はリズ達にも届き、大帝都へと迫る“化物”の軍勢と比呂の動向を憂慮するリズだったが、グランツ大帝国の混乱に乗じようとするヴァニル三国の対処に向かうのだった。ローザ、スカアハ、ヴァイスといった仲間達がリズの元に集う中、アウラはリズのために智謀を巡らしていてー!?“軍神乙女”が戦禍の中で想いを繋ぐ第12巻、開幕!!
無敵の城で世界を巡るスローライフファンタジー、第二幕! コンプエースにてコミカライズ決定! 天使の手違いによって命を落とし、異世界に転生した青年・タイキ。 お詫びにもらった天空の城とゴーレムの力を駆使して、タイキはブラウ帝国によるアツール王国への侵略阻止に成功する。 救出したエイラと共に、天空の島で一行が次に向かったのはフリーダー皇国。 そこは、屋根が繋がっている立体的な街造りで、個性豊かな民族衣装を身に纏う、周辺国とは大きく異なる独自の文化を構築する国だった。 皇国でタイキたちが出会ったのは、マイペースな王族の兄妹と、変わり者の魔術師! 3人を天空の城に招待したタイキは、技術力や食事の質の高さに驚嘆されつつも、順調に親交を深めていく。 その最中、タイキたちの前に現れたのは、以前アツール王国を襲った帝国の将軍と魔術師でーー!? 天空の城で最強のゴーレム兵団を率いて異世界の空を巡るスローライフファンタジー、第二幕!
ITによる新しい民主主義? 中国で未刊行の問題作! 共産党結党記念と北京万博が重なる空前の式典年に勃発した感染症騒動と、その背後で蠢く「主席」暗殺計画ーー。全国民を監視下に置くITは独裁の完成形なのか、新たな「民主主義」への逆転のツールなのか?“ファーウェイ問題”の現在を予見する、過激な問題作!
放り込まれた異世界で、ガン積みチートで無双する、転生昭和生まれの物語。
人間の身体を侵食していく植物が町を覆い尽くしたその先とはーー表題作「白昼夢の森の少女」をはじめ、現実と異界のあわいをゆうゆうと飛び越える、ダークファンタジーの傑作短編集。
高齢者詐欺グループのリーダー、光代は、手足として使っていたはずの仲間に金を持ち逃げされてしまう。さらに、彼女の過去の犯罪をネタに、一千万円を要求する脅迫状が届く。追い詰められた彼女は、普段は考えない強引な方法で事態の打開を図るが、成功したと思われたそのとき、1人の警察官が彼女に声を掛けてくるーー。「落としの狩野」と言われた刑事を主人公に、人々の一筋縄ではいかない情念を描く、日本推理作家協会賞受賞作「偽りの春」収録、心を震わすミステリ短編集。 卓越した筆力で選考委員をうならせた、第71回日本推理作家協会賞(短編部門)受賞作! 大沢在昌 悪い奴の、そのまた上をいく悪い奴がいて、それを見抜く目をもつ警察官が登場する。だまされる快感を味わった。 逢坂剛 読む者の予想を次つぎにくつがえし、意表をつく展開に落とし込む筆力は、並のものではない。 (第71回日本推理作家協会賞 選評より)
運送会社のドライバーとして働く倉内岳は、卓越した剣道の実力を持ちながら、公式戦にはほとんど出場したことがなかった。岳の父である浅寄准吾は、15年前、別居中だった岳と母の住むアパートに立てこもり、実の息子である岳を人質にとった。警察との膠着状態が続いた末、浅寄は機動隊のひとりを拳銃で射殺し、その後自殺する。世間から隠れるように生きる岳だったが、自分を剣道の道に引き入れてくれた恩人の柴田の願いを聞き入れ、一度だけ全日本剣道選手権の京都予選に出場することを決意する。予選会の日、いかんなく実力を発揮し決勝に進出した岳の前に、一人の男が立ちはだかる。辰野和馬、彼こそが岳の父親が撃ち殺した機動隊員の一人息子だった。「死」を抱えて生きてきた者同士、宿命の戦いが始まるーー。
王の法より仏の道ー。天平13(741)年3月、聖武天皇に招かれ、謁見する僧侶がいた。僧の名は、行基。民草を救うため、仏の教えを広めた僧は、その人心への影響力から、朝廷に恐れられ、弾圧すらされた。朝廷から大僧正の位を授けられ、文殊菩薩の化身とよばれた男はどのような生涯を送ったのかー。自然と愛するものに囲まれ、仏の道に目覚める幼年期から東大寺大仏建立、入寂までを丹念に描いた、長篇歴史小説。
婚約者と別れた30歳のルースは、母親からの頼みで実家に戻り、しばらく一緒に暮らすことに。高校教師だった母は定年を迎え、臨時教員をしている。大学教授の父親はアルツハイマー病で物忘れがひどくなりつつあったが、自分が書きためていたノートを見せてくれた。それは父から娘への手紙の形式をとっていて、ルースが幼い頃から書かれていた。 父は日付を勘違いしたり、成績評価を忘れたりしたため、学部長から講義を持つことを止められて不機嫌になっている。そんな折、父の助手だった男性からルースに電話があり、大学で父に講義をさせることを提案される。院生たちからの希望もあり、研究室や教室を間借りして、父のために本物そっくりの状況をつくり出したいというのだ。学部長から、もし父をキャンパスで見かけたら警察に通報と言われているなかで、ルースたちはこの計画を実行しようとするのだが……。 重いはずの現実を、みずみずしく軽やかなタッチで描いて注目された長編小説、待望の翻訳。 「ささやかで人間的で深々とユーモラスなディテールの積み重ね」——ミランダ・ジュライ 【著者略歴】 レイチェル・コン Rachel Khong 南カリフォルニア育ち。イェール大学卒業。フィクション、ノンフィクションの短編をさまざまな雑誌に発表。長編デビュー作である本書 Goodbye, Vitamin は、米アマゾンの「2017年7月のベストブック」に選ばれたほか、ELLE誌の「この夏読むべき24冊」、Vanity Fair誌の「今すぐ読むべき本」にも選出されるなど、刊行直後から全米で注目を集めた。サンフランシスコ在住。
一進一退を続けるボンの容態に、落ち着かない日々を過ごす堀田家。しかしトラブルが起これば、すかさず助太刀参上!進路に悩む研人に、「老人ホーム入居を決めてきた」と宣言するかずみ。そして長年独身を貫いてきた藤島がついにー。それぞれが人生の分かれ道に立った家族、でもつながっているのはやっぱり「LOVE」があるから!人気シリーズ待望の第14弾!
お洒落な町・吉祥寺と文豪も愛した町・荻窪の間に挟まれた、ちょっと不思議な町、西荻窪。その駅近くのシェアハウスで暮らすのは、金ナシ、男ナシのアラサー女子三人組だ。小野寺葵は、一見知的に見えるが単なる推理オタクの31歳。占部美緒は、怪しげな中国地方方言を振り回す赤いパーカー女子で、元家電量販店勤めの30歳。関礼菜は、女子高生コスプレ好きの29歳、元は銀行員だ。このトホホな女子たちが、探偵やるなら滞納家賃は相殺という話に飛びついた! 大豪邸の殺人、深夜に回る洗濯機の怪、週末だけの秘密ミッション、「西荻向上委員会」からきた不思議な紳士。謎解きは、第三のビールとお喋りのぐだぐだ酒宴になるのがお決まりだけど、あれれ? 解決のヒントが! お気楽女子のゆるめな推理が心地よいミステリー。『かがやき荘アラサー探偵局』改題。
ドミトリータイプ、キッチン、バス、トイレ共同、敷金礼金なし、保証人不要、性別および年齢制限なし。そんなシェアハウスに飛び込んだのは、毒親からの精神的虐待に堪えかねた16歳の少女・綾希。そこで彼女は、自分と同い年で、同じく家庭内不和の被害者である少女・眞実に出会う。住人も住環境も劣悪な中、なんとか生計を立てようと足掻く二人だが、些細なきっかけから別離していき、やがてーー。物語は少女の一方がもうすでにこの世にはいないことを、しかもそれが壮絶なリンチの果ての死であることを明示しながら取り返しの付かない「その日」へ向かって進んでいく。いったい二人の運命を分けたものはなんだったのか。その選択は、死ななければならないほどの愚行だったのか。ラスト一行まで胸に迫る、家出少女たちの友情と抗いを描く衝撃作。
PC上で輝く星だけが、進むべき道を照らしてくれるー。離婚して実家に戻った恵美は、母の介護を頼んでいるホームヘルパー・依田の悪い噂を耳にする。細やかで明るい彼女を信頼していたが、見る目がなかったのだろうか。動揺する恵美に、母が転んで怪我をしたと依田から連絡が入り…。ネットのレビュー、ブログ、SNS。評価し、評価されながら生きる私たちの心を鮮やかに描き出す6編。
徳川中期、農村が疲弊し、都市部の商人が力を持ち始めた転換点。老中首座の重責を担う田沼意次は、貧者への重税、賄賂政治、恣意的人材登用と非難にまみれていた。-悪政の噂は本当なのか。出所はどこなのか。絶望の淵にあっても、孤独に耐え、改革を押し進めた田沼意次という不屈の人間像を新しい視点から描く傑作歴史長編。
富山は、あるトラブルがきっかけで、大学を休学し、実家を離れ、期間限定の自立を始めた。人に言えない葛藤、臆病な自分……。相変わらず人間関係は苦手なまま。深夜ラジオのリスナーであることも変わらない。だが、コンビニでバイトをするうち、チャラい見掛けによらずバイトリーダーとして仕事をこなす鹿沢や、同じラジオ番組のヘビーリスナーらしい女子高生の佐古田と親しくなり、世界が鮮やかな色を取り戻していく。──『しゃべれども しゃべれども』『黄色い目の魚』『一瞬の風になれ』などの代表作をもつ著者が描く、青春小説の傑作! 第30回山本周五郎賞受賞作、待望の文庫化!
環境破壊のため、地球が滅亡し、人類は様々な星に移住した。シン少年が住むナイラ星は、人類が街を作り始めてから二百年を迎えようとしていた。そんなある日、従妹のリシアに、先住異星人ロシュナールの特殊能力が目覚める。そして、失われた<精霊の木>を求めて、異世界からこの地を目指す<黄昏の民>の存在を知った二人は、過去と現代に潜む謎の真相を追い求める。しかし、過去の歴史を闇に葬ろうとする組織が動き出す。シンとリシアの運命は──「守り人」シリーズ著者・上橋菜穂子のデビュー作が、三十年の時を経て文庫化!
魔が差したのだ。術後の昂揚した気分が引き起こしたまちがいは、女医柿沼東子を奈落へ突き落とした。幼い娘の親権を奪われ、失意のまま一人伊達湊市の病院に移った東子は、天才外科医の陸奥の下、粛々と研鑽を積む。手技を上げた東子の前に、斯界の権威が立ちふさがる。病気腎移植の倫理問題と東日本大震災を背景に運命に翻弄される女医の姿を感動的に描く医療長編。
『いなくなれ、群青』、シリーズ完結編! 2019年9月、実写映画化! [主演:横浜流星、飯豊まりえ] 真辺由宇。その、まっすぐな瞳。まるで群青色の空に輝くピストルスターのような圧倒的な光。僕の信仰。この物語は、彼女に出会ったときから始まった。階段島での日々も。堀との思い出も。相原大地という少年を巡る出来事も。それが行き着く先は、僕と彼女の物語だ。だから今、選ばなければいけない。成長するとは、大人になるとは、何なのかを。心を穿つ青春ミステリ、堂々完結。