2019年5月9日発売
気むずかし屋にはクッキーを気むずかし屋にはクッキーを
町じゅうが楽しみにしているクリスマス劇の上演まであとわずか。町の素人役者たちもドキドキしながら稽古を重ねていた。主役に抜擢されたのは、町一番の気むずかし屋と言われるアラン。その日はリハーサルにもかかわらず、舞台上に倒れこむ迫真の演技で会場を沸かせていた。でも、何かがおかしい。台本では幽霊役が立ち去ったあと、彼は起き上がるはずなのに…。裏方として舞台袖に控えていたスザンヌは異常事態に気づき、あわてて駆け寄ったものの時すでに遅し。アランは腹部を刺され、息絶えていた。舞台上で堂々と主役の命を奪うという、大胆不敵な犯行に劇場内は騒然。そればかりか、事件の目撃者たちは口々に「幽霊による犯行」と保安官に言い募り…!?
伯爵家のメイドの秘密伯爵家のメイドの秘密
姉が駆け落ちしたせいで、社交シーズン中に誰からもダンスを申し込まれなかった資産家の令嬢クララに、不気味な年配の貴族が屈辱的な物言いで求婚してきた。彼女は拒絶したものの、家の名誉を取り戻したい父が縁談を決めてしまう。家出する決意をしたクララは、メイドの手助けでアシュワース伯爵の屋敷にしばらく隠れることになった。身の上を秘密にして、メイドとなって働くのだ。家出の道中、馬車に轢かれそうになって転んだ彼女を、美しい男性が助けてくれた。そして伯爵邸に到着すると、そこにいたのは先程の男性。彼こそがアシュワース家の当主になったばかりのウィリアムだ。一方、ウィリアムは新しいメイドが気になって仕方がない。女性にうつつを抜かしている場合ではないと悩むのだが…