2019年5月発売
亡き八代将軍吉宗より田沼意次の行う幕府の財政改革を手助けするよう命を受けた隠密のひとりで、ふだんは芸者姿に身をやつす村垣伊勢。村垣は、両替商分銅屋の用心棒である諌山左馬介を、その鉄扇術から、ただの浪人ではないと疑いだした。一方、改革を推し進める意次の動きを探ろうとする者たちに対し分銅屋が仕掛けた策には、次々と獲物がかかり始める。武家の駆け引き、野心を抱く商人の台頭ー江戸の世はどう動くのか。大好評シリーズ、第七作。
二つの腎臓を失くした「キドニー」と呼ばれる弁護士の宇野。若月真一郎はこの男を護衛するよう、街の権力者・久納義正から依頼を受けた。同じ頃、高岸と名乗る男がこの街にやって来た。高岸はN市にある酒場「ブラディ・ドール」の経営者、川中良一の部下で、ある強い決意を持ってキドニーを追い続ける。高岸の目的はいったい!?過去を背負い、今を生きる男たちの誇りをかけた戦いの幕が上がる時、強烈な個性がぶつかり合う。大人気シリーズ第十七弾!!
義父と古い付き合いのある古手屋の親分・勝五郎が殺された。入り婿で十手持ちの岡っ引き六兵衛は、勝五郎の娘と昵懇である妻のためにもと下手人捜しにやる気をみせるが、手がかりがつかめず途方に暮れる日々。そんな中、心中未遂騒ぎを起こした男女と知り合い、偶然にもご法度の巨砲の絵図面を手に入れた六兵衛と義父は、何者かから命を狙われ…。情けをもって悪を成敗する岡っ引きが、「どろぼう長屋」に住む怪しい仲間とともに活躍する、傑作捕物帳第三巻。
主・久兵衛の主菓子が幕府歌学方に気に入られ、照月堂は躍進の兆し。来たる夏に向けての主菓子も所望され、久兵衛はなつめにも案を出すよう言いつける。自分に新たな菓子など考え出せるのかと緊張しつつも、なつめはさっそく思いを巡らし始める。そんな折、照月堂では、出入りの薬売りの子を数日預かることとなった。ところがその富吉、妙になつめに懐いてくる。不思議に思っていたなつめだったが、ある時富吉が口にした「けいさま」という名を聞いて、驚き、動揺して……。続々重版の大人気時代小説シリーズ、第五巻!
涙の途中棄権から一年。大学三年となった走水剛は、翌年の箱根駅伝で因縁の5区走者に指名された。運命のレースを経て、人生が大きく変化していくー。大学卒業後に入団したのは、大阪・青葉製薬陸上競技部。曲者の監督から聞かされた、東京五輪制覇の秘策とは?箱根駅伝の雪辱とランナーとしての成長を描く、シリーズ佳境の中巻!
「天下の陣借り武者、島左近、死ぬまで治部殿の陣に陣借り仕る」──筒井順慶の重臣だった島左近は、順慶亡き後、筒井家とうまくいかず出奔。武名高き左近には仕官の話が数多く舞い込むが、もう主君に仕えるのはこりごりだと、陣借り(雇われ)という形で、豊臣秀長、蒲生氏郷、そして運命の石田三成の客将となる。大戦に魅入られた猛将は、天下を二分する関ヶ原の戦いでその実力を発揮する! 従来の「義の人」のイメージを塗り替えた新たな島左近。期待の歴史作家による渾身の作品、待望の文庫化。(解説・細谷正充)
歴史小説界に風穴をあけんとする作家集団「操觚(そうこ)の会」による 伝奇時代小説アンソロジー登場! 「夢みる力」を復活させんと、想像力の可能性に挑んだ13編の書下し作品を、ぜひお楽しみあれ! ■朝松健「夢斬り浅右衛門 --小伝馬町牢屋敷死罪場」 ■秋山香乃「草薙剣秘匿伝 --葛城皇子の章」 ■芦辺拓「浅茅が学問吟味を受けた顚末 --江戸少女奇譚の内ーー」 ■彩戸ゆめ「神楽狐堂のうせもの探し」 ■神野オキナ「ころりの木壺」 ■蒲原二郎「江都肉球伝」 ■坂井希久子「万屋馬込怪奇帖 月下美人」 ■鈴木英治「熱田の大楠」 ■新美健「妖しの歳三」 ■早見俊「ダビデの刃傷」 ■日野草「遠夜」 ■誉田龍一「血抜き地蔵」 ■谷津矢車「生き過ぎたりや」 ■操觚の会とは ■操觚の会・会員紹介 ■表紙/写真:堀江ケニー、モデル:Salsa、仮面:秋津屋
女子大生の美香と友人は六本木の店でマリファナを喫っていた。ところが薬で眠らされてしまう。気づくと乱暴された跡が。美香は外務大臣の娘。麻薬パーティにいたなんて知られるわけにはいかない!同級生の西川を乱暴した犯人に仕立て上げ逮捕させることに成功する被害者づらの彼女たち。西川は追い詰められ自殺する。数年後、奇妙なメッセージが届く。差出人は罪を着せられた西川だった!
伯父・和泉長門守の命により新幕府創設の陰謀渦巻く大坂に入った銀次郎は、父の墓を詣で、そこで出会った絶世の美女・彩艶尼との過去の縁を知ることに…。やがて銀次郎のもとに、大坂城代ら五名の抹殺指令が届いた。その夜、大坂城の火薬庫が大爆発し市中は混乱の極みに!箱根・杉街道で炸裂させた銀次郎の剣と激しい気性は果たして妖怪・床滑に通じるのか?大河シリーズ第一期完結!
江戸へ荷を運ぶ途中、嵐に遭遇し、行方知れずになっていた主人が無事に戻ってきた。大坂の廻船問屋「浪花屋」が喜びに沸くさなか、大女将のおまつは奇妙な夢を見た。「江戸へ行って人助けをしてこい」と、夢の中で寿老人に告げられたのだ。そこで、今度は自分が江戸へ行くことに。それも出来たばかりの菱垣廻船で。しかし、船は女人禁制なため、男装し、長男の太平とともに乗り込むことに…。
組頭・三宅政照率いる先手鉄炮組は臨時の増役で悪党どもを捕らえる火盗改を仰せつかった。三宅組与力・宇佐見伸介は慣れない捕り物に向けて手探りで準備を進める。そんななか、堂塔の火事に紛れて寺宝が持ち去られる事件が頻発する。町奉行や寺社奉行との軋轢や確執を乗り越えて、正義を全うする侍たちの活躍を描く時代ヒーロー小説。誰も見たことのない新たなる火盗改の登場!
<b>「遺産相続争い」小説、決定版!</b> この財産、めったな奴にやれるものかーー。 河原専造は余命半年と宣告された。 唯一の相続人は年若き後妻。 しかし彼女が遺言状の有無を 弁護士に問い合わせていたことを知り、 専造は激怒。 過去付き合っていた四人の女が生んだ 子供たちを探し出し、 遺産の相続人に加えることにした……。 莫大な遺産をめぐって人間のあくなき 欲望が絡み合う著者の代表作。 江戸川乱歩が激賞した名作、 ついに復刊! (解説:縄田一男) これは私が書いた最初の推理小説である。 それまではわずかの現代小説を除き、 ほとんど時代小説であったが、たまたま、 故江戸川乱歩氏から、推理小説を書いてみないかとの 誘いがあり、かなり躊躇してから、 執筆にとりかかった。(中略) 第一回が載ると、すぐに江戸川氏から、非常に面白い、 従来の本格スリラーとは全く別のものができそうなので 大いに期待していると云うお手紙を頂き、 少々良い気分になって書きつづけたのを覚えている。 (本文「あとがき」より)
<b>イッキ読み間違いなし! 『約束の地』で大藪春彦賞、 『ミッドナイト・ラン』でエキナカ大賞を受賞した 樋口明雄のメインシリーズ〈K-9〉最新刊!</b> 事件に巻き込まれた刑事を、 静奈とバロンは救えるか!? 救助犬とともに生命を救うため奮闘する 山岳救助隊員の活躍。 警視庁阿佐ヶ谷署の大柴刑事は、本庁警備一課から 山梨県警南アルプス署に拘留中の窃盗被疑者・ 高沢の移送を命じられた。 以前〈クリムゾン・ウイルス事件〉で捜査を共にした 南アルプス署山岳救助隊の神崎静奈(せいな)は、 残念ながら北岳で救助活動中。 担当の東原刑事から高沢の身柄を引き取り、 東京へ戻る帰路、移送車が大型トラックに 追突された。 さらに追走するトラック。 明らかに自分たちを狙っている! 大柴は南アルプス署に連絡し、東原を呼び出すが、 そういう名前の刑事はいないという。 高沢に事情を尋ねても沈黙を守ったままだ。 一方、山を下りて署に戻った静奈は、 署員から大柴が事件に巻き込まれていることを知り、 愛犬バロンとともに現場に急行する。 追跡者の目的は? 高沢はなぜ沈黙を守るのか!? 大菩薩峠から奥多摩、逃避行の行く末はーー <b>文庫書き下ろしハード・チェイス・アクション!</b>
「女房を殺して、捕まえてもらいに来た」と市長宅に押しかけた男。その場に居合わせた作家デュマや市長たちは、男の自宅の血塗られた地下室を見に行くことに。男の自供の妥当性をめぐる議論は、いつしか各人が見聞きした奇怪な出来事を披露しあう夜へと発展する。本邦初訳!
50歳を目前にして、美貌のかげりと老いを自覚する元高級娼婦のレア。恋人である25歳の青年シェリの突然の結婚話に驚き、表向きは祝福して別れを決心しつつも、心穏やかではいられない…。香り立つような恋愛の空気感と細やかな心理描写で綴る、「恋愛の達人」コレットの最高傑作。
旧友の依頼で、十津川警部は豪華客船「飛鳥2」に乗り込むことになった。船内で奇妙な事件が続発して心配だというのだ。その後、女性客が海に落ちる事故が起こるが、すぐ救助され、無事クルーズは終了したのだがー。数日後、その女性が多摩川の河原で殺されているのが見つかる!さらに、新たなクルーズで起こる殺人事件。豪華クルーズに潜む陰謀に十津川が挑む!
女性特別機動隊に勤務している南谷結月巡査は、向島教官から、大迫警視長との飲み会に参加するよう指示される。待ち合わせ場所にはもう一人、座間味くんと呼ばれるハイジャック事件の英雄も彼女を待っていた。(「女性警察官の嗅覚」)。座間味くんが語る真相で事件の本質を知り、結月は視野を広げ、警察官として成長していく。超絶推理を楽しめる傑作小説集。
美人経済アナリストの国枝理恵が絞殺された。所轄署と捜査一課精鋭たちの第一期捜査が不調に終わり、刑事部長から警視庁特命遊撃班の風見竜次たちに捜査の命が下る。美人経済アナリストの元恋人や被害者が接触していた者たちを次々に調べていく特命遊撃班の風見たち。苦労の末明らかになってきたのは戦慄の真相だったー。ダイナミックな展開のシリーズ第七弾。