2020年1月22日発売
鉄道建設の陳情で長野の山間の村から上京中の村会議員が殺害され、裏金が奪われた。目撃談も証拠も得られず警察が頼ったのは、人気推理小説家でアメリカかぶれの探偵・城之内和樹と助手で旧華族のお嬢様・奥平真優。村へ向かった二人を待ち受けていたのは、鉄道計画を巡り対立する村民、開発に群がる人々、そして新たな事件。型にはまらない二人の大胆行動と推理で、村に潜む闇に迫る!謎に次ぐ謎、鮮やかな推理、あふれる旅情。注目作家の一気読みミステリー!
強盗容疑で勾留されていた竹迫和也が弁護士と接見中に脱走。彼は、定年間近の“乗り鉄”刑事・片倉康孝が、六年前に逮捕した男だった。休暇を使い、秘境のローカル線・飯田線で天龍峡に赴く片倉。道中で竹迫の生家を訪ね、近隣住民から、彼の幼い頃、祖母が強盗に殺されていたことを聞く。一方、犯罪を重ねて逃げる竹迫もまた天龍峡へ。彼にとって拭えぬ過去の眠る地で惨劇の幕が上がる。片倉は凶悪犯・竹迫の暴走を食い止められるか。そして衝撃の結末!
橘百花25歳。高校時代の同級生と結婚し、妊活を始めた矢先に乳がん発覚。古賀菜都32歳。老舗造り酒屋の嫁として育児に奮闘する最中に乳がん発覚。田中柚子29歳。花嫁検診で乳がんが見つかり婚約破棄。怒涛の三年が経過。闘病ブログを通して出会った三人は、ひょんなことから金沢を旅することに。若年性乳がんを乗り越えた著者が、女性たちの生きる希望と勇気を描く。
就職活動はうまくいかなくて、そもそも特にやりたい仕事もなくて、彼女とは喧嘩になり、未来が全然見えない。実家の母親はすでに亡く、父親はアイドルグループにはまっていた。笑うチャンスはたくさんあったけど、素直に笑える気はしなかった。気は優しくて、なさけない。モラトリアムを生きる若者たちを瑞々しく描いた傑作小説集。第11回小説宝石新人賞受賞作収録。
もっと気楽に、自分を愛したいあなたへ。200冊限定のブックファンドから、40万部を超えるベストセラーに。不安定な心をありのまま描き韓国で話題となったエッセイ、待望の日本語訳。
サッカーのゴールキーパーとして鳴らした男ヨーゼフ・ブロッホ。認知するさまざまな対象が、殺人事件の結果として、どのようにして次第に言語化されてゆくかー。
被害者は、母親のマンションの部屋に滞在していた警察大学の女子学生。強姦されたうえ絞殺されていた。県警本部長は腕利き揃いの国家犯罪捜査局の殺人捜査特別班に応援を要請する。そこで派遣されたのは少々規格外のベックストレーム警部率いる捜査チーム。現地に入った彼らは早速捜査を開始する。CWA賞・ガラスの鍵賞など5冠に輝く『許されざる者』の著者の最新シリーズ。
被害者は警察官の卵。国家犯罪捜査局の面子にかけて、迷宮入りは許されない。だが有力な容疑者は挙がらず、警察への批判は高まるばかり。そこに乗り出したのは、新たに局の長官に任命された“角の向こう側を見通せる男”ヨハンソン。尻を叩かれたベックストレームらは、被害者の男性関係を洗い直す。英国ペトローナ賞受賞、スウェーデン・ミステリの重鎮による警察小説シリーズ。
若くして引退した、美貌の奇術師・曾我佳城。普段は物静かな彼女は、不可思議な事件に遭遇した途端、奇術の種明かしをするかのごとく、鮮やかに謎を解く名探偵となる。殺人事件の被害者が死の間際、天井にトランプを貼りつけた理由を解き明かす「天井のとらんぷ」。本物の銃を使用する奇術中、弾丸が掏り替えられた事件の謎を追う「消える銃弾」など、珠玉の11編を収録する。
美貌の奇術師にして名探偵・曾我佳城が解決する事件の数々。花火大会の夜の射殺事件で容疑者の鉄壁のアリバイを崩していく「花火と銃声」。雪に囲まれた温泉宿で起きた、“足跡のない殺人”の謎を解く「ミダス王の奇跡」。佳城の夢を形にした奇術博物館で悲劇が起こる、最終話「魔術城落成」など11編を収録。奇術師の顔を持った著者だからこそ描けた、傑作シリーズをご覧あれ。
“人間”が怪獣をつくりだした。合金の骨格に緑色の人工血液、生肉を動力源とする鉄製の怪獣17Pは、前肢の鑿岩機で地中を進み、また拙いながら人間のことばも話した。怪獣を創造した科学者、“人間”は自ら怪獣に乗りこみ、地下潜行試験を繰り返していた。一方、市内で発生したストライキを鎮圧した国家総統は独裁体制を推し進める。「旅に出る時ほほえみを…」金属製の怪獣の歌う声が心に響く、現代のおとぎ話。
1964年のオリンピック決定に沸く東京で、競技場近くに住む一人の男が失踪した。娘は自分の居場所と未来を手に入れるため、逆境をバネに、幸運を味方に、生き抜いてゆく。緻密な伏線と謎が心を搦めとる長編ミステリー。
女王・卑弥呼の密命を受け、東の情勢を探る旅に出た少年ワカヒコは、旅の途中、とある村の守り神である巨木を伐り倒そうとする“クナ王の使い”なる者に出くわす。クナ国といえば、ワカヒコの父・ススヒコが幼き頃、悪名高い暴君を倒し、人々を悪政から救ったという、あの国だ。そのクナ国に、いつの間に新王が立ったのか。巨木を求める新クナ王の野望とは?ナカツクニ邪馬台国とクナ国の決戦の幕が切って落とされる!
幽世で唯一の貸本屋を営むあやかし・東雲を養父とする夏織は、祓い屋の一族という負の連鎖から解放された水明の存在を意識しつつも、今日も本を読みたいあやかしのために幽世と現し世を奔走する。ある日、東雲が何かを隠すような素振りで夏織のもとを失踪!?日頃、ぐうたらな養父にあるまじき行動に夏織は困惑するが、どうやら行き先は「物語屋」という怪しげな職業を生業とする東雲の古い友人・玉樹が絡んでいるようでー。現し世と幽世の狭間を生きる人間とあやかし達の、あったかい幻想郷の物語の最新刊。