2020年10月28日発売
ニューヨークのカラ売り専業ファンド、パンゲア&カンパニーが東京事務所を開設。狙いを定めたのは、病院買収に邁進する巨大医療グループ、架空売上げの疑いがあるシロアリ駆除会社、タックス・ヘイブンを悪用して高額な美術品取引を行う総合商社絵画部。パンゲアの追及で窮地に追い込まれた企業は、何とか株価を吊り上げ、逆襲しようと画策するがー。金融市場に蠢く男たちの息詰まる攻防戦を、気鋭の経済小説家が活写!
“洒落にならない化物でして。吸血鬼さえ、敵ではないほどの” 友人の食飼命日子に彼氏との仲違いを相談された阿良々木暦。 自身も戦場ヶ原ひたぎから別れを告げられたばかりだったーー謝罪の言葉と共に。 騒動は怪異の仕業だと推理した暦は、 裏面にして怪異のエキスパート・忍野扇のもとへ向かう。 これぞ現代の怪異! 怪異! 怪異! 【収録作】おうぎライト/おうぎフライト
女として育てられ、現在は男として生きるイツキ、28歳。ある日、職場に過去を知られ、平穏な日々にさざなみが立ち始めた。私生活ではパートナー女性が出産への思いを口にする…。社会や家族と生身で向き合った先に、イツキは光を見出せるか。男とは、女とは、そして家族とはなんだろう…。「世間のフツー」を鋭く、軽やかに問い直す意欲作。
勝田繁太郎(26歳)は、働く意欲がなく、これといった趣味もなく、恋愛経験もゼロで、ただただ平穏にのんびり過ごす日常を愛する男。人に気を遣うことができず、仕事でミスをくり返してもまったく気にしないマスペースさゆえ、彼の周囲では珍事が尽きず、周囲からは疎まれている。だが、高名な陶芸家として知られる祖父だけは繁太郎の人間性に好感を持ち、彼の陶芸の才能を見出していた。陶芸への興味を引き出し、あとを継がせようと画策する祖父の思惑は果たされるのか。そして、繁太郎が成長する日は訪れるのだろうかー。破天荒な祖父との交流と、26歳にして訪れる初恋。笑って、笑って、少ししんみりして、心温まる。世のおかしみと愛すべき人々を、疾走感あふれる筆致でユーモラスに描く至極の長編大衆小説。
逃げ出そうとしたときには、もう遅かった。新人賞を受賞したものの小説を一冊も刊行できていない律は、ファンを名乗る女性から亡くなった姉の伝記執筆の依頼を受ける。その姉は、生前の姿形が律と瓜二つだったという。取材を進めるうち明らかになる姉妹の確執、家族の秘密。律が開けたのは、パンドラの箱だったー。予測不能のラストに向かって疾走する傑作長編。
歴史を左右する重要な決断がなされた場に身を置くことで、小さな流れの向きや勢いを肌で感じ取り、それが大河へと成長していくプロセスを探る。…ノンフィクションとフィクションの融合を試みた意欲作。全3編を収録。歴史を追体験する新たな小説スタイル!