2020年12月22日発売
江戸期に活躍した初代林家正蔵が祖とされる怪談噺。そして今年、没後120年となる三遊亭圓朝による『怪談牡丹灯籠』『真景累ヶ淵』『怪談乳房榎』といった名作は、いまなお演じ継がれていると同時に、怪談文芸の傑作でもある。講談や浪曲でも怪談や幽霊/化け物を題材とする演目は大衆の心をつかみ続け、現代の創作にも深い影響を与え続けている。伝統的な怪談噺から妖怪たちが登場する滑稽噺までーー昨今にわかに注目が集まる落語・講談・浪曲といった語りの伝統芸の魅力を、「怪と幽」的な側面からフォーカスする! 京極夏彦「遠巷説百物語」がついに最終話! そのほか強力な連載陣もお見逃しなく!! ●特集 落語・講談・浪曲 伝統話芸のすゝめ 【対談】柳家喬太郎×北村薫 【インタビュー】神田松鯉 【対談】柳亭小痴楽×平山夢明 【対談】玉川奈々福×東雅夫 【インタビュー】蜃気楼龍玉 【インタビュー】柳家権之助&柳家小太郎 【寄稿】杉江松恋 ●小説 京極夏彦、小野不由美、有栖川有栖、近藤史恵、山白朝子、恒川光太郎、真藤順丈、澤村伊智 ●漫画 諸星大二郎、高橋葉介、押切蓮介 ●論考/エッセイ/インタビュー 荒俣宏、東雅夫、加門七海、村上健司&多田克己 ●グラビア シラノ、芳賀日出男、佐藤健寿、荒俣宏の妖怪伏魔殿2020、怪食巡礼 ●怪談実話 黒木あるじ、東亮太、深津さくら ●お化け友の会ひろば 鈴木光司×安曇潤平、お化けゲーム最新情報、「小松和彦退任記念講演会」レポート、新潟妖怪研究所、妖怪美術館、「ひどい民話を語る会」レポート etc……
日本最強の選挙コンサルタント・聖達磨ー人呼んで「当確師」。人柄は最低、依頼料は高額、それでもこの男が動けば当選間違いなしの聖に、新たな依頼が舞い込んだ。強権的な岳見勇一総理大臣を、その座から引きずる下ろすため、選挙区で落とすというミッションだ。一方、岳見総理は地元で、少年から「里山を壊さないでください」と問い詰められて話題となる。選挙区内にある湖に、NASAとの共同研究所を誘致する計画があるという。この少年こそ総理への刺客の適任者!だが、少年には、被選挙権がない。どうする、聖!?
クラゲが好きだったあの子は、どうして死んだんだろう? 殺人、傷害、交通事故、違法薬物、違法労働、虐待、自殺者がゼロの海上コロニーーー通称《楽園》。 その七つのゼロをはじめて「自殺」で破った少女・ミサキ。 彼女の死に疑問を抱いた僕は、彼女の行動を探りはじめる。そこには、七日前に現れた新種のクラゲが関係していた? 気鋭作家・渡辺優の描く、新世界。
轟音が晩秋の伊豆を切り裂いた。何者かが旧天城トンネルを爆破したのだ。後日、犯人を目撃した東京の女子大生が刺殺され、湯沢のスキー場ではゴンドラが爆発した!!一連の事件を大型犯罪の予行演習と推理し、亀井刑事を伴って粉雪舞う越後湯沢に急行した十津川警部を待っていたのは、JRと道路公団に届いた犯行予告だった。4億円を払わなければ、大清水トンネルと関越トンネルを爆破するというのだ。十津川警部は雪が血で染まる大惨事を阻止することが出来るのか?雪中の追跡劇の果てに辿り着いた犯人の意外な目的とは?
「プリンス・オブ・ウェールズ」を撃退し、空母防御の楯となり得る防空巡洋艦に注目が集まる。海軍中央も防空艦の積極的起用を推進するが、開戦より時を経た米軍の物量作戦もまた着々と進められていた。
<b>まだ時間はあるのです。世界が終わる瞬間にはゆっくりとたどり着くはずだから。</b> 幼い頃に父を工場の事故で亡くしたソラとナナは、生活の意欲を失っていく母と行き着いた暗い半地下の住居で少年ナギと出会う。「無理してがんばったって、人生はある日突然断ち切られて、それでおしまい」。そう繰り返す母の言葉から抜け出せないまま大人になる姉妹と、行き場のない思いを抱え、暴力に飲み込まれていくナギ。世界の片隅でひっそりと寄り添う3人に訪れる未来のかたちとはーー。 誰かを思う気持ち、拒む気持ち、責任、放棄、やすらぎ、恐れ……。現代韓国文学の旗手が、みずみずしくも濃密に生の息遣いを描く。第23回大山文学賞受賞作。
代々続く書医(書物のお医者さん)の家に生まれたあづさは、早世した兄・葵に代わり、家業を継ぐことを決意する。しかし書物について知識のなかったあづさは、見ただけで紙の原料がわかるふしぎな力を持った双子の妹・さくらとともに、修行にまい進してゆく。