2020年12月22日発売
日本最強の選挙コンサルタント・聖達磨ー人呼んで「当確師」。人柄は最低、依頼料は高額、それでもこの男が動けば当選間違いなしの聖に、新たな依頼が舞い込んだ。強権的な岳見勇一総理大臣を、その座から引きずる下ろすため、選挙区で落とすというミッションだ。一方、岳見総理は地元で、少年から「里山を壊さないでください」と問い詰められて話題となる。選挙区内にある湖に、NASAとの共同研究所を誘致する計画があるという。この少年こそ総理への刺客の適任者!だが、少年には、被選挙権がない。どうする、聖!?
殺人、傷害、性犯罪、交通事故、違法薬物、違法労働、自殺者がゼロの海上コロニーー通称“楽園”。その七つのゼロをはじめて「自殺」で破った少女・ミサキ。ミサキの死に疑問を抱いた僕は、生前の彼女の行動を探りはじめる。そこには、七日前に現れた新種の人喰いクラゲの存在が?
轟音が晩秋の伊豆を切り裂いた。何者かが旧天城トンネルを爆破したのだ。後日、犯人を目撃した東京の女子大生が刺殺され、湯沢のスキー場ではゴンドラが爆発した!!一連の事件を大型犯罪の予行演習と推理し、亀井刑事を伴って粉雪舞う越後湯沢に急行した十津川警部を待っていたのは、JRと道路公団に届いた犯行予告だった。4億円を払わなければ、大清水トンネルと関越トンネルを爆破するというのだ。十津川警部は雪が血で染まる大惨事を阻止することが出来るのか?雪中の追跡劇の果てに辿り着いた犯人の意外な目的とは?
「プリンス・オブ・ウェールズ」を撃退し、空母防御の楯となり得る防空巡洋艦に注目が集まる。海軍中央も防空艦の積極的起用を推進するが、開戦より時を経た米軍の物量作戦もまた着々と進められていた。
幼い頃に父を工場の事故で亡くしたソラとナナは、生活の意欲を失っていく母と行き着いた暗い半地下の瞬居で少年ナギと出会う。「無理してがんばったって、人生はある日突然断ち切られて、それでおしまい」。そう繰り返す母の言葉から抜け出せないまま大人になる姉妹と、行き場のない思いを抱え、暴力に飲み込まれていくナギ。世界の片隅でひっそりと寄り添う3人に訪れる未来のかたちとはー。現代韓国文学の旗手が、みずみずしくも濃密に生の息遣いを描く。第23回大山文学賞受賞作。
代々続く書医(書物のお医者さん)の家に生まれたあづさは、早世した兄・葵に代わり、家業を継ぐことを決意する。しかし書物について知識のなかったあづさは、見ただけで紙の原料がわかるふしぎな力を持った双子の妹・さくらとともに、修行にまい進してゆく。