2020年12月23日発売
安政7(1860)年、咸臨丸が浦賀港からサンフランシスコを目指して出航した。太平洋の長い航海では船室から一向に出てこようとしない艦長・勝海舟を尻目に、アメリカ人相手に互角の算術・測量術を披露。さらに、着港後、逗留中のアメリカでは、放埒な福沢諭吉を窘めながら、日本の行く末を静かに見据える男の名は、小野友五郎。男は帰国後の動乱の中で公儀、そして日本の取るべき正しい針路を測り、奔走することになるー。知られざる幕末の英雄の物語!
2019年、9月。千葉県にある神宮総合病院では重症患者が次々と運び込まれた。共通するのは、脱水症状を伴う激しい腹痛。そして、抗生物質を投与し、落ち着きを取り戻したかと思った後に突然高熱を発し、命を落とすという悲惨な結末もまた同じだった…。これはバイオテロなのか。未知のウィルスに対し、援軍も知見もないまま、孤立した病院内で医師達の決死の治療が始まる。
富士山は大噴火、日本政府は機能不全。京都幕府を開いた怪女・小早川奈津子は新たな野望を抱き猛進する!未曾有の大混乱の中、異形の者たちは人間を無慈悲に襲い続けた。人類の未来を背負った竜堂四兄弟は、牛種との決戦の地・月の内部へ。ついに正体を現す最兇の主君。その口から語られた「五〇億人抹殺計画」究極の狙いとは?恐るべき強敵を迎え、始・続・終・余、四人の竜王の死力を尽くした戦いが始まる!『創竜伝』完結篇!!
伊豆半島沖の大川豆島で前触れもなく発生したウイルス感染症。罹患者は人の血肉を求める凶暴な存在と化す。政府はそれを「バイター」と命名。相澤総理大臣の娘・彩香は、不運にも部活動の合宿で島を訪れていた。一人、また一人とバイターに喰い殺されていく教師や友人たち。混迷が深まる中、自衛隊と警察の混成チーム「ブラッド・セブン」が結成される。彼らに課せられた総理からの特命は「彩香の救出」だったー。「バイターは人間じゃない。奴らは死人だ。危険を感じたら、容赦なく撃て」。稀代のエンタメ作家が放つサバイバル・バトル小説!
男はリビングでくつろいでいる。キッチンでは妻が夕食の支度をしている。幼い息子は冬でもないのにマスクをつけて、テレビ番組を見ている。男はキッチンへビールを取りに行く。妻の作っている料理に「美味しそうだね」と声をかけ「息子は風邪でもひいたのか?」と聞く。そしてふと気づく。自分たち夫婦に息子なんていただろうか?そして妻を見て驚愕する。誰だ、この女は?なんだ、この大きなマスクは?日常が奇妙に歪む、戦慄のノンストップホラー!
ある理由で家を出た小説家が、葉山の古民家に一時避難。生活を満喫するも、そこで出会ったのは(「海の家」)。早期退職の勧告に応じず、追い出し部屋に追いやられた男性が、新たに始めたこととは(「ファイトクラブ」)。人気プロ野球選手と付き合うフリー女性アナウンサー。恋愛相談に訪れた先でのアドバイスとは(「占い師」)。五歳の息子には、新型コロナウイルスが感知できる?パパがとった究極の対応策とは(「コロナと潜水服」)。ずっと欲しかった古いイタリア車を手に入れ乗り出すと、不思議なことが次々に起こって(「パンダに乗って」)。コロナ禍の世界に贈る愛と奇想の奥田マジック。紙の本にだけ、作中の登場曲が楽しめるSpotifyのプレイリスト付き!!
サタン橋爪率いる「悪魔党」。奇抜なメイクと高飛車な言動で耳目を集めるイロモノ候補かと思いきや、意外と真っ当な政権公約に次第に人気を集め、見事4人が比例区当選を果たす。やがて世界中に「悪魔運動」を起こすほどの影響力を持つようになるのだがー(表題作)。幽霊歴75年、心霊写真に長年写り込んできた柳田勇だが、昨今の画像編集技術の向上で心霊写真の信ぴょう性が薄れてしまい、怖がらなくなった現代人を再び恐怖させる方法を模索している。新たな仲間の幽霊を募り、ユーチューブやニュース映像に映り込もうと画策するがー(「心霊昨今」)。元お笑い芸人の著者ならではの特盛ネタ!次々繰り出すあの手この手の短編&ショートショート全12編。
突然やって来たセールスマン。ぬりかべ派遣サービスって一体!?(「壁とともに」)。なぜかひとつ多い既読数。まるでストーカーのような妖怪とは?(「いた」)。先輩と訪れた料理店。ピンク色した謎の肉料理にハマった男性は…(「N肉」)。雪女が営む美容クリニック。SNS炎上を解決する意外な正体…!?河童や座敷童子、かまいたちなど、おなじみ妖怪たちが現代社会を舞台に大活躍!!ブラック&ユーモアがたっぷり詰まった全12編!スキマ時間にピッタリなショートショート集。
自分で自分を傷つけ、憐れみ、そんな自分に依存する…。生きづらさのループから抜け出すためたどり着いた心のありかたとは。繊細な心を描き、各国で話題のエッセイ、その後の話。
嫁ぎ先の義母が認知症に…。壮絶な介護生活の中、否が応でも自らの人間性と向き合い、苦しみ、後悔しながらもそれらを乗り越えたとき、見えてきた世界があった。実体験を交え、綴った感動の物語。
長らくファスティング(1日1食)を実践している二人が語る、栄養学の常識を破る食生活。そこから広がるアートや芸能の逸話。その根幹となったのは、インドヨーガの理念であった。