2020年3月発売
『魔女の宅急便』は、なぜこれほど愛されるのか?『ルドルフとイッパイアッテナ』の著者が、作家の視点でその秘密を解き明かす!角野栄子×斉藤洋豪華対談掲載。
ミリタリマニアの女子大生から乙女ゲーの悪役令嬢に転生してしまった私、アストリッド11歳。悪役令嬢として断罪されバッドエンドを迎える運命の時まであと5年。様々な武器を製造してきた私は、魔女の教えを受けてさらなる力を求める。それは神獣の使い魔。だけど、そのためには炎竜をも上回る力を持つ神獣を下して契約を結ばなければならない。まあ、私の120ミリライフル砲の敵じゃないわ。そして敵といえば、私が将来戦うことになるかもしれない帝国軍の戦力を知ることも必要だ。というわけでフリードリヒ、帝国軍の演習を見学させてよ! 超火力特化の11歳悪役令嬢が学園生活で、冒険で、バカンスで破天荒に大暴れの異世界ファンタジー第3巻!
夏休みということで隣国にあるホーネストの街を訪れていたノルは、街にかけられていた過去の英雄による呪いを退け、襲い来る魔物たちから街を守り切った。王との謁見を経て、故郷に戻ったノルは、英雄学校通いや隠しダンジョン探索を再開する。そしてノルは、ひとつの決意をした。それは、無限の迷宮で師匠オリヴィアを捕らえている死鎖呪を壊し、彼女を呪われた鎖から解放することでー。コミカライズも大好評の人気ファンタジー第五弾!
全米批評家協会賞ほか、多数受賞の最高傑作 ウェールズの建築史家アウステルリッツは、帝国主義の遺物である駅舎、裁判所、要塞、病院、監獄の建物に興味をひかれ、ヨーロッパ諸都市を巡っている。そして、彼の話の聞き手であり、本書の語り手である〈私〉にむかって、博識を開陳する。それは近代における暴力と権力の歴史とも重なり合っていく。 歴史との対峙は、まぎれもなくアウステルリッツ自身の身にも起こっていた。彼は自分でもしかとわからない理由から、どこにいても、だれといても心の安らぎを得られなかった。彼も実は、戦禍により幼くして名前と故郷と言語を喪失した存在なのだ。自らの過去を探す旅を続けるアウステルリッツ。建物や風景を目にした瞬間に、フラッシュバックのようによみがえる、封印され、忘却された記憶……それは個人と歴史の深みへと降りていく旅だった……。 多くの写真を挿み、小説とも、エッセイとも、旅行記とも、回想録ともつかない、独自の世界が創造される。全米批評家協会賞、ハイネ賞、ブレーメン文学賞など多数受賞、「二十世紀が遺した最後の偉大な作家」による最高傑作。 多和田葉子氏の解説「異言語のメランコリー」を巻末に収録。
英特殊部隊がとらえた、ハッカー“フォックス”。米国家安全保障局に侵入したのは、まだ高校生だった。ウェストンは、ある取引を大統領に持ちかける。-敵対する国のシステムに痕跡も残さず侵入し、秘密工作を行わせ、その情報はすべて提供する「トロイ作戦」。“フォックス”を使い、ウェストンの暗躍が始まる!新しい時代の国際戦争を描く、震撼の謀略サスペンス!
歴史と宗教のあしもとで。「怪力乱神を語らぬ」儒教の国にあって、怪異はなぜ、いかにして志されるようになったのか。『今昔物語集』等にも影響を与えた古代中国の「志怪」について、史書の伝統や仏教伝来との関係を軸に、社会的文脈から生成過程、文体まで、初めてトータルに捉え、中国人の精神のかたちを逆照射する。
東京にある名門美大の油画科に属する美大生たちの、奮闘と葛藤を描いた青春小説。地方出身で天才的な画風の望音、技術はあるがこれといった特徴のない詩乃、美大生としての自身に迷いをもつ太郎、前衛的で現代的な作風の和美ーー。スパルタで知られる森本ゼミに属する4人は教授の森本の徹底的なダメ出しを受け、画家としての「才能」や、自身の将来に不安を感じながらも切磋琢磨している。そんなとき、森本ゼミに伝わる過去の放火事件の噂を聞きーー。
あの“熱い季節”を駆け抜ける若者たちの焦燥、憤怒、挫折…ボクシングの世界を背景に男女の愛憎と、青春の葛藤を熱く活写。ボクシングライター45年という異色作家、渾身の私小説。3編!
大正六年、帝都では「鎌鼬事件」と呼ばれる奇妙な殺人・強盗事件が相次いだ。その真相を探るべく相談を受けた〓閃は、手がかりを掴むために向かった上野の貧民街で一人の老婆に遭遇し…。浅草・銀座・上野などを舞台に奔走する、相談士たちの人情活劇。
「あんたはもういらなーい」と勇者パーティーを追い出されたノンは、呪文を唱えず傷を治す特殊スキル『高速の癒やし手』を使い、片田舎で治療院を始めることに。村人を助け感謝されながら、悠々自適のスローライフを満喫するぞ!と意気込むも、謎の少女の登場で、新生活は意外な展開へ…。ノンのささやかな夢の行方は?若き院長の田舎開業奮闘記!第4回カクヨムWeb小説コンテスト異世界ファンタジー部門“特別賞”受賞作。
世界を渡り世界を見よう。生きるものを見、彼らを識ろう。 悠久の時を生きる男、記憶探しの旅に出る。 永き封印より偶然目覚めた吸血鬼の始祖アルクラド。 記憶をなくしていた彼は、自分と世界を知るため旅に出ることに。 駆け出し冒険者のライカ&ロザリーと出会い、依頼をこなしていくのだが…1度の依頼で昇級し、数ランク上の魔物を軽々倒したり、町の屋台を食べ尽くしたり、自由気ままな冒険を満喫していく! 無敵な吸血鬼の放浪記、ここに開幕!
迷宮都市エレムを抜け出したルークは南の山脈の先にあるアルムスト王国を目指すことに。そして港町ルダを経て山脈越えに挑んだ彼は、山頂で『エラルディンの扉』なる黒く汚れた岩を発見する。しかたなく《浄化》をかけたルークだったが目前に出現したのは未知への階段だった!? 回復能力に特化しないヒーラーの異世界のんびり旅、クラン編開幕!
不慮の死を遂げた山本和也は神を名乗る男によって転生し、第二の人生を送ることに。神が与えた能力は描いたものを実体化できる召喚術【万物具現化】と最高のステータスだった! 能力を極めたいと考えた和也は思う存分お絵かきをしながら各地を巡り、様々な人々の困りごとを解決、交流を深めていく。のんびりお絵かき召喚ファンタジー開幕!
勇者と魔王が転生のたびに生存と権力を賭けて争う“勇魔大戦”。4度目の大戦も勇者が魔王を倒した…のは表向きの事実。魔王討伐を果たした真の英雄は、依頼があればどんな敵でも殲滅する影の代行人トゥエイトだった。トゥエイトは語られぬ英雄として、大戦後は平穏な生活を送ることを望む。しかし、魔王を打倒しただけで世界に平和が訪れるわけではない。いまだ荒れる世界でトゥエイトは日常を守るために再び闇を狩る!
『桐島、部活やめるってよ』でのデビューから十年。森永製菓、ディオール、JT、JRA、アサヒビール、サッポロビール、資生堂、JA共済など、様々な企業からの原稿依頼があった。原稿枚数や登場人物、物語のシチュエーションなど、小説誌ではあまり例を見ないような制約、お題が与えられるなか、著者はどのように応えてきたのか!? 「キャラメルが登場する小説」「人生の相棒をテーマにする短編」「ウイスキーにまつわる小説」「20を題材にした小説」など、短編小説十四本、エッセイ六本。 普段は明かされることのない原稿依頼内容と、書き終えての自作解説も収録された一冊。十周年に合わせて依頼された新作小説も収録。 【はじめに(本文より)】 ある日、某人気ミュージシャンが、「企業や番組とのタイアップのために書き下ろした楽曲のみが収録されているアルバムを発売した」というニュースを見つけた。そのとき、私の頭の中を、大変がめつい考えがぱらぱらと過った。 自分も、企業とのタイアップや他の作品とコラボして書いた文章を根こそぎ集めれば、一冊分になるのではないか……!? それを実現するのは、デビュー十周年のタイミングしかないのではないか……!? 後ろ暗い思考を駆け抜けていったがめつい座流星群は、その後も輝きを失わず、私の頭の中でちかちか光り続けた。その結果完成したのが、この本でございます。 ただ、先述したように、作品をそのままずらりとコレクションしただけではあまりに詐欺めいているので、それぞれ、【(1)どんな発注を受けて書いた作品なのかを提示(テーマ、枚数など)】→【(2)作品】→【(3)発注にどう応えたのか、答え合わせ】という順番で掲載すれば、全体の構造として(主に私が)より楽しめるのではないか、と考えた。この一冊を読み終えたころには、皆さまにも、タイアップ作品二十本ノックをやり終えた感覚を味わっていただけることだろう。そもそも味わいたいかどうかは別にして。 (中略) ごちゃごちゃ書いたが、いろいろ書いたのにキャンペーン終了と共に葬られちゃうのはもったいない! という私のがめつさが生んだ一冊であることは間違いない。それでは、お楽しみくださいませ。 【著者略歴】 朝井リョウ(あさい・リョウ) 1989年、岐阜県生まれ。小説家。2009年、『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。13年『何者』で第148回直木賞、14年『世界地図の下書き』で第29回坪田譲治文学賞を受賞。 他の小説作品に『チア男子!!』、『星やどりの声』、『もういちど生まれる』、『少女は卒業しない』、『スペードの3』、『武道館』、『世にも奇妙な君物語』、『ままならないから私とあなた』、『何様』、『死にがいを求めて生きているの』、『どうしても生きてる』、エッセイ集に『時をかけるゆとり』、『風と共にゆとりぬ』がある。
今、結寿は岐路に立たされていた。墓参するたび、亡き夫に相談事をもちかけている。自分と幼い娘の行く末についての相談である。「いかにすべきか、どうぞ、どうぞ道をお示しください」もとより波風はしょっちゅうだった。これまでも人並みの浮き沈みは経験してきたが、夫の死という過酷な現実は結寿を苦悶の淵へ突き落とした。(「幕間」より)。麻布狸穴町に出戻った結寿。押し込み騒動や辻斬り、子攫い…界隈で起こる事件の謎と罪に苦しむ人々の心を解きほぐすうちに、結寿自身の心にも変化の時が訪れてー。
19世紀英国。作家兼医者のコナン・ドイルは〈名探偵シャーロック・ホームズ〉シリーズ第1作『緋色の研究』が思ったように売れず落ち込んでいた。そこにホームズのモデルにしたベル博士が、巷を騒がす連続殺人鬼の事件を一緒に調査しないかと誘ってきて……
ノースカロライナ州の湿地で村の青年チェイスの死体が発見された。人々は真っ先に、「湿地の少女」と呼ばれているカイアを疑う。6歳のときからたったひとりで生き延びてきたカイアは、果たして犯人なのか? 不気味な殺人事件の顚末と少女の成長が絡み合う長篇