2020年6月17日発売
「お前が欲しい。だから結婚を申しこんでいる」 「……は?」 オスカーの呪いを解いたティナーシャは自国に戻り、魔法大国・トゥルダールの女王として即位した。別々の道を歩み始めた二人の決意とはーー。そして、呪いの元凶たる『沈黙の魔女』がついに二人の前に現れる。 明かされる呪いの真実、過去へ時を巻き戻す魔法球の存在。名もなき物語に無二の思いが刻まれる第五巻。
ついに乙女ゲームの主人公が学園に入学してきた!「どこからでもかかって来なさい。運命だろうが、何だって叩き潰してやるわっ!」破滅フラグ回避は誰にも邪魔させないーそう固く決意し、婚約破棄のチャンスを虎視耽々と狙っていたものの…勘違い王子と脳内お花畑のヒロインは呆れるくらい残念!このままでは私の婚約破棄の前にヒロインが自爆しちゃう!お、お願いだから、私の足を引っ張らないで!!暴走悪役令嬢の勘違い王子粉砕ラブ(?)コメディ、第2巻!
現代日本から突如異世界に迷い込んでしまった女子大生の水瀬雫。剣と魔法が常識の世界の辺境に降り立ってしまい途方に暮れる彼女だったが、魔法文字を研究する風変わりな魔法士の青年・エリクと偶然出会う。 「--お願いします、私を助けてください」 「いいよ。でも代わりに一つお願いがある。 僕に、君の国の文字を教えてくれ」 日本に帰還する術を探すため、魔法大国ファルサスを目指す旅に出る二人。その旅路は、不条理で不可思議な謎に満ちていて。--そうして、運命は回りだした。 これは、言葉にまつわる物語。二人の旅立ちによって胎動をはじめたばかりの、世界の希望と変革の物語。
現役大学生、受賞! 第14回小説現代長編新人賞。 早くも応援の声、続々! 読みすすめながら、ふと、この小説はぼくが書いているのかもしれない、とおもった。 読了後、ほんとうにそうだった、とわかり、こころの底が熱くなった。 読んでいるひとと書いているひとが、ただひとつにつながれる。 読書のささやかな奇跡が、すべての読者の上に、くらげのように降りおちる。-いしいしんじ 『その日のまえに』『バッテリー』『重力ピエロ』『四畳半神話大系』『スロウハイツの神様』……学校の図書室にこもって本を読みふけり、「私は孤独だぜ」とものすごく傲慢に思っていたあの頃、ずっと彼らを待っていた。 -額賀澪 今すぐ自分の好きな本を読み返したくなるような、本への愛を感じる物語でした。本が好きな方、そしてこれから好きになる方に読んで欲しいです。 -武田綾乃 内容紹介:高校二年生の越前亨(えちぜんとおる)は、感情の起伏が少なく、何に対しても誰に対しても思い入れを持つことがあまりない。父親を病気で亡くしてからはワーカホリックな母と二人で暮らしており、父親が残した本を一冊ずつ読み進めている。亨は、売れなかった作家で、最後まで家族に迷惑をかけながら死んだ父親のある言葉に、ずっと囚われている。 図書委員になった彼は、後輩の小崎優子(こさきゆこ)と出会う。彼女は毎日、屋上でくらげ乞いをしている。雨乞いのように両手を広げて空を仰いで、「くらげよ、降ってこい!」と叫んでいるのだ。いわゆる、不思議ちゃんである。 くらげを呼ぶために奮闘する彼女を冷めた目で見、距離を取りながら亨は日常を適当にこなす。八月のある日、亨は小崎が泣いているところを見かける。そしてその日の真夜中、クラゲが降った。逸る気持ちを抑えられず、亨は小崎のもとへ向かうが、小崎は「何の意味もなかった」と答える。納得できない亨だが、いつの間にか彼は、自分が小崎に対して興味を抱いていることに気づく。
絶賛の声、続々! 「この物語の中には、紛れもない野球と人間がいる。野球と人間だけが生み出せるドラマが存在する。読み進むに従い、未知の世界が広がっていく。どこにもなかった野球小説が誕生したのだ。」 【あさのあつこ】 「2017年、大雨の甲子園で、阪神園芸の奇跡のような仕事と球史に残る試合を観た。私にとって知りたいことが全部詰まった一冊だった。若者たちの挫折と夢、反感からの友情。繊細で温かいつながりがすばらしい。」 【佐藤多佳子】 「人はみな、何かのプロなのだ。数々のプロを生んだグラウンドを育み守るのも、またプロだ。グラウンド整備は人生に驚くほど似ていて、だからきっとあの聖地はこんなにも心を熱くさせるのだ。」 【須賀しのぶ】 「学級文庫に置きたい。そして、読み終わった子どもたちと、わやわや感想を話し合いたい!」 【はやみねかおる】 「私たちの普段の仕事がリアルに描かれていて、あっという間に読み終えた。この本を読んで、スポーツを支える裏方たちの喜びを、苦労を、努力を知ってもらえたらうれしい。」 【阪神園芸株式会社 スポーツ施設本部 甲子園施設部長 金沢健児】 土と向き合う。雨を信じる。 そうして、日本最高のグラウンドが生まれる。 甲子園の神整備、「阪神園芸」が小説に! 絶望的な運動神経の持ち主・雨宮大地は、自分とは正反対の弟や頑なな父への鬱屈を抱え、甲子園のグラウンド整備を請け負う阪神園芸へと入社する。ところが、持ち前のセンスのなさから、仕事は失敗続き。広いグラウンドのなかで、たったひとりうろたえる自分は、本当に一人前のグラウンドキーパーになれるのか?同性愛者であることを周囲に隠す親友・一志や、重い病気を患いながら歌手を目指すビールの売り子・真夏、ケガでプロへの道を断念した、同僚の長谷。大地は同じく「選べなかった」運命に思い悩む仲間たちと関わり合いながら、自らの弱い心を掘り起こすように土へ向き合っていく。 タイガースファン、高校野球ファンのみならず、 すべてのスポーツファンに捧げる、唯一無二のグラウンド整備お仕事小説! 今日も彼らは、地味に地道に、あのグラウンドを守り続けている。 プロローグ はじめての春 はじめての夏 はじめての秋 はじめての冬 ふたたびの春
あきらめて生きる癖がついた。明日何が起きるか予測がつかない、それがわたしの日常だった。その頃見る夢は、いつも決まっていた。誰かに追いかけられる夢。もう終わりだ。自分の叫び声で目が覚める。私は安心が欲しいだけ。なのに夫は酔わずにいられない。父親の行動は破滅的。けれど、いつも愛していた。どうしたら、信じ合って生きていくことが出来るのだろうー。
騒乱に乗じミサイル発射を企む北の軍部に対し、米国はピンポイント爆撃へと動き出す。だが、その標的近くには、日本人拉致被害者がー。日本は、この事態に対峙できるのか?政治家は、国民は、人質奪還の代償として生じる多大な犠牲を直視できるのか?そして、実戦投入される最強部隊の知られざる内実とは?特殊部隊・海上自衛隊特別警備隊の創設者が、政府の動きから作戦行動の詳細までを完全シミュレーションした、これぞ壮絶なリアル!
甲斐の農家から江戸の飛脚問屋の養子となった茂十郎は、十組問屋との紛争解決で名を揚げた矢先に永代橋の崩落事故で妻と跡取り息子を失う。その悲しみを糧に、三橋会所頭取となり橋の運営に要する莫大な費用を集め、衰退した菱垣廻船を立て直して流通を一新。疲弊した慣例を次々と打ち破り、江戸の繁栄に生涯を捧げた改革者に迫る傑作歴史小説。
時を超えて重なり合うどの旅のどこにも、永遠の漂泊者「狩人グラフス」が影を落とす。カフカと同じ旅をした語り手の“私”は、死と暴力の予感におののいて、ヴェローナから逃げ帰る…。さまざまなものや人が響き合い、時間と場所を越えて行き来する。
三年間引きこもっていた鈴木家の長男・浩一がある日突然この世を去った。母の悠子はショックのあまり意識を失ってしまう。浩一の四十九日の当日に意識を取り戻すが、悠子は浩一の死の記憶を失っていた。「浩一は?」と尋ねる悠子に、浩一の妹である富美は「お兄ちゃんはアルゼンチンにいる」と咄嗟に嘘をつく。母のために家族総出で「浩一の死」を偽る日々が始まった…。死と向き合い、生きることを模索する家族の姿を描いた物語。