小説むすび | 2020年9月16日発売

2020年9月16日発売

無駄花無駄花

著者

中真大

出版社

講談社

発売日

2020年9月16日 発売

なんの捻りもないコメントだけれど、捻る間も惜しんで勧めたい。 とにかく読んでください。自分が書いたことにしたいくらい大好きな作品。 ーー尾崎世界観 (クリープハイプ) 29歳、戦慄のデビュー。第14回小説現代長編新人賞 奨励賞受賞作。 関西弁で押し進めるテンポが軽やかで、少年期を関西圏で過ごした私には妙に納得が行くリズムと“間”があって、この作者の声が聞こえて来る気がした。少年期の多感な情熱と、不安、悩みもよくうかがえた。これは文章における才能である。 ーー伊集院静 一番に推した。(略)全体として密度が高く、エモーションや怒りのようなものが持続し、台詞も臨場感のあるものだった。また、永山則夫と比較される覚悟を感じ、その点に特に好感を抱いた。 ーー宮内悠介 【内容紹介】  ある日、死刑囚・中村は、出版社の社員から、これまでの半生について手記を書くよう手紙で促される。そこで中村は自身の半生と、因縁の男・島田との関係を綴り始めることになった。困窮した家庭に育った中村と、地元でも有数の実業家一族の島田の二人は、一度は中学で同じ不良グループに属していたが、島田の度重なる裏切りに業を煮やした中村が殴り合いの喧嘩の末、島田と縁を切ることに。  その後、上京して会社員となり、結婚して幸福な生活を送っていた中村は、父の重篤の報を受け、看病のため久しぶりに帰郷する。そこに一族の経営会社を引き継いだ島田が現れ、二人は十数年越しに再会を果たす。直後に襲った株価暴落もあり、過去の蟠りを払拭して彼の会社に入社することを決意した中村だったが、そこにはなんと犯罪や不貞が横行する世界が待ち受けていたのだった。島田に妻を寝取られ、またしても裏切りにあった中村は、遂に怒りを爆発させ、凶行へとひた走るーー。

私は女になりたい私は女になりたい

著者

窪美澄

出版社

講談社

発売日

2020年9月16日 発売

これは私の最後の恋、なのだろうか。 妻でもなく、母でもなく、娘でもなく、ひとりの女になりたい。 恋愛小説の名手があなたを揺さぶる。 赤澤奈美は47歳、美容皮膚科医。カメラマンだった夫とは別れ、シングルマザーとしてひとり息子を育て、老いた母の面倒を見ながら仕事一筋に生きてきた。ふとしたことから、元患者で14歳年下の業平公平と、事故に逢うように恋に落ちてしまう。心を閉ざすように生きてきた奈美の、モノクロームだった世界が、色と音を持ち始めた。 もう一度、軽やかな私へ 美しい人生讃歌小説 ”本読みのプロ”たちから、続々と応援コメントが到着! タイトルのストレートさにざわついた。主人公の年齢も窪さんと重なっており、否が応にも自身の恋愛観や体験、女としての感情が色濃く反映されている。ぜひ、体性感覚で堪能していただければと思うーー唯川 恵(作家) 生傷から血が滴るような序章にぐっと気持ちを掴まれた。恋とは時に凶器にもなり得ることを改めて突き付けられたーー山本文緒(作家) 渡辺淳一の『失楽園』と好対照を成す作品。人生の秋を迎えた女性を主人公にして、女性の性を通した命の在り処に切り込んだのだーー内藤麻里子(書評家) 一人の女として、いくつになっても誰かを恋する自由を、そのことがごく当たり前のこととして認められる自由を、心を縛られない自由を欲しいのだーー吉田伸子(書評家) 一人の女性の鮮烈な生き様を描いた作品。ままならぬ空気の中で運命に翻弄されながらも強かに生きる女性の姿は著者の生き方そのものだーー内田剛(書評家) 大人になってこそ恋が必要なのかもしれない。年齢でもなく、世間でもなく、自分への諦めでもなく。だれかに恋をすることが、世界をちがったものにしてくれるーー三宅香帆(書評家) 担当者より  大きな翼を持つ人生讃歌小説 かつて小説雑誌がたくさん読まれていたとき、「中間小説」と呼ばれるジャンルがありました。もともとは、純文学と大衆小説の中間の作品、と言った意味合いで、人生そのものを活写した大人の読み物がそれに当たると言われています。 窪美澄さんは、中間小説の当代一の書き手だなあとこの作品を読んで改めて感じました。人生には素晴らしいこともたくさん起こりますが、理不尽なこともたくさん転がっています。現実の憂さを、痛快なエンターテイメント小説で晴らすことも素敵ですが、窪作品のように理不尽を直視しつつ読者に寄り添ってくれる小説が、もっともっと読まれて欲しいと思います。 本作品の中心テーマは「アラフィフ女性の恋」ですが、それにとどまらない大きな翼を持っています。ぜひご一読ください。

ちえもんちえもん

出版社

小学館

発売日

2020年9月16日 発売

歴史小説の新鋭、驚くべき書き下ろし大作! 歴史小説の新鋭が書き下ろした、驚くべき大作! 寛政十年(1798)十月、長崎湾の沖合で巨大オランダ船が座礁した。 船は底部を大きく損壊して浸水。浜近くへ曳航したが再び座礁、沈船となった。 オランダ商館は長崎奉行所に積み荷の陸揚げを要請。 奉行所は町方村方にまで浮かし方の工夫を募った。 そこへ名乗りを上げたのは、周防の廻船商・村井屋喜右衛門だった。 だが奉行所と長崎代官は喜右衛門の工夫を盗み、長崎の町衆に引き揚げを命じた。 はたして沈船の引き揚げは成功したのか? 「この小説家は初めて過去の歴史的な素材を描くに当たって、あえて無名の、しかも地方の庶民を選択した。‥‥むろん負荷も、また力負けする危険も高い。」 飯嶋和一にハズレなし! と賞される歴史作家・飯嶋和一氏は、本書に特別に寄せた推薦文でこう語った。そして続ける。 「中心人物はいずれも海村の次三男である。家を継ぐ長男以外は『余計者』であり、穀潰しでしかない。‥‥既存の頑迷な社会システムに屈従して生きるのか。あるいはそれをくつがえすのか。‥‥くつがえそうとすれば、かなりの圧力が社会から加えられることになる。が、必要なのは勇気と知力だとこの小説家は語る。はかなく脆い夢や希望ではない、と。」 現実に起こった事件をドラマチックに描いた、傑作歴史小説。

働く女子に明日は来る!働く女子に明日は来る!

出版社

小学館

発売日

2020年9月16日 発売

働く女子に元気チャージ!前向きお仕事小説 時崎七菜(31歳)はテレビドラマ制作会社のアシスタントプロデューサー(AP)。尊敬するプロデューサー(P)の上司・頼子をお手本に、連続TVドラマ『半熟たまご』の現場で日々格闘中。クセの強い面々との仕事には、毎日トラブルが頻発状態。元来マジメで不器用な七菜は、つまずきながら、もがきながら、美味しいロケ飯を心の支えに一つ一つ乗り越えていく。そんなある日、先輩の頼子からPを引き継ぐことに。次々と襲いかかるピンチ。そして、ついには前代未聞の大ピンチに!果たして、七菜はどうする? 働き方改革、パワハラ、モラハラ・・・・・・イマドキのお仕事問題をはらみつつもハートフル。 働く女子の背中を包み込み、、優しく押す、前向きお仕事小説です。 【編集担当からのおすすめ情報】 働くことは、生きること。ついこの前の時代までは圧倒的男性社会だった業界でも、女子が働くことが当たり前となった現代。そんななかで頑張る「働く女子」が主人公です。 日頃、私が出会う多くの仕事女子の多くは、マジメで真摯で一生懸命。そんな働く女子を応援するような前向きなお仕事小説を是非読みたい、とお願いしました。描くのは、生き生きとした人物描写とリアルなストーリー運びで人気の中澤日菜子さん。テレビ業界をみっちり取材して、とてもパワフルで愛おしい、お仕事小説が誕生しました。 楽しく読めて元気100倍!また、各章のタイトルも美味しい食べ物になっているように「美味しいもの食べて、元気だそう!」というメッセージも込めています。読めば爽快!明日への元気が湧いてくる一冊です。 目次 #1 とろ〜り牡蠣のチャウダー 4 #2 しゃっきりクミン入り生姜湯 45 #3 あつあつチリビーンズスープ 79 #4 残りもの洋風鍋焼きスパゲティ 127 #5 うまみたっぷりせんべい汁 175 #6 ぶきっちょはちみつレモン 218 #7 あったかレトルトカレーのスープ 265 #8 ドキドキ豆腐とわかめの味噌汁 302

アンソロジーしずおか 戦国の城アンソロジーしずおか 戦国の城

戦国時代、静岡の地は遠江・駿河・伊豆の三国に分かれ、名だたる武将たちがしのぎを削っていた。要衝には、敵の侵攻に備えて山城、平城、海城などが数多く築かれ、遺構は今もひっそりと各所に名残をとどめている。歴史小説界に新風を吹き込もうと創設された「操觚(そうこ)の会」のメンバー10人が今回、その県内の城にスポットを当てた。いずれも徳川、今川、北条、武田の軍勢が武門の意地と誇りを懸けて激突した舞台。各作家が1つずつ選んで、ユニークな人間模様を紡ぎ出したーー。全編書き下ろしの異色アンソロジー。 ・地図 ・年表 ・「時満つる城ー堀川城語り」(堀川城)芦辺拓 ・「梅花の鏡」(諏訪原城)永井紗耶子 ・「意地は曲がらず」(韮山城)谷津矢車 ・「紅椿」(曳馬城)坂井希久子 ・「残照」(蒲原城)蒲原二郎 ・「風啼きの海」(下田城)彩戸ゆめ ・「最後の城」(掛川城)杉山大二郎 ・「井川の血」(今川館)鈴木英治 ・「返り咲きの城」(山中城)早見俊 ・「老将」(高天神城)秋山香乃  ・あとがき

このエントリーをはてなブックマークに追加
TOP